▽タイトル索引へ

映画感想や行



○「約三十の嘘」 ★★★ (05.3.14/劇場)
STORY:ある事件で解散していた詐欺師チームが3年ぶりに結集した。豪華寝台特急トワイライトエキスプレスで行く詐欺の旅。元リーダーの
志方は事件後すっかり駄目人間となっており、チームはどこかぎくしゃくしていた。さらに新参者や事件の当事者の一人である今井も仲間に
加わり波乱含みの旅となるが、詐欺は成功、6人は7千万の大金を手にする。が、疾走する列車の中で、大金が忽然と姿を消してしまう…。



訳アリの過去をもつ、一癖ありそうな詐欺師6人が挑む大仕事。見事一山当てたものの走る密室・豪華寝台特急の中で大金が消え
失せてしまい
…。
というあらすじから期待して観るとそこには約三十の嘘が散りばめられているので
肩すかしという名のカウンターパンチを喰らうので注意。
何と言っても詐欺師どもの面目躍如たる実際の大仕事のシーンがバッサリ切られているのがいかんともしがたい。そこでキャラ立てないで
何とするというか。それぞれの才能とか特殊能力とかがわからんので後半の犯人探しも取っ掛かりがないのよね。
でもまあそういう所を観る作品ではないんで仕方ないのだが。


ではどこを観るのかといえば、一流どころか三流もいいところのボンクラ詐欺師たちの中学生みてえな人間模様を微笑ましく
なんつーか、
みんなかわいい
最初からダメっぷり全開の
田辺誠一は元より、椎名桔平のクライマックスでのお子ちゃまぶりときたらもう。あと徳井優

ダメダメ(微妙に誉め言葉)な男性陣に対して、よっぽどマッチスティックメンな女性陣。
つーか
中谷美紀ってこんなに美人だったっけ!?見とれてしもうた。

実在する豪華寝台特急・トワイライトエキスプレスはときめくなあ。乗ってみてえ。

劇伴はクレイジー・ケン・バンド。個人的に好きなので起用は嬉しい。作品にマッチしているか否かは別として。



○「ヤッターマン」 ★★★ (09.3.24/劇場)
STORY:4つの破片を集めると願いが叶うという秘宝・ドクロストーンを巡り、泥棒の神様・ドクロベエの部下のドロンジョらドロンボー一味と正義の
味方・ヤッターマンとの戦いは日々続いていた。破片の1つを見つけた直後に消息を絶った海江田博士の娘・翔子を助けたヤッターマンは
エジプトでドロンボー一味と激突。辛くも勝利を収めるもヤッターワンは大破、そしてドロンジョはヤッターマン1号と恋に落ちてしまい…。



’70年代を代表する破天荒アニメ・ヤッターマンをアニメリメイクに続いて実写映画でリメイク。いい加減この手の企画はやめ(ry
監督するは原作ブレイカー・三池崇史で、元々フリーダムだった原作に輪を掛けてやりたい放題の滅茶苦茶な出来に。もし親子で観に
いったら親御さん大弱りですよ

だがしかしいや待てよそのアナーキーさ、インモラルさは原作が本来持っていたものではなかったか?
たぶん最後に見たのは中学生の時の再放送なので結構記憶が曖昧だったが、
wikiを見たら結構オリジナルに忠実な設定だったりするし。
そんな風に原作の匂いを再現していながらもどうにもこうにも違和感アリアリなのは無理矢理実写化という大元に問題があるのかと


原作ファンにとって最大の違和感の元十中八九どころか十割ドロンジョ@深田恭子であろうて。
確かにミスキャスト以外の何者でもないのだが、邪な深キョンファンとしてはこう言わざるを得ない

「だが、それがいい」
もう序盤の、あの
やる気ねえダンスで心臓鷲掴みですよwww
原作の熟女の匂い漂うドロンジョとは似つかぬ乙女な雰囲気がミスマッチで珍味すぎ。

女性の扱いがあまりにも適当すぎる三池監督にしては破格の好待遇それにしてもこの三池、ノリノリである

そして部下の2人は対極的に原作ファンも大満足の似せっぷりで拍手。
ボヤッキー@生瀬勝久は流石に八奈見乗児の軽快すぎる喋りを再現できてはいないが、まずまずの怪演。全国の女子高生とドロンジョの山
に埋もれるシーン
は最高すぎる。鼻が付け鼻なのはどうなのか。
トンズラー@ケンドー・コバヤシは納得のキャスティング。ボヤッキーに密かな想いを寄せる、義に厚い漢という設定になっているが、よく
考えると原作ってかなり没個性だったんでいいんではいいかと思うでまんねん。


一方、主役のヤッターマンはといえば、アイドル起用ということもあり、アクの強すぎる三悪と比べれば影が薄いと言わざるを得ないのは原作も
同じか。
それにしても
1号@櫻井翔の決め台詞の時の声の張りの無さはいただけない
そし
て2号@福田沙紀の空気っぷりは凄まじいオリジナルのゲストキャラを演じる岡本杏理ともども、深キョンと比べてのはっきりとした
扱いの酷さにはある意味特筆すべきものがある
三池作品の女性キャラの扱いはこうでなくてはな

