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映画感想さ行(さ〜し)



○「最強のふたり」 ★★★★ (12.10.29/劇場)
STORY:事故で首から下が全て麻痺したパリの大富豪・フィリップは、新たな住み込みの介護人を募集しているが、気難しい彼のお眼鏡に叶う人材
はなかなか見つからなかった。スラム街育ちの黒人青年・ドリスは失業保険の受給のため就職活動の実績が必要で、面接を受ける。資格も経験もなく、
最初から不合格狙いのドリスだったが、フィリップが興味を示し、採用となってしまう。フィリップの挑発に憤慨し介護に挑戦するドリスだったが…。



ミニシアター系で単館公開の作品なれど大人気で連日満席、急遽拡大公開が決定したフランス映画。

障害者故に心を閉ざした金持ち貧乏人で差別されてきた側だからこそ障害者だろうと分け隔てなく付き合う陽気な黒人青年という、普通
ならば出会うこともなかったはずの二人の間に
芽生える友情を描いたヒューマンコメディなんかオイラが観にいくジャンルではないような…。

パリといえば花の都。オサレな白人ばかりが闊歩するイメージがあるのだが、実際行ってみると存外に黒人が多い。これは大航海時代にアフリカ
から奴隷を大量に連れてきた
のが原因らしい。
つーわけで、この映画に出てくるような黒人のスラム街もパリにある。実際、
サクレ・クール寺院から坂を下りてメトロ4号線に乗るべく北側へと
進んだ
ら、黒人街に入ってしまってかなりビクビクした
メトロの車両もシャンゼリゼ通りを走る花形路線と比べると明らかにオンボロだったり
して
下町感が。
その辺が個人的な見所だったり。


もう一つは、首から下がまるっと不随な障害者の介護というのが、半年近く半身だけでも不随だった身としては気になったっつーか、あるある!
と言いたかっただけ
だったりして。

そんなおかしな動機で観にいったわけだが、まあ普通に面白かった下ネタ含むユーモアたっぷりで、過剰にウェットな感動の押しつけも
なかった
し。
デリカシーもなく繊細な障害者の心にズカズカ踏み込んでくる黒人ということで、脳内ではボビー・オロゴンが吹替スタッフとしてスタンバって
いた
のだが、そんなに酷いキャラでもなく。当たり前だ。



○「サイン」 ★★★★ (02.10/劇場)
STORY:交通事故で妻を失い、神を信じられなくなって牧師を辞めたグラハムは、弟と息子と娘とトウモロコシを作って生活していた。ある朝、
彼の農場に巨大なミステリー・サークルが出現する。そしてそれは世界中に広がっていき、やがて各地の空にUFOが現れる。宇宙人の侵略が
始まったのだ。神に祈る子供たちを「そんなものはいない」と叱りつけながら、グラハムらは家に立てこもる。そしてヤツらは地上に降り立った…。



「シックス・センス」、「アンブレイカブル」に続くインドの怪人、M・ナイト・シャマラン監督の最新作は相変わらず臍のねじくれ曲がった作品
だった。
真面目なテーマを大バカな設定の下で語るという手法はグレードアップ。今回のテーマも、”生きるための拠りどころを喪失した男が再び
それを取り戻し、ひび割れてしまった家族関係を再生させる”
という大真面目なものだというのに、作品設定はといえば、
宇宙人の侵略
ビバ!
不真面目な設定で大真面目な話を語るため、
監督の意図するところとは別なところで笑いが取れてしまうのがある意味魅力。そもそも今更
あんなでけえミステリー・サークルとか出されても笑うしかないっしょ。
一番笑ったのはクライマックスの宇宙人との対決。
それまで積み上げてきた恐怖演出がガラガラと音を立てて崩れる様はお見事と言うしか。
つーか真面目な一般大衆は怒るぞ、こんな展開。オイラは大好きだが!しかしまあ、宇宙人、
弱!

テーマについては、自分は宗教は大嫌いだが、まあ嫌味はないよいものだったのではと。人間と宗教の理想の関係というか。都合のいい
ときだけ存在を信じる程度でいいんじゃないんかね。
ちょうど同時期にDVDで見た「TRICK」の主人公の言葉が頭をよぎる。「あなたの神様はあなたに何かしてくれた?」




○「魁!男塾」 ★★ (08.2.8/劇場)
STORY:男塾−そこは全国の荒くれ者・はみ出し者が集まる、男を磨く学校。ヤクザの跡取りだがヘタレの極小路秀麻呂は母親に男塾に入学
させられ、そこで出会った剣桃太郎や富樫たち漢(おとこ)に感化され、少しずつ成長していく。かつて男塾を追放された伊達臣人が男塾に勝負
を挑み、3人の代表の果たし合い−驚羅大三凶殺で決着をつけることに。死地に赴く仲間たちのために秀麻呂らも命懸けの応援をするが…。



はいはいはい毎度お馴染みやらなきゃよかった実写化シリーズでございますよ
とは言うものの、この作品は
”人気作だからやっつけでも映画化しとけばそこそこ客入るだろ”的な腐れプロデューサーによる企画では
なく、
原作を愛する有志たちによって作られているのでひと味違う
のである。

と言いたかったのだが………愛はあっても技量は足りなかったみたいで………正直なところ、演出面が壊滅的でどうにもこうにも面白く
ない
残念すぎる出来
に。
やはり原作ものを本気でやるのならば、金はちゃんと掛けて、どこの馬の骨とも知れぬキャストではなく、原作のイメージを再現できるそれ
なりの役者さんを揃えないと厳しい

ウリであるCGに頼らない肉弾ガチファイトも演出力不足でどうにも映えない。もっとCGに頼ってもいいから、いい意味でマンガ的に、
ケレン味たっぷりにしてほしかった


話は原作序盤のギャグ編〜驚羅大四凶殺までを描いているのだが、ダイジェストすぎて盛り上がらない時間の都合でJが登場せず、それ故
驚羅大”三”凶殺に変更されている(
三面拳では雷電がカット)のはやむを得ないと思うが、それならば富樫と女子高生のふれ合いなんて
無用なエピソード入れるな
と言いたい。でもまあ、そうでもしないと
あまりに女っ気が少なくて集客面で問題なんだろうけど。ごっついのお。

桃役にお馴染み坂口拓。相変わらず黙ってれば格好いいし学ラン・ハチマキ・日本刀も似合っているのだが、相変わらず口を開けば壊滅的
な演技力

ワシが男塾塾長江田島平八である役に麿赤児。なるほど、という配役ではあるが、流石にどうにも迫力不足。なかなかに人が演じられる役
ではないからなあ。
富樫役に照英。なかなか似合っていた。つーか照英レベルで演技が上手く思えてしまうのが問題だ。
他、虎丸から飛燕・月光まで
無名のしんどいキャスト赤石先輩のあまりの雑魚っぷりに泣けてしまう。ごっついのお。
伊達役に榊英雄なのだが、
これはひどい
何故かちょい役でつじあやのがウクレレ持って出演。作品的にあすこは荒ぶるギターの漢気ロックを聴いて更生、というのが正しいのだろうが、
そうでもしないとあまりに女っ気が(ry


つーわけで気がつくと文句ばかりになってしまったことよ。
あ、最後の桃と伊達の一騎打ちで富士山をバックにするところは格好良かったが、これは富士山のある風景が格好いいのであって闘い
はそんなに格好良くなかったです
。せっかく
主題歌のTHE BACK HORNの「刃」が血が滾る熱血ソングなんだから、ここで流せば盛り
上がっただろうに。


…結局また苦言に。
あ、ナレーションに
千葉繁を起用したのだけは大当たり!民明書房の本の解説や誰かが技を使った時に技名をシャウトしたりと大活躍
それだけで★+1


ありあまる情熱が空回りしてしまった残念な一本。次作に期待。
 


○「座頭市」 ★★★★ (03.9.16/劇場)
STORY:とある宿場町に3組の旅人がやって来た。病の妻のために用心棒家業に身をやつす凄腕の浪人・服部源之助、10年前に盗賊団に
家族を殺され、復讐を誓う芸者姉弟、そして盲目だが恐ろしい居合いの術を使う按摩の市。酒場で偶然出会った服部と市は互いを強敵と直感
する。そして二人は芸者姉弟の仇討ちに巻き込まれていく中で、雌雄を決する場を得る…。



正直、どちらかというと、「ほら、やっぱりダメじゃん!」と指差して失笑するために見に行ったという要素が強い、まさに外道なオイラなわけ
なのだが、…
すげえ面白かった

殺陣が素晴らしい。ビートたけしも浅野忠信もザクザクズバズバ斬りまくる。全編吹き上がりまくる血しぶき。うーん、バイオレンス!
物語は敵討ち、凄腕の用心棒とオーソドックスな時代劇もので、予想通りに話は進んでいくのだが、アクションの凄さ俳優陣の熱演で最後
まで楽しく見れる。ハズしてそうでおっかなかった最後のタップダンスも素晴らしいじゃあないですか。クライマックスのどんでん返し連発はやり
すぎな気もしたが。


従来の勝新の座頭市のイメージを破壊したパツキンの市を演ずるたけしの存在感は圧倒的。鈴木清順監督の大正浪漫三部作などで活躍
した大女優・大楠道代(しなびたなあ)との会話シーンが非常に絵になっていた。
そのたけしと相対するのが浅野忠信。こちらの存在感も強烈。(でも、無精髭でモミアゲももじゃもじゃだと
バッタモンの榊英雄っぽくて笑える
岸部一徳・柄本明ら脇を固める芸達者たちもお見事。これでいつも通り大杉漣と寺島進が出ていればパーフェクツだったのだが


とまあ、すげえ面白かったのに満点じゃないのは何故かといえば、いかにも海外受けしそうな要素をブチ込みまくったあざとさが鼻につき
すぎた
から。
わかりやすい話と凄いチャンバラとシュールな表現とベタベタなコントと。


ところで、敵がアサチュウで凄腕の殺し屋・イチと闘うことを夢見ている、と書くと別のイチの映画を思い出しちまいません?最後、妄想した通り
の闘いができなかったあたりも。




○「サハラに舞う羽根」 ★★★ (03.10.8/劇場)
STORY:19世紀末の英国。名門軍人の家系に生まれたハリーは当然の如く軍人の道を選び、私生活では美しい婚約者・エスネを得て幸せな
日々を送っていた。スーダンの反乱鎮圧に彼の部隊に出動がかかるが、出兵に疑問を抱いた彼は軍を去る。それ故に彼は仲間たちに臆病者
を意味する白い羽根を送られてしまう。エスネもまた白い羽根を残し彼の前から消える。己を恥じた彼は、汚名返上のためスーダンへ向かう…。



原題は「The Four Feathers」(四枚の羽根)。「トゥー・ウィーク・ノーティス」とか「マイ・ビッグ・ファット・ウエディング」やら「ロック、ストック以下
略」やらまんま原題使用が多い風潮の中、綺麗にひねった邦題が職人芸を感じさせるのだが、
サハラに羽根、舞わないんだけども

映画のウリとしては、”己の信念を貫いたために全てを失った男が愛する者たちのために再び立ち上がる!果たして彼は失ってしまった友情、
そして愛情を取り戻すことができるのか!?”みたいな感じになるのだろうが、
実際の所は、”自分の意志で軍隊に入ったくせに、いざ実戦・出兵となった途端に猛烈におじけづいて軍を抜けたばっかりに
友人や婚約者に
「軽蔑します」と嫌がらせの白い羽根を送られて、
今度は汚名を着せられたと身悶えして発作的に単身サハラ砂漠に乗り込んで、死に
かかったけれどもまったくもって運良く生きながらえて
仲間に白い羽根を嫌みったらしく突っ返して国に帰ってきてみたらなりゆきで英雄に
なっていて婚約者も帰ってきてめでたしめでたし”という話だったり。
お前、通信簿に「もう少し考えてから行動しましょう」とか書かれてたんじゃねえの?


さらにヒロインが、主人公と人目も憚らずブチュブチュしまくるほどラブラブだったのに、彼がヘタレだったとわかるなり「軽蔑します」と白い
羽根を送りつけて失踪させ
、自分は彼の親友にあっさり乗り換えてイギリス・スーダン間で人目も憚らずラブラブな文通しまくっていた
のにそいつが傷痍軍人になって戻ってくると明らかに引いた態度を取って最後に
主人公が英雄になって帰ってきたらあっさり元の鞘に
戻ってめでたしめでたし
というまことに愛すべき人物像で、脚本家はスーダンの捕虜収容所送り確定

ではダメダメ映画なのか、といえばそういうわけではなく、見るべき所もある。
特に
砂漠での戦闘シーンは一大スペクタクル。整った陣形を敷き迎え撃つ英国軍に対し、策を以てそれを撃ち破る現地軍がイカス。

そして、サハラ砂漠で行き倒れた主人公を救い、その後も彼に手を貸す原住民・アブーがナイスガイ。なんか塗って人間とは思えない肌の色
で上半身裸で仁王立ちするその姿は圧巻。
しかしこの好漢が何故ヘタレ主人公に献身的に手を貸すのかがさっぱり不明。干し肉を一切れくれたとか私たち鎌鼬兄弟のために本気で
涙を流してくれたとか、そういう明確な理由がまるで見えない。脚本家はスーダンの捕虜収容所送り確定
そうなると、やはり主人公を見て「
ウホッ、いい男!」とか思った、と考えるのが妥当なのか…。軽蔑します。



○「サマーウォーズ」 ★★★★★ (09.8.10/劇場)
STORY:数学が得意な初な高校生・健二は学校のアイドル・夏希に夏休みのバイトを頼まれ、信州上田の彼女の実家へ。ところが当主である
曾祖母・栄ら親戚一同の前で夏希に「私の婚約者」と紹介され吃驚仰天。その夜、世界の巨大インフラとなっていたネット上の仮想空間・OZを謎
のAIが大混乱させ、健二たちはそれに巻き込まれてしまう。栄の叱咤激励で皆が成すべきことを成し混乱は収まったかに思われたが…。



’06年夏、「時をかける少女」で一躍全国にその名を轟かせた細田守監督の最新作。

真夏の緑豊かな地方都市に集まる親戚一同という昔ながらのコミュニティが最先端のバーチャル世界に立ち向かうというギャップ
楽しい夏休みにお似合いのお祭りムービー


最初は登場人物のあまりの多さに思わず及び腰になってしまうが、主要人物格の面々の個性的な魅力散りばめられた小ネタ時には
用意周到に時には強引に、緩急自在に進む巧みな展開
に引き込まれていくこと請け合い。
ラス前の食事シーンとかもう最高。


いや確かに最終決戦で陣頭に立つのがアレっていう展開はおかしいとか一部声優童貞の連中の棒演技が萎えすぎるとかセキュリティ
完璧と謳ってても世界中の公共業務まで一企業の一インフラでやっちまうなんてあるのかとか守り神何もしねえとかあの質量であの段階で軌道
修正したってあんな被害で済むのかとか、いくら勢いよくても流石に看過し得ないようなツッコミ箇所もいくつもあるんだが、それを差し
引いてもしっかりとまとまった傑作


つーかネット上に現れた怪物とそれに気づいた一部の人間との戦いという基本設定の段階で、おや?と思ったのだが、密かに出世作
「デジモンアドベンチャー 僕らのウォーゲーム!」のセルフリメイクだったりする
のね。デジモンを外して代わりに田舎の大家族を投入。
つーわけで
途中からその後の展開が読めてしまったわけだが、それでも、わかってても、最終決戦のクライマックスは熱い!泣ける!

