Diaries '99 March

   
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3月4日(木)

通常2〜3ヶ月前に上がって、プロモーションに使われるsample CDがまだ上がらないのでマスターをMDに落としたやつを元にCD-Rに焼きつけて使えないかと考える。しかし、そのCD-Rだけどライブハウス Garage でその仕事もしてるので問い合わせてみる。すると基本料金4000円で、あと一枚につき1000円(60分/1枚)という。この金のない僕にそんな大金は無理であり、さりとてあちらも商売、こりゃあ仕方なきコト。

いろいろ思案のあげく、ふと頭によぎる高橋弘之さんの顔。この人は自然農法の大家(著書も数著)の福岡正信という人の写真をずっと撮っていて、プレイボーイ誌なんかで活躍中のカメラマンでありながら、夜は高円寺のfunky flamesというクラブもやっているという。2つの顔をもつfunkyな人で天然ビートをよく見に来てくれていた(アルバムジャケット撮影をした松原さんも、吉田拓郎や森高、佐野元春 etc のミュージシャンを多く撮りながら、片方では震災の際、防火マニュアル組織作りなどのインディー本を作って配布したり、街を活性化させるために奔走するという2つの顔を持っていた。カメラマンは熱いのだ)。

以前、電話で話したときに、CD-Rを持っているような話をしてたのを思い出し、携帯に電話する。二つ返事で OK。協力できることはする、と言ってくれる。いやぁ、ありがたきかな。僕の中ではFUNKY高橋氏の顔は、もうすっかり天使になってしまっていた。

高円寺の PAL 商店街から右へ入ると SEIYU、その向かい側というか通り挟んで横のビル2Fにそのクラブはある。夜、21時オープンで盛り上がるのは深夜ということで、21:30 PMだとまだゆっくり話せる感じだった。迷彩の上下にラスタ風のニットキャップにサングラスのラッパーのようなイデタチの高橋氏。久しぶりの対面だ。天使の後光が射す代わりに、真っ暗な部屋、ダンスミュージックが流れる中、蛍光ライトのせいで高橋氏のfunkyな白い歯は蛍光色をしていた。ヒップホッパーなスタイルでも、とても紳士的なところがあるのが高橋氏らしい。早速、生CD-R(キシフォートで10枚1980円)を20枚預かってもらう。
DJのカズという人を紹介される。彼はテンポのいいfunkyなナンバーをそのDJテクニックで暗い店内に響かせている。カウンター内の骸骨のオブジェはそれを黙って聴いている。

しかし妙に懐かしい気がした。その昔、僕が高校生で深夜遊び回っていた頃行っていたRock_barなんかの感じを思い出した。hip_hop とサイケデリックという違いはあるけれど、この感じは久しぶりだった。この数年、夜はいつも自分家で曲作ったり詞書いたりレコード聴いたりで外出しないしね。まあとにかく、これで一つ問題はクリアできそうだ。よかったよかった。ありがとう高橋さん。Yeah !! Mr.Funky_Flame !!

P.S
実はこの夜、僕が着ていたシャツは、シモキタの古着屋で買ったものだったのだけど、これがホコリのつきやすい布地なのか、洗っても洗っても、いや、洗えば洗うほどホコリくっつけてしまうやつで、シャツのホコリ(ゴミ)はもう気にしないことに決めてそのまま着ていた。が、しかしその暗い店内に白いものがあればすかさずそれを蛍光色に光らせてしまうという高性能なライトは、やはりすかさず僕のシャツをマーク!僕のシャツについたたくさんの白いホコリはすべてがすべて蛍光色の不気味な輝きを放ち、僕のシャツは何とも奇怪な模様入りシャツとなり果てていたのだった。しばらくそれに気がつかず店内をうろうろしていた僕は幾分間抜け或いはただのダサイ奴だったに違いない。ま、いいやね。


3月9日(火)