さて出演陣はともあれ話はどうかというと、流れは原作のフォーマットに則ってはいるものの、随所で三池流悪ノリが爆裂して実に混沌と
した完成度に


冒頭、廃墟と化した街で繰り広げられる肉弾戦&メカ戦はなかなかに格好よくて少し期待するものの、深キョンのやる気なさげな爛れた
ダンス
、エジプトでの戦いでフルボッコにされて壊れて狂って敵の女性型ロボに発情してすり寄り壊れた眼窩から機械油をドロドロ流して
爆死
するヤッターワンのおぞましい姿
、無駄に長い阿部サダヲの一人芝居、何故か実写で登場する小原乃梨子・たてかべ和也・笹川ひろし、
何故か登場しない八奈見乗児と、
子どもにはトラウマになりかねないシーンが目白押し

一昔前のプラモよろしく何故か全身赤一色のヤッターワン全身銀一色のヤッターキングの造形に首を傾げざるを得ないが、それぞれの
発進シーンに
「ヤッターマンのうた」@山本まさゆき!「ヤッターキング」@クロマニヨンズ=甲本ヒロトとシリーズファンなら感涙ちょちょ
ぎれる歌が掛かるのは素晴らしい。
ただし、
そこでの映像は非常に底意地の悪いもので、流石三池監督と苦笑するしか。

つーわけで深キョンファンと三池フリークなら観るべし。嵐ファンは…どうなんだろうねえ。



○「油断大敵」 ★★★★ (04.3.11/劇場)
STORY:関川仁は妻を亡くし8歳の娘・美咲と二人暮らしの、腰の低い実直な刑事。偶然に彼は、有名な大泥棒の猫田定吉・通称ネコを捕ら
える。馬鹿正直な仁の人柄に惚れ込んだネコは犯罪歴を自供し彼に手柄を立てさせる。仁はネコから泥棒のノウハウを学び、立派な泥棒刑事
になっていく。10年後、出所したネコは泥棒を再開するが、その体は病魔に蝕まれていた。一方、仁は美咲の進路問題で悩んでいた…。



実話ベースの佳作。
すんません。紹介文にあった
”泥棒刑事”って、影で泥棒を副業にする悪徳刑事のことだと思ってしまいました

主人公の馬鹿がつく正直な刑事・仁役所公司。彼の人生の師となる美学に殉ずる大泥棒・ネコ柄本”カニ男”明
この二人と仁の娘や仁が憎からず思っている先生や、
登場人物が皆キュートで素晴らしい
群馬北部ののどかな風景と相まって、ホッとできる一品に仕上がっている。
つーか群馬というと東北の人間にとっては首都圏というイメージがあったのだが、ずいぶん訛ってるのね


最後の仁さんの独白を回想とか使って描いたらもっとよかったのではないかと思ったが、それは見る人の役所公司に対する好感度とか信頼とか
で変わるかな。
ラストに夏川結衣演じる牧子先生が出てきてくれたら満点だった。だってかわいそうじゃんてばよ。




○「ユナイテッド93」 ★★★★ (06.8.29/劇場)
STORY:2001年9月11日、テロリストたちによってアメリカ国内を飛行中の旅客機が次々とハイジャックされた。その内2機はニューヨークの
世界貿易センタービルに特攻し、更に1機がペンタゴン付近に墜落した。そして、ユナイテッド航空社の93便もテロリストたちにハイジャック
されてしまう。混乱する機内で怯え混乱する乗客たちは、一縷の生還の望みに賭けてテロリストたちに立ち向かおうとする…。



9.11で乗っ取られた飛行機は4機。その内1機だけは全然関係ない場所に墜落した。後の調査で、乗客たちが勇敢にもテロリストたち
に立ち向かい、ホワイトハウスへの特攻を阻止した
ことが判明した。

そんな実話を元にした再現ドラマというか疑似ドキュメンタリー。あくまで9.11当日の朝からの出来事を黙々と描いていき、主人公などは
存在せず、ユナイテッド93便の乗客たちのそれぞれの名前も性格もバックボーンも語られることはない

それ故にハイジャック発生時の
名もなき一般市民である乗客たちの阿鼻叫喚のパニックぶりは、手持ちカメラの臨場感と相まって、名もなき
一般市民である我々観客にも容易に伝染してしまう
。そこには映画のように颯爽と沈着冷静にテロリストたちを倒して皆を救ってくれる
ヒーローなどはいない
のである。映画なのに
それでも人は生き残るために最善を尽くそうとする。そうして
乗客たちの一部はテロリストたちに決死の戦いを挑んだ。(大半の乗客たち
はただシートに座っているだけだった。)


