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5月1日(土)
高円寺のペンギンハウスにて友人ブンの企画する「もぬけの眼」というイベントに参加。メンバーはDrums&Per/バグース木村、Bass/奈良明雄、僕、それにPianoで2曲参加(”寒い朝”、”東京ラブソング”)の笹山てるおだ。 リハのため4時入りだったが、僕を含めて全員遅刻したためリハの順序変えてもらった。どうもこの日、電車の乗り換えがうまくいかなかったんだよね。って言い訳。本番までやたらと時間があるうえ、このハコに控え室などというもんがないために、阿佐ヶ谷にある笹山さんの部屋でスタンバる。 笹山さんが The Weed というバンドに Key-b で参加してたときの、その Kitty から出たデビュー・アルバムを聴いたり、そのきっかけとなった「イカ天」出演のビデオを観ておおいに湧く。カッコイイバンドだ。でもTVでの笹山さん、やっぱり大ボケで変だったよ。 笹山さんがそれよりも以前、今より20年近くも前にエレキ・ギターで参加していた「絶対零度」というパンクバンドのレコードも初めて聴いた。かっこいいんだこれが。オリジナルでパンキッシュ。っていいつつ引合いを出してなんだけど、pop
group の "Y" というアルバムを思いだした。 まあこんなして、なんだかんだで盛り上がって会場へ戻る。お客さんけっこういたが、ラストの僕らん時はもう11時近くになっちゃってだいぶお帰りになられる。僕らの前のバンドなんか自称ビジュアル系。お客があわんのも無理ないっちゃあないが、でもちょっとでも聴いてってくれりゃあいいのにね。まあしかしいいライブだったよ。はじめ少しギコチないとこもあったけど途中からぐんとヒートしてね、ラストの「東京ラブソング」なんか piano の笹山さんイスどけちゃってメチャメチャやる気のスタンデイングプレイなもんだから俺もおおいに盛り上がったよ。それぞれの盛り上がりで相乗効果よ。この曲はエンデイングだけで3分ぐらいはやったよ。やあヨカッタヨカッタ。 5月4日(火) あいにくの雨。しかし雨自体駄目なものでは決してない。それが何故にあいにくなのかと云うと、この日もライブで、しかも雨が降ると客入りが悪いであろうとあらかじめ企画者(今日の企画もブン)より言われていたためだ。けっこう強い雨の中、ギターぶらさげ、ちらしと売り用の
CD を詰めた巨大カバン。すっかり行商人。しかしねえ、路上で歌ってた時もこんなふうだったね・・。 大きめの山小屋って風情の木造建築で、控え室代わりの2Fの普段はギャラリーになってるとこなんか住んでしまいたくなるくらいに気にいってしまう。で、歌うのは1F なんだが空と吹抜けになってる中庭を囲んで屋根のあるBAR や食い物屋や、そんでフリーマーケットもやってる。そんで仮設ステージがある、もちろん屋根はある。が、本来お客さんがいっぱい陽の光を浴びて踊るはずのスペースが雨で水浸し。これで先の訳がわかる。ところで荷野(かや)〜Djembe〜はもう来ていた。今日は荷野と二人でのライブ。この間うちで音合わせした。この日はリラックスムードでやるつもり。 どうもかなり機材のセッティングが遅れてるようで、こりゃあ予定通りには行かなそうだなあってダラけてたら、ここにある店の1つで働く女性が話しかけてくる。宮木という聞き憶えのある名前のその人は10年前の渋谷の路上ライブによく足を運んでくれていたという。思い出した。当時の話を少しばかり。ホントここんとこ再会が多い。そうゆう時期なんだなあ。本番までの長〜い時間を聴きに来てくれた人たちと話したりして過ごす。久し振りの友人も来訪。ブンも歌ったよ。ブンの歌はpopでいいや。この前のバンドもいいけど、今日は会場の都合でアンプラグド編成。 予定より3時間くらいも遅れて僕らの番。夕方位で終わってゆっくりって思ってたらもうすっかりNight Timeよ。近くで塾が授業してるってんで荷野の太鼓(D_jembe)の低音を抑える必要が出てきたってんで荷野は普段のイケイケのプレイが出来ずじまいだったが僕らアコーステイック二人組、このノビノビダラダラほんわかとしたムードのイベントで、アルバムの中の曲を中心に「だびよん」をはさみつつグルービーかつハートフルに決めたさ。 この日出たバンドの中に、ライ・クーダーとかデビッド・リンドレイなムードのいい感じのバンドがいたんだけど、ここのスチール・ギター奏者はフォークシンガーで知られる高田渡氏の息子だった。父親よりもうんと若くて(当たり前だが)姿勢もよく健康的でした。渡氏は昨年、酒に肝臓がやられてマジにやばかったそうですちなみに。息子が言ってた。この位の年齢の人はマジに気をつけないと・・・。帰り、まだ雨だった。荷野の運転で送ってもらって帰った。 5月7日(金) 高円寺はShowBoatでのライブ。今日もまたリハいいかんじ。
