Diaries 2000 August part1

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8月6日(日)

夕方、新宿へ。楽器屋にて弦とピックをまとめて買う。今度の青森での一連のライブのため。 続いてVirginへ。最近リリースされたブラジルの新譜やリイシューもんを視聴。ナラレオンさすが。ワンダ・サーかなりよし。あと、名前なんだったっけか、ブラジルの現代音楽ってかんじもしたピアニスト。子どもジャケのやつも面白かった。

いったん家へ。乗り慣れたはずの電車で乗り越してしまうのを2度も。オレ、脳細胞死んだんかなあ。昨日、金髪にしたから。そう。オレ今金髪パツキン、4649シクヨロ。 百獣の王、ゴールデン・リトリーバーってとこ。

家で声を出してから歌ってシモキタへ。
ジャズのライブハウス老舗 LADY JANEへ。

この日は、いっしょにやってる旧橋くんのフリージャズライブ。山下洋輔トリオで有名な小山彰太ドラマー、西山スティックベーシスト、んで、ピアノが富樫春生さん。店へ入ってすぐに旧橋くんと会う。あれえっ?髪そめたんだあって旧橋くん。そこへ富樫さんも来てアレ?っってニヤニヤしてナラの頭をながめる。 「ずいぶん変わったなあ。」「へえ〜」

時間迫っていよいよライブはじまる。オレ、カウンターでDAT録音のスイッチを押す(たのまれた)。 バランスみつつマイクを置く。
はじめは、旧橋くんと彰太さんとのSAX&DRUMSのDUO。
フリーセッション・20分ほどの迫熱のJAMセッション。彰太さんドラムはまるで空手のよう。しびれる。日本の武道ってかんじの間合い。音と音の間んところがまたいい。そこに緊迫感が満ちてる。糸の上を地球がすごいスピードで転がったかと思うとピタリと静止してゆっくりと転がりまた激しく転がってっていうそれを自在にコントロールしながらのクールな熱狂。

旧橋くんSAXもその糸の上を転がる地球の周りを追い越したり追いかけたりリードしたりしながらハーモニーとノイズを吐き出してゆく。バクレツ。いい顔だった。

この日のライブのテーマは、富樫さんからの提案で「愛を伝える・・」というものだという。そしてさらに、やりつくされたフリージャズ、ではなく、新世紀の香りするフリー・インプロビゼーション。ということで始めに旧橋くんよりあいさつがあった。

そのかすかな予兆のような20分あまりのフリー・インプロビゼーションのあと、スティックベース西山氏とピアノ富樫春生氏登場。

富樫さん、ピアノの前に腰をおろすが早いか指を走らせるが先かいきなりバララララ〜ンってやってそっからもう始まってしまった。始めは富樫さんがリード気味に大活躍。フリー・アバンギャルドな絵模様とリリカルでドリーミーな世界が交わり不思議な花を咲かせる。そこへ彰太氏のナイフのような風が割って入り込む。

地鳴りのようなスティックに魂よりも深いところよりの叫びのような、カオスを吐き出して光へ辿り着こうとしているかのごとくなサックス空気振動。しかしそれらは一つの調和であって決して喧嘩のようなものとは違う。当たり前だが、厳しくも暖かなせめぎあい。

そして3部目のステージ。2部目をさらに越えた迫熱。灼熱の太陽よりももう少し永遠に近い光をイメージさせつつ旧橋個人の色がかなり沸き上がって、それでもすっかり個を越えてユニティー。 こんなに真剣な旧橋壮を、ボク始めて見たかも。いや、いつもだっていいだけどね。この日はさらにすさまじかった。

ライブ後、彰太氏を紹介されて少し会話。メンバーとわいわいと。しばらくしたら、富樫さんとオレを残してみんな一足先に帰る。 ナラと富樫さんとでDEEPな会話に入ってゆく。

音楽の向こうの話、つまりそれそのもののこと。
宇宙、ONE LOVE、地球、平和、、、なんていう言葉が宙を舞う。平安な夜。マスター大木さんともいいかんじで話す。ピアソラ、カルロス・ジョビン、、。 いい夜だった。

PS.LADY JANEにて富樫さんとマスターの大木さんとで話してるとき、店内でかかってたのが富樫さんのCD。ピアノソングスていうタイトル。
今年毎月、一月からリリースし続けていて、それぞれの月毎にその月をイメージされる誰でも知ってるような歌をピアノでリリカルに表現していて、ボクは店のなかで聴きほれていた。え!? この曲も?ってゆうようなものもうつくしい。三月のがよかった。 興味あるひとがいたらそれをすすめめます。
これから出る作品がまたいいんだろうけども。
うつくしいよ。


8月11日(金)