人生一寸先は闇。いざというその時に戦うのか、逃げるのか、保留し続けるのか。戦うか、戦えるか、怯える心よ。

つーわけで観終わった後は汗グッショリでものすごい疲労感。この感覚はなかなかすんごい。

しかし、リアリズム溢れるこの作品にも問題点がある。それは、疑似ドキュメンタリーでありながら、一番肝心の乗客たちとテロリストの戦い
の顛末は
当事者たちが全員死亡してしまっている故にフィクションでしか描きようがないという矛盾
である。



○「指輪をはめたい」 ★★★ (12.1.23/劇場)
STORY:片山輝彦は製薬会社の優秀な営業マンだが、出先のスケートリンクで頭を打ち、軽い健忘症になってしまう。鞄の中に入っていた
婚約指輪をはめる相手を思い出せず悩む輝彦の前に、会社の先輩の才女・智恵、セクシーな風俗嬢・めぐみ・内気で家庭的な和歌子という
3人の恋人が現れ、彼はますます苦悩することに。悩める輝彦はスケートリンクにいつもいる不思議な少女・エミに相談するが…。



原作小説未見。かなり脚色されてるとのこと。
原作は要領よく三つ股を掛けている男が主人公で、死ねばいいのにと思うのだが、映画の方はお世辞にも要領がいいとは言えず、
そんなに嫌悪感は感じず。


足を踏み入れるはずもない(伏線)スケートリンクで頭を強打し、恋人にまつわる記憶だけがスッポリと抜け落ちてしまった輝彦。ところが
彼には
タイプの全く違う3人もの恋人がいたりして、果たして鞄の中に入っていた婚約指輪はどの彼女にあげるものだったのかと困惑する
ばかり。
とんでもないヤツだが、演じる
山田孝之がいいひとな感じで、前述の通りそんなに嫌な感じではない。しかし「ウシジマくん」や「クローズZERO」
や「鴨川ホルモー」からこんな役まで、最近
芸風の幅が広がりすぎだろう。

3人の彼女がいずれもなかなかチャーミング。
会社の先輩のエリート研究員でややツンデレ気味な智恵@
小西真奈美
店NO.5の巨乳でアグレッシブでサバサバした性格のめぐみ@
真木よう子
公園で妙な紙芝居を見せているまるで人生いいことがないような感じの、だからこそ好きな人には誠心誠意尽くしてくれそうな和歌子@
池脇
千鶴

三者三様魅力的であり、欠点もあり、まるで一人に絞ることができず苦悩する輝彦。
ですよねー。真木よう子以外の2人は好みの女優さん
なんでわかるわー。


だがしかし、3人のビッグキャストを差し置いて実は真のヒロインがいたりするのである。キャスト表記ではメインの4人よりも名前が小さい
のに。
彼女こそはスケートリンクの謎の美少女・エミ@
二階堂ふみ。素晴らしい存在感を見せてくれて、これからに期待せざるを得ない。

やがて明かされる真実は、なんとなく想像していたものよりも圧倒的に救いようのない悲しげなもので、あまり後味はよろしくないのだが、
キャストの魅力のせいか満足度はそこそこ


死屍累々のスケートリンクとか何度もドアで殴打される小西真奈美とか不気味な紙芝居とかつくね嘔吐とか、悪趣味な演出は好み。



○「夢売るふたり」 ★★★★ (12.9.12/劇場)
STORY:東京で小さいながらも繁盛している居酒屋を営む貫也と里子のおしどり夫婦。だが、失火で店は全焼、失意の貫也は酒に溺れた挙げ句、
不倫相手の急死で自暴自棄になった常連客・玲子と一夜を共にしてしまう。浮気はたやすく里子にバレ、怒り心頭の里子。だが、彼女はそれをヒント
に店の復活資金を稼ぐ方法を思いつく。それは結婚詐欺。心に隙間が空いた女性たちにささやかな幸せを与える二人の手口は大成功するが…。



「ゆれる」、「ディア・ドクター」オリジナル脚本で良作を撮っている西川美和監督の最新作。当然今回もオリジナル

ただ、過去作と違うのは、主人公が女性だということ同性を描いているからか、前作までよりもなんだか生々しくてむせ返るようで、ちょっと
戸惑う。
亭主のために身を粉にして頑張ってきたのに、その亭主が酒に酔った過ちとはいえ浮気しやがって怒り爆発の女房は、意趣返しに、亭主に
世の
(自分より)不幸な女性を騙す結婚詐欺を課す、という話で、女性に対する視線が何ともえげつない
パートが終わった女房を旦那が自転車で迎えに来て、缶ビールを飲みながら二人乗りで帰る道の途中、交番の前でだけ二人乗りをやめちゃう
くらいに小市民
だったのに、「お店を再建したらバリバリ働いて倍にして返すから」なんてほざきながら詐欺に勤しむようになる転落ぶり
なんともはや。金が貯まるにつれ冷え切っていく夫婦仲が痛ましい