主人公の健二@神木隆之介は、序盤はその草食っぷりにイラッとくるところもあったが、中盤以降の成長ぶりは見事に主人公。限界を超えて
暗算がイカス!
しかし
中の人は声変わりして背が伸びて、すっかりただの人になってしまったなあ。ジブリ絡みで声優は何回もやっているはずなのに、
小学生時代よりも下手になっている気が。

黒の組織は一刻も早くAPTX4869を飲ませるべき

ヒロインの夏希センパイ@桜庭ななみ中の人の棒っぷりも含めて正直お飾り。貞本キャラはズルイ。
お飾りなだけにクライマックスでのあの扱いには違和感が。(
だったら詫助との花札シーンでは彼女を勝たせておかないと。)

事件の鍵を握る謎の男・詫助@斎藤歩中の人の棒っぷりが酷すぎ。重要キャラなのにそれはない。

肝っ玉おばあちゃん・栄@富司純子はグレイト。美しく気高く老いることの希少さよ
しかしどー考えても声優童貞のはずの
中の人の演技の達者さはお見事。文句なしに真のヒロイン

そして影のヒロイン佳主馬きゅん@谷村美月日焼け+タンクトップはエロいんですけど。つーかここは”実は女の子”であるべきだと思う
わけだが、元が「デジモン」なんだからやはり少年であるべきなのか…。


他では声優童貞多数の中で作品の質をきっちり維持した永井一郎の存在感が嬉しい
前作ヒロインの中の人は誰の役かと思ったらおばはん役で驚いた。しかも違和感ないし。


毎年お盆が来れば観たくなるんじゃないかという1本。



○「さや侍」 ★★ (11.7.1/劇場)
STORY:流行病で妻を失ったショックで、仕事も家も藩も刀も捨て、鞘だけは捨てきれずに流浪する浪人・野見勘十郎とその後を追う一人娘
のたえ。たえは武士らしく潔くあれ、と父をなじるが、勘十郎は答えようとしない。脱藩の罪で多幸藩内で捕らえられた勘十郎に課せられた刑は、
母を病で失い笑わなくなった若君を三十日以内に笑わせられれば無罪、できなければ切腹という「三十日の業」。親子の挑戦が始まった…。



松本人志の監督第3作。3作目にして松本が主演から降りる。代わりに起用したのは素人の見目麗しくないおっさん。前作「しんぼる」でも
そうしたらよかったのに。
さらに今回は私生活でも一児をもうけたのが影響してるのかな、という感じの子役の使い方をしているのが印象的。

頭が良くて勝ち気だけど本当は優しくて父親思いなんていう理想の娘像なのが垣間見えてっつーかダダ漏れで、親馬鹿よのう。
そん
な愛おしい娘に父親が残すメッセージ、的なラストなのだが、あれは娘にとっちゃすげえトラウマになるんじゃね?

「三十日の業」で一日一発繰り出されるギャグが、非常につまらない。まあそれが意図的な内はいいのだが、後半、町民の熱狂的な支持を
受ける、という設定であってもやはりつまらない
のはどうしたものか。


全体的に落第点なれど、最後の朝に父親に手を差し出され、満面の笑顔でその手を取る娘@熊田聖亜の演技はすげえ印象的だった。

常にアホみたいに口を半開きにしている柄本時生も印象的。どっちかっつーと悪い意味で



○「さよならドビュッシー」 ★★★★ (13.1.30/劇場)
STORY:ピアニストを目指す高校生の香月遙は、資産家の祖父と同い年の従姉妹・ルシアと火事に巻き込まれる。一人だけ奇跡的に一命を取り
留めた遙は、若き天才ピアニスト・”魔法使い”岬洋介の指導の元、厳しいリハビリに挑み、コンクールへの出場を決める。だが、遙を狙って次々と
事件が起こり、ついには遙の母親も重傷を負ってしまう。コンクール当日、精神的動揺で指が動かなくなった遙に、洋介は最後の魔法を掛ける…。



中山七里の「このミス」大賞受賞作の映画化。橋本愛目当てで劇場へ。

原作もミステリ部分は結構ぞんざいで、最大の見所はピアノの演奏シーンだったのだが、映画化においてもそこは踏襲
犯行とか動機とかはいろいろ弄ってあるのだが、
それでもなおgdgdなのはいただけない
火事が起きるまでのルシアの登場シーンを増やしたことにより
遙とルシアの絆を深めることに成功したので、原作の、ルシアの登場シーンが
あまりに少ないが故の
入れ替わりのトリックがバレバレという最大の問題点は改善されたが、なんでまで同じになるんですかねえ

つーわけで見所である序盤の洋介、終盤の遙のコンクールのピアノの演奏シーンはなかなかよかった。流石物語の鍵となる洋介役にわざわざ
素人俳優の本物のピアニストを連れてきた
だけのことはある。
が、じゃあなんで原作中盤の盛り上がりシーンである洋介のコンサートのシーンをカットしちまうのか。予算とか尺の都合というのもわかるが、

わざわざ素人俳優の本物のピアニストを連れてきたんだから見せ場を作ってあげないと。

そんな、いいシーンとダメなシーンがはっきりした惜しい映画
なれど、主演の
橋本愛を美しく可憐に魅せることには成功しているので、ならばよし!
つーわけで’12年からかわええかわええ言ってるが、’13年はブレイクしますよ。
しかし相も変わらず薄幸な役どころ


探偵役の若きピアニストに清塚信也失敗した稲垣吾郎みたいな顔だが、演技はドン引きするほど下手ではない。上手くもないが。雰囲気は出て
いたので、起用はまあ成功かと。


他の俳優は、なんつーか、びみょ〜なのがほとんど。ルシア役はもう少しかわいくてもよかったんじゃないかと。
そして
謎の三ツ矢雄二の起用。これはグレーゾーンどころじゃねえだろ。
コンクールの審査員に
堤幸彦みたいなヤツがおると思ったら、本人だった。

EDもせっかくだからピアノ曲で綺麗に締めればいいのに、まあタイアップとかあるからねえ。コンクールでの「月の光」でもうスタッフロール流し
ちゃえば美しかったのに。




○「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」 ★★★ (11.11.14/劇場)
STORY:フランスが誇る英雄・アトス・ポルトス・アラミスの三銃士はヴェネツィアでダ・ヴィンチの飛行船の設計図を盗み出すが、アトスの
恋人・ミレディの裏切りで設計図をバッキンガム公爵に奪われ、失脚してしまう。3年後、パリにやってきた青年・ダルタニアンは三銃士と
共に枢機卿リシュリューとバッキンガム公爵の争いに巻き込まれ、ミレディに盗まれたアンヌ王妃の首飾りを追ってロンドンに渡ることに…。



TVCMで、「『バイオハザード』の監督が送る」とかアオッてたけど、それ褒め言葉じゃなくてけなし文句だから!

つーわけで凡庸な作品を撮ることで有名な”駄目な方のポール・アンダーソン”ことポール・W・S・アンダーソンが送る、金は
掛かってるが
当然凡庸なアクション大作

冒頭の舞台がいきなり我が愛しのヴェネツィアなのは嬉しかったが、三銃士、他国の機密を盗み出すといういきなり悪役な登場。
アトスなんか夜の運河から黒い潜水服を着て登場→衛兵を弓で射殺、と
明らかに悪党描写じゃん。
ダ・ヴィンチの残した資料を集めた秘密の倉庫に潜入するも追っ手がかかり、逃げるために天井を爆破したせいで運河の水が流れ
込み
世界的に貴重な資料は全てパア軽蔑します
つーかダ・ヴィンチとヴェネツィアってそんなに縁がないはずだが。


つーわけでイマイチ格好良くない三銃士バカ青年・ダルタニアンを加えた主人公チームに対する悪役も当然凡庸
怪優・クリストフ・ヴァルツ歴史に名を残すリシュリュー枢機卿を演じるというのに、何この凡庸さは?
もう一人の巨悪である罰金バッキンガム公爵@オーランド・ブルームまるでスケールを感じさせないボンクラ。せっかくオーランド・
ブルームが悪役を演じるということで話題性があったのに。
ファッションセンスが素敵なルイ13世がバカ殿と見せかけて…まあ実際バカなんだがいいやつだったのはほっこりして好き。


ウリの飛行船のアクションはまあ凡庸というか、ふつー。あんま変わらないな。
しかし飛行船二番艦のあのセンスはどうだろう


とまあ、一言で言うと凡庸、で終わってしまう映画だったのだが、監督のヨメであるところのミラ・ジョヴォヴィッチ相変わらず
くーる&びゅーちー
だったので、そこは評価すべき。胸の谷間強調しすぎ
ヒロインもそこそこかわいかった。




○「しあわせのパン」 ★★★ (12.3.26/劇場)
STORY:北海道は洞爺湖に面した月浦という小さな町。湖のそばに、カフェ・マーニという、季節の食材を取り入れたパンと、そのパンに合う
美味しいコーヒーを淹れてくれる小さなお店があった。そこを営むのは、パン職人の水縞くんとりえさんの夫婦。そこを訪れるいろいろな悩みを
抱えたいろいろな人たちは、素朴だけれど素敵なおもてなしで、心の傷を癒されていく…。



♪これからは二人 同じ速さで歩いていこう これからもずっと 好きな景色に囲まれながら
いつものあの店のスープに 君の笑顔が溶ける


副社(ミスターのヨメ)がプロデュースした北海道いいとこ一度はおいで映画。そうなると当然主役は今や冗談抜きで北海道が生んだ大スター
となった・御存知大泉洋


つーわけで夫婦なのに「水縞くん」と名字で呼ばれてしまう微妙な関係の姉さん女房と、気のいい朴訥な(「マグロ!」を草食系にした感じ
の)青年
が細々とやりくりする
湖畔の素敵な喫茶店兼ペンションと、様々な問題を抱えて背負ってここを訪れ、素敵オーラに癒される老若
男女の姿
を描いた四季折々の物語。

よういずみの年上の奥さん役は原田知世。一世を風靡したのはまだオイラが幼い頃だったのであんまり思い入れがないけれども、「ロマンス」は
神曲
だと思います。
時をかける少女も気がつけば45歳で、そりゃあオイラも歳を取るはずだと、となんだかしみじみするが、
ショートカットのその横顔が幼くて
かわいくてドッキリ
。短髪好きにはオススメ。

そんな夫婦と、夏・秋・冬と季節ごとにカフェを訪れる客たちとの交流が描かれるわけで、やっぱりそのお客さんが一癖も二癖もあって、いろいろ
なトラブルを抱えていて、それが癒されていくなんてえ話なのだが、ここが
何とも下手くそなのが痛い。

四季折々の美しい自然、美味しそうなパン、暖かそうな料理、心優しき地元民、和やかな音楽なんて雰囲気が良さげなのだが、それに頼りっきり
で物語がおざなり
なんだよなあ。
東京から北海道に旅行に来て、
沖縄土産のシーサーを探すOL。いや、東京に帰ってから買えよ
地獄耳ってレベルじゃねーぞ、なガラス職人。

雰囲気で察しろよ、と言わんばかりな言葉足らずな父と娘。
唐突にアコーディオンを弾きだす謎の常連客。そして謎は丸投げ。
そのうち旦那の留守中に奥さんを襲いそうな郵便局員。


最後の客の中村嘉葎雄が流石の存在感で引き締めてくれたから何だかいい映画感で終われたものの、それがなかったらやばかった。
しかし矍鑠としていた中村嘉葎雄、5年前の「どろろ」の時なんてかなりやばかったのに、また元気になったようで。


つーわけで、あまり細かいことは考えないで、ほっこりした空気を楽しむ作品

でもなあ、大泉洋がパン屋なんだよ?
「おいパイ食わねぇか」
て言わないかなあと思うのが人情てぇもんですよ
次々に押し寄せる変な客を相手にボヤきまくるけど、結局はリクエストに応えるいいヤツなんてキャラを期待しちまうじゃないですか。
でも、そんなことは一切なく、
ただいるだけのキャラなのがなあ。
大泉洋主演だったらお前ら観に来るんだろ、アーハン?と馬鹿にされているようで


○「シークレット・ウィンドウ」 ★★ (04.11.10/劇場)
STORY:売れっ子小説家のモートは半年前、妻の浮気現場を押さえてしまい、それ以来家を出て湖畔の別荘で一人暮らしをしている。ある日
彼の元にシューターという男がやって来る。彼はモートがかつて書いた「シークレット・ウィンドウ」という短編が自分の小説の盗作だと罵る。彼が
差し出した原稿は一箇所を除いて確かにモートの小説と一致していた。その日以降シューターは執拗にモートを脅迫し始めるが…。



本来、”スティーブン・キング原作”なんてアオリの映画は鼻で笑って黙殺する性分なのだがジョニー・デップ主演というところに興味を
引かれ鑑賞。


謎の男・シューターの正体と事件の真実については思っていた通りのレベルで別段どうというものでもなく鼻で笑ってしまうのだが、ジョニー・
デップは相変わらず胡散臭くてよろしい
。濃ゆいデップファンには推薦。
数少ない主要人物の一人である主人公の妻が浅はかで阿呆でウザったい。今彼が彼女を捜してやって来たので、元彼が
不意打ちしようと
待ち伏せ
しているのが見えているだろうにそのことについて何も言わねえもんだからあっさり今彼が殺られてしまうシーンは頭悪くて腹立った



○「JSA」 ★★★★ (02.2/ビデオ)
STORY:朝鮮半島を二つの国に隔てる38度線。その共同警備区域(JSA)で、銃撃事件が発生。北側の警備詰め所で二人の北朝鮮兵が
死亡し、一人が重傷を負ったのだ。しかし韓国側は、韓国兵スヒョクが拉致され、隙を見て三人を銃撃し脱出したと主張し、北朝鮮側は、突然
乱入したスヒョクによって三人が撃たれたと主張する。真相追求のため中立国監督委員会から、韓国系スイス人女性・ソフィが派遣されるが…。



漢が漢のために哭く映画。女子供は、すっこんでろ。(言い過ぎ)
同じ民族でありながら、二つの異なるイデオロギーの国に分断され異なる教育を受けてきた男たちの、哀しい友情の末路を描く物語。
日本人にはわかりえないと思われるいびつで不幸な半島事情に翻弄される男たちの友情に敬礼!
それが最悪に近い形で結末を迎えてしまった原因が女(の捜査官)のせいだというのは、果たして意図的なのかどうか。
あ、多少
ホモくさ
団結!




○「ジェイソンX」 ★★★★ (02.9/劇場)
STORY:21世紀初頭、不死身の殺人鬼ジェイソンを殺す方法の見つからない人類は、方法が見つかるまで彼を冷凍刑に処することにした。
そして450年後、すでに人が住めなくなった地球に調査に来ていた宇宙移民の大学生たちが氷づけのジェイソンと警備主任ローワンを発見し、
宇宙船の中で蘇生させてしまう。蘇ったジェイソンは再び大殺戮を開始する。逃げ場のない船内で追いつめられていくローワンらの運命は…。



今までのシリーズが培ってきたお約束をSFという予想外な設定に問答無用にぶち込んだ結果、実にイカスバカ映画に!
地球が滅びて人類が宇宙で生活するようになってもやっぱりバカ大学生は乳繰り合いそれを察知してジェイソン蘇生とか、軍隊がアサルト
ガン装備で撃ちまくろうが、相変わらずジェイソンの獲物はナタとか、ジェイソンVS戦闘用アンドロイド(意味もなく二丁拳銃&宙返り!)とか、
一度は敗れたものの
メタルジェイソンとなって復活とか、まことに隙のないバカっぷりで爆笑。
どーでもいい続編ばかり作られてシリーズが陳腐化しきったが故に放てたスマッシュヒット。




○「シェフ 〜三つ星レストランの舞台裏にようこそ」 ★★★ (13.4.3/劇場)
STORY:ジャッキー・ボノは数多くのレシピを暗記している才能あるシェフだが、妥協のない性格のためクビになってばかり。恋人のベアトリスの妊娠
を機に真面目にペンキ塗りの職に就くジャッキーだが、三つ星レストランの有名シェフ・アレクサンドルに見初められ、無給で彼の助手になる。金儲け
しか頭にないオーナーに、春の新料理で三つ星から陥落したらクビと言い渡され悩めるアレクサンドルは、ジャッキーと共に新メニューを模索する…。



おフランスのグルメコメディ全くオサレではない上映時間85分とコンパクトで、テンポがいいっつーか間がない。殺伐としている感じ。なんか
フランスのコメディっってそんなのが多い気がする、というほど数を観てないけど。
なので
肝心の料理があんまり美味しそうではないのが痛い

腕は立つものの生意気で頑固で協調性がない若手と、伝説的料理人なれど料理以外のゴタゴタで神経をすり減らしている頑固で協調性が
ないベテラン
頑固で協調性がない二人の成長物語でもある。まージャン・レノも老けたなあ

最新の料理である分子料理とやら全く美味しそうでない見てくれなのだが、これ、ネタじゃなく本当のことなのか!
その分子料理をウリにするライバルのオサレな店主人公の凸凹コンビが変装して偵察に行くのだが、何故か外人が勘違いして認識して
いる日本人に変装していく
のが狂気を感じた。ジャン・レノ何やってんの!?