青森入り、実家へ。犬のベルが前よりも吠えなくなっている。
ネコが新しくこの家のメンバーになっていた。

そして帰郷したときはいつもボクの寝床だった部屋の戸をあけた。何かいつもと違う。なんかあちらこちらに鳥か何かの糞のようなものが散乱している。こびりついている。ふと、見上げる。

バタバタッ!! いきなりそれは羽ばたいて窓に激突してもろくもバランスを崩したが、なんとか持ちこたえたもようで又、元の場所によろめき羽ばたいて戻った。鳩だ。なんでも、ケガをしてろくに飛ぶことが出来ないために今だけこの部屋で面倒を見てるとのこと。

しかしその犯人は、さっきのネコの”らく”らしい。
オレは部屋へ戻り歌った。


8月12日(土)

14:00ちょっと前にイオン下田ショッピングセンターへ到着。ステージでは夏休みということもあってか、子供むけのショーが行われていて小学生やら幼稚園児ぐらいの子供たちがわんさかと押し寄せている。しかしその一角以外はさほど人が多いというわけではない

盆。ということで、みな買い物を済ませて帰ってしまうらしい、とは関係者。ToyoがCDを持って来てくれている。荷物が多いので、彼に前もって即売用のCD「ライブな日々」を送り、青森のCDショップを通して取り寄せたアルバム「東京ラブソング」との両方を運んでいただいた。ごくろうさま。企画の木村さんやPAの人らと久し振りに会い挨拶を。

リハ。さっきまでの子供たちは、まるで集団で神隠しにあったかのように消えてしまっていた。リハを終える。

本番前の休憩タイム。前もって考えていた幾つかの曲順のメモをにらみつつ、それらを少しずつ混ぜて決定。「そろそろです。よろしくお願いします〜す。」

いよいよ本番。ステージへ。あいさつして『君の声がききたい』『日曜日』と、ちょっとノンビリ・リラックスのモードで歌ってみる。いつもほど通りがかりの人は多くはないが前述のToyoをはじめ、子供も含めてヤングなピープルもちらほら。おばあちゃんもちらほら。

そこで『真っ赤なゼリー』をかます。これをやると人もすこし増えて拍手も大きかった。盛り上がったところで『歩く男、朝陽を目指す』をカズー吹きながら。いいかんじ。『僕らの日々』『東京ラブソング』『夜を越えて』で1ステージ目終了。即売。古い知り合いが訪ねて来てくれた。子連れである。

休憩ー Toyoとナラのために出た弁当が出たが、ベジナラとしては欲しくなかったために二つともToyoへ進呈。ひとつはお持ち帰りでもしてと半ば強引に渡す。曲順練る。「そろそろで〜す。」

本番。バーケイズの『SoulFinger』を登場のテーマにしてステージへ。プロレスラーみたいか?

その曲にクロスしてAのハープを吹きまくりながらやがてギターを手にしてひとりインプロ〜『真っ赤なゼリー』へ。盛りあがるが接触悪く、PAからのギターが時々音聞こえなくなる。 それでもそのまま歌う。

ギターチェンジして『僕らの日々』、こうゆう場所ではノリのいいものの方がハマるんだが敢えてめちゃめちゃスローな『虫眼鏡』そしてポップな『夜を越えて』『東京ラブソング』ラストにも一度『真っ赤なゼリー』でおしまい。

楽屋でのんびりして家路。のんびりしすぎてバスに遅れてしまい、タクシー、、。ああ、ノエル・ギャラガー、、じゃねえ。オレのギャラガアア!!!


8月13日(月)

13:00 FM青森へ。放送制作S氏とひさしぶりに会う。ロックギタリストでもあるS氏はスタジオへスタインバーガー黒のギター(ルー・リードなんかが使用しているタイプ)とアンプ・シミュレイターを持ち込んでいてはじめはそれで随分遊ばせてもらった。
「アコギもいいけどライブでエレキってのもいいんじゃあない?」ってS氏。ハハってついその気になる。

まずはそんで、55分番組『ビート・ファクトリー』の収録。自分の曲中心にかけつつも関わりがあるミュージシャンの好きな曲をかけさせてもらう。

オープニングは挨拶、かるく名刺がわりに新曲を。ってもサビんとこはナラが中学んときのだけどね。 『夜を越えて』。ってもねえ、じつは、時間の関係で曲はあとではめ込んでトークんとこだけの収録。これ、前もやったやりかた。ノリは曲かけながらがいいんだけど、時間長いし、ボクのあとにもゲストがきて収録あるらしい。なんかテレビで俳優してて歌も歌ってる人らしい。