主人公の、良妻だったはずがいつの間にか稀代の悪女に成り果てる中年女性に松たか子「告白」に続いてこんな役を熱演してしまって、すっかり
モンスターである
素晴らしい
鬼の形相で食パンを貪り喰らう姿が印象的だった。
人はいいが別段二枚目でもないのに、結婚詐欺をビシバシやっちゃう亭主に
阿部サダヲこのキャスティングはズルいなあ
結婚詐欺に遭う女性は十人十色よりどりみどりなのだが、
重量挙げの選手役の人があまりにもインパクト強し。本業なのかと思ったら全然そんな
ことなく、ちゃんと役者さんなのね。
しかし
田中麗奈結婚できなくて焦る妙齢の女性を演じるのは…痛々しくて…。



○「夢二」 ★★ (01.8/ビデオ)
STORY:大正時代、東京。画家・竹久夢二は冗談でやった決闘に負け、男に撃ち殺されるという悪夢にうなされていた。恋人・彦乃と駆け落ち
の約束をし、一足先に金沢の湖畔で待つことにした彼だったが、そこで湖に沈んだ夫の死体が浮かんでくるのを待ち続ける女・巴代と出会い、
心魅かれる。逢瀬を重ねる二人に迫る影。巴代の夫・脇谷を殺した男・鬼松、実は生きていた脇谷…次第に夢二は追いつめられていく。



「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」に続く鈴木清順監督の大正浪漫三部作の最後の一編。
劇場で見た前二作の妖しさにそりゃもう打ちのめされてしまったので、期待してビデオを借りてみたのだが…。


10年間の制作のブランクがあったこととか、鑑賞媒体が劇場とビデオという違いもあるのだろうが、前二作と比べるとどうにも気分が乗らない
不可解な物語に眠くなるのは一緒だが(笑)、うーん、妖しさが足りないのかなあ。


主演は沢田研二。良くも悪くも独特の演技。原田芳雄麿赤児ら常連組も前ほどの存在感がない。



○「ゆれる」 ★★★★ (06.10.31/劇場)
STORY:東京で写真家となった猛は、久しぶりに故郷へ戻る。頑固な父との確執は解消せず、昔と変わらず優しい兄・稔に仲裁される。美しく
成長した幼なじみの智恵子が稔と仲良くしている姿に嫉妬した猛は、その夜強引に智恵子を抱く。翌朝、思い出の渓谷に出かけた猛・稔・
智恵子。だが、稔と二人きりでいた吊り橋から智恵子が転落死してしまう。事故か、事件か。猛は懸命に兄の無実を証明しようとするが…。



ゆれるのである
吊り橋だけでなく、兄弟の心も
ゆれてゆれてゆれまくるのである
優しくて面倒見がよくて、何でも許してくれる兄、自分にとってまったくもって都合のいい存在だった兄の心の内を知って、
弟の心はゆれる
すっかり諦めて受け止めていた重苦しい日常に思いがけず亀裂が入り、
兄の心はゆれる

兄弟の間でゆれる女。女を巡りゆれる兄弟。リフレインのような父親とその兄との間の確執。家族のゆれる心など関係なくただ真実を得んがため
に鋭くえぐり込んでくる検察官の一言一句。裁判の行方もゆれゆれゆれる。そしてゆれ続けた最後に兄弟が出した答えは…。


やはり男で、かつ兄弟がいる身としては、劇中の兄弟に自分たちを投影して見てしまう。
我が家の場合はオイラが兄なのだが、もし劇中の立場に立たされたとしたらと思うとゾッとする(裁判沙汰以前の設定ね。)し、もし我が弟が裁判
所で罪を問われる立場に立たされたとしたら………真実はどうあれ弟を檻の中に叩き込んじまおうとしそうだな。(ニヤリ)
ともあれ、兄弟の間というのはドロドロとした何かが隠れているもんだよなあ。それを描いてしまったのが女流監督だというのがいやはや
なんとも。


俳優陣がなんとも素晴らしい。兄役の香川照之は言わずもがな、主演のオダギリジョーも十分によろしいし、脇役たちもGJ。
出番は少ないもののキーパーソンとなる新井浩文や検察官役の木村祐一、ヒロインの真木よう子も実にいい。


地味ながらまっこと良作。つーかこれ原作無しのオリジナル脚本なのか、すげえ!



○「妖怪大戦争」 ★★ (05.8.9/劇場)
STORY:両親の離婚で東京から鳥取に転校してきた10歳のタカシは学校に馴染めずにいた。夏休み前のある日、神社のお祭りで、世界に
平和をもたらすという伝説の”麒麟送子”に選ばれてしまったタカシは、伝説の聖剣が眠るという大天狗の山でスネコスリ・川姫・川太郎・猩猩ら
妖怪と出会う。タカシは彼らと共に世界滅亡を企む魔人・加藤保憲と戦うことになってしまうのだが…。



往年の妖怪映画を、角川歴彦が製作葬式もとい総指揮・日本三大妖怪博士+宮部みゆきがバックアップ・我らが三池崇史が監督という超
豪華ラインアップでリメイク。
つーか新生角川映画が夏休みに子供たちに送る夢と感動の冒険ロマン大作なのに、何故に三池っちに監督をやらせるのか(笑)
「子供からお年寄りまで皆楽しめる歌って踊るホームコメディ」を依頼されたのに
出来上がったのはトラウマものお正月全国公開から
単館公開に格下げされた「カタクリ家の幸福」
を忘れたのか!