六本木 WAVE へ。カメラマン高橋氏に作ってもらった自主制作 sample_CDとチラシを届ける。ここのK氏もアルバム「東京ラブソング」をプッシュしてくれるという。これヒートウエーブ /コロムビアから出るんだけど、僕のこと知らないコロムビアのプロモーターにナラカズヲを説明してくれたのだという。視聴機にも入れてくれるらしい。うれしいね。やはり少しでも多くの人に耳にしてほしいしね。これってあれかな?あの、よく子供が生まれたばっかりの親がやたらと皆んなにお披露目したがるあれ。あれみたいなもんかもね。
いや実はね、以前、路上ライブをやってた頃よく足を運んでくれていた人が WAVE にいて、今も応援してくれてるんだよね。その彼は今、テクノの担当をしているんだけど、今回のCD も気にいってくれたらしいんで、それも嬉しかったことだね。

今度は地下鉄で池袋へ。VirginのM サンもやはり、ナラが路上で歌ってる頃よく足を運んでくれていた。そうとは思いもせず Virgin へ行ったらそれが判明して今回も応援するって言ってくれて、力強いってことよ。「1列作って、視聴機にも入れます」っていってくれてる。当時は18、19ぐらいでハツラツとした女の子ってカンジだったMさんも今じゃ偉くなって、仕事のできるカッコイイ女風。月日は流れるのだねえ。
五番街のI氏も好感触。「テープ良かったです。視聴機入れます。」って言ってくれた。嬉しいね。

池袋、、、10年位前よくここいらで遊んでた。ずいぶん変わったけど人情の残る街よのう、、なんて地元でもないのにふと感慨にふける。、、、のわりに道に迷ってみたり、とあるライブハウスではチラシ置くの断られたりって感慨に更ける間もなく一気に寒風にさらされた。いやホントこの日寒かったのよ。ライブハウス・Adm に着いた。入口がピンサロと同じ。呼び込みの兄ちゃん姉ちゃんをシカトして階段を降りていく。でもなんかその兄ちゃん姉ちゃん、「あっ、お客かっ、、、」って声を出さないまでもニコニコして、どうぞヨウコソって仕草で迎えてくれるもんだから、又不自然にシカトしたりしてそれが又一段と怪しさをかもしだしてしまったんではないかと思いながらも「いやね、僕はね、この入口は一緒だけどお、この同じビルの中のライブハウスに用があるのさ」って顔と態度をこしらえた気分で一段一段降りながら、今度はピンサロの姉さんと階段ですれ違い、お辞儀されるもんで「いや、だから、あの、、じゃなくって。あの僕はこっちの、、、」って態度を強化してライブハウスに潜りこんだよ、へっ。ここの人と少し話す。いなかったけど昔の知ってる人がやってるってことなもんで。

江古田へ。何軒かあるライブハウスにチラシを置いてもらって、そんでブルースマーケットという雑誌に載っていた江古田倶楽部なるブルース・バーを探していると、怪しげな看板のない店を発見。会員制と黒いドアに書いていて、ごつい動物の骨がぶら下がっている。


3月17日(水

この日、ラジオ日本の「歌のショールーム」という番組へ招いていただく。DJは村他(むらほか)恭子さんという女姓。村他さんが「真っ赤なゼリー」を気に入ってるということで、まず1曲目にこれをオンエアー。路上時代のこと、バンド時代のこと、そしてアルバムのことと聞いてる人たちへのメッセージとトークは流れハイテンションの村他さんのトークのリズムであっという間に、10分がたちラスト、「東京ラブソング」(バンドバージョン)で閉めた。この日が今回のCD に関する初の番組収録だった。まだ不慣れだったがちょっと頑張ってみた。ラジオ日本、村他さん、コロムビアに感謝したい。ちなみに、ジャケットの東京タワーはラジオ日本と目と鼻の先だった。


3月19日(金)

下北沢LOFTにて、8年前のCD「歌がすき / 奈良和雄」のライナーを書いてくれた鳥井賀句氏に招かれてライブ。彼もバンドで歌う企画。始まる前、訪ねてくれた人がいた。1988年、路上ライブを初めて間もないころノートに17番目に名前を書いていってくれた人だった(当時、路上で歌いながら傍らにスケッチブックを置いて歌を気に入ってくれた人には名前と住所を書いてもらっていた)。この頃はこういった人たちにはげまされた。