で、流れを言うと、『日曜日』をかけながらのトークで久し振りの青森の感想と5月にレコーディングしてその中から今日はバンバン聴いてもらうっていうこと。

で、ナラの『君の声がききたい』。で、最近いっしょにやってるメンバーが次にかけるバンドのライブでサポートしたり、今回聴いてもらっている新曲のディレクターが彼らのディレクターでもあり、いい歌ですと、ゴメス・ザ・ヒットマンの「午後の窓から」をオンエア。そしてナラの『僕らの日々』。

ここでレコーディングに参加してくれたグレートな音楽家でキーボーディスト富樫春生さんを紹介する。富樫さんの活動とボクが曲を聴いて受けるものについて。そんで富樫さん率いるbom'bocoの『やどかり』。そんで富樫さんは今ピアノで美しい曲を毎月アルバムにしてリリースしてるってことにもふれる。で、ナラの『虫眼鏡』。

ここで、今年1月に逝去した歌うたい”どんと”について話す。初めて会ったときにセッションしたこと。どんとの子供の名前が”奈良”っていう名字みたいな名前でボクんとこに養子行ったら”奈良奈良”になるねえって言ってたこと、、とか、彼は人柄も音楽も素晴らしく、そのバンド ローザ・ルクセンブルグもボ・ガンボスも素晴らしいバンドだったってことを、上手く紹介できたかはわからないけども、話した。で、ローザ・ルクセンブルグの名曲『橋の下』。

どんと、そして最近ナラのよく知る人が続けて亡くなってるってことにふれて、ギターで弾き語り『inoriuta』。この日はあんまり高音が出なかったのでキーを少し下げて歌った。

すぐに新曲レコーディングしたものから『歩く男、朝陽を目指す』を。 そしてライブMINIアルバム『ライブな日々』から 『虫のうた』。そして最後まで付き合ってくれたことへの感謝を込めて『名曲1』でおしまい。

あと別な番組”チャートナビゲーター”を収録。これは月曜から金曜の夕方8分ぐらいのコーナー。ほんのちょっと喋ってから毎日違う曲をかけさせてもらった。日程は予定で、一週間ぐらい前後する可能性もあるけど。9月25〜29の17:00〜17:15の枠の中で放送されます。ナラの新曲を味わってほしいな。

いやあ、なかなか喋りうまくなれんが、制作のS氏の「いやあ、全然大丈夫です。ロック・ミュージシャンがリューチョーに喋ってもねえ、、。逆にそうゆうカンジのほうが説得力あるんじゃあ、、。」っていう言葉に励まされ、その気になってつい自分から放送の企画を言う。「あまりラジオではOAされないけどイイ曲特集!!」っていう番組。

S氏快く受けて下さり収録は25日に決定。実はこっそりCDを用意してきてた。よかったよかったありがたい。いつも、こうゆうのもラジオでもっとかかればいいのにっていうのがあったから。次の収録も楽しみだ。と、ニヤニヤしながら家路。


8月14日(月)

昼過ぎ、PINKLIONていう飲み屋のマスター、マコトさんと待ち合わせ。この春にボクよりうんと年上だが友だちみたいだったりライブを企画してもらってたりした山崎政弘さん(山ちゃん)が亡くなった。その山ちゃんの実家へクルマで。

山ちゃんは、ここ何年かは秋田にいてイベンターとCDショップを営んでいた。福島にいたこともある。
そのどちらにもライブで呼んでくれた。その時、レピッシュの打ち上げに参加したり現ラフィン・ノーズでex.POGOのギタリスト春日くんと出会ったりした。
宿泊は山ちゃんちで、山ちゃんの奥さんがメシをつくってくれたもんだ。

山崎家へ着く。奥さんと久し振りの再会。
「まさかこんなカタチでねえ、、。」
「ホントにね。」ってオレ。

仏前に手を合わす。いい写真だった。娘のユカちゃんが撮ったという。ユカちゃんがまだ子供だったころ、ディズニーランドでいっしょに遊んだものだけど今は高校3年生だっていう。月日だねえ。

昔話に花が咲く。森田童子や下田逸郎というシンガーを応援してたこと。遠藤ミチロウさんのライブも企画したりしていた。ナラも何度かライブや諸々で世話んなった。今じゃアルコールを摂取しないナラも、以前酒の席で暴れてしまったことがあって、そんときは間に入って静止してくれたり。

外はいい天気。太陽が熱い。話してると、時間はとっても短く感じた。もう一度山ちゃんに手を合わせ、あっちの世界で山ちゃんを世話してる存在に「ヨロシクタノミマス」とココロで祈って山崎家をあとにする。

夜。シューだびよんへ。サスカッチの面々とリハ。かなりいいかんじ。とくに、『だびよん』がいい。この歌に登場する牧良介さんが亡くなったときに出来た歌だが、その牧さんの次男がギターで三男がドラム。いっしょに演ることになってから思いついた『だびよん』を演奏するっていうアイディア。

他の曲もとてもいい。