週刊少年チャンピオンに載っていた監督インタビューによると、白羽の矢が立ったのは、角川社長が
「DEAD OR ALIVE2」内の力&翔
兄ィの狂気の寸劇をいたく気に入った
から
だそうで、流石あの「REX 恐竜物語」の人の弟DANE☆、角川社長!

ようやく本編の話。バイオレンスの変人・三池監督が、「妖怪」・「大戦争」というモチーフをどう料理するのかと興味津々だったのだが、顧問の
チーム怪の皆様から、「妖怪は戦わないから」と作品自体を全否定するかのような一言を叩きつけられてしまった
ために、看板に偽りあり
のユルユルな出来
に。
つーわけで戦争はしないけれど妖怪はたくさん出てくるッス。まあそれだけで一部好事家は満足だろうし、
水木しげるの妖怪図鑑読んで
育った世代
のオイラ(アニメの「鬼太郎」は所謂”戸田版”、主題歌が吉幾三のヤツ)もそこそこ満足だ。

が、作品としては決して誉められた出来ではない。全ての要素がバラバラで中途半端で上滑りして、シュールなギャグが浮いてしまう、典型的
な悪い時の三池映画(例:「漂流街」)
である。
特に、決戦に向けてのシークエンスがガタガタで盛り上がらないことこの上ない。
まあ、製作期間が極端に短い(故に早撮りの達人の三池っちが起用された)という事情もあったようだが、それにしても。
しかし
ラストのご本尊降臨で、「まあいいか」という諦念にも似た満足感が得られてしまうのがご愛敬。まるで「シベ超」シリーズのラストの
マイク水野のありがたいお言葉を聞いた時のよう


とまあ、ターゲットである子供が観てもあんまり盛り上がらないんじゃないかという体たらくなのだが、「映画秘宝」で監督が語っているように、
妙にエロっぽいのは特筆か。川姫の太股、サディスティックなアギ、そして被虐されながらも凛々しいタカシ少年。まあ大人の目からするとここ
も中途半端で歯がゆい
のだが。


そして個人的には何と言っても加藤保憲が嶋田久作じゃないのが許せん!!!!!

キャストの話。
主演の
天才・神木隆之介きゅんは堂々の合格点。冒頭の同級生との会話シーンなんかは役者としての次元の違いを軽々と披露していて舌を
巻くつーかその同級生どもと同じ生物とは思えないぞ。

終始半ズボンという正しい少年の衣装で、加えてお風呂シーンも着替えシーンもあるんでそれ目当ての大きいお友達も安心だ!(とは
いえ、もっとそそるシーンを入れればリピーター獲得できたと思いますぜ、うへへ)
ヒロインの水妖・
川姫@高橋真唯露出度高い衣装で期待大だったのだが、終始ただ立っているだけという体たらく。もっとそそるシーンを
入れ(ry
狂言回しの阿部サダヲや宮迫博之はハイテンションだったが空回りしていた感あり。乙。
菅原文太の今回のポジションは今までの三池作品における丹波哲郎のポジション
主人公の母親役で、かつて加藤保憲とサイキックバトル(笑)を繰り広げた辰宮雪子を演じた南果歩を起用しているのは特に意味がない模様。


個人的には、「…まめ?」よりも「ゴボウ巻のゴボウがー!」が受けた。

ちなみに黒幕の一人である荒俣宏によるノベライズでは「…まめ?」による解決ではないので。



○「八日目の蝉」 ★★★★ (11.5.24/劇場)
STORY:希和子は妻子ある男の子どもを身ごもったが男の希望で中絶し、出産できない体になってしまう。男の妻が女児・恵理菜を出産
したと知った希和子は恵理赤ん坊を盗み出してしまう。子どもに付けるつもりだった薫という名前で呼び、希和子は恵理菜にありったけの愛
を注ぎ育てた。4年後、希和子は警察に捕まり、恵理菜は実の両親の元へ帰った。そして恵理菜は、不完全な心のまま大人になった…。



原作未読。ネットでの評価がやたら高かったので観賞。
悪鬼の如き形相の森口瑤子抜け殻のような永作博美が対照的な、女の怨念渦巻く冒頭で胸焼けがしてどうしようかと思ったが、物語
が走り出すとずいぶんと進行はスムーズに。速度は出しているのに揺れずに快適運転と、ドライバー=監督の腕のよさが感じられる。
最後の方になると、もうすっかり希和子と薫の深い愛情に目を細める始末
でもこの仲のいい母子、血の繋がりないんだよなあ。
つーかこの子、誘拐されてきたんだよなあという基本設定すら忘れそうになるほど
安らいでしまったり。