○「ジェヴォーダンの獣」 ★★★ (02.8/ビデオ)
STORY:18世紀のフランス、ジェヴォーダン地方で、謎の獣が出没し100人以上の女子どもばかりが惨殺されるという事件が起こった。博物
学者フロンサックは国王の命を受け、義弟マニと共に調査に赴く。地方貴族の娘マリアンヌとの恋に燃えるフロンサックは調査の末に、ついに
正体不明の獣の秘密に迫る。だが、その裏ではフランス全土をも揺るがす恐るべき陰謀が蠢いていた…。



おフランスの大バカアクション歴史スペクタクル。大丈夫なのかフランス映画!?
アクションは非常に楽しいのだが…いかんせん冗長すぎ。
後半、いよいよ件の獣がそのアレな(笑)姿を現す辺りからは俄然面白くなるのだが、それまでが長すぎ。大幅減点。
しかし何故に18世紀フランスで敵も味方もそんなにあからさまに
カンフーファイトをしてしまうのか(笑)。

以下ネタバレ。
獣に
「悪代官」ばりのトラップで痛手を負わせた後、敵地に乗り込んだ義弟兼ボディガードのマニを殺された主人公の学者・フロンサックが怒り
に燃えて単身敵地に突撃してみれば、
この人ボディガードより強えじゃん!!!ナイスバカ!!!

フランス貴族コスプレのヒロインがかわいかった。あとモニカ・ベルッチの扇子とヴァンサン・カッセルの剣サイコー



○「地獄甲子園」 ★★★ (03.8.21/劇場)
STORY:甲子園出場を目指す強豪・星道高校の校長(兼野球部監督)は予選第一回戦の相手が、試合を合法的殺人の場としか見ていない
凶悪な外道高校だと知り、出場辞退しかないと落ち込むが、彼の前に現れたのはケンカ野球戦士・十兵衛だった。彼の野球の腕に惚れ込んだ
校長らの熱心な勧誘により十兵衛は外道高校と闘うことを決意する。が、試合当日、彼は球場に現れなかった。そして、惨劇の幕が上がる…。



あの、マンガ界随一の理不尽作家・漫★画太郎理不尽で適当な原作が無謀にも実写映画化!
しかも制作陣は傑作問答無用バイオレンスアクション映画「VERSUS」のスタッフ!
つーわけで特報を知ってから一年余り待ち望んでの鑑賞だったわけで。


原作を忠実に映画化してしまうと話が成立しないのでかなりアレンジが入っていて、原作ではついに見ることのできなかった十兵衛と外道
高校との死闘を見ることができるのがうれしい。

登場人物も原作は再現不可能なのでかなりアレンジが入っているが、なかなか楽しい変更でそれもアリ。特に、映画オリジナルキャラの、
メガネの母ちゃんはインパクト絶大で夢に出る


結論からいうと、どんどん出鱈目な方向に転がっていく話とギャグの方向性とノリは望んでいたもので、バイオレンス&ゾンビアクションの
旗手たる監督と日本一危険なアクション監督による格闘シーンも楽しめたし、場面場面を取ると光る箇所は多々あったのだが、作品全体と
して見ると非常に間が悪くギクシャクしている
、パッションとテンションに演出が追いついていない、自主制作レベルな作品であった。
なんつーか、不要な部分をくどく描くわりには、もっと笑える場面をあまりにもサラリと流しすぎてしまうきらいがあって。


個性派揃いではあるものの演技派ではないキャストたちの迷演技もちとマイナスポイント。
主人公は新庄剛志。この映画のために本業に身が入らず成績不振で3Aに降格されたことは記憶に新しい(笑)
長髪・学ランも勇ましくキレのいいアクション
キレのいい「はうあっ!」を見せてくれるのだが………相変わらずものすごい演技力で、見て
いるこっちが「はうあっ!」と叫びたくなる。ヤヴァイッスよ拓ちゃん…。でも突然歌い出すのは大爆笑だった。
他に「VERSUS」組からは氣志團かと思った松本”チビ”実、メガネ、両方サウスポーの人、トップブリーダー、ボスが参戦。つーか後ろの二人は
ものすごい外道メイクなのにオイラもよく一発で見破った。他に北村組からは「荒神」、「The Messenger」の魚住佳苗もチョイ役で出演。眼鏡
+三つ編みでオイラの萌え中枢を著しく刺激。


十兵衛の剛速球を受ける補球する野球戦士・番長原作を越える三段変化で見る者を唖然とさせてくれる。第1段階のナニワの小西博之
に学ランを着せる
のも素晴らしい(でも似合ってるし)が、やはり第2段階の
X−GUN西尾の癒し系演技が最高でごわす。
非業の死を遂げる(ほとんど全員だが)松井ゴリラにVシネ界の名脇役・土田ドンペイ頭の悪い演技が実に最高だゴリ


しかしぶっちゃけこの作品で一番不満だったのは、校長の顔が画太郎顔じゃなかったことである。
そりゃあ確かに校長役の人はかなり好演していたのだが、やっぱり画太郎作品の校長いうたらハゲで頭頂部に1本だけ毛が生えていて赤ら
顔でイボ鼻でヒゲ生やしてないとあきまへんて


とまあ、どちらかというと批判的に書いてしまったが、所々のギャグのキレは素晴らしく汚い顔のおばちゃんとのカンフー対決とかバックの
青空いっぱいに気持ち悪い蛭子さんの笑顔とか、今でも思い出し笑いをしてしまうので、一見の価値はあるかと。ツボにはまる人にはかなり
効きますぜ。




「地獄甲子園外伝 ラーメンバカ一代」
同時上映。無論バカ。短編故に一気に畳みかけてくるので本編よりもインパクトはあるかも
特に
二段変化した後のラーメン太郎のビジュアル
…と思ったら演じているのは「殺し屋1」・「牛頭」の脚本&出演の佐藤佐吉ですか!?「牛頭」に続いてまたも強烈な役を…。




○「69  sixty nine」 ★★★ (04.8.5/劇場)
STORY:1969年、長崎佐世保。お調子者の高校生・ケンは「人生楽しんだモン勝ち」と、、二枚目で頭もいいが訛りのひどいアダモや、ドジで
小心者のイワセら仲間たちと、ロックでムービーなフェスティバルを企画する。準備中、演劇部のマドンナ・松井和子に惚れてしまったケンは
彼女にいいところを見せようと深夜学校をバリケード封鎖する。が、イワセのドジから犯行がバレ、一同は警察に連行されてしまう…。



村上龍の自伝的小説脚本・宮藤官九郎新鋭監督・李相日が映画化。
が、その二人をはじめスタッフの多くは物語の舞台となった’69年には生まれていないわけで、作品は
’69年風青春物語となっている。
ま、オイラも生まれてないんで別に違和感は感じず見れたが。


クドカンのノリは相変わらずで、2時間ニコニコと見ていられる破天荒青春劇シマキューの跳び蹴りには笑った。
主人公の、お調子者だが芯は強く行動力抜群のケンに
妻夫木聡従来のイメージよりもかなり”攻め”っぽい役(笑)でなかなかはっちゃけて
いる。
その相棒の、頭はいいがどこかズレているアダモに
安藤政信。物静かな役だが、少し引いた演技が妻夫木よりも印象的だった。
もう一人の相方に現役高校生の金井勇太。24歳と29歳の主役コンビ(でも高校生役。まあ
カオルちゃんよりは…ね)を向こうに好演。
他にも”指紋のなか中村君”などダメ高校生たちがギトギトしていていい感じ。
ヒロインはモデル出身の太田莉菜。ぶっちゃけ両生類っぽい顔立ちなのだが、ハーフなだけあって手足がスラリと長くて見栄えするし、時々
すげえかわいかったりもする未知数な娘。
柴田恭兵や嶋田久作や岸部一徳や新井浩文ら芸達者が脇を固めるが、ムラジュンの丸い顔が出てきた時にはまたかよとため息。


とまあ作品も俳優も及第点なのだが、どうも主人公・ケンがペラペラな感じで話も薄くなっていると思う。だってツマブキ、わざわざ”バリ封”
なんてしなくても彼女簡単に口説けるじゃんよ。それに”バリ封”するほど学校の管理体制が悪い、という描写がないのも感情移入しづらい。
あとツマブキだアンドーだクドカンだケミストリーだと、若い女の子向けっぽい映画だというのに
下ネタ多すぎ。やりたい盛りなんで”もっこり”
なんかは構わんがゲロ
下痢便はいくらなんでも。



○「シッコ SiCKO」 ★★★★ (07.10.15/劇場)
STORY:米国は西側先進国で唯一国民保険がない国である。政府は言う。「そんな社会主義な制度では医療のサービスレベルが低下して
やっていけない」。しかし現実では、保険に入れないため高額な医療を受けられず多くの命が消えているのだ。更に救えないことに、高額の保険
に加入している人々も保険会社が金を払いたくないという理由で治療を拒否されているのだ。この異常な現実にマイケル・ムーアが斬り込む…。



お馴染み突撃監督マイケル・ムーアの「華氏911」以来の新作”米国のありえねえ現実”ドキュメンタリー医療保険制度がテーマ。
世界一の大国アメリカ、自由と平等の国アメリカ。しかし実際には
高額な健康保険に多数の国民が入ることができず、高額な治療を受ける
ことができず、
治療さえ受けられれば容易に助かる命が失われている

だがしかし、保険に入っているからといって安心できないのだ。
高額な医療費を支払いたくない保険会社は、病院と結託して難癖を
つけて治療を拒否する
のである。彼らは保険を適用させなければさせないほど、治療をしなければしないほど、ボーナスが支給される
のだ!


このあまりに馬鹿げた現実を、当然ほとんどの国民(アホのブッシュに票を入れるような人たち)は知らない。アル・ゴアの「不都合な真実」
同様、それを知られてはおまんまの食い上げだ、という連中によって隠されているからである。


政府や保険会社や病院が言うには、「国民保険なんて導入したら患者の数が増えて現状の医療体制では対応が追いつかなくなり環境が劣化
する。そんな社会主義的な制度が成り立つわけがない」。
では他の先進国はどうだろう、とムーアはお隣
カナダ・フランス・イギリスと突撃取材を敢行。
ところがどの国も
国民保険のおかげで患者も医者も幸せに暮らせているではないですか!
あまつさえ隣国にして”敵国”である
社会主義国のキューバでさえ、本国では何万、何十万とする薬が何十円で買えてしまうではない
ですか!


こんな理不尽が許されていいのか、否、許されるわけがない!立てよ国民!
といういつものプロパガンダ映画なのだが、
被害者である国民の皆さんは劇場に行かずに選挙でアホのブッシュに票を入れるわけなの
だなあ
そしてボラットにもコケにされる

個人的には「ボーコロ」や「華氏911」よりも興味深く観れた。というのも矢張り今までの対岸の火事的なテーマと違い、医療保険というより身近
なテーマ
だったからというのが大きい。
どこぞの国も国民保険はあるものの自己負担額が上がったり経営難で病院が潰れたり、なんとも先行き不安すぎる話題しか出てこないからねえ。




○「実録・安藤昇侠道伝 烈火」 ★★★★ (02.9/劇場)
STORY:真田組組長が敵対する大滝会に殺された。真田を父と仰いでいた国定は若頭の指示の元大滝を暗殺するが、潜伏先で味方の真田
組組員に命を狙われる。全ては真田組・大滝会を傘下に収めようとする阪東連合の仕業と知った国定は逆襲を開始、両組の幹部たちを次々と
血祭りに上げる。焦る大滝会は腕利きの殺し屋を国定に差し向ける。全てを見通すような黒社会の謎のフィクサー、”御前”は何を思うのか…。



監督三池崇史・脚本武知鎮典のコンビが’02年、三度放つ(つーか放ちすぎ)狂犬ヤクザ映画。が…同コンビの「荒ぶる魂たち」と筋が
まんま同じ
なのは気のせいなのか?でも「映画秘宝」で監督自ら「この映画は『荒ぶる〜』のBバージョン。主役が加藤雅也から竹内力に
替わったらどうなるか
という作品」とか言ったので確信犯。


つーわけで重厚で静かに熱かった「荒ぶる〜」に対して、こちらは「不動」・「DOA」に連なる正統派暴走三池映画でサイコー!
吹き荒れるやり過ぎ描写の嵐!
力兄ィのサイコクラッシャーアタックに不死身の内田裕也、エレキギターをかき鳴らす志賀勝やヅラを投げつけて攻撃する石橋蓮司など、
やりたい放題!
そして終盤、復讐鬼と化した力兄ィ、
ロケットランチャーで歌舞伎町を大爆破!雑魚組員が「ブロークン・アロー」のトラボル太よろしく吹き
飛びます。
対する凄腕の殺し屋コンビ、”スーさん&タバタくん”
うっかり全裸になったり「VERSUS」みてえなゴテゴテしい重火器を持って
「マトリックス」よろしくキメキメしたり(画面いっぱいに降り注ぐジョン・ウーも真っ青の白い羽根!)と大暴れ!
そしてヘヴィーマシンガン装備のスーさん&二丁拳銃のタバタくんに鉄パイプ1本で特攻する力兄ィを待ち受ける運命と、
わざわざこのため
に呼んできやがったなテメェ!な丹波哲郎と内田裕也が炸裂させる驚愕のオチ
に唖然とするべし!ロッケンロール!!!
つーかこれのどこが「実録」じゃい!!!


銀髪の力兄ィ・タンバ・裕也を筆頭に、皆実にいい仕事をしている豪華出演陣の中でも、主人公の気のいい舎弟を演じたエンケンが実に実に
素晴らしい。


「DOA FINAL」ほどまったりとしてなく、「カタクリ家」ほど狂気に走ってなく、「荒ぶる魂たち」ほど淡々としていない、何気に三池映画’02年
ナンバーワン
の出来




○「SHINOBI」 ★★ (05.9.27/劇場)
STORY:1614年。戦国時代も終わり世の中も治まる中、江戸幕府の幹部たちには一つの懸念があった。甲賀の卍谷と伊賀の鍔隠れの超人
的な忍者たちの、平穏の世には不必要な戦力の存在だった。そこで彼らは、犬猿の仲の両里の殺し合いを解禁し、共倒れを画策する。二人の
若き党首、甲賀の弦之介と伊賀の朧は密かに愛し合う仲だったが、二人の想いは殺戮の渦の中に飲み込まれていってしまう…。



近年「バジリスク」としてマンガ化・アニメ化された山田風太郎の傑作伝奇小説「甲賀忍法帳」の実写映画化。
これもまた
所謂「映像化不可能と言われた原作を実写映画化!」という類のアレで、中身がナニなのは言わずもがな
忍者のくせにやたらデーハーな衣装で飛び回る予告編やキャスト陣や監督の名前や
主題歌の人や、そりゃもう最初っからネタのつもりで
観賞したわさ
。だがしかし、
想像を上回るヘボさでガックシ。

山田風太郎作品の魅力と言えば血沸き肉踊る荒唐無稽な忍術合戦であって、その他の部分など飾りにすぎんわけだが、お偉いさん
にはそれがわからん
ために
その他の部分ばかりがダラダラ長いというろくでもないな出来。(まあ、原作を忠実に映画化したとしてもボンクラ
魂の持ち主しか観に来ず、稼ぎにはならんわけだが。だったらオリジナルの忍者ラブロマンスにでもしやがれ。)こーゆーのこそ北村龍平に監督
させればいいのに。


その他のシーンがただ長いだけならまだしも、さらにクソ益体もないことに、肝心の忍術合戦がクズ極まりないので救いようがない。
原作の10on10はボリュームがありすぎて描ききれず5on5に削ぎ落としたのは百歩譲って認めるとしても、そいつらが
原作無視のヘボ忍者
ばかりで開いた口が塞がらず


以下まとめてみる。

所属

氏名

念系統

能力

戦闘能力

ボンクラ度

ひとこと

甲賀

甲賀弦之介

特質系

キング・クリムゾン?
時間の流れを遅らせ、自分だけが高速で動ける。

★★★

ぶっちゃけマトリックスね。

室賀豹馬

操作系

千里眼?
周囲の敵の様子を探れる。

★★★

原作の重鎮から格下げな
雑魚死にっぷり。

陽炎

変化系

体内に毒を飼い、触れた相手を即死させる。

★★★

原作に忠実な方。

如月左衛門

変化系

触れた相手の顔を写し取り変装する。

★★★

原作ではあれほど猛威を
振るったのに…ボンクラ。

筑摩小四郎

強化系

手裏剣投げ・体術の達人。
…面白みがないなあ。

★★

まあ頑張った。つーか君
原作では伊賀忍じゃん!

