Diaries 2000 May

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5月1日(月)

今日からレコーディングだ。ここんとこ随分、歌詞や曲構成を直したりで忙しかった。 ディレクターIはこれまた歌詞にうるさいし、歌詞の言葉が多いものには、「あそこに間奏を入れましょう」とか、なんでも無遠慮に言う。しかしまあ互いにいいものを作るってことで妥協なしに楽曲を磨き上げるところから〜っていう始めの話し合いがあったから、それはOK。オレには大変だったがやりがいがあった。まずは1曲1曲を普遍的名曲に、っていう。名曲ったってまあ、感性は人によるけど。それでも、少なくとも、磨き上げてるとき内側でまだまだって声があるときは、 ただひたすらに集中しながら氣を集める。

そうしてる間に朝になってる。 そうゆう日々を抜けて、ようやくレコーディングが始まる。ライブの翌日で(煙もモクモクだったし)喉の調子はよくなかったが、この日は仮歌。ま、いいさ。

広尾にあるGRASS FRUITSのスタジオへ13:00。ちょっと遅れたが。 ベースのマキタさんはもう着いている。マカナエがまだ。今日はまず、ドラムとベースを録る。ディレクターIはもう何やらアイディアでも探してるような、、。

結局14:00、マカナエ遅れて到着、が事件発生。電話であれほど言ってたのにドラムセットを持ってきてない。それがなきゃ何も始まらない。電話で話したときはどうも酒に酔ってたようだ。
作戦会議、とにかく、遠いけどもう一度家へ戻ってもらいドラムセットを持ってきてもらうことに。 その間、ボクは仮歌と仮ギターをクリックに合わせて録音した。その間マキタさんは符面とベースラインのチェック。終わりかけた頃にようやくまたマカナエ登場。セッティング。

「おつかれ〜」って言うオレ。ナラの今日のやることはもうないので、近くへ自分の飲み物を買うついでにみんなのも、、って、注文をあずかる。しかし、マクドナルドって行くことないので、まずその安さと品物の名前に驚いたり新鮮だったり。昔はボクも食べたことあったけど、そんときはたしかもっと高かったような。まあとにかく、ボクはコンビニで水とナッツ、みんなにはマックのナントカセット。

スタジオではいいペースでリズムトラックの録音が進み、しかしそれでも結局始まりが遅れたのもあって夜遅くなりそう。協議して、明日もう一度来て2曲ぐらいやるんなら今日遅くなってもやってしまおうってことに。
んで、帰りは深夜2:30になるがまあ大丈夫。

この日最終的に選んだ6曲のうちドラム・ベースが入る5曲すべてのリズム録り完了。
「夜を越えて」はドラムツインでLRに。
「歩く男、朝陽を目指す。」はドラムとさらにマーチングスネア。
「僕らのしるし」「名曲1」はループにドラム絡める。「君の声がききたい」もなんとか。
ベースはさすがにキャリアで安定した演奏だった。 なんだかんだでみんな楽しんだようでよかった。

家路。睡眠時間が、、、。


5月2日(火)

昨日でリズム録りを終えたので今日はアコギと歌。今日は少しは声の調子がいつものカンジに戻っててよかった。大丈夫なんとか。
アコギの弦は少し古いぐらいが好きなのだが、ほかの楽器といい具合に混ざるようにするために換えるのがベストだと説得および説教され、そうすることに。

まずはアコギ録り。ギブソンで「僕らのしるし」。ダルなかんじでとの注文。ループを聴きながらも無視するかんじ。ループは鳴ってるがそれに合わせないで弾くってのはこれ、どんなカンジって説明すればいいか。 ま、とにかくダルなカンジってやつ。

そんで「名曲1」「夜を越えて」「君の声がききたい」はマーチンD28で録音。 突如歌いたくなり「名曲1」を。ラップ&うた。
続いて、、っていうか歌った順序はどうだったけか、、。 とにかく「君の声がききたい」「僕らのしるし」も歌った。


5月3日(水)

いいペースで進むレコーディング。この日は「歩く男、朝陽を目指す。」のアコギとハナロー(天然ビートんときよく使ってたバンジョー三線風ギター)を録音。そんで「虫眼鏡」のアコギ。んで、時間もらって事務所にて「夜を越えて」のAメロんとこの歌詞を考え直す。ちょっと廻りくどい言い回しだったのをストレートにしたり、、。