並行して描かれる、現代の成長した薫=恵理菜の物語
父親が浮気をしたせいで大変なことに巻き込まれたのに、
自分も妻子ある男と不倫して、あまつさえその子どもを宿してしまうという。
避妊しようと思っても、かつて母親が
流産して子どもを産めない体となった希和子に浴びせたおぞましい言葉が呪縛となる
なんという業の深さか

そんな、七日で死んでしまうはずなのに八日目まで生き残ってしまった蝉のような女たちに待ち受けるのは…。

まあ、過去があっての自分だけれども、過去に囚われすぎては生きてはいけないっつーこってす。
中間試験や期末試験で休み時間に前の時間の解けなかった問題を見返してる人がよくいるが、そんなことしても間違えた点数は戻って
こないわけで、それだったら次の試験科目の予習に時間を割いた方が遙かに有益だと思うわけで。
何だその例え


主演は井上真央。結構好きなので点が甘いが熱演していると思う。
もう一人の主人公と言うべき希和子役に
永作博美不惑過ぎてこの童顔は反則。文句なしの名演。
恵理菜につきまとうジャーナリストに
小池栄子。小池栄子にこんな変な役を振るというオファーも拍手だし、イメージにそぐわない役を
見事に演じた小池栄子にも拍手

しかし問題なのは、
なんで揃いも揃ってこんなしょーもなさそうな男どもに騙されるのか、という点である。@田中哲司劇団ひとり
田中泯が一人異彩を放つ。つーか放ちすぎ

監督は「油断大敵」、「フライ,ダディ,フライ」成島出。なかなか信頼できる監督になったの。「ミッドナイト・イーグル」なんてなかった!



○「陽気なギャングが地球を回す」 ★★★ (06.5.30/劇場)
STORY:人の嘘を見抜ける成瀬・正確な体内時計を持つ雪子・スリの達人久遠・自称天才演説家響野の4人の副業は銀行強盗。それぞれの
特殊能力を活かして鮮やかに仕事を重ねていた。今回の仕事も楽勝だった…が、逃走途中に盗んだ金を覆面強盗団に強奪されてしまう。
手引きしたのは息子を人質に取られた雪子だった。更に身代金を要求してくる覆面強盗団の首領・神崎に対し、成瀬は一計を案じるが…。



ロマンはどこだ!

伊坂幸太郎痛快ピカレスク小説の映画化。
原作が好きなのでキャスティングの段階ですでに不安だったのだが、見終わってみれば、まあ最低限雰囲気は出せていたかなあ、と。
最低限だけど
原作未読の人に対しての方が、「元々こういう作品なんですよ」的に勧められると思う。
が、しかし、原作既読者に対してはどんでん返しの部分を捻ってあったりして一見の価値ありになってたりもして。


それでも、原作の格好いい成瀬をまるで再現できてない大沢たかお(見てくれはいいけど。)や演技はいいが華としては萎れてしまって
いる鈴木京香
というキャストの問題や、何故か成瀬と雪子を男女の仲にしようと張り切るラストに久遠を裏切らせるわとまるでロマンの
ない脚本
違和感バリバリのCGの使い方など、やはり原作に思い入れのある人には痛い作品に仕上がっているなあ。

良い点を挙げると、まずは佐藤浩市響野の名演説とヘッポコ人間ぶりを貫禄の好演
脇役陣が揃っているのも良い点。古田新太に篠井英介、シマキュー。地道役は大倉孝二よりも森下能幸がいいんじゃないかと思ったのだ
が、例によって例の如く田中要次と一緒に名もなき脇役で出てたのお。
あとは、原作者の要望通り90分で収まってるのは褒めるべきかと。




○「善き人のためのソナタ」 ★★★ (07.5.22/劇場)
STORY:1984年、東ドイツ・ベルリン。社会主義国家のため不穏分子を摘発する秘密警察・シュタージの腕利き局員・ヴィースラーは、海外
にも名を馳せる劇作家・ドライマンとその恋人で舞台俳優のクリスタの監視を命じられる。彼らのアパートの至る所に盗聴器を仕掛け監視を
続けるヴィースラー。だが、彼らの人間味溢れる会話に触れるにつれ、国家第一だったヴィースラーの心に少しずつ変化が現れていく…。



2007年度アカデミー外国語映画賞受賞作
あまりに方々のレビューサイトで評判が高いために感動ヒューマンものなんて似合わないジャンルなのに思わず観に行ってしまった。


そりゃもういい映画なのだが、元々苦手ジャンルなのと、邦題にもなっているピアノソナタの音色があまり心に響かなかったのとで、そこまで
は心に響かず。後者が結構大きかった。くされ外道ですまん。


いやでもしかし、ラストシーンの清々しさは見事



○「横道世之介」 ★★★★ (13.3.20/劇場)
STORY:’87年、長崎から大学進学のため上京してきた青年・横道世之介。いいやつだが、アグレッシブ。いいやつだが、空気が読めない。いい
やつだが、割と図々しい。いいやつだが、人の意見に流されやすい。同級生たちや人違いで知り合った友人や年上の憧れの人や猛烈にラブコール
を送ってくるお嬢様…。時が経ち、現在、彼らがふと横道世之介のことを思い出す時、彼はいいやつだったと、決まって笑顔になるのだった…。