伊賀

放出系

破幻の瞳。敵の術を無効化する
…ではなく、敵を体内からえげつなく破壊。

★★★

邪眼。

薬師寺天膳

特質系

不死身。
体内に巣くう蟲が傷を治すため死ねない。

★★★

「むげにん」じゃん。

夜叉丸

操作系

長い袖口に隠した大量の糸を自在に操る。

★★

まあ頑張った。

蓑念鬼

強化系

両手に装着した鉄の鈎爪が武器。

★★★

キングオブボンクラ!!!

蛍火

操作系

毒蛾の群れを操り敵を襲わせる。

★★

援護防御LV2。


こうしてみると思ったほどボンクラ率は高くないのだが、ボンクラ担当3名が救いようがないほどボンクラなため、全体としてアホテイストが
漂ってしまっている
のだな。


そして最後に一人生き残った後がグダグダ長いために評価はグングン下降
つーか家康(実はいい人なんて原作にないキャラ設定している意味がわからん。)直筆の手紙で攻撃中止はいいが、駿府から伊賀甲賀まで
どんだけ距離があると思ってんのよ???


つーわけで中身では勝負できない作品なわけで、そうなるとキャストで点を稼ぐしかなくなる。
幸い主演は
仲間由紀恵なので、その美しさでマイナス分を補い………切れなかった。orz
その他キャストも今ひとつ。でも
蛍火役の沢尻エリカはかわいかったぞよ
アクション担当の新庄は今回は美青年メイクを施されているため新庄というよりは
まんま川村隆一。「ゴジラFW」に続きほぼセリフがない役
なのがちょっと哀れを誘う。
話の都合上、服部半蔵や柳生一族はヘタレなわけで、
「あずみ2」といい、今年は服部半蔵受難の年なのか?



○「シベリア超特急」  (00/ビデオ)
STORY:ヒトラー・スターリンとの対談を終え、シベリア鉄道で帰途に就く山下奉文陸軍大将と副官の佐伯大尉、通訳の青山。が、車内で不審
な事件が連続し、ついには殺人事件が発生する。複雑に入り組んだ真相の糸を明快に解きほぐす山下大将。彼の名推理で悲しい事件は
すべて解決されたように見えた。だが………!



感想というか苦情は特設ページにて。



○「シベリア超特急2」  (01.1/劇場)
STORY:ヒトラー・スターリンとの対談を終え、シベリア鉄道で帰途に就く山下奉文陸軍大将と副官の佐伯大尉。が、マンチューリ近くで線路が
爆破され、10人ほどの乗客一行はホテルでの足止めを余儀なくされる。そして折しも嵐でホテルが陸の孤島と化したその夜、乗客の一人だった
武器商人が自室で刺殺死体となって発見される。しかも、状況証拠のすべてが犯人は山下大将であることを告げていた…。



感想というか苦情は特設ページにて。



○「シベリア超特急3」  (03.1.16/劇場)
STORY:2002年。実業家・宮城伝蔵の誕生パーティが、懇意のデザイナー・森裕美の手で盛大に行われた。瀬戸内海を豪華客船でクルーズ
というその企画は、伝蔵に恨みを抱いていた男が密室で殺されたことにより恐怖の旅に変わる。そして、それと状況がほとんど同じ殺人事件が60
年前、シベリア超特急の中で起こっていた。事件の謎を解く鍵がそこにあると考えた伝蔵は、長い昔話を始める…。



あー、つまらんかった
予想通りに
純粋につまらない。これっぽっちも期待せずに見たので特に落胆もなし。
それもこれも、我らが
マイク水野の演技がまともになってきてしまったというのが一番の理由。どちらかというと、あの素晴らしい演技に我々が
慣れてしまった、いや、
慣らされてしまったという感じか。

推理サスペンスものとしては無論、論外。つーか「1」と同じトリックというのはいくらなんでもどうか?つーかそのトリックが成り立つと「1」の話
が成立しなくなるのでは?

まあ、どうやらあまりに素晴らしい出来だった「1」を焼き直ししたいという気持ちがあるようで、またもぼんちゃんas佐伯大尉
必殺のロープ
投げ
を見せ(大爆笑)、列車の外をロープを伝って移動し、悪漢と大迫力の格闘(JAROに電話しないで下さい)を繰り広げる。
でも相変わらず車内は揺れもせず、窓の外は煙と闇だけだがなあ。


シリーズを重ねるごとに豪華になっていくキャスト、なんと今回は三田佳子宇津井健(とドクター中松)が参戦。でも話がダメすぎてなあ。
クライマックスの三田佳子の事件の核心に迫る爆弾発言で
館内大爆笑。本当はアッと驚くところなのだが。つーか小学生だって驚かねえよ、
こんな話。


とりあえずエンドマークの後のもはや恒例「次回『シベリア超特急4』で閣下と佐伯大尉に最大の危機が!?という字幕が一番受けた。
つーか「シベ超3」って当初の予定では、義経伝説を追って中国まで来た青年学者が馬賊に教われるもセスナに乗った佐伯大尉に
救われたり
万里の長城をリヤカーで疾走したり満州が水没したりする話じゃなかったか?

愛を込めて1点。



○「シムソンズ」 ★★★★ (06.3.8/劇場)
STORY:北海道、流氷と帆立と玉葱とカーリングの町・常呂の高校生・和子は平凡な毎日を送っていたが、町の英雄・カーリング日本代表の
真人と出会いカーリングのチームを作ることに。親友の史江、級友の菜摘、経験者だが訳ありの美希と”シムソンズ”を結成するが、真人の代わり
にコーチに来たのはダサダサな中年男・平太で和子は落胆。そして迎えた初試合、素人の彼女たちは当然1点も取れずに惨敗するが…。



トリノ五輪での日本代表の健闘でちょっとしたブームになりつつある(一時的だろうけど。)カーリングを題材にした快作青春ムービー
ちなみに実話ベースで、実際トリノの日本代表メンバーの内2人は元シムソンズ。


まあ一言で言うと、カーリング版「スウィング・ガールズ」(もしくは「ウォーター・ボーイズ」)。監督も関係者だし。
まあ上記2作品はクライマックスでの本番の演奏/演技が問答無用で素晴らしく、それが最大のウリなのだが、今作はどちらかというと本番に
行き着くまでの過程の方が見所
だったりする。
一人以外ド素人で気持ちもバラバラだった4人が、初めての試合で惨敗して、「せめて1点取りたい」と次第にカーリングにのめり込んでいき、
そして心を一つにしていく様がベタだけれども実によく描かれている。
一度はバラバラになってしまった4人の心が再び集まる海辺のシーンがリリカルで泣けてしまう。一人心を開かなかった
ツンデレの美希が
陥落してしまうシーンがね。


シムソンズの4人の少女は皆好演。
主人公のお気楽ゴーイングマイウェイ女子高生・和子に加藤ローサ知念里菜に似てね?
その親友・史江にニセなっちゃん。(パンフのプロフィールの出演作が「
某飲料水メーカー『なっちゃん』TV−CF」となってるんだが、名前
出しちゃダメなのかサントリー?)
牧場の娘・菜摘役に
高橋”SIREN2”真唯つーかかわええ。彼女が史江の家で呼びかけるシーンもよい。

脇を固めるキャストもまたパズルのピースのようにピタリとハマッて作品を盛り上げる。
冴えないおっさんコーチ役に
御存知・大泉洋。冴えないけれども心はナイスガイ、という「らしい」役。
その師匠に夏八木勲、シムソンズの魅力をいち早く察知する記者に松重豊、いつも明るい和子の母親に森下”ローズ姐さん”愛子
はしゃぎ回る菜摘の父親に徳井優。相変わらずかわいいおっさん役。
町の喫茶店のマスター役の
高田延彦が意外に演技が上手くて驚いた。まあ最近ハッスルの方で演技しまくってるからな。
あと開始数分での
森崎リーダーの登場で噴いた。

脚本よし、キャストよしで、演出も冴えて劇伴がピタリピタリと画に映えるのだが、後半になると使い回しが多くてダレてしまうのが難。

惜しむらくは、この佳作をトリノ五輪のカーリングの試合前に見れなかったことである。



○「下妻物語」 ★★★★ (04.6.14/劇場)
STORY:茨城県下妻市。見渡す限り田んぼだらけのド田舎に、まったくもって似つかわしくないフリルフリフリのロリータファッションに身を
包んだ少女がいた。竜ヶ崎桃子17歳。人生楽しければいいという軽薄なロココ文化に憧れる彼女は我が道を貫いて一人で生きてきた。そんな
彼女と偶然知り合ったのはバリバリのヤンキー、原チャで田舎道を暴走する白百合いちご17歳。水と油の二人だが次第に仲良くなっていき…。



のどかすぎる田舎町を舞台に繰り広げられる、一見正反対で実は似たもの同士の二人の少女の友情と成長の涙と大笑いの物語
一見深キョンにお人形さんのようなロリータファッションをさせて愛でるアイドル映画のようだが、実は骨太な青春グラフティーの傑作


退廃した18世紀フランスのロココ時代に憧れる主人公・桃子天使のような外見とは裏腹に心はねじくれ曲がっている
彼女とおかしなきっかけで出会い、勝手に友達づき合いを始める
いちご特攻服姿の田舎のヤンキーで、頭が悪くて中型二輪の免許を
取れず、原チャリを改造して走り回っている
。彼女は
バカだが心根は純粋である
つらい過去の体験から、社会の枠組みからはみ出して我が道をひた走っている二人が、次第に互いを認め合い、型にはまらない素敵な
大人へと歩みだしていく様
ハイテンションなコメディ仕立てでテンポよく綴っている。


見事な監督ぶりを見せたのは、代表作が「サッポロ黒ラベルの山崎努とトヨエツが卓球で対決するCM」という中島哲也
オイラ的にはTVドラマ
「私立探偵濱マイク」(笑)の傑作「21世紀の男 ミスター・ニッポン」の監督さんで注目していただけに拍手喝采。

主人公の深田恭子が素晴らしい。見てくれのみならず演技もバッチリ。クライマックスのモードチェンジも実に素晴らしい。
相方の
土屋アンナ嬢もナイス相方ぶり。相乗効果で作品を高めている。
主人公のろくでなし父親の宮迫とろくでなし母親の
篠原涼子あのゲロは素晴らしすぎる)、ユニコーンヘッド阿部サダヲ、頼りなさげだが
土壇場で男を見せる岡田”うっちー”義徳いつもの荒川良々小池栄子の乳と共演陣も皆ナイス演技。


一番笑ったのは水野晴郎のゲスト出演でしょう、うははは!
「水野晴郎がコンビニでのり弁とウーロン茶買ってた!のり弁レンジで温めてもらってた!」
もちろん着ているのは
シベ超Tシャツ!!!うははははは!



○「シャーロック・ホームズ」 ★★★ (10.3.22/劇場)
STORY:19世紀末、ロンドン。若い女性を狙った連続猟奇殺人事件が発生。国中が不安に戦く中、颯爽と犯人を捕らえたのは名探偵
シャーロック・ホームズだった。しかし、犯人であるブラックウッド卿は処刑されても墓の下から蘇り猟奇殺人を続け、政府高官たちが次々と
犠牲となる。事件を追うホームズはかつての恋人である女怪盗アイリーン・アドラーと再会する。彼女も事件の謎に関わっていたのだ…。



今ノリノリのロバード・ダウニーJr.生え際の後退ぶりが気になって仕方がないジュード・ロウのコンビを主役に迎え、CGで再現
された活力溢れる雑然としたロンドンを舞台に、
鬼才ガイ・リッチーがでスタイリッシュに描くアクションアドベンチャー
娯楽作としてはユーモラスで外連が効いていて所々に派手なアクションも入っていて、なかなかよくできていて楽しかった。


ただ、
これ、シャーロック・ホームズちゃうやろ

と言うほどオイラもシャーロキアンではないのだが、このホームズは武闘派すぎるし、何より三枚目すぎる。あとバリツ使わない

だが、まあシャーロック・ホームズではない別な探偵アクション(一般大衆向けの娯楽作なので推理は飾り)だと思えばそんなに
悪い作品ではない
たぶんコレとかよりはマシ

ワイルドでスットコドッコイなロバート・ダウニー・Jr.とジュード・ロウのコンビはなかなか息が合っていて、続編を見てみたいという気に
させてくれる。女性陣はイマイチ。


監督はスタイリッシュな演出に定評のあるガイ・リッチーだが、かつて(=結婚前)の華々しいフィルモグラフィから考えると、ずいぶん
しょっぱくなっちまったなあ


なんでホームズなのに敵がアイツじゃないんだよと思ったら…本編を見て納得。



○「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」 ★★★★ (12.4.18/劇場)
STORY:19世紀末、欧州各地で爆破事件が多発し、各国は一触即発の危険な情勢になりつつあった。事件の黒幕がモリアーティ教授だと推理
したホームズだが、教授によって周囲の人々が危険に晒される。新婚旅行の車内で教授の手下に急襲されたワトソン夫妻を間一髪救い出した
ホームズは、逆襲に転ずるべく、ワトソンと共に手がかりを求めてフランスへ向かう。二人はパリ郊外で事件の鍵を握る重要人物を捜すが…。



ガイ・リッチー監督ロバート・ダウニー・Jr.&ジュード・ロウが送る人気作の続編

前作の感想は一言で表せば、「シャーロック・ホームズだと思わなければ面白い」だった。
なんでホームズなのにアクションばっかすんねん。推理しろ推理。(実際ツ○ヤでもミステリ/サスペンスのコーナーではなくアクションの
コーナーに置いてある
。)
「アニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』が『アイマス』だと思わなければ面白い」のと全く同じ
ホームズものの二次創作のタイトルが許せないだけで殺人までしてしまう気性の荒いシャーロキアンを敵に回して大丈夫なのかと思いきや、
堂々の続編登場。しかも
件のアイリーン・アドラーを殺してしまうという暴挙。まったくこりない悪びれない

さて、内容だが、前作でホームズの造形については免疫ができた、つーか諦めがついたので、素直に底抜けアクション大作だと割り切って
楽しめた

きっと
「伯爵令嬢誘拐事件」の続きなんだと思えば腹も立たない…かも。

前作が興行的に成功したことを受けていろいろスケールアップ。舞台もイギリス・フランス・ドイツ・スイスヨーロッパ中を駆け巡って茶番劇
活劇を繰り広げてくれる

推理シーンも前作よりは増えたような気がするが、それ以上にアクションが増量かつ派手派手になったので、
やはりアクションコメディと
しか思えない
無論のこと大味だし。
ああ、この
意味もなく無駄にスタイリッシュな映像ガイ・リッチーってそういえばこんなのだったよなあ

ホームズとワトソンの息のあった夫婦漫才も健在で楽しい。つーかワトソンの結婚にショックを受けて挙動不審に拍車がかかるホームズの姿に
腐女子は大歓喜しそう


登場人物も増えて、ホームズ最大のライバル、モリアーティ教授も満を持して登場し、ホームズを(主に頭を使ってではなく暴力で)追い
詰める。
なんか髭男爵みたいな見てくれなんでもっとスマートな方がよかったなあ、と。まあ思い浮かぶイメージはどうしても
大塚周夫声の白スーツ・
マントでモノクルの紫色の犬
なんですけどね。あんにゃろ。