んで再びスタジオへ。 「夜を越えて」の歌入れ。はじけて歌う。コーラスパートも。 で、OKでて、次。「歩く男〜」歌。これは抑えきかしたかんじで。これ自分でもいいかんじ。 で、最後。声疲れてきてはいたが「虫眼鏡」囁きのような語りのようなでもブルースのような歌。これもイイカンジで、もう一度歌おうかと思って言うとディレクターが今のはいい出来だから大丈夫と説得される。 聴き直すとたしかによかった。また歌い直しても、また違うよさってのも録れるだろうがこの今のテイクの新鮮さがいいだろうって気になる。

で、この日も終了。家へ。毎日家へ着くのは当然夜中。で、レトルト・ベジタリアン・カレーな日々だったが、この日は炒めもの。


5月4日(木)

13:00、スタジオへ、、ちょっと遅れて到着。なんかいつも、どうしても遅れてしまうボク。 けっこうガンバったりしてんだけど。
ベースのマキタさん前に言ってた。「どうしても遅れるやつってどんな時でも同じ位遅れる。近い遠いじゃあない。早いやつは早く着くしジャストはやはりいつも、、。」って。
う〜ん、、なんでだろう。 だがひそかに{今回のレコーディングのうちに必ず早く到着するのとジャストってのをやろう}とオレ誓う。 う〜ん、おとな。あれ?ちがう?

とにかく、この日は16:00玉川裕高くんがギター録音しに来る、ので、その前に「僕らのしるし」のハープとタンバリンを録音。ゆっくりしたペースで。

そうこうしてるうちに玉川くん登場。ニカニカ満面ニヤケクソな笑みハイテンションだ。コンソールんとこで音大きめで流しながらライン録音。「ええ!?こりゃああ、、、恥ずかしい!!」なんて言いながらゲラゲラ笑う。ってゆうか、「クックックカッカッカカア!!!」って笑い。目が泳いで危なげ。このひとシラフでかつ別に薬物やる人間じゃあないのにこれ。

スタンバる。練習する時間がまるでなかったからダメだったらボツってくれとしきりに言う。が、カヤが先日電話したとき密かに練習してたって情報もあり。 とにかくまあ「夜を越えて」「僕らのしるし」。 ソロパートは何度もミスったりしながらもククッカカッカッカッって笑いながらプレイしていく。いいムードだしいいノリだ。

で、「名曲1」は後半のアドリブ合戦んとこで大いに盛り上がる。「君の声がききたい」んで「歩く男〜」。「歩く〜」の間奏は9小節でコード進行もちょっと遊んで作ったんで難しい進行のようだ。でも勢いで弾き倒す玉川くん。

終了。おつかれ〜。で、ディレクターI、玉川くんに自分の制作するバンドのライブにゲストでどうかと交渉してる。ゴメス・ザ・ヒットマンってバンドなんだけど、最近いいアルバムをリリースしたPOPなグループ。 う〜ん、そりゃあ面白そうだ。

帰りは玉川くんと一緒に帰る。昔聴いてたバンドをひそかに告白大会、、。新宿で「んじゃあ、また。今日はありがとう。」
この日、家で冷凍ナンとインドカレー(豆のカレー)を食す。


5月5日(金)

この日はホーンセクションの日。SAX旧橋くん、寝ずにホーンアレンジしてたっていう。体調はイマイチらしい。Trumpetシンベくん、世田谷池尻のうちから広尾のスタジオまで自転車で登場。彼はファッションに命かけてるような人で、電車賃浮かしてチリツモで服につぎ込む。梅ヶ丘のスタジオへなんかは歩いてくるし。 寒い日でもファッション重視で薄着だった。 この日もミーシャのニューヨーク録音に行ってる誰だかにNIKEの靴を頼んでるとかで、その件で留守電にメッセージがあって、ニューヨークからのせっかくの電話に出れなくて「オレのNIKEが〜」とかって言ってた。

まあとにかく「名曲1」のホーンから。Wトラックで。 旧橋くんのフリーパートも。後半はもう、みんながメイメイにソロやっててカオスなノリでかっこいい。

んで「君の声がききたい」。「歩く男、朝陽を目指す。」これはわざと調子っぱずれのホーンをお願いするディレクターI。そして旧橋くんのフルートソロのイントロでアイリッシュな笛のイメージで曲頭を飾る。やはり間奏のコード進行は面倒そうだったがそこは旧橋くん。きめる。。ここでシンベくんは帰る。