原作未読。出演陣が魅力的だし、「南極料理人」、「キツツキと雨」の監督だし、で観賞。

バブル華やかなりし頃を舞台に、どこから見てもスーパマンじゃないスペースオペラの主役になれない危機一髪も救えないご期待通りに
現れないため息つく程イキじゃない拍手をする程働かない子どもの夢にも出て来ない大人が懐かしがることもないだからと云って駄目じゃ
ない駄目じゃない横道世之介駄目じゃないな青年
が日々を精一杯生きる姿を描く青春映画。


世之介が入学式で隣の席だった空気をまるで読めない男と、世之介がその後のオリエンテーションで出会ったちょっとかわいい女の子は、
世之介が間に挟まることで出会い、それが最悪最低の出会い方だったのにも関わらず、いつの間にか付き合い始め、子どもを授かり、結婚
することとなる

時が経ち、その子どもが成長し、恋愛がらみで修羅場ってしまったりして、彼ら夫婦はふと大学時代に出会った、
彼らがつらい時に救いの手を差し
伸べてくれた、時代がかった名前の友人のことを思い出し、懐かしさに笑みをこぼす


世之介が学食で人違いで話しかけたイケメン。そのままなし崩しに友だちになった二人。結構図々しくエアコンの効いたイケメンの部屋に入り浸る
世之介に、いろいろ悩んでいたイケメンはとある重大な悩みを打ち明けるが、世之介はおおらかに、さらりと、しれっと、それを受け止めて
みせる

時が経ち、
悩みに押し潰されそうだった自分をこともなげに吹っ切らせてくれた時代劇みたいな名前の友人を思い出し、イケメンは笑顔で
ワインを高く掲げる


金持ちの男の間を渡り歩いていた美女に、世之介は一目惚れしてしまう。その後もなにかと縁があり、世之介はアプローチを続けるのだが、なか
なか実らない。
時が経ち、それなりにちゃんとした仕事に就いてそれなりに充実した日々を送る美女は、あるニュースで、
自分を好いてくれ、恥ずかしいところも
見せてしまった、年下の変な名前の青年を思い出し、微笑みを残し夜の街に繰り出す


そして、人数合わせのWデートに運転手付きの外車で乗り付けてきたお嬢様は、世之介の全く気取らない自然さをたいそう気に入り、長崎の
実家にまで押しかけたりアグレッシブにアプローチして、両親の公認もゲットし、見事に恋仲になる。
時が経ち、世界を股に掛け活躍している彼女は、小さい姪っ子に初恋の人のことを聞かれ、
青春の一番眩しい時間を共に過ごした、忘れられ
ない愛しい名前を思い出し、幸せそうな笑顔で思い出を語る


大学時代と今との間にみんなそれぞれ語られないいろいろなことがありそれでも横道世之介のことを話す時はみんな満面の笑顔になれる
素晴らしく爽やかな気分と、一体語られない期間に何があったのよなんで別れてんだよなんで死んでんだよと一抹のもやもやを残して
2時間半の長さを感じさせずに、映画は終わる。


主人公に高良健吾。相変わらずよい。なんか時代背景も地方から来た学生という設定も、「苦役列車」を思い出したり。
ヒロインの
吉高由里子は当たり役。元々浮世離れしたエキセントリックな役が向いていたけれど、このお嬢様はハイソな言葉遣いとお茶目な
態度が何ともかわいらしく、たいへんよろしい

訳ありのイケメン役の綾野剛もいい佇まいで好印象。
きたろう(今回はラーメン食べない)、余貴美子、池松荘亮、國村隼ら脇役も好演。


青春時代は輝いていたよなあ、とかしみじみ顧みるおっさん向けの映画なのかもだ。


○「黄泉がえり」 ★★★ (03.2.7/劇場)
STORY:九州・阿蘇山付近の小さな町で、数十年前に行方不明になった子供が、その時の姿のまま家に帰ってくるという事件が起き、その町の
出身の厚生省の川田平太が調査に派遣される。そこで彼は幼馴染で、死んだ親友の婚約者・橘葵と再会し、また、町中で同じように死者が復活
する事件が起きていることを知る。そして”黄泉がえり現象”の調査を進めていく中、平太は葵に関する衝撃の事実を知ってしまう。



当初は、劇中の黄泉がえりの期間に合わせて3週間限定公開だった予定が、予想外の大人気で公開続行が決定したそうで。
そりゃあまあ、死に別れた最愛の人が帰ってきてくれて、そしてまた土に還ってしまうなんて話、見る前から感動で目から水が出そうなネタ
だもん。
で、実際に観てみれば…うーん、
喰い足りねえ