チーマーなんて言いかたもまだなく、それふうな奴もいたにはいたが乱暴な言いかたしつつも、ガンバレヨって言ってくような感じだったと記憶している。とにかくその彼は当時デザイナーになりたてで勉強の身だったが、今はデザイン事務所の社長だという。スーツにネクタイバッチリ決めて長髪を後ろで束ねて顎髭はやして、なんかすっかりそんな感じ。出世やねえ。当時の話しを少し、懐かしんだりしつつ、、、。

ライブはトム・ウエイツ的ブルースバンド「カゲロウ」〜ギターがいい〜のあと、僕。しかしなんか1曲目ミスで曲かえて、やり直し。でもこっからはいい感じでやれた。この日雨足強く客足に響いたのかお客さん多くはないものの温かい拍手に後押しされて歌いきる。賀句さんはルー・リードのカバー(日本語詞)やオリジナルを歌った。以前よりポジテイブな印象を与えるオリジナルがよかった。賀句さんを見にきてた人の中には、その顔の広さから有名なミュージシャンも来ていたようだった。

僕はこの日又しても久し振りの再会があった。春日君(ex POGO / 現ラフイン・ノーズ)だった。以前、屋根裏でセッションしたんだけど、そのリハを池袋西口公園でやってたら雨がふってきて雨宿りしたりって、そんなことを思い出した。ステージではぶっきらぼうで恐そうな彼だが実はとってもナイスガイなのである。梅ヶ丘のラーメン屋、ジョン・スペンサー、共通の知人の、、まあ、世間話に花も咲き、カメラの村田も交えて盛り上がった。


3月24日(水)

リハから調子いいね。こりゃいいライブになるだろう。でもあんまりリハではトバシ過ぎないようにすんのさ。あんまりやると、もう終わった感じになったりするからなあ。

本番まで、ちと時間あるのでロジャースへ今日のライブを録音するテープを買い物に行くことにする。途中、山野楽器があったのでcheck!!ちゃんとCD「東京ラブソング」置いてある、中島みゆきの隣りに。気をよくして高いけどここでテープを買って、今日の会場「Star Pine's Cafe」にもどった。あ、そう今日はCD「東京ラブソング」発売記念ライブなのだ。ここはとっても雰囲気のいい店で気にいっている。この感じのハコはなかなかないよ。オープン前の店内をブラブラしてると、今日飛び入り参加(コーラス)してくれる豆子ちゃんとバンド「太陽の塔」の石塚君と井垣君が到着。かるく打ち合わせして本番を待つ。
 

6時半開場、懐かしい顔もあり。7時、1つ目のバンドの演奏が始まる。身体ほぐしつつ心ほぐしつつ本番にそなえる。時々外の吸いに行ったり、、。2番目のるうさんのピアノの弾き語りが始まったので、本格的に気を集中する。まわりのものと1つになるように持ってゆく。

るうさんはピアノやエレキギター(リッケン使用)の弾き語りで、少しオルタナ薫るオリジナルを歌う女性。誰かがケイトブッシュみたいって言ってたが、それはわからないけど何か漂うものは共通すんのかな。どのみちいい感じなのは確か。

ラストの曲が心地良い響きで幕を閉じ、いよいよ僕ら「ナラカズヲ with B.E.E」の番だ。エレキギター/玉川裕高(コモンビル)、ベース/奈良明雄、Key_b/アコーデイオン/斉藤哲也、ジンベ/荷野、ドラム/山際秀人のメンバー。サム・クックの「チェンジズ ゴナ カム」の曲で、全員ステージへ登場。来てくれたみんなと乾杯をステージ上より。そして1曲目「日曜日」から。「風が吹くのを感じて」MCはさんで「夕方少年海の公園」すぐに「僕らの日々」続けて「真っ赤なゼリー」どんどん盛り上がる。身体が頭脳より先になる。脳みそストップ!でもどこかにクールな自分もいる。なぜか顔が笑う。いい感じ。「虫のうた」途中レコーデイングと同じくラララ・コーラス隊参加、豆子ちゃん。そして太陽の塔の2人は頭に指で触角をつくり出てくる。ラララのとこで歌ってくれた人もいた。コーラス隊、盛り上げてくれた。