さあ、「虫眼鏡」は後半にクラりネット。う〜ん,じつにいい。シンプルで。
と、こういったカンジでレコーディグが終了。夜おそくなる。旧橋くんもゴメス・ザ・ヒットマンのホーンゲストで誘われている。うん,いいじゃんいいじゃん。それもたのしみ。。

旧橋くんと帰りはいっしょ、。 なかなかいいかんじでレコーディングが進んでいる。


5月6日(土)

ほぼ13:00に入ったのがこの日だったかな。まあとにかく、スタジオ入りしてすぐにディレクターにエフェクター君を紹介されていじってみる。

で、「名曲1」のループトラックを2つのつまみをいじりつつエフェクトのかかり具合を手動で変化させつつ面白い効果を生み出す作戦を決行。 そんで、あとなんかちょっと話したりしてるうちに荷野登場。早速パーカション録音開始。

まずは「夜を越えて」のタンバリンから。で、「歩く男、朝陽を目指す。」のウッドブロックとギロ(ギーギこするやつ)。
あとサビ部分と後半コーラスんとこに大太鼓を3.3.7拍子で。
その後ボクと荷野とで「歩く男〜」のコーラスを若干調子外れな感じで。あと「名曲1」のタンバリン。で、この日はおしまい。


5月7日(日)

この日ボクはちゃんとジャスト、、ぐらいで来た。
コーラス入れの日。

まず陣内絵里奈さん。この人は前に荻窪ROOSTERで一緒になった歌うライター下村誠さんがプロデュースするレーベルからCDをリリースしたりしているシンガーソングライター。

その次に登場はアルバム東京ラブソングの「虫のうた」にもコーラス参加してくれたやはりシンガーソングライター藤原豆子さん。この人も自らのレーベルからCDをリリースしている。HPもあるようです。

で、遅れて登場はるうさん。”るう”さんは関西でずっと活動してきて最近東京へ活動を移しているシンガーソングライター。やっぱりCDをリリースしてて、その帯の推薦のコメントには鳥井賀句さんや少年ナイフの人や憂歌団のドラマーの名前が連ねられている。
その名を連ねてる賀句さんも「いやあナラくん、来ちゃったよう〜。なんかハープ吹く曲あったらやるよう〜。」ってるうさんと一緒に現れた。「いやあ、、ないなあ、、、ハハハ、」って笑ってオレ。

コーラス入れ開始。「夜を越えて」の{チュッチュッ}。で、「名曲1」。それぞれWトラックで。けっこう囁くボーカルスタイルの人が多い、、っていっても3人だけど。でもその時その時に適したやり方でディレクターが対処してくれてるのでオレら〜くらく。今回ほんとに任せちゃってるとこ多いって思う。
気になったことを言うぐらいであとは自分のことに集中できる。

まあ、つつがなく、コーラス録りいったん終了。陣内さんだけちょっとウイスパーなカンジのVOなので「虫眼鏡」も2コーラス目で歌ってもらった。いいねえ。で、おしまい。 みんなありがとう。おつかれ〜。。。

で、あとは荷野のジャンベ。 「僕らのしるし」。あと「名曲1」にジャンベを入れた。ここで終わりの筈だったが、どうしても「君の声がききたい」の歌が気になってて、ディレクターを説得、頼んで歌をもう一度入れさせてもらった。うんまあ、OK。
ただ思ったのは、テンポやAメロのベースラインもあってか、とにかくこれ、歌うのけっこう難しい歌だったってことが判明。自分で作っておいてって言われそうだけど。まあとにかくこの日のレコーディングおしまい。

家に到着、留守電に富樫春生さんからメッセージ。「、、留守電、長いよう〜歌うなよう、はは、、明日よろしくで〜す。んじゃあ。」、、おお、いよいよ明日は富樫さんの登場だ。YEAH!!