まず致命的に草なぎ剛の演じるビールを実にまずそうに飲む主人公がダメダメ。演技がガックリもので、おめーは「どっちの料理ショー」に
でも出てやがれという感じ。よって、
こいつとヒロインの話を削りに削って、他の黄泉がえりの人のエピソードに回すのが吉
オイラがその顔もその声もその演技も嫌ってやまない石田ひかりを巡る、黄泉がえった旦那・哀川”哀しい川を翔ぶと書いて”翔兄ィと冴えない
若者・山本の確執なんか非常に消化不良でもったいないこと山の如し。もっと対立し、やがてわかり合っていくエピソードが入ると、最後に女房
を託していく翔兄ィというシーンで号泣できるのに。


あと、いくらいい曲でもRUIこと柴崎”女子12番・相馬光子”コウライブシーン長すぎ。(消えるのは相方ではなくRUI当人の方がもっと盛り
上がるじゃん。)さらに、消えていく黄泉がえりの人たちの別れのシーンなんて涙チョチョギレること必至なのにスッパリと描かれてない
のは、
もったいないお化けが出るぜ?(たとえば、RUIの歌をバックにして各エピソードの別れの描写を入れるとかするだけで館内で流れる涙
が100リットルくらい増えるのに。)
さらにさらに、ラストは草なぎのモノローグで流すのではなく、ちゃんとあの女の子にセリフを言わせないとあかんだろうに。


よかった点といえば、まずなんといっても、極楽とんぼ山本。頼りないけれど好青年という役どころがハマッていた。彼と黄泉がえった兄(中川家
兄風)が実によい。少年時代に死んだその姿のまま帰ってきた兄と、すっかり背も横幅も年も兄を追い越してしまった弟、2人のキャッチボールの
シーンが一番好き。あとは田中邦衛のエピソードも泣きポイント。柴崎コウのカップルも描写は少ないものの切なくてよし。


総合評価としては、こんな脚本ならオイラが書いた方がマシだぜ!と言い切れそうな出来。素材はすこぶるいいだけにもったいなさすぎ。
「異人たちとの夏」(中年男の、死んだ両親とのつかの間の逢瀬の映画。間違いなくオイラが一番号泣した映画。ただし最後の名取裕子の
シーンはなかったコトにして!)を見て勉強し直しましょう。




○「夜の上海」 ★★★★ (07.10.9/劇場)
STORY:カリスマヘアメイクの水島は公私共に疲れていた。仕事で訪れた上海で、財布も携帯も持たずに夜の街に飛び出した水島は、迷子に
なった上にタクシーに撥ねられる。タクシーの運転手は女手一つで頑張って弟を養っているリンシー。勝ち気で無鉄砲だが、同僚の青年に恋を
する乙女な一面もある。言葉が通じないままに彼女のタクシーで街を彷徨う水島。こうして彼らにとっての不思議な一夜が幕を開けた…。



ジャンルでいうと、恋愛映画なのである。まったくもって当サイトで取り上げるのは珍しいジャンルの映画なのである。
では、何故にそんな嬉し恥ずかしなジャンルの映画を観てしまったのかといえば、それはhitoeに主演が
ヴィッキー・チャオだからである。
でもって、
ヴィッキーたんを十二分に愛でられたので大満足なのである。
終わり。


以下蛇足。
滅多に見ない恋愛映画なのだが、たまに見てもアジア映画ばかりで、偏ってるなあ。


今回のヴィッキーたんは男勝りのタクシーの運転手で、役柄上すっぴんに近いメイクなのだがそれでもかわええかわええ。登場時からオイラ
ニヤニヤしっ放し。
整備工のイケメンにベタ惚れするあまり、
わざわざ事故って車を修理に持ってくる暴走戦士ヴィッキーたん。ところが水島との珍道中中に
結婚を報告されブロークンハートですよ。しかしこのイケメンさんが結婚式前日の夜だろうが電話一本で修理に来てくれるすげえいいヤツで、
なおさら切ねえ。
もうすぐ誰かのものになってしまう彼に最後の告白をしようとするヴィッキーたんに、ほんのワンポイントだけ髪の毛に手を加える水島。
それ
だけでまたずいぶんとかわゆさが増す
もんだからオイラニヤニヤ止まらず。
それ故尚更ラストのフルメイクシーンではもっと思い切って華やかにコーディネイトしてくれたら完全K.O.だったのだが…。いや、十分
かわゆかった
ですけれども。


今回のヴィッキーたんの相手役は本木雅弘。そう、この作品は日中合作で日本の俳優も多数出演しているのである。その辺も足を運んだ理由
の一端。
さてそのモックン(死語)、CMとかだと何となくお高いイメージがある(偏見)のだが、意外に柔らかい役柄と演技で好印象
彼女役は西田尚美。最初はその演技はどうなの?と思ったが、話が進むにつれだんだんかわいく思えてきたりする。

竹中直人は国内以上に暴走。一人で作品の毛色を変えるほどに。
邦画でも結構お馴染みのサム・リーも胡散臭い役で登場。胡散臭すぎてしばらく誰だか気づかんかった。