ちなみに今日の出演者は、まず僕ら「ナラカズヲ+b.e.e」(Electric.guitar/玉川裕高fromコモンビル、Bass/奈良明雄、Djembe/荷野fromさんからごんじゃ・クーニードフェスティバル、Drums/山際秀人〜彼もバンドやってる〜の4人)、そして「加奈崎芳太郎&IZM」、柿島伸次+丹菊、SUMIEという面々。 こういった人達と話したりしてるうちに一番手SUMIE、ギターロック的な歌を弾き語る、いい感じ。二番手「柿島〜」この人ねしゃべると面白くてナイスガイ。天然何とかってかんじハハハ。ヒロ君や加藤まさるの時の金八先生(ドラマ)に出てたんだって、元俳優だね。ビクターからCDもリリースしてる。
とにかく9時だったかなあ、時間押しに押してやっとぼくら。今日は玉川君と色違いのシャツ。気が合うのかなんなのか。
1曲目「日曜日」〜今日はkey-bないので
Egが引き立った、少しエッジの効いたサウンド(CDより)で、これも又いいもの。「風が吹くのを感じて」はイントロのkey-bの代わりに荷野とのコーラスで補う。
で、メンバー一度引っ込んで、ピアノで笹山てるお氏(元・絶対零度、元・TheWeedの現シンガーソングライター)に登場願い「寒い朝」。
これで更に盛り上がって再度メンバー登場、こっからイッキ。
で、加奈崎さん。この日、エレキとパーカッションとの演奏だったけど、より歌が強調されててよかったな。メンバーも上手いし年季を感じるねさすがに。盛り上がったしね。 いやあ、今日でしばらく加奈崎さんとは「おう別れの時イ」である。加奈崎さんもしばし「さらば東京」と本人アルプスと言いはる長野に(この前までは
1文字違いの中野に居た)戻るし、、。 帰り、明雄のクルマの中で加奈崎さんとの日々を少し思い出して、「いやあ、いい人だったなあ、、、」って心の中で、、「いやいや死んどらん死んどらん」って自分で自分に突っ込んで、そうしてるうちに僕んちに着く。 やあ、しばらくライブがない日が続く。今日からあたらしい曲の整理の日々。そんできっと新曲がやってくる日々、湧いてくる日々に突入する。 5月14日(金) ここんとこ僕の部屋で流行ってるのはカエターノ・ヴェローゾというブラジルのPOPボサノバミクスチャーってかんじのミュージシャン。
もう10年以上前、ボサノバのマリア・ベターニャという女性歌手のLPを買ったが、あまりはまらなかった。で、このカエターノってそのお兄さんらしい。その頃はアフロやNYサルサやキューバの音が大好きだったけど、ブラジルの音にはピンとこなかった。でもこうして時が経つとわからないね。今じゃぞっこん。ハースやBECKの影響か?又聴きたいのが増えてしまった。 中古CD屋で千円以内で数枚購入。やったね。しかし俺もこんなんしてられんよな。稼ぎないんだし。と思いつつ、でも聴きつつ、自分の曲を爪弾きつつ「あっこれボサノバあうかな」なんて一人やってる。
話違うけどネビルブラザースの新作もじんわりきたなあ。SMOGってのもけっこうおもしろかったな。あとBRAZZAVILLE、ベス・オートンも。 とっちらかったまま、以上。 5月21日(金) 下北沢の中古CD屋で「東京ラブソング」見つける。しかもいいのか悪いのかまだマシなのか、数少く苦労した”サンプル盤”だ。サンプル足りずに自腹切ったのにね。加奈崎さん(同じレーベル)も楽屋で、「書いてくんなかった雑誌はCD返してくれりゃあ、、」って言ってたその少ないサンプル。誰か売りに出しちゃったのね。しょうがないけどね。まあ次それを手にした人が気に入ってくれるといいねえ。
この「東京ラブソング」ってアルバムはじっくり何度も聴いてほしいアルバム。派手じゃあないかもしれないけどさ。 お仕事で聴き捨てにされたCDに、今度は大事にしてくれる人に拾われるといいねって語りかけちゃったよ俺。 5月25日(火) アビー・リンカーンいいな。JAZZ VOCALの女性なんだけどね。
このところ作曲モードの僕、そうなるとあまりヒトの音楽聴かなくなる、っていうかそれどこじゃなくなる。なんか必要なくなる、ったらえらそうかもしれないが。でも、ふとした時このひとの歌を聴いていいなと思う。
愛がデカイ。結局それだな。地味だけど、包み込む大きなもの。ずっと長く聴ける音楽の宝。新作「WhollyEarth」も素敵だった。でっかい愛。そこここにある、あらゆるモノの中に透ける、そして全てにつながるもの。 それを感じ観じ又僕は、僕の部屋の中の宇宙と融合。歌が生まれる。