更にホームズの兄・マイクロフトも登場………したのだが、まさかの、

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    ノヌ     レ  /:l l:::::lヽ|l l:l し      !/  ';:l,、-‐、::::l ';::::l:::::l:::::::::l:::
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   ム ヒ       /::::l/l::::lニ‐-、``        / /;;;;;;;;;;;;;ヽ!   i::::l::::l:::::::::::l:
   月 ヒ      /i::/  l::l;;;;;ヽ \             i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l   l::l::::l:::::::::::::
   ノ l ヽヽノ    /:::l/:l /;;l:!;;;;;;;;;',               ';;;;;;;;;;;;;;;;;ノ    l:l:::l:::::::::::::
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     |      _,、-‐'"´';:::::::::イ:l';:::` ‐ 、._____,、-‐'"´  u /     し
   | | | |    \ l::/ l::::::/リ ';:::::lリ:::::l';:::l l:l:::::l\  u /
   | | | |      \/  l:::/ ノ  ';::/ ';::::l l::l リ l::l l::/ヽ /   し                         
紳士キャラで唖然。
   .・. ・ ・. ・     ヽ \ リ    レ  ヽ! り  レノ  `y


しかし、まさか2作目であすこまでやっちまうとはなあ。決戦の場がスイスの滝のあるホテル(風光明媚だけど実際泊まったら水音が
五月蠅すぎ
だろね。)という段階でファンはググッとくるものがあるよな。
モリアーティをこれだけで退場させるのはもったいないと思うんだが。

次作はルパン対ホームズだったり?(あれはホームズが悪役っぽいけど。)
 


○「灼熱の魂」 ★★★★ (12.4.10/劇場)
STORY:ホテルのプールサイドで突然体調を崩し、そのまま帰らぬ人となった母から双子の姉弟に宛てられた遺書には、姉弟の、死んだと
教えられてきた父親と存在すら初耳の兄を探し出して、手紙を渡してほしいとあった。乗り気でない弟をおいて母の生まれ故郷である中東へ
渡った姉・ジャンヌは次々と驚愕の事実を知る。異教徒の男との許されぬ子どもを身ごもった母・ナワル。村の掟を守るため男は殺され…。



2012年度アカデミー賞外国語映画賞部門に堂々ノミネートされたミステリ。1+1=2のはずなのに…。

育児に無関心で何を考えてるかわからなかった中東系移民の母親・ナワルの突然の死。そして双子の姉弟に遺された理解不能な遺言
それを実行するためにジャンヌは母親の故郷に初めて足を踏み入れる。
少ない手がかりから徐々に明らかになる
母親の壮絶で凄惨で衝撃的な過去
民族紛争に巻き込まれ翻弄された一人のか弱き女性を通して語られる戦いの歴史
血に染まった報復の負の連鎖
そしてその長き彷徨の果てに遂に明らかになる
まだ見ぬ父親と兄の正体。それは夜明けか永遠の闇か。
そして執行される遺言。その手紙に込められたナワルの想いが放たれる時、
灼熱の魂はようやく解放される

まあネタバレしてしまうと興ざめな作品なので、驚愕のエグい真実ぜひとも自分で確かめていただきたい
そしてそれを、
愚かな人間の業さえも受け入れて許してしまう、という母親の大いなる愛に胸を打たれていただきたい。

しかしシューキョーはやだねえ。まあ交通事故を起こすので自動車は駄目だという理屈で、シューキョー自体には罪がないのかもしれないけど。



○「jackass the movie」 ★★★★ (04.12.29/劇場)
STORY:んなもんない。


大の大人たちが周囲の迷惑考えずにありとあらゆる危険なバカをやりまくるサイコーにゴキゲンなバラエティー番組「jackass」の更にパワー
アップした映画版。
全米公開はとっくの昔だったのだが、日本公開は、渋谷でゲリラロケした際のカメラに写り込んだ人たちのプライバシーやらなんたらの問題が
クリアにならず見送られ続けてきたが、その辺を大幅カットしてようやくの公開。


一例を挙げると、
・レンタカーを借りてカークラッシュレースでボッコボコにして返す。
・カートで暴走して公園の遊具を木っ端微塵に。
・家の居間にワニを放ち帰ってきた母親絶叫。
・海辺で、砂で作った巨大マ○コに、チ○コの着ぐるみ着てダイビング。
・トイレ用品店の展示品の便器に本当にウンコする。
・コンドームにミニカーを入れて尻穴にねじ込み、股関節の具合が悪いと嘘をついて医者にレントゲン写真を撮ってもらい、腹の中のミニカーが
くっきり写ったレントゲン写真を見て医者困惑。


とか、素晴らしいバカっぷりで場内大爆笑。ただし周囲にこんなヤツらは絶対にいてほしくない

当然の如く下ネタのオンパレードなのだが、ゲロネタも多数あり、観ている内に段々こちらももらいゲロしそうになり、劇場を出た後激しく苦悶
した。




○「Jam Films」 ★★★★ (02.12.29/劇場)
21世紀の邦画界を支える7人の気鋭監督による各10分強の短編競作。


▽オープニング 監督:原田大三郎
CGで作られたオープニング。PS2のゲームの方がマシな程度の出来で、やたら映画が始まる前の新作予告が多かった(15分くらいやられた。)
のと相まってモーレツな眠気が…。内容はイェーイ高島だ!が案内をしていた頃のゴールデン洋画劇場のオープニングっぽい?


1、「The Messenger -弔いは夜の果てで-」 監督:北村龍平 出演:北村一輝・魚谷佳苗・新庄 ★★
STORY:廃墟の中に一人佇むギャング・権藤の前に現れた一人の女。彼女こそ”メッセンジャー”と呼ばれる伝説の殺し屋なのだ。そして、組織
を裏切った権藤に彼女が紡ぎ始めた死の言葉。せせら笑う権藤が凍りつく。流血。激痛。いつしか彼は女の言う通り死に始めていたのだ。


「VERSUS」の北村監督がトップバッター。今回の7人の監督の中では一番実績がない故に、ここで一発キツイのをかまして、その名を
お客さんの脳裏に叩き込んでほしかったのだが…ぶっちゃけ普通の出来だったり。
お約束のブレードアクションがない上に、ガンアクションも地味つーかよくわからなかったり。いや、オープニングのせいで眠くて…。
贔屓してこの点数。設定は面白いんで、思惑通りに次回は長編化を。



2、「けん玉」 監督:篠原哲雄 出演:山崎まさよし・篠原涼子 ★★★★
STORY:同棲中の今日子に頼まれて、ハンバーグのために玉ねぎを買いに出かけたあきお。ところが帰宅して袋を開けてみれば中身はいつ
の間にかけん玉に。途中ぶつかった女と荷物を取り違えてしまったのだ。そして、けん玉の赤玉の中には地図が隠されていて…。


山崎まさよしと篠原涼子の主役カップルがすげえいい感じの、優しく温かい秀作。もっとスラプスティックに走ることもできる(堤監督が同じ
話を撮ったりしたらどんな暴走した話になることか。)ところを、ほどよく抑制してあって、見た後に幸せななごみ感に浸れる。



3、「Cold Sleep」 監督:飯田譲治 出演:大沢たかお・角田ともみ・筒井康隆 
STORY:眠りから目覚めたフジオが目にしたのは古びた教室とおかしくなった仲間。唯一正常なナオミに教えられ、彼は少しずつ記憶を取り
戻していく。彼らは新天地を求めて宇宙へと旅立ったエリート宇宙飛行士たちだった…はず。とにかくも地球との交信に成功するが…。


大沢たかおお疲れ様でした。筒井康隆アク強すぎ。悪意に満ち過ぎ。


4、「Pandora -HongKong Leg-」 監督:望月六郎 出演:吉本多香美・麿赤兒 ★★★★
STORY:水虫に悩む眉子は、怪しい中国人に勧められるがままに中国四千年の秘密の治療法を試す。それは、箱の中の何者かに、秘薬を
含んだ口で足の指を舐めてもらうというものだった。その甘美さに眉子はすっかり虜になってしまうが、水虫は治りかけてしまっていた…。


ピンク系出身の望月監督の勝負手は、得意のエロティックな作品。つーか、エロエロ!エロエロ!!!足の指フェチなんてネタを堂々と
持ってきてしまうとは、グレイト!そして謎の中国人役の麿赤兒終始動きまくり。エネルギッシュなじいさまだなあ。さすが暗黒舞踏家。
これで主人公がもっと好みなタイプだったら余裕で満点だったのだが。



5、「HIJIKI」 監督:堤幸彦 出演:佐々木蔵之助・秋山奈津子 ★★★★
STORY:夕暮れの狭いアパートの一室に立てこもった殺人犯の男と、彼にひじきを勧める3人の女。自暴自棄になっている男だったが、
ひじきにまつわる彼女たちの悲しい身の上話を聞かされているうちに、だんだん心境が変化していく…。


ド本命堤作品。期待通りな相変わらずの黒いジョーク満載の作品で大満足。意味もなくやたらと低い天井、人質がいるのに平気で投げ
込まれる催涙弾、エンドロールのキャストに生産地など詳細データ付きでクレジットされているひじきなどなど笑わせていただいた。相変わらず
後味はよくないが。つーか”成人式”はねーだろ!(大爆笑)



6、「JUSTICE」 監督:行定勲 出演:妻夫木聡 ★★★★
STORY:外人教師がポツダム宣言を読み上げる退屈な英語の時間。窓際の席の東条は、眼下の校庭での女子の体育の授業を眺めるうちに、
彼女たちがブルマのズレを直す数が気になり始める。1回、2回…机に増えていく”正”の文字。そして、彼の憧れの少女の番となったが…。


いやあ、ブルマって本当にいいもんですねえ!(ハルヲ風)わたくし今までは紺色線なしブルマ以外は認めませんでしたが、いざ、こうも
美味しそうなものばかり見せつけられてしまうと、赤でも緑でも萌え萌えじゃのう、と言わざるをえないですなあ。眼福。
鼻の下を伸ばしながらうれしそうにブルマを見つめる妻夫木の演技に、好感度急上昇。(満面の笑顔&Vサインで)「ジャスティスッ!!!」
これがオレたちの合言葉だぜ!



7、「ARITA」 監督:岩井俊二 出演:広末涼子 
STORY:少女が何かを書く(描く)と、必ずそこに”ARITA”が姿を現した。それが当たり前だと思っていた少女だが、ある時、それが自分だけ
に起こる現象だと知ってしまう。”ARITA”の正体を知るべく、とりあえず”ARITA”のいる紙に火をつけてみると…。


ふーん、それで?
ヒロスエのモノローグは心地よいが、そんなのは昔からなので。「20世紀ノスタルジア」の頃のヒロスエだったらそれだけで満点だったのだが、今
のすっかり出がらし状態の彼女じゃなあ…。



つーわけで、好きな順に列挙すると、上につけたナンバーでいうところの、4-6-5-2-1-3-7
意外なところが上位に。でも
エロ話とブルマ話が上位2傑というのはあまりにも本能の赴くまま過ぎというか…。
対照的に、
この面子の中では最も有名であろう2人がぶっちぎりの最下位という結果に。いろいろ凝ってるところが鼻につくのだな。

7作品の平均点を出すと★3つ弱なれど、全体として見たときのボリューム感で+1点。一粒で何度も美味しい楽しい企画なので、どんどんやって
ほしい。




○「Jam Films2」 ★★ (04.4.5/劇場)
気鋭の映画監督たちが一人十分強の短編作品を撮ったオムニバス作品
「Jam Films」の続編
今回集まったのは
PVなどで活躍する映像監督4名。日頃はミュージックビデオやCMなど数分だけの作品を撮っている彼らに敢えて30
分弱のスパンに挑ませる
というのが今回のコンセプト。…って、
前作の良かったところを全てうっちゃるという大胆な第2弾な訳だが…。


1,「机上の空論」 監督:小島淳二 出演:ラーメンズ・市川実日子 ★★★
STORY:女性を口説くHOW TOビデオを完璧にマスターし、洋子を落とさんと狙う本田に、冴えないライバル松下は焦るが…。

 あまり笑えないコメディでのっけからガッカリだったのだが、クライマックスのあのこっぱずかしい展開ときたら…
 
ごめん、オイラああいうの大好きだっつーの!
 変な顔姉妹として知られる市川シスターズの、キツイ変な顔”の妹・実日子がかわええっつーの!
 作品としての出来はアレなのだが個人的にツボをえぐられたので甘々評価


2,「CLEAN ROOM」 監督:高橋栄樹 出演:韓英恵・麻生久美子 ★★
STORY:病弱なユカはずっと無菌室で独りだけで過ごしてきた。しかし、ある女性との出会いをきっかけにユカは不思議な夢を見出す…。

 病弱なヒロインの少女=「ピストル・オペラ」でデビュー即ヌードという試練を与えられた美少女・韓英恵タン14歳がかわええのお。その
 初々しさと比べてしまうと麻生久美子がやたらおばはんに見えてしまう。
 見所、終わり。話わからん意味不明。挿入歌に
イエモン「BULB」「球根」の英語ver。「甘い経験」英語verのマキシに入ってたなあ)を
 使っておきながら有効でないのも減点。


3,「HOOPS MEN SOUL」 監督:井上秀憲 出演:須賀貴匡・すほうれいこ・大森南朋 ★★
STORY:渋谷。彼女を借金取り・黒木にさらわれたヒロシはストリートで知り合ったナイスガイたちと奪還計画を立てるが…。

 シブヤを舞台としたシブヤ系ストリートカルチャー満載の短編。と、この段階ですでにオイラはアウト・オブ・範疇
 話はカメラがせわしいのと無駄に人が多いのとでスッキリしないウザッたい。つーかテアトル池袋のレイトショーでかかりそうな作品
 
X−GUN西尾を得意のおばちゃん役で起用した上に「地獄甲子園」つながりで三城晃子まで出してしまうというシブヤ系とは思えない
 ギャグ
は好き。
 
大森南朋が相変わらず作中に埋没して出ているっつーか普通に4,50歳くらいのオッサンっぽい演技をしているのがすごいなあ。

4,「FASTENER」 監督:丹下紘希 出演:有岡大貴・高木りな・嶋田久作 
STORY:ファーストキスを体験した少年は否応なしに大人への階段を登らされる。その虚実入り乱れる世界を否定しようとするが…。

 キモ嶋田久作の女装しかもセクスィーランジェリー姿というありえないビジュアルが見れることのみ特筆。他は、キモ


つーわけで悲惨な結果に。映像はともかく、物語としてちゃんと成り立っていない作品ばかりで、最悪企画者は腹を切れ



○「Jam Films S」 ★★ (05.2.13/劇場)
21世紀の邦画界を支える7人の気鋭監督による各10分強の短編競作であった
「Jam Films」その7人の監督が指名した7人の
若手注目株の監督
による各10分強の短編競作


▽オープニング 監督:原田大三郎
ああ、確かに前作でもこんなのあったわ。思い出した。前も猛烈な嫌気を感じたよ

1、「Tuesday」 監督:薗田賢次 出演:ZEEBRA ★★
STORY:火曜日の昼下がり。都心のマンション。そこに縦横無尽に部屋部屋を物色する一人の男の姿があった…。

堤幸彦からバトン。つーかこの人「狂気の桜」なんて実績あるやん。ところどころの細かい仕掛けは認めるが話全体として盛り上がらない
「地獄甲子園」の
汚い顔のおばちゃんが「Jam Films 2」に続いて出てたが、この人はいわゆるシブヤ系なのですか?
主演のZEEBRAはセリフが少ないこともありまあ頑張ってた。役者としては味があるかも。歌手としては認めんが。


2、「HEAVEN SENT」 監督:高津隆一 出演:遠藤憲一・乙葉 ★★
STORY:とあるビルの屋上に横たわる男たちの死体。銃撃戦の果てに相打ちとなった殺し屋の前に現れた謎の女は、彼の傷を治してしまう。
彼女は死者の魂を喰らう悪魔。男に3つだけ願い事を叶えることができると告げるが…。


北村龍平からバトン。つーかまんまな作風や。主演エンケンですよ!どっちかというとライバル企画(笑)の「刑事まつり」の人じゃない
ですか。まあ嬉しいんで許すが。つーかしかし、エンケンの圧倒的演技力をもってしてもいかんともしがたい
ペラい話。せめて最後に乙葉が
天使に変化した姿とか出してほしかった。



3、「ブラウス」 監督:石川均 出演:大杉漣・小雪 ★★★
STORY:小さなクリーニング店を営む誠実な中年男。ある日、高級そうなブラウスを汚してしまったと美女が困って訪ねてくる。男が見事な仕事
ぶりでブラウスを綺麗にしたことにより、彼女は常連となり、クリーニングを頼むようになる。数年後、秘めた想いを抑えきれなくなった男は…。


望月六郎からバトンすなわちエロ路線。まあ出演が小雪なので直接的エロ描写はできず、香りだけ。
漣さんも小雪も抑えた演技が心地よく、これはひょっとして…と思ったのだが、
何だこのオチ?