5月8日(月)

朝、電話が鳴る。出る。青森でいっしょにバンドやってたこともあるデンカさんだ。
「みつるが死んだ、、、。」 肝臓が悪かったっていう。 高校生だったときによく行ってたライブハウスの人。 バンドもやっててよくいっしょに喋った。
一週間前に亡くなったっていう。急だな。まだ50くらいだと思う。最近は老人ホームのようなところで働いてたって聞いてたが。 このあいだのライブやってた日に死んだのか、、。

この日、朝の電話で早く目覚めたこともあるし、ちょっと早めに行ってみようって決めてたこともあって、スタジオへ30分も前に到着。ディレクターISOと話す。
この日は富樫さんがキーボード弾いてくれる日。昨日までラルクアンシエルのリミックスの仕事やってて、今日ここに来て夕方には次の現場へまた行くという過密スケジュールの合間。
その短時間でどのくらいできるのだろうって話をしつつ、キーボードが絶対必要なものからやってもらおうって話す。

そこにSAXの旧橋くん登場。先日置いていったソプラノサックスを取りに来たのと、ボクの書いた符面だと見辛いのでと富樫さんファンとして旧橋くんが想いを込めて富樫さん用の符面を書き直して持ってきてくれたってわけで本日も登場ってわけだ。
でもきっと何よりも最大のわけは、そばで富樫さんのプレイを見たいってのがそれだろう。

そこへ富樫さんから電話。遅れて14:00くらいになりそうだという。ははは。大丈夫かなあ。16:30には次の仕事へ向かわなきゃならないらしいのに。

っていろいろ話してるうちに 富樫春生氏登場。
「やあ〜、どうも。おそくなってごめん。駐車場どこかなあ、、。」って、肩のちから抜けまくりの笑顔とたたずまい。
ハハハ、いいねえ。 駐車場を説明して待つ。

富樫さんスタジオのスピーカーの真ん中のイスへ着く。テープがまわる。旧橋くんの書き直した符面をにらむ。「夜を越えて」が始まる。さっきまでの富樫さんと顔が変わる。真剣な表情、ちょっと怖わ。
富樫さんが目で追う符割りの中のコードネームが不完全のを発見した、、、と、音を聴きながら富樫さんそれを直す。う〜ん。唸っちゃうね、。
この曲はストレート・ポップなロックソングのようでいて小節がときおり多かったり少なかったりで注意が必要だってメンバーに言われてた。まあ、ほかのもそうだけども。

なんかいろいろ符面に書き込みながら曲を2度聴き終えると「じゃあちょっとやらしてもらえますか、、。」 って富樫さん。ってわけでスタート。
ビャーンンンってロングトーンのオルガンで派手かつベーシックなごきげんなプレイ。終わり。
次。「名曲1」。 ラップの16ビート、最後はみんながソロとりまくって弾けるって曲。
これには富樫さんも大ノリ。出だしのループからもうシンセで絡んでみんな入ってからは身体よじらせてもう宇宙へ飛んだ状態。 手元のエフェクターを駆使しながらキーボードとともに宇宙のダンスしながら、、、。
すげーかっこいい。 みんなにやける。サイコー。 次。
あ、ここで富樫さんトイレへ。

戻って開始。「君の声がききたい」。聴きながら音色を選ぶ。
エレピのようなグロッケンって言うんかなあ、なんか少し不思議・意外な音がはいる。面白いフレーズがのっかる。それを聴きながらこの曲の別なアレンジも思い浮かべる。プレイ。おわり。
つぎ。 「僕らのしるし」。これにはそんなにキーボードいらないんじゃあって言いつつも後半で曲を盛り上げるPADをプレイ。う〜ん、富樫さんティック。

で、最後5曲目「虫眼鏡」エフェクトされた歌とアコギにクラリネットとウイスパーの女声。 それにまたなんとも美しくシンプルなキーボードをプレイ、、、PLAY/PRAY、、。
いやあ、終了。遅く始まって予定よりも早く速く。2時間も経ってない。もっとプレイを聴きたかったがそうもいかない。おつかれさまでしたあ。

片付けはじめる。全体的に曲を明るくなりましたねえって旧橋くん嬉しそう。 ハハ。オレもうれしか。
おまけに富樫春生bom'bocoのCDを「は〜い、おみやげ〜」ってもらっちゃったしねえ。富樫さん、いいムードを残して穏やかにしかもハヤテのように帰っていった。
ボク、前はシンセの音ってどちらかっていうと嫌いだった。でもbom'bocoみてそうじゃなくなったのだけど、今回ますますシンセが好きになった。 富樫さんもね、っていうか富樫さんをね。

旧橋くんはニコニコして帰る。んで、ディレクターISOは残りの時間でMIXをと早速とりかかる。ボクはだまって音を聴く。最初の音決めがこれまた時間かかるし神経も使うのでなるたけ黙ってた。
時々話したものの、とにかくあとは任すようにしたほうがいいって思って、、、沈黙のコンソールルーム。

オレ、飲み物購入してきたりして戻るとなかなかのカッコイイサウンドができていた、、。
とまあ、こんな調子でこの日「君の声がききたい」「夜を越えて」「歩く男、朝陽を目指す」という3曲が、形になった。よかったよかった。みんな感謝・おつかれ・リスペクトYeah!!