あるときアビーを聴いてジーンとくる。
5月26日(水) テレビで録った映画「パリ空港の人々」ってのを観た。素晴らしかった、以上。つって終わるよね。
そんなノリで今ヒットしてるらしい「ライフ・イズ・ビューティフル」ってのもちょっと興味ある。アレステッド・デベロプメントも、ジャミロクワイもデビューの時の写真でピンときたし。グラハム・パーカーの「LIVE ALONE」もジャケットでそうだった。 まあでも映画はそんなに観てないけど。渋谷parcoで観たボブ・マーレーの「Time
Will Tell」、映画館がライブ会場のような声援に包まれた「ジミ&オーティス」なんかの音楽映画の他じゃあ、チェルノブイリで事故のあった次の日
雨に当たらないよう傘をさして友達と待ち合わせしたら一人びしょぬれだった絵描きのシマちゃんと、現在CMの会社でエラクなってるらしい当時映画監督志望のトモヨシと3人でparcoで観た寺山の実験映画、テレビで観たピーター・グリーナウェイとゆう人の実験映画、「サクリファイス」「ブッダ」「ベルリン天使の詩」、もう14年ぐらい前だったか新宿ツバキハウスの横の映画館のオールナイト4本立てのうちの「カイロの紫のバラ」「ガープの世界」、抽選でチケット当たった「ワールド・アパート」、三茶で観た「イル・ポスティーノ」、「遠い夜明け」「ガンジー」「シンドラーのリスト」、今はなき池袋文芸座で観た「彼女について私が知っている2、3の事柄」「気狂いピエロ」、「ET」「スタンド・バイ・ミー」「ラジオデイズ」「ニューシネマ・パラダイス」、「天空の城ラピュタ」、あとスピルバーグのやつで日本が中国を侵略してひどい事してたのを描いてたあの名前覚えてない映画、「灰とダイヤモンド」
でもオレ一時随分観たが、今は音楽以外にお金も時間も割くことをあんまりしないようになった。とゆうかその、まあそんなに余裕もないし。
自分の歌に、そうゆうものたちからの影響はひょっとしたらあるのかもしれないが(きっとあるかな)、ただの自分、その中より沸きあがるものをよりよりピュアな状態で絞り出すというか、まだ形になってない歌が歌になってゆくのを見届けてるようなカンジ、それが歌作りってなもんだから。
5月28日(金) 高校時代の教師で今も付き合いのある書のアーチスト鎌田雨渓氏の個展を観じるために、銀座は鳩居堂へ。
まあとにかく、僕が観なれてきたのか作風が変わったのか以前よりわかりやすい。POPって言葉は誤解を招くか、本意を伝えないかもしれないが、POP・SIMPLE・斬新・前衛って言葉が矛盾なく浮かび、それでいてそれらの全てを超えて新しい地に降り立っている、又は降り立とうとしているそんな感じ。ダイレクトに迫ってくる。 そこで出会った美術評論家の津島氏と意義深い会話ができておもしろかったんだけど、その会話の中で僕が言ったことを今思い出してみると、 「音楽も書もどう狂うかどうイクかの違い、、」 「歌も書もコトバをうたうけど、コトバを通して伝えるなんてことよりも、それを超えて伝わるもの又は感じてしまうものこそが真実で一番大切、、、」 「以前は自分をひたすらカッカさせてハイにさせて イってイって それが空振りしたりして、でも時には 昇りつめて雲の上のハイの状態になったり あるいはそれを手探りしたりしながらライブしたり 歌作りしてたけど、今は 自分をより鎮めて落ち着かせて集中して周りのあらゆる全てと僕というものを同一化して融合してより無になった時に至る状態と、 かつてのカッカさせて辿りつけたり つけなかったりした 昇りつめたような状態ってのが 実は一緒だと気がついた。 で、より自分を鎮めてったほうが 真実なうえに簡単 、、、口で言う程 簡単ではないけれど。」 ってことを僕は口にしていたんだけど、自分の言葉から自分自身発見もあった。津島さんはその融合感状態ってとこに大きくうなずいていた。 この融合状態って きっとどのジャンルにも当てはまるカギだって僕は思ってるけどね。そしてその津島さんといえば、さすが評論家らしくいろいろおもしろいことを話してくれたのだが、その中で強く印象に残っているのは 「これからは、どこのジャンルでもハンパなものハンパな姿勢じゃあ生き残っていかない。」 ほんとそうだろうなと思う。僕ももっとどんどんイキタイ生きたい。 僕がこれから先どう生きるか、それは具体的には説明できないけれどハッキリしてるのはただ、その先へ先へ奥へ奥へ、より光へ真実へということ。それはより今を、よりここを、より自分を、ということ。 |