4、「NEW HORIZON」 監督:手島領 出演:綾瀬はるか 
STORY:地球に朝が来なくなってから、原因不明のまま3日が過ぎた。が、大半の人々はそれにも慣れ始め変わらぬ暮らしが戻って来つつ
あった。少女・サヨコもそんな一人。今夜も外国人の家でベビーシッターのアルバイト中。そんな彼女を影から覗く者たちがいた…。


行定勲からバトンなんちゃってSF設定だったんで飯田譲治の子分かと思ったら違った。なるほど、お色気描写は前作の行定譲りなの
ですか。話はあってなきが如しで、
綾瀬はるかを愛でるための10分間。なので興味ない人にとってはこの点数健康増進を取り入れた
太極拳しながらのデモ行進
というのには笑った。


5、「すべり台」 監督:阿部雄一 出演:石原さとみ・柄本時生・山崎まさよし ★★★
STORY:転校を控えた夏美は思い出の公園に同級生の且人を呼び出す。幼い頃、夏美がすべり台を登る且人を驚かせて、且人は落ちて
頭蓋骨骨折の大けがを負ってしまったのだ。且人に謝ってないことがずっと心残りだった夏美は、且人に何でも償いをすると約束するが…。


篠原哲雄からバトンつーかまんまだ。まさよし出てるし。小学生役の石原さとみが輝いているわけだが、もっさい髪型だなあ。相手役のこれ
またもっさい少年は
柄本明の息子だな。話は小学生のピュアで淡い想いを瑞々しく描いといて見事に落とすのがまずまず。”あの時
つかめなかったその手を、7年越しにやっとつかむことができた”なんて
リリカルな描写しといてそんなオチかよ!(笑)


6、「α」 監督:原田大三郎 出演:内山理名・スネオヘアー 
STORY:極めて近い未来。個性を執拗に追い求める時代の、あるカップルの物語。

岩井俊二からバトン。つーかあのしょうもないOPの人か。で、こちらはそれ以上にしょうもない。もうどうしようもない「Jam Films 2」
レベル
内山理名がかわいいんだが作品のダメさに対しては焼け石に水。


7、「スーツ −suit−」 監督:浜本正機 出演:藤木直人・小西真奈美 ★★★
STORY:一体で驚異的な戦闘力のあるパワードスーツ・通称”スーツ”。国の有事の際は厳正なる抽選で選ばれた20歳以上の健康な男子が
それを着て災害に立ち向かうことになっていた。そして今回の危機に際し選ばれた青年は、ちょうど三角関係の修羅場の真っ最中だった…。


飯田譲治からバトン設定が面白い。出演陣の演技もまずまず(見直した)。オチはイマイチだが結構楽しめた。”スーツ”のデザインも
イマイチ
。ドリルが付いているのは評価する。



総評前作の7人の監督がそれぞれの子分を指名、ということで縮小再生産になってたらイヤだなあと思っていたら案の定その通り
出演陣は前よりそんなに劣ってはいないわけなので、
純粋に監督の力量分つまらなくなったと言える。ダメダメ。どれが一番面白かったか
とか、そんなレベルですらない




○「10億分の1の男」 ★★★ (04.1.26/劇場)
STORY:237人が乗った飛行機が墜落、銀行強盗犯トマスだけが生き残る。彼はその強運を見込まれ、フェデリコという男に誘われて強運を
競い合うゲームへ参加する。巨万の富を得られるそのゲームの果てに待つのは、過去何百人もの運を奪ってきた富豪サムとの対決。彼の打倒
こそがフェデリコの宿願だった。一方、やはり強運の持ち主の女刑事・サラもトマスを追いゲームに参加するが…。



あー…。つまらないわけでもないが取り立てて面白いわけでもなく感想を書きづらい作品だなあ。
全体的に説明不足なのだなあ。サムとフェデリコの確執とか運を奪う能力の詳細とかゲームのルールとか。
強運を競い合うゲームいうたかて、
頭に蜂蜜塗って変な虫が止まったら勝ちとか、目隠し+後ろ手拘束で森の中を全力疾走して最後
まで立っていた人が勝ち
とか、微妙なゲームばかりで。



○「十三人の刺客」 ★★★★ (10.10.4/劇場)
STORY:江戸時代末期。時の将軍の弟、明石藩主・松平斉韶は人の道から外れた暴虐の徒であったために、見かねた幕閣は暗殺を
決意し、旗本・島田新左衛門に命を下す。精鋭の仲間を集め策を練る新左衛門の前に立ち塞がるはかつての同門である好敵手・鬼頭
半兵衛。そして極秘裏に要塞に改造された宿場町を舞台に、300人の藩士とわずか13人の刺客の決戦の火蓋が切って落とされる…。



’63年に公開された時代劇のリメイク。結構大がかりなプロジェクトのはずだが、何故か監督は我らが三池崇史
まあ最近は「クローズZERO」シリーズが群像劇としてよくできてたし、「SABU」なんて悪くない時代劇を撮ってたりしたし。

やる時はやるんだけれども、それ以上にやらかしちまうことが多いだけに過分な期待はもたずに劇場に足を運んだのだが、
まさかの、 三 池 崇 史 大 勝 利 ! ! !

腐れ外道の気違い暴君の非道ぶりに静かに怒りを燃やす主人公、集う同志、ライバルとの対峙、決戦前の駆け引き、新たなる仲間、
着々と進む決戦準備、予想外の敵の作戦、決戦、奸計、攻勢、逆襲、散りゆく仲間、死線、一騎打ち………リメイクなので元々の骨子
はあるものの、2時間半の長丁場を飽きさせずにグイグイと引き込ませるのは、
出演陣の好演怪演の功績が大きい

静かに燃ゆる主人公@役所広司己が信念を曲げず邁進する好敵手@市村正親(流石前向キングだ)、無骨な凄腕浪人@
伊原剛志
破天荒すぎる山の民@伊勢谷友介平和な日常に倦み居場所を探す侍@山田孝之、飄々とした松方弘樹古田
新太
、風格漂う松本幸四郎平幹二郎と皆いい仕事をしている。
そしてその中でもインパクト大なのが
気狂い殿様を演じたSMAPの稲垣吾郎メンバー
理由もなく人を斬っては小首を傾げ女子どもを無表情に弓で射殺し猫まんまを犬食いし奇襲を受けて嬉しそうに笑う
変態ぶり
最後は顔まで血と泥にまみれてアイドルだかなんだかわからないような姿も晒してよくこんなオファーを受けたなあと見直して
しまう。
まあこの役SMAPの誰がやっても面白い気はするが、
一番心の奥底で何を考えているかわからなそうな稲垣メンバーは適役かと。

後半の大決戦は勿論みどころだが、前半部がこれまたよい。
冒頭の稲垣メンバーの腐れ外道ぶりの描写は
流石三池監督という悪趣味ぶり子どもが見たらトラウマもの。(女性が眉剃っている
のもあいまって、怖い。)えげつないなさすが三池えげつない
それはともかく、正直
決戦シーンを削っても前半部で13人の決死隊をもっとキャラ立ちさせておけば、もっと感情移入できたのに
と残念に思う。

ぶっちゃけ13人もいたんでは全員は覚えきれないッス。役所・松方・山田・伊原・伊勢谷のメイン勢に体型や顔に特徴のありすぎる
古田・鑑識米沢守なんかは目立つからいいのだが、松方麾下の人々は影が薄すぎ高岡蒼甫なんて
死んだ時に初めて存在を
知ったわい


そして謀略の果ての13人vs300人の最終決戦
決戦の場の宿場町はすでに罠が満載の要塞と化しており、分断され爆破され射殺され牛に撥ねられ一方的に数を減らす敵軍という
痛快な展開。そりゃあこれだけ戦力差があれば卑怯という感じはしない。
そして頃合いやよし、と見て斬り合いに臨む13人、なのだが、ここから
斬っても斬っても敵が減らず、余裕あったんだからもっと
減らしときゃよかったじゃん
と思わざるを得ず。
しかも全身血と泥で汚れ、同じ戦闘服だけに
誰が誰だか分からなくなるのが難点
高岡、浪岡一喜とさして見せ場なく斃れちまったなあ、と思ったら、
それ以降の面々は誰がどうなって死んだのかすらよくわからない
始末。

とまあ、問題点も多いし、実はカタルシス不足だし、丈夫すぎるアイツとか丈夫すぎるアイツ×岸部一徳とか相変わらず三池節が
炸裂しちゃってたり
とかもするけれど、実に見応えのある大力作であったことよ。



○「シューテム・アップ」 ★★★★★ (08.6.7/劇場)
STORY:ニューヨークの裏通り。一匹狼の無頼漢・スミスは成り行きで出産間近の妊婦をギャングから助けてしまう。ギャングとの銃撃戦の中で
無事(?)出産した妊婦は流れ弾に当たって死亡し、やむなくスミスは赤ん坊を抱えて逃げる羽目に。馴染みの娼婦・ドンナに赤ん坊を預けよう
としたスミスだが、元FBIプロファイラーのギャングのボス・ハーツの執拗な追撃にさらされる。果たして、赤ん坊に隠された大いなる秘密とは…。



長年地味に映画製作を担当してきたおっさんが、半ば趣味で作っていた”オレが作りたいアクション映画”の簡易ストーリーボードを売り込んだ
ところ、その
脚本もないいくつかのアクションシーンのプロットだけでハリウッドで映画化が決定してしまったという頭の悪い経緯のある
ナイスバカアクション映画

つーわけで、ジョン・ウーリスペクトのド派手で出鱈目な頭のおかしい(誉め言葉)ガンアクションばかりで構成された中学生魂溢れる
一本
これはいいものだ!
マカロニウェスタンを基調
としながら、ジョン・ウーに捧げる横っ飛び二丁拳銃は基本中の基本で押さえ、ガン=カタもビックリの先読み
アクション
も素敵に炸裂。
破瓜して床でウンウン唸る妊婦の上で銃撃戦 → ボテ腹にコロコロ転がる薬莢 とか、
石油が入った缶を撃ち抜いて床にブチ撒ける → そこにダイブして床を滑りながら高速射撃で一網打尽 とか、
公衆便所の便器に銃を落としちゃった! → 乾かしてる間に敵襲 → 洗面台の温風エアータオルで銃を乾かして反撃 とか、
カーチェイスしながら道路に落ちたアサルトライフルを拾い上げて銃撃 とか、
フロントガラスを割ってからシートベルト外して正面衝突 → 勢いで敵の車の中に飛び込んで内部から一網打尽 とか、

セックスしながら駅弁スタイルで銃撃戦 とか、
死角にいる敵を他の敵の指を撃って引き金を引かせて狙撃 とか、
飛行機からパラシュート背負って飛び降りる → 自由落下の中追っ手と
空中銃撃戦 とか、
全編クレイジーな銃撃戦だらけでテンション上がりまくりでイカス!イカサー!!イカセスト!!!

脚本はまさに後から取って付けたもので、アクションの邪魔をしてないのもよろしい。

主人公を演じるはクライヴ・オーウェン。「シン・シティ」に続いて厄介ごとに巻き込まれる娼婦にモテモテのタフガイ役。そして「トゥモロー・
ワールド」に続いて赤ん坊の護衛役。
ヒロインの
母乳プレイが人気の娼婦役にモニカ・ベルッチ相変わらずの ( ゚∀゚)彡おっぱい!おっぱい!
敵である、元FBIのプロファイラーにして愛妻家なギャングのボスポール・ジアマッティ。眼をギラつかせて怪演。

とりあえず男子たるものニンジン1本持ってれば大抵のピンチは回避できることはよくわかったぜ!



「100,000年後の安全」 ★★★ (11.7.1/劇場)
STORY:フィンランドで建設中の施設、「オンカロ」。原発で使用した放射性廃棄物が無害になるまでの間地下に集積するための墓場。その
期間は、100,000年間。22世紀に完成予定。だが、オンカロは重大な問題を抱えていた。何らかの理由で現在の文明が途絶した時、未来の
人々にこの施設の危険性をどうやって伝えるべきかと…。



フィンランドで実際に建設中の核燃料の地下廃棄所をレポートしたドキュメンタリー。
核廃棄物が毒性をなくすまでの
100,000年間を地上に比べ変動の少ない地下に安置しようというプロジェクト
18億年大きな変動のない地盤に作るので大丈夫とのことだが、
人類が文明を築いてせいぜい5,000年それを超えて残る建造物など
まだ誰も見たことがない
わけで。
そして文明もやはり100,000年の間続くとは限らず
この建物の意味を知らない未来の後継者たちがうっかりこの墓場の封印を解いて
しまったら
…。確かに、超古代文明のすげえ遺跡が発掘されて、入り口に「猛毒!立ち入り禁止!」とか書いてあっても、やっぱり入っちゃうよ
なあ。


つーか大して原発を持ってないフィンランド(国中で5基…って福島第1原発より少ないじゃん!)でさえこんなに考えているのに、原発
先進国の我が国の体たらくときたらもう。


なんだってこんな手間の掛かる発電が主流になっちまったんだろうと暗澹とした気持ちになれる一本。
まあ冷房の効いた部屋でPCも照明も何時間も点けっぱなしでこんなの書いてる輩が言っていいことではないけどね。


それにしても何でドキュメンタリー映画というやつはこうも眠くなるものか。



○「重力ピエロ」 ★★★ (09.6.5/劇場)
STORY:大学院で遺伝子の研究をしている泉水には春というよくできた弟がいる。本当は春は母親が連続強姦魔に襲われ生まれた子どもなの
だが、彼ら家族の絆は揺るぎない。市内で連続放火事件が発生。現場近くの壁に必ず落書きがあることに気づいた二人は調査を始め、落書き
の英字と遺伝子配列の関連性に気づく。一方、出所したかつての強姦魔と出会った泉水は、反省の欠片もないその態度に殺意を抱く…。



映画化ラッシュが続く伊坂幸太郎原作作品

いかにハッピーエンド風に締めてもこの作品を観終えてスッキリ爽快で感動した!という心境とはならないということは原作を読んでいるので
わかっていたことで。案の定モヤモヤ。

登場人物たちが素敵な連中だからこそ尚更報われないその設定。正直この原作はあまり好きではないのだ。
じゃあ観に行くなよ、という話なんだけどなあ。一応
ご近所である仙台のご当地ムービーということもあり、まあ縁起物ということで。(そのくせ
「アヒルと鴨のコインロッカー」に続いて全然知ってる風景が出てこなかったけど。)


原作の軽快な文章を空気として表せるほど監督に力量がなく、単品として出演させては意味不明になってしまうために他作品からのゲスト
参戦である伊藤や黒澤の出番を端折ってしまった
こともあり、どうしようもなく地味な作品になってしまった感あり
原作にも増して野暮ったいキャラになってしまった主人公・泉水@加瀬亮がそのイメージを更に増幅していてカワイソス。


もう一人の主人公・春@岡田将生はなかなか格好良いがそれ以上の感想はなし。
影の主人公である父親には名バイプレイヤー・小日向文世。ある意味物語の鍵を握る重要人物の役だが、流石の安心感ある演技
回想
シーンの若作りには噴いた
が、いい笑顔だの。
母親役には鈴木京香。若き日の回想シーンにしか出てこないのに
何故わざわざおばはんを使うのか理解しがたい
くされ外道役に渡部篤郎
実にくされ外道が似合っている



○「ジュブナイル」 ★★★ (03.9.6/ビデオ)
STORY:2000年の夏休みのある夜、祐介・俊也・秀隆・岬の4人の少年少女は、空から降ってきた小さなロボット・テトラと出会う。テトラは何故
か祐介のことを知っていた。一方、時を同じくして、地球から海を奪おうとする異星人が地球に迫っていた。その偵察隊が、あり得ないオーバー
テクノロジーのテトラに気づき排除しようと襲い来る。恋心を抱いていた岬をさらわれた祐介は、勇気を振り絞りテトラと共に闘いに臨む…。



後に、国内最高峰のVFXを駆使して、どこかで聞いたことのあるような話ばかりをツギハギした脚本、棒読み主役の映画「リターナー」
(別名・
パクリターナー)を撮る山崎貴監督のデビュー作。ま、パクリでも面白ければ問題ない派なんで「リターナー」も好きですが。

「ジュブナイル」というタイトルが示す通り、基本的には子供向けの冒険映画。なのでガキどもの演技とか全体を漂う弛緩した雰囲気とか少々
不満はあるものの大人でも十分に鑑賞に耐える一本


夏休み、異世界からの訪問者、自転車、浴衣、花火、タイムマシン、宇宙人、友情、初恋、巨大ロボット、宇宙船、約束、未来からの伝言…と
心躍る甘酸っぱい?キーワード満載。
作品のウリとしてはVFXで、クライマックスでは悪の宇宙人にさらわれたヒロインを救うために、主人公の少年がテトラが変形?した巨大ロボット
に乗り込んで闘いに挑むというよさげなシチュエーションなのだが………宇宙人もロボットも格好悪くねえ?
つーかロボットの名前
ガンゲリオンって………………………コレか?