5月9日(火)

この日は、残りの3曲のMIX。途中キレたりキレそうになったり、なんだかワケわかんなくなりながらもまあ、なんとかMIX。
ディレクターIはなんかもうこわれてるし、機械の調子が途中ダメんなって音が歪んだりしたときは ディレクターも機械に文句タラタラ、説教。最後には嘆願、、すると少し機械がマシになったり。

途中外へ出て気分変えたり。 とにかくこの日はディレクターの疲れがピーク。その彼がMIXと全体のマトメをしていて、ずうっと仕事が続いてて参ってたようだ。それでもまあ、出来はグー。

レコーディングラストのこの日、時間13:00ジャストのスタジオ入りだったことも付け加えときます。
「僕らのしるし」「名曲1」「虫眼鏡」が上がる。
さいご、電車の時間のカンケーで先に帰らしてもらったオレって非情かな。 ダビングのCDRが上手く作動せず、自分の分だけちゃっかり手にして駅へ急ぎましたハイ。

とにかくそれでも無事終了。これが何かを生み出しますように、、、。ホントのホントに助けられていいモノが出来あがった。
みんなに感謝なのだ。

おしまい。


5月18日(火)

千葉ANGAにてライブ。荷野(ジャンベ)とマキタさん(ウッドベース)と旧橋くん(sax)とボクとで荷野カーで。ちょっと行き過ぎてしまって遅れて入った。 この日のライブもよかった。

一曲目から「僕らの日々」「君の声がききたい」「僕らのしるし」「砂漠の中のくじら」「夜を越えて」「虫のうた」「真っ赤なゼリー」ときて最後ひとりで「東京ラブソング」を。んで終演後先日レコーディングした中から「名曲1」をかけた。

3,5曲目は初めてのライブ演奏、2曲目は新しいアレンジになってからの初ライブ。 なかなか新鮮でかつ緊張感なんかがあって、おもろかった。なんたってこの編成でも初めて。でも初のワンホーンでやったのだけどそれがよくて、saxフレーズも新たになった「僕らの日々」がよかった。

そういえばリハ後にANGAの屋上で旧橋くんとふたりで合わせたときは彼のテナーの深い生音にホレボレしたよ。何しろね、手探りなカンジもあったけど面白くできたライブってとこかな。

あと、対バンのLION HEARTってのがサイコーのPUBROCK SOUNDでカッコよかった。メンバー不動で17年ってこと。VO&Gは50だって。ってもねイブシ銀でありがらも若くロックンロール。ウイルコ・ジョンソンやイアン・デューリーが好きな人ならメチャメチャはまるだろう。楽屋でルー・リードやコステロの話をした。
もう一人、最初に出演したウラケンイチってゆうひともステキだったしね。

このANGAでは面白いアーチストに出会える。 それと、金欠で購入出来ずにいるルー・リードの新作がこの日ANGAでかかってたんで嬉しきよ。やっぱしよかったね。レコーディングんときにディレクターがかけてたんでちょっとは耳にしたがオレあんときもうレコーディングモードだったんであんまりヒトのを聴く体勢になかったしなあ。 帰りもクルマでのんびりと帰ったよ。


5月19日(金)

下北沢いーはとーぼ(ミュージック喫茶)でディレクター・イソと会う。彼がちょっとやっぱりって、先日レコーディングしたものを再MIXしたんでそのマスター用CDRを受け取る。まあいろいろと話す。

レコーディングに参加してくれたギターの玉川裕高くんとHORNのふたり旧橋くんとシンベくんが6月にあるBLITZでのイベントにゴメス・ザ・ヒットマンのゲストととして出演するのが決定したってこととか。ラジオでもやるらしい。ちなみにここ、いーはとーぼは、いつも面白い音楽を聴ける。

帰って新しいMIXのを聴く。全体的にエレキギターが出てて歌も大きめ。少し聴きやすくなっている。かっこいいと思う。「歩く男、朝陽を目指す。」の声のトーンだけは前のが好きだが、全体はこっちのほうが出来がいいだろう。