ラストは「東京ラブソング」。長めのエンデイングで閉めた。今日の出演じゃない笹山てるおもステージにいる。盛り上がった。終演後みんなにありがとうを伝えた。打ち上げ。ロック・ライターの鳥井賀句氏に好評 !! CD とともによかったといってくれた。

賀句さんは元来、音・歌詞にうるさい rock ライターで辛口人間だったりするが、こんなによく言ってもらったら嬉しいやね。アルバムもライブをも得意の観察眼(耳?)でいろんなことを言っていた。しかしその場にいたアルバムにも参加してくれている笹山てるお(ex 絶対零度、WEED)が鳥井賀句の昔の評判、印象は最悪だと絡み酒。賀句氏もかつての自分はジャンキーでしょうがなかったかもしれないと大人。先日の賀句氏の歌にも表れてたが、ポジテイブだなあ。

それにしても驚いたのは斉藤哲也豹変だ。打ち上げ後半から「酔ったよ〜」ってキレかけてたが、もう帰ろうってときに玉川君に絡みまくり。シラフの僕には奇妙。もう遅いし話しを終わらせようとすると「なんかまとめて早く帰ろうとしてんなああ!でもそうはいかねえ」っていつものおとなしい紳士な斉藤哲也じゃあなくなってる。何か憑依したに違いない。あの福間未紗の横でアコーデイオンの美しき調べを奏でるあの男じゃあない。玉川君に「君のギターは変態だよ!ヘ・ン・タ・イ!マークリッッボーだあ!」。
全部いちいちここに書かないけど、誉め言葉と暴言のミクスチャーをマシンガンでダダダダダダ!って玉川君の胸から血が流れてないか心配少々。玉川君もかなりイカレテたので「福間未紗」「たま」のライブにグレッチとマーシャルで、乱入してやる!って息巻き、斉藤も「君のライブに行くよ。楽器なんか持っていかねえ。説教だ!説教しに行くんだよ!」と周りはその応酬を聞き笑う笑う。
この会話 Star Pine's Cafe の前の路上でやってたもんだから、店のスタッフから苦情きた程。メーワクだよねえ。でも斉藤対玉川、また見てみたい気もする。そういえば現_Yong Skins の Key_B の斉藤えんじんも酒ぐせ悪かったなあ。Key_Bと斉藤ってとこで共通点あり!恐ろしや、、。やあ、でもねライブは楽しくていいライブだったよ。


3月26日(金)

Kinksの昔のやつをよく聴いている。「サムシングエルス」「ビレッジグリーン・ソサエテイ」あたりだ。そんなに好きでもなかったのに、この間、音楽ライター/訳詞業を営んでいる中山義雄さんと会ってCDの感想なんか聞いてたとき、僕がBECKのミューテーションズってアルバムがえらく気にいったなんて言ってたら、BECKはKinksっぽいって話しになって、そっかなあって思って家に帰って、でNHK-FMのピーター・バラカン氏の番組聞いてたらちょうど、Kinksがかかって、いいなあってんで昔のテープ出したりして聴いたら見事に大ハマリ。中山さんが半ば強引に、僕に購入させたインクレデイブル・ストリング・バンドもよかったし。世界にはいろんなおもしろい音があるねえ。とにかく今僕の部屋ではKinksブーム到来。あとベル&セバスチャン、ジョン・セバスチャンも。やはり前は良さがわかんなかったブライアン・ウイルソン、ビーチ・ボーイズもブーム。前は好きじゃなかったものを好きになれると少し嬉しい。

あっ中山さんはねえ、僕が10年位前よく行っていた、渋谷にあった民族音楽の在庫が多いレコード店「芽瑠璃堂」の店長だった。そこで僕はサリフ・ケイタ、コルテイーホ、トーマス・マプフーモ、ブレイブ・コンボなんかの今も僕の中で大切なレコードと出会うことが出来たんだ。今はそうゆうレコード屋って無いなあ。知らないだけかなあ。あっ、ツイ・ジェン(中国ロックの人)もいいよね。