なにげに話のテイストにいろいろ不満があったのだが、エンドロールの”for Mr.Fujiko・F・Fujio”の一文で氷解。なるほど、意図してそう
いうテイストにしていたわけで。


ヒロインの鈴木杏が絶品。(…やっぱり、これ見てしまうと今の彼女は太ったなあと言わざるを…)メインの男の子3人がおかげでかすむかすむ。
むしろウザッてえロン毛と活舌悪いチビには殺意まで覚えた
彼らと共に事件に挑む変わり者の若き天才科学者
ドク。こいつの存在が今までこの作品を手に取ることを遅らせていた最大の要因だった
わけだが、見てみたら好演していて正直すまんかった。まさかインテリの役が似合おうとは。
重要キャラで吉岡秀隆。ナイス人選。逆に緒川たまきにあの役は個人的には大いに納得いかん!緒川たまきも鈴木杏も両方好きなだけに
なおさら。
そして主人公の父親役が「トリビアの泉」の司会のおっさんの方18へぇくらい。




○「少年メリケンサック」 ★★★ (09.3.9/劇場)
STORY:レコード会社のOL・かんなの仕事は新人発掘。ネットで若きパンクバンド・少年メリケンサックのパワフルなライブ動画を見つけ、契約
を結ぼうとメンバーのアキオの元を訪れた彼女だが、その前に現れたのは酔いどれダメオヤジだった。なんとライブ動画は25年前のものだった
のだ。そうとも知らず会社は全国ライブツアーを決定。かくして再結成されたバンドだったが、ヨレヨレのオヤジたちにかつての輝きは皆無で…。



スーダラ型破り脚本家クドカンの監督第2作のネタはパンクバンド。自身もコミックバン…ゲフンゲフン、パンクバンド・グループ魂のメンバー
なだけに脚本的にも音楽的にも期待は膨らむ。
加えて、主役は大河ドラマ「篤姫」で国民的人気を博した
宮崎あおいでこれまた期待大。

つーわけで、あおいタン萌え〜!とか言ってる人間(オイラだ)なら十二分に元が取れること請け合いクドカンの無茶振り脚本で、笑い
泣き叫び怒り泥酔し寝取られウンコかけられと八面六臂の大活躍
。清純派なあおいタンがこんだけはっちゃける姿を見られるのはこの作品
だけ!
しかしリアル旦那(男子出席番号11番)の浮気がスクープされた後の寝取られ役って…。


”中年”メリケンサックのメンバーはベースに佐藤浩市。最近はっちゃけた役が多いなあ。
その不仲な弟に木村祐一。相変わらず存在感あり。
半ば廃人のボーカルに田口トモロヲ。どぎついメイクでしばらく誰だか判別できんかった。ボーカリストとしては元本職だの。
筋肉バカのドラムに”石鹸”こと三宅弘城。グループ魂からは唯一の参戦。つーか今回阿部サダヲ出てないのか。


主人公・かんなのしょーもない恋人に勝地涼、かんなの会社の社長にユースケ・サンタマリア、”少メリ”の過去を知る男にピエール瀧、若き
日の”少メリ”メンバーに峯田和伸(現役パンクロッカーにあんなアイドルの役振るか!)、波岡一喜相変わらず脇を固める個性的なメンバー
が楽しい

つーか
Gacktのパロディ@田辺誠一がヤバすぎて大爆笑。うははは、流石にこれ本人怒るんじゃないの?

話は例によって小ネタは冴え渡るものの本筋はグダグダなんで、いつものクドカンが好きな人以外にはお勧めしかねるかもだ。



○「少林少女」 ★★ (08.5.7/劇場)
STORY:中国・少林寺での修行を終え、日本に少林拳を広めるべ帰国した少女・桜沢凛。が、死んだ祖父の道場は廃墟となっていた。
かつての兄弟子・岩井は、少林拳をやめ食堂を営んでいた。そこで働くミンミンと意気投合した凛は、彼女の大学の部活のラクロスを通して
少林拳を広めようと張り切る。その類い希な闘気を感じ取った男がいた。大学の学長で、強さのみを追い求める男・大場だった…。



「少林サッカー」のチャウ・シンチーが製作陣に名を連ね、少林隊からも(ギャラが安そうな面子の)客演あり
製作は「踊る大捜査線」の面々。なので、傑作にはならんだろうけど大衆受けする程度の出来にはなるだろうと思っていたのだが…。


うーん、これはひどい
何をやりたいのか話はぶれにぶれまくってて右往左往行ったり来たり支離滅裂で、
到底こんなので金をもらっていいレベルでは
ない


少林拳を学んだ主人公が少林拳を広めるために他のスポーツの力を借りる、という骨格はパク…元ネタの「少林サッカー」と同じなの
だが、話が終わってみれば着地点はかなりズレてしまっていてありゃりゃ
そもそも少林拳を取り入れたラクロスのスーパープレイが炸裂する試合シーンというのが
本編にはほぼ登場しないというのはどういう
了見だ。

ラクロスのユニフォームのミニスカを楽しみにしていたというのにどういう了見だ!(まさに外道!)
そのくせパンフではメンバーの情報が事細やかに書かれているのだが、当然劇中ほとんど見分けなどつかない

おそらく「スウィングガールズ」なんかを意識して、人気出たら実際試合させるとか狙ってるんだろうけど、だったらちゃんと活躍させろや


少林拳を用いたスーパープレイはできるもののチームプレーができないせいで練習試合に負け(つーか主人公が正確なシュートを
打てればチームワークとか関係なく独りだけで勝てるんだけどなあ)、チームを追われた主人公は少年サッカーの練習を見てチームワーク
に目覚める
………って、
同じ団体球技の練習見て覚醒というフラグが微妙すぎるラクロスの練習中に気づけよ
それでいつの間にかなあなあでチームメイトも少林拳の練習に参加する………って、
その”いつの間にかなあなあで”で済ませるから
説得力皆無なんだよ


さてこれでいよいよ「少林ラクロス」の開幕か、と思いきや、主人公の類い希な闘気(劇中ちゃんと説明されないので、よくわからんが
強い、としか言いようがない)を狙ってボスキャラが暗躍を開始し
急遽格闘路線に

主人公の友達が誘拐され、主人公は敵の巣窟に乗り込むわけだが、劇中誰が黒幕か何処がアジト主人公に教えている人がいないのに
しっかりかち込みをかけている
のはどういうことだ


敵で溢れ返る広場に単身突っ込む主人公。群がる敵を薙ぎ倒………さず、かわす、避ける、逃げる、逃げる、逃げるえええ〜?
五重塔風の建物に入ってからようやく戦闘開始。まあここはボチボチ。
基本的に舞台など
ブルース・リーの映画のパクリを集めて構成されている。オマージュとかインスパイアなどといったものでなくパクリや
パロディという
下劣さなのは意味もなくブルース・リーを愚弄するというただ不快なネタを披露することで思い知らされる

そして中ボス登場中ボスはなななななんと、今まで主人公に連れ添っていたナイナイの岡村だった!
………
それがなにか?
制作者の意図としては、「味方と思わせて実は敵のスパイだったんだじょ!おどろいたでしょ、へけっ!」
てな感じなのだろうけど、
それまでただ画面に映っていただけで別段主人公と絡んだりしなかったので
フラグも何も立っておらず、寝返られても何も思わない
だけど。


そしてラスボスとの戦闘開始こっからドラゴンボール
そして
衝撃の超必殺技炸裂!まあ人によって怒るか呆れるか爆笑するか反応はマチマチだとは思うが、いずれにしても好意的な
感情ではないことは間違いない
。個人的には「CASHEERN」を思い出してムッときた。

そしてエンディングのスタッフロールの後ろでようやっと「少林ラクロス」開始。少林拳を駆使して一同大いに勝ちまくるのだが、元ネタ
の「少林サッカー」はちゃんとしたコメディ映画なので出鱈目な強さで敵チームを圧倒する姿がギャグになっているのに対し、こちらは何とも
言いようのないジャンルの作品(強いて言うと、”駄作”というカテゴリか?)なので、
ただの弱い者いじめにしか見えず、ただただ忸怩たる
思いで劇場を後にするのみ。
つーかどうせラクロスのルールもろくすっぽわからずにカタチだけやってるんだから、フェイスガードとか付けんな
せっかくの
かわいいおにゃのこの顔が見えないではないか
。KY!

とまあどうにもトホホな出来であるのにも関わらず最低点ではないのは、hitoeに、個人的に柴咲コウが好きだから!!!である。
柴咲コウのカンフー道着姿をおかずに白飯が食える人ならばまあそれなりに元は取れるのではないかと。
頑張って闘うし。ボコられるし。フェイスガード邪魔だけどラクロスもやるし。


が、他のキャストはどうにも
キティ・チャンちゃんは柴咲コウ好きにはあんまりそそられない顔つきだし。エロ洋介はしょぼくれてるし。仲村トオルは型通りの悪役で
つまらんし。ナイナイ岡村は地味な役だし。
少林隊の2人(鎧の肌と軽功)はあまりにどーでもいい扱いだし。でもタマゴギャグは元
ネタをすっかり忘れてたので不意打ちで笑ってしまった
。元ネタがインパクトあったからな。麿赤児が普通に少林寺の高僧役で溶け
込んでいてニヤリ。


そして故人の写真役トミノ御大がこっそり出演こっそり出ててもわかってしまうプレッシャー!!!

最低な脚本は話題作を多数手がける愚にもつかぬ脚本家・十川誠志。…あれ?連名でもう一人いる。…十川理香
………って、
ひょっとしてヨメなのか?脚本をヨメにやらせたのか???
ちなみに「デビルマン」の脚本も監督の嫁



○「食神」 ★★★★ (02.11/DVD)
STORY:香港料理界に君臨する大スター・”食神”ことシュウ。我が物顔で振舞う彼だが実は料理などまるでできず、腹心に裏切られ料理界を
追われ没落してしまう。下町の路地裏で死に掛けていたところを不美人だが人情家の屋台の姉御に救われたシュウは、”爆発!小便団子”を
開発し再び料理界へ殴りこむ。決戦は一月後の”食神決定戦”。それに備えて料理の修業に出たシュウに殺し屋の魔の手が迫る!



先に「少林サッカー」を見てからこっちを見てしまうと、完成度としてはどうしても一歩二歩劣っているのが丸わかり。それでも、バカテンションは
無論健在で、爆笑させていただいた。
主人公のシュウは実に嫌な男だったりするので前半はどうもノリが今ひとつなのだが、終盤、
少林寺での修行を経て生まれ変わっての料理
対決
は最高!!!
当時はそれほどCG技術が発達していなかったので、(「少林サッカー」を体験してしまった)今の視点で見るとそんなに派手さを感じないのだ
が、
「ミスター味っ子」や「クッキングファイター好」程度には壊れているすなわち狂っているのでご安心を。
包丁は飛び交うわ司会者は吹き飛ぶわ審査員は転がって涙を流すわ手の平から炎を出して目玉焼き作るわ…グッジョブ!


監督・主演はもちろんチャウ・シンチーン・マンタを筆頭に「少林サッカー」の面々も出ちょります。フラワーも髭面・鼻ホジホジ+セーラー
服で登場!

ヒロインはカレン・モクだが
当然の如くブサイクメイク。出っ歯。つーか田中真紀子じゃん!すげえ豪快な姉御を演じていて愉快。
あと、審査員は扇千景?


思ったほどの出来ではなく残念。「少林サッカー」より早く(以下略)。しかし”爆発!小便団子”を食べた時のリアクションと少林寺十八銅人
は必見!!!



○「処刑剣 14BLADES」 ★★★ (11.6.22/劇場)
STORY:中国、明の時代。泣く子も黙る皇帝直属の秘密警察・錦衣衛の長・青龍は奸臣・ジアの罠にはまり、仲間を皆殺しにされた上に
逆賊の汚名を着せられ重傷を負わされる。ジアに盗まれた玉璽を追って西方へ向かう青龍は、傷ついた体を癒すために雇った運び屋の
長の娘・ホアと次第に心を通わせていく。青龍を狙う美人暗殺者、財宝を狙う盗賊団の若き頭。砂漠の宿場町は戦場と化す…。



上京しても観る映画がないなあと検索していたら引っかかったこの映画。
ドニー先生、アクションはそりゃもう凄いけど、主役を張るには男臭すぎるというか華がないというか…と観るかどうか迷っていたのだが、

オレのヴィッキー・チャオが出ていることを知るなり観賞決定

つーわけでヴィッキーたん(”たん”付けだけど、もうアラフォーなのよね)の深紅の嫁入り衣装姿がかわいすぎたので満足じゃ!以上。

つーわけにもいかないので少し作品の方にも触れると、ドニー先生が演じる青龍(チンロン)とは、エリート暗殺者集団・錦衣衛のリーダー
が代々名乗る称号で、
14本の刀を駆使して皇帝に仇なす者を駆逐する。ガンダムエクシアもとがめもビックリ。ただ、14本の刀が全部
出てくるわけではなく、その辺のハッタリが弱い
のが残念。
もちろん素手でも強いドニーさん。ただ、その力を存分に発揮できるほど強い相手が一人しか出てこないのが残念。


後半登場し、青龍と共闘し、最後に男気を見せてくれるナイスガイ、”砂漠の判事”(何それ?)こと天鷹幇@ウーズンもなかなか
カッチョエエ
「真・三國無双」かよ!チックな武器も使うし。

謀反を企てる王族にサモ・ハン。てっきりラスボスかと思ったら闘わないのでガックリ。
代わりのラスボスの女暗殺者が強すぎワロタ。




○「処刑人」 ★★★ (03.7.8/DVD)
STORY:ボストンに住む、凶暴だが敬虔なマクマナス兄弟はマフィアとケンカになり殺してしまう。しかし、彼らは正当防衛を認められ無罪放免。
マフィアの横暴にうんざりしていた街の人々は兄弟を現代の聖人ともてはやす。留置所で神の啓示を聞いた兄弟は、法の網を逃れる悪党への
正義の処刑を次々と実行していく。一方、FBIの腕利き捜査官・スメッカーは兄弟が犯人だと見破るが、次第に彼らに共感を深めていく…。



言っとくが、この時期に見てるからといって、「処刑人 アナザー・バレット」と間違えてるわけじゃねえぜ!つーかアレは「処刑人」とはまったく
関係ないパクリ企画
だから注意だ!あと「風林高」もな!