5月20日(土)

スティーブ・マックルアー氏より電話。この人は話したことはないんだけども、以前「天然ビート」ってバンドやってたときにライブをみてちょっと興味をもったってことをスティーブさんを連れてきた当時のマネージャー(アメリカ人)が言ってたのを思い出して先日録音したデモを送ってみてた。そうしたところ、電話。日本語はうまいので安心。
ちなみに彼はビルボード日本支局局長で、幅広く音楽に接しながら日本のロックとくにやはり独自の音をしてるアーチストを聴いてたりするひと。

電話によると、彼が東京のインターFMで日曜早朝オンエアの番組「BEYOND CHART」で選曲とDJをしていてそれでナラの「夜を越えて」を紹介してくれたという。そのオンエアはあと数時間後の早朝。おう、ありがとうサンキューってわけで早朝眠い目をこすり聴かせていただいた。番組でかけられるのは、ほとんどいわゆるオルタナティブな音。でもまあいろいろクラブ、ハードコア、ギターロック、、。

スティーブさんが送ってくれた最近のこの番組のオンエアリストにはハシケンもあればシーガルスクリーミン、ピローズ、アドバンテージルーシーとかクランボンやニコチンとか。そのほかはあんまり聴いたことないのも。そうそうゴメス・ザ・ヒットマンもあった。「天然ビートっていうカルトバンドにいたナラカズヲが〜 」とかってラジオでは紹介されていた。英語で。

スティーブさんは「トニカクダレニモニテナイ。コレイイポイント。オリジナリティーアルヨオモシロカッタデス。アリガタウゴザイマシタアア」ってちょっと陽気なかんじでいい人だった。 また聴いてみたい番組だった。


5月23日(火)

オレと荷野とマキタサンと旧橋くんの4人でクルマで前橋へ。今回は何事もなくスムーズに。FLEEZへ到着、普通にリハやって、スムーズに本番だった。久々のシンエモンモンとハックルベリーフィンと。大森洋平というシンガーも出ててなんかイイカンジだった。

このときのライブテイクをあとでまた聴いたらよかったな。この編成も2度目だしこなれつつある。ってもまだ少し課題もあるが。 新曲もいっぱいやった。曲順は「東京ラブソング」「僕らの日々」「君の声がききたい」「僕らのしるし」「夜を越えて」「真っ赤なゼリー」。新しい曲にいい反応だと嬉しいねえ。YEAH!!

終わってからまた来てくれた人らと懇談、、ていうかま、おしゃべり、これもまたタノシ。

帰りもスムーズ、、と思ったらまた荷野道まちがってうろうろ。 クルマん中で先日インターFMでオンエアされたときのテープを聴きつつ、みんなオンエアの音のほうがもらったカセットより音いいんじゃあって言う。だが実はこのオンエアはボクの送ったカセット音源だからなあ。まあ、でもFM局側でイコライジングしてあるようだしリバーブも全体にかかってるかな少し。そのせいだろう。
うんとにかく この日もみんなのお陰で楽しくライブできた。サンキュー前橋。


5月25日(木)

三軒茶屋HEAVEN'S DOORへ。富樫春生さん主催のイベントを見に。僕らも9月に参加させて頂くが、そのときに一緒になるBIFFってバンドと富樫さんのbom'bocoも勿論今夜出る。

入っていきなり富樫さんと会う。「ああ、あの先日は、、、」とかって挨拶。bom'bocoのSAXの田中邦和氏もいて挨拶を交わす。富樫さん、HEAVEN'S の店長掘さんを紹介してくれた。 「あ、今度お世話んなります」「あ、こちらこそ」。しばし富樫さんと会話。この間は天現寺方面出口出て行ったスタジオで、この日はHEAVEN'S DOORってなんか「天」つづき。

BIFF。宇宙服みたいな装いの三人組でFUNK・ロック、時々人力ハウスミュージック。愉快なMCとしぐさと音で楽しませた。

bom'bocoがセッティングしてる時、旧橋くん登場。 「いやあ、昨日麻布のクラブで東京オーケストラ(フリージャズ達人集合体)のライブやって、人も沢山だったし演奏もかなりよかったんですよ〜」ってニコニコしてる。3連ちゃんのライブでどれもやること全く違うってライブだったけどよかったらしい。JAZZカルテット、ナラ、フリージャズ。

