エンジニアからの転身、
1からの農業。
生い立ち
齋藤和行
1957年青森県黒石市で生まれる。
北海道の室蘭工業大学を卒業後、名古屋の工作機械メーカーに就職。
機械設計や技術打ち合わせの仕事をする。海外駐在も経験した後、1995年に退職。
ふるさと黒石に戻って来て、農業を志す。
とはいえ、農業とは縁のない家系のため、まずは農家への弟子入り、農地の取得から始める。
今では小規模ながら田んぼ1枚とりんご園を経営。
そのかたわら、個人塾で英語と数学を教えています。
妻と娘2人の4人暮らし。
農業に対する考え方
40歳手前にして始めた農業ですから、まわりの農家さんには技術的にはかないません。
知らないことがたくさんありますが、この「知らない」ことは反面大きなメリットであると考えます。
今の農業では当たり前なことも私にとっては当たり前という感覚は薄いのです。
農業を始めた当時にはいろいろ大義名分もありました。「自然にやさしい農業」というのもそうですが今は特に意識していません。それよりも「自分が食べたいものを作りたい」という意欲から農業をやっています。
自然には従うしかない。
農業を始めるきっかけになったのが父です。
教職をしていた父が退職後、生ゴミと養鶏を組み合わせた堆肥作りを始めていました。
私もUターン後にはその手伝いをして、かなり良い状態の堆肥がたくさん出来ていました。
さて、この堆肥を存分に使って有機農業をしようと初めてみたものの、病気と虫ばかり。
これは人間が作ったものを植物に与えて環境を良くするというのは思い上がりではないか。
出来るだけ自然のままの状態で育てるのが本筋ではないかと思うようになりました。
人為的な養分を与えないと、植物はその土地にある養分を力強く吸収します。
そして、その土地固有の風味を作り出します。それはその土地に住む人にとって一番のご馳走のはずです。