つーわけで今頃見ました。
二丁拳銃撃ちまくりな痛快アクションで結構面白かった。が、あの時間軸をずらす演出は確かにユニークだが、緊張感やドキドキ感がとぎれて
しまうのであまり好みではない。クライマックスと思われた敵ボスの館への潜入が肩すかしだったのもマイナス。
「法が手ぬるいから悪党どもがのさばるんだ!ならば俺が裁く!」という
「アクメツ」な主張は正しいと思いますハーイ。でも劇中の悪党ども
ってあんまり悪党らしいことしてないというのが説得力薄い。ジード軍団くらい悪事三昧だったらもっと話が盛り上がるだろうに。
あ、あのラストの街頭インタビューで一人延々なんかホザいてる太っちょが監督なのね。


しかしマイナスを補って余りあるほどにウィレム・デフォーが怪演。どんどん壊れていってイイ感じだ!しかし、なんであんなゴッツイ女装で悪党
どもは喜ぶんだ!?




○「ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッド」 ★★ (07.2.27/劇場)
STORY:19世紀末期、英国。若き紳士、ジョナサン・ジョースター、通称ジョジョの前に、野心に満ちた青年ディオ・ブランドーが現れる。巧妙に
ジョースター家を乗っ取ろうとするディオの企みは、ジョジョの勇気に一度は阻まれる。が、ディオは古代アステカの石仮面を用い凶悪な吸血鬼
と化す。その力に対抗できる唯一の技・波紋法を修得したジョジョはディオを追う。それは百年以上に渡る彼らの因縁の始まりだった…。



気がつけば20年以上の長期連載となってしまった荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」
今でこそその名をゴゴゴゴゴゴと響かせる大河マンガではあるが、連載開始当初は
「また10週打ち切りなんじゃねーの?」的なマニアック
でマイナーな作品(だが、それがいい。)
だった
。………まさか「北斗の拳」や「キャプ翼」や「肉」よりも長寿連載になるとはねえ。(遠い目)

そんな大河マンガの源流である第1部のアニメ映画化である。
まあいろいろ時間やら予算やら大人の事情があるのだろうが、話はきっちり90分にまとめられていて、シリーズを知らない初心者にもわかる
ようには作られている


だがしかし、そのまとめられた話を観て、「なるほどこれは原作が20年も続くわけだわい」と理解できる出来だったかというと………、
無理無理無理ィィィ!!!

「ジョジョ」のどこが面白いのかといえば、(後期は奇抜な特殊能力に知恵を振り絞った奇策で挑む頭脳戦という要素が大きいのだが、)
「奇妙な冒険」そのもの以上に
「奇妙なキャラ立ち」「奇妙なセリフ回し」「奇妙な擬音」「奇妙なポージング」(参考の逸脱っぷりだと
言えよう。そこにシビれる!あこがれるゥ!


しかして、この映画にそれらのエッセンスは刻まれているかというと、これがまた皆無

時間の都合で登場人物の出番が削られるのはやむを得ないし、ダイアー&ストレイツォなんかは出なさそうだと予想はしていたのだが、
草ボクシングのチャンピオン マーク・ワトキンが出ないのは納得いかんッ!
あまつさえ
スピードワゴンすら登場しないというのは(確かに第1部の段階ではいなくてもさほど困らないんだがなあ。)、あんまりだァァァ、
AHYYY!

いや、スピードワゴンは出演してるといえばちゃんと出演してるんですけどね。ややこしい。

キスシーンなのに「ズキュウウゥン」とかカエルを殴って「メメタァ」といった擬音はちょい厳しいとしても、
「こいつはくせえッー!ゲロ以下の臭いがプンプンするぜェーッ!」「スピードワゴンが恐怖している!」「策ではない、勇気だ!」
「このナイフは君が父さんに突き立てたナイフだ!」「スピードワゴンはクールに去るぜ!」「北風がバイキングを作った」「お前は
今までに食ったパンの枚数を覚えているのか?」
「姉ちゃん、明日って今さ!」「カエルの小便よりもゲスな波紋なぞをよくもこのオレ
に!」
………と、
ほとんど空で書けてしまう
名言の数々がものの見事にスルーされていく様まさに「絶望に身をよじれ虫けらどもォーッ!」劇場で何度
もボスに電話しようと思ったよ!トゥルルル!


つーわけで仏造って魂入れずもいいところ7ページに渡って無駄無駄ラッシュを叩き込んでやりたい出来ではあるが、原作に敬意を
表して★2つ。




○「SILVER」 ★★★ (03.8.24/ビデオ)
STORY:父親が犯罪調査庁に勤めていたため、悪の組織に家族を皆殺しにされた銀(しろがね)純。空手の世界大会に出場するために家に
いなかったため助かった彼女は、研修を積み、法で裁けぬ悪を極秘裏に始末する国家機関のエキスパートに選ばれる。最初のターゲットは
日本一の女総会屋・ナンシー。だが、情報は筒抜けで純はナンシー一味と謎の秘密結社に逆に命を狙われることに…。



三池崇史監督がいつもの調子で作ったVシネ作品。主演は巨乳・桜庭あつこで共演に羽賀研二。劇中二人にはベッドシーンもあるの
だが、その辺がきっかけで私生活でも親密になってしまい梅宮”アゴケツ”アンナと三角関係になった挙げ句破局したことはもはや記憶に
新しくない。


まあ、そのせいでワイドショーなんぞでも注目され、それなりに売れたらしいのだが、…普通の人が見たらどう思うよ、コレ?(笑)
桜庭の家族の死体を始末するため家に火を掛けるシーンから物語は始まるのだが、
何故か殺し屋は「悪魔のいけにえ」のレザーフェイス!
しかもその後全然本編にからまねえつーか出てこねえ!)という飛ばしっぷり。
そして、
闇の仕事人となって日本に戻ってきた桜庭を出迎えた上司の羽賀研二が乗っているのは女子プロレスのLLPWのバス。「全国巡業
をする女子プロに入っていれば我々が日本中どこに出没しても誰も疑問に思わない」
と得意満面に話す羽賀に納得する桜庭
。…そ、
そうなの?
さらに、標的の女総会屋・栗原早紀が住んでいるのは
グランドキャニオンの中にそびえ立つ高層ビル街って、そんなの日本にあるか!しかも
彼女は
SMの女王様でもあり、拉致されてきた銀行の頭取が部屋に入るといきなりブリッジしたまま放尿してお出迎えという視聴者の神経を
焼き切るような展開。ちなみにこの人ってシネマジックのSMビデオによく出てた女優さんだよな。(何故か詳しい)ちなみにちなみに、三池映画
では他に「烈火」、「牛頭」と出演。しかも両方とも石橋蓮司の愛人役
さらにさらに、影で糸を引く謎の組織が
”蝮(まむし)の穴”なんていう名前だったり、桜庭の直突きで相手の顔面がめり込むという描写に無駄
にCGを使う
など、相変わらず適当にやりたい放題。だが、そこにシビれる!あこがれるゥ!

とまあ、話はあってないようなもので、メインは桜庭あつこの巨乳を揺らしてパンチラサービスしてのアクションである。パンティ全開でかかと
落としとか、まあいろんな意味でそこそこ満足はできる一本…かなあ。


あ、でもあのあまりに投げやりなラストはいくらなんでも…。



○「シン・シティ」 ★★★★ (05.10.7/劇場)
STORY:”ちょうはんざいとしメトロシティシン・シティ。ここには平和もちつじょもない。あるのは暴力と 死だけだ。”無法の街でも守るべきものが
ある。自分を必要としてくれた女を殺され復讐の修羅の道を爆進する男・マーヴ。かつての恋人と彼女のか弱き仲間たちのささやかな平穏の
ために戦う男・ドワイト。権力にガードされた幼女強姦魔に蟷螂の斧を振りかざす老刑事・ハーディガン。今日も闇の街に血の雨が降る…。



有名アメコミ「デスペラード」三部作のロバート・ロドリゲス原作者フランク・ミラーを共同監督に巻き込んで実写映画化
出てくる
男は全員悪党女は全員ビッチという犯罪都市シン・シティを舞台に繰り広げられる3組の男女の物語
流石はアメコミ、登場人物は超人揃い。撃たれても轢かれてもなかなかくたばらない
モノクロと思いきや
要所要所だけハッとするようなカラーが爆ぜる印象的な作り。

第1話の主人公はハルクを思わせるゴッツい男・マーヴ。惚れた女の仇討ちに奔走する。立ちふさがる殺し屋は片っ端から地獄送り。どんな
に痛めつけられても前に進むことを諦めないタフガイ。
第2話の主人公は整形した脱獄囚・ドワイト。お尋ね者の身ながら、かつての恋人を救うために危険の真っ只中に飛び込んでいく。
第3話の主人公は病める老刑事・ハーディング
この物語で唯一の正義の人。連続幼女強姦魔にして街の権力者のドラ息子という法で
裁けぬ外道に捨て身の鉄槌を下し
少女・ナンシーを救うも、政治力によって濡れ衣を着せられブタ箱に叩き込まれてしまう。そして8年後、
出所した彼は狙われているナンシーの身を守るために再度勝ち目のない戦いに身を投じる。


悪党といえど失ってはいけないものがある己れが信念に殉じていく漢たちのド派手な死出の旅立ちの様は、原作と構図まで一緒にした
というキメキメのアクションと相まって、
心に中学生魂を持つ者としては熱く震えずにはいられない
まあそれを世間的には「ガキっぽい映画」で一刀両断に切り捨てられてしまうわけだが。


主役の漢たちに対する女たちも魅力的。娼婦街を統べるワルキューレっつーかアマゾネス軍団の勇姿にはやはり中学生魂を揺さぶられ
まくってしまう。
中でも白眉は
殺人マシーン・ミホ。無表情に日本刀でチンピラどもをバッサバッサと斬り捨てる様は痛快の一言。卍手裏剣イカス!

敵もイロモノ揃いで、常にメガネが光っている拳法使いの食人殺人鬼(何やってんだイライジャ・ウッド!!!)やら悪臭を放ちモノクロの
世界で一人黄色に輝くドSな怪人
など、そもそも人間ですかあなた方?

3人の主人公たちは皆魅力的なのにクロスオーバーしないで終わってしまう勿体なさテンポの悪さで、本来ならば★3つの出来なのだが、
ビッチどもの露出度が全員あまりにも高いのでその尻ズに免じて★1つおまけ
パンフによると、
すげえかわいい第3話のヒロイン・ナンシー@ジェシカ・アルバ本来ストリップをするシーンがあったそうだが、そこが
あったら★2つ上乗せだったのにな!


最後にどうしてもツッコんでおきたいのだが、死体バラバラにできるんだがら、そのまま燃やして砕くなりしちまえよ!


○「新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争」 ★★★ (01.8/ビデオ)
STORY:新宿歌舞伎町、人種と犯罪の坩堝の無法都市。だが、そこに台湾マフィア・龍爪が進出、瞬く間に勢力を広めていく。在日二世で、
裏ではヤクザと癒着している悪漢刑事・桐谷は、弁護士の弟が龍爪に関わっていることを知り、手を引かせようとするが、龍爪と新宿ヤクザの
争いに巻き込まれてしまう…。



三池崇史監督の劇場デビュー作(ということになっている)。
舞台はお馴染みホームグラウンド・歌舞伎町で、主人公と弟の葛藤があったり、刑事VS中国系マフィアという構造だったりで、後の
「DEAD 
OR ALIVE〜犯罪者」
に通ずるところがあるが、こっちの方が圧倒的に地味で真面目(笑)。オチも含めて。

それでもやはり登場人物の中には変態が何人も。中でも田口トモロヲ演じる台湾マフィアのボスは、全裸の上にコート1枚という露出狂
スタイル
で日本ヤクザとの交渉に臨む素晴らしいイカレっぷり。(交渉成立後おもむろにコートをはだけて裸を見せつける。)
主演は椎名桔平ナニの逞しさのおかげで九死に一生を得るはぐれ刑事役を好演。




○「新少林寺」 ★★★ (12.2.6/劇場)
STORY:辛亥革命で混乱する中国。戦火に傷ついた人々を救済する少林寺をかつて暴力で踏みにじった冷酷な将軍・侯杰は腹心の曹蛮に
裏切られ地位も名誉も愛する一人娘も失う。全てをなくした彼がたどり着いたのは少林寺だった。寺の厨房係の悟道らによって人間性を取り
戻した侯杰だったが、再び曹蛮の魔の手が迫っていた。罪なき人々を救うため、曹蛮の過ちを正すため、侯杰と少林寺は立ち上がる…。



かの名作のリメイクというわけではないのだが、キャストは豪華史実っぽいけど全然そんなことはないなんちゃって歴史大作

でもアンディ・ラウ(とチョウ・ユンファ)がカンフーやるのはどうにも違和感があって。いや、過去に「酔拳3」とかもやってんだけども。

そのアンディさん演じる主人公、根は悪い人ではないのだけれど、腹心に裏切られあれよあれよと転落人生拾われた少林寺で真人間に
生まれ変わる
も、彼が生きているのを知った腹心が攻めてきまして
少林寺大炎上
まあアクションシーンはかっこいいし、
少林寺の坊さんたち主要キャラも皆見せ場をもらって死んでいくので演出もまあまあ「少林寺を
あなどるな!」

でもまあ、
もう少し痛快であってほしかったなあ。
理想の居場所だった少林寺を焼け出されて少林寺はみんなの心の中にある、なんて綺麗事を言われたって
実際問題夜露もしのげ
なければ腹も膨れない
わけで、その辺り東日本大震災で罹災した人々を連想してしまったり。

主演のアンディ・ラウは今回はこんなことにもならず至極まっとう神々しい死に様が印象的。
仇敵は
ニコラス・ツェー「孫文の義士団」で日焼けした人のいい下男を演じた時は似合わねー!と思ったものだが、やはりこういう
ちょっとナルシー入った憎らしい美形の方がしっくり来る

とはいえ、珍作「PROMISE」の時はミッチー(元王子)っぽかった容姿も、ちょい老けて劣化して
近藤真彦みたいになってしまった

アンディの妻役に相変わらず美人ファン・ビンビン。でも今回は外れ役。悪女ではないけれど、いかすけない。
少林寺の厨房係に
ジャッキー・チェン武術なんてできないとか言いつつ当然強くて安心
ニコラス・ツェーの強いのか弱いのかわからん用心棒に
熊欣欣。老けた。オーラが衰えた。

ただのアクションものではなく、ドラマもしっかりしているんだが、何故か爆破シーンがやたらめったら派手だったりしてリアクションに困る。



○「しんぼる」 ★★★ (09.9.20/劇場)
STORY:メキシコ、ベテランマスクマンであるエスカルゴマンはこれから行われる若手相手のタイトルマッチで何かが起こることを予感していた。
彼の思いをよそに、彼の息子は父親の晴れ舞台に胸を高鳴らせる。どことも知らぬ場所、派手なパジャマを着たおかっぱの中年男が目覚める
と、そこは真っ白な壁の扉も窓もない密室だった。困惑する男は壁に小さな突起があることに気づく。男がそれに触れてみると…。



松本人志監督第2作。海外の映画祭を狙った作品らしいが、そう言われるといろいろ納得できる点がある。
つーか松本人志を皆がよく知る国内では
このキャスティングであのラストはどうなのよ?と言わざるを得ない。ネタなのはわかっていても、ちと。

メキシコの覆面レスラーの物語密室に閉じこめられたおっさんの物語が並行して語られ、全く異なる二つのストーリーがある一点で
交わる
そここそが最大の爆笑ポイントなのだが、それだったらアメリカのヘビメタバンドもロシアの奇術師も対等に取り上げた方が盛り上がった
ような気がする。


メインである密室の派手なパジャマのおっさんの話は、壁から生えた無数の包け…”しんぼる”を押すごとに何かアイテムが出てきて、それを
組み合わせて脱出を図る、というプレステ初期辺りに発売されてそうな全くユーザーに親切でない表現に技術がまるで追いついていない
クソゲー風味

つーかメディアミックスでゲーム化すればいいのに。


監督デビュー作「大日本人」と比べるとずいぶんと映画っぽくまとまっているが、その分物足りないというかなんというか。ギャグがあんま
笑えない
というのがねえ。