って話してる間にbom'bocoがスタンバイOK。 演奏開始。この間富樫さんからもらったCDの中でもボクが氣にいった曲も含めハイテンション超現実宇宙モードハイパーサウンドとオーラで圧倒。最初後ろで見てたけど途中で前へ。ターンテーブルや安定感がありながらもキレよくブッとびSAX、どっしりベース、exスカパラのギター、ちょっと美人女性ドラマーというキャラクター豊かなメンバーによる演奏のかっこよさとなんといっても富樫さんの宇宙いきまくりの音を越えた音と氣。これだよこれ。 昇りつめるようなエンディングでライブ終了。

「サイコーだった」と声をかけ帰ろうとしたら、打ち上げに誘ってくれた。 で、HEAVEN'Sの向かいにある店で旧橋くんもいっしょにみんなで「おつかれさま〜」って乾杯。みんなビール、オレじゅーす。ハハ子どもみてー。 でも美味かった。


5月26日(金)

留守電にメッセージあり。カチッ。「、、青森のマコトです、、。山ちゃんが亡くなって、、連絡ください、、。」

電話する。前に噂でガンで入院してるとか聞いて電話したら、奥さん笑って否定してた。 オレ笑ってガン直してねお大事にハハッ、って電話きったのを思い出す。

今日亡くなったらしい。山ちゃんってね、青森にあったレコード屋「SPIRIT」の店長だったんだけどその後イベンターになって、そんときボクもスタッフやったりして、随分いろんなミュージシャンと接したりリハーサルや本番を見て得ることもあった。山ちゃん本人からもいろいろと得るものあったよ、それはね。そのあと福島や秋田でFreeWayって店やったりミュージック・ギルドってイベンターにいたり。

山ちゃんは山崎政広さんっていう名前。アルバム「東京ラブソング」にもTHANKSでクレジットしてる。 あと、森田童子がホントにマイナーなときに応援してて青森で世話人みたいなことしたとかで森田童子のアルバムにもクレジットされてるのを目にしたことがある。

ラフィンノーズのギターの春日くんとこや幾人かに電話。 しかし、ボク自身葬式や通夜に出ることできないのだが。祈り、声をかけてみる。気配が感じられた。SPIRITの店長だった山ちゃんが、今度はホントにSPIRITになっちゃった。で、今自由に飛び回ってんのかもしれないなあ、などと想い巡らす。

山ちゃん家へ電話。奥さん落ち込んでる。「テープ、今日届いてたから、さっき聴かせてた」って言う。先日レコーディングしたやつを、この間送ったばかり。この間の「東京ラブソング」をいたく気にいってくれた山ちゃんが、「今度はもっとでも、やり初めた頃みたいな、単純にメロのいいってのもまたいいかもね」って言ってたのを思い出して出来たりしたのも録音したから聴いてもらおうって思って。そうか、さっき聴いてくれたかあ。

いまたいへんだろうけどもしっかりして、、とかって声かけて電話をきる。あんまりうまくは言うことできない。 とにかく、みんないつか死ぬ。で、今、自分がどう生きるか。ボクは曲・歌詞を見つめ直したり、ギターでコードチェックしたり、幾つかの歌の箇所を新しくした。なんかそんなふうにその夜を過ごした。


5月27日(土)

輪廻転生ってのがあるっていう、それはそうだろうって思ってても、親しい人が亡くなると、なんかこう、ボーッとするような、妙なかんじ。やっぱり寂しかったりするしね。

人間はカラダの中に棲む、まあなんたって生き物、死ぬまで後悔なるたけしないように、生きよう。歌って歌って深くへ進む。光へ向かって泳ぐサカナ。光んとこで、ナンダオレタチモヒカリジャアナイカって笑いながらカタチを越えて光りだせばスベテヒカリノヒトツノカタチ、ダカラスベテハOKナンダホントハネ。
デモツイツイ、ソレデモ、ニンゲンダカラネエ。今ハ。アッチヘユクヒト、コッチヘクルヒト、コンニチハ、ハジメマシテ、サヨウナラ。ソレデモネ、ソウユウトコカラヒントヲモラッテ、ミンナアルイテ、オヨイデ、イクノダヨ、、、って 独り言の今日でした。

山ちゃんを思い出し、Neil Youngの歌を聴きながら過ごした。久し振りに聴く「Tonight's the night」。