○ 白鳥省吾略歴
白鳥省吾 (一八九〇年二月二十七日生〜一九七三年八月二十七日没・満八十三歳)
明治二十三年二月二十七日宮城県栗原郡築館町(栗原市築館)に生まれる。明治三十五年築館中学校入学、明治四十年卒業。明治四十二年、早稲田大学英文科入学。大正二年卒業。旧制中学在学中より詩を作り始める。大学三年の時に「夜の遊歩」で詩壇にデビュー。大正三年処女詩集『世界の一人』を自費出版。これ以後詩人として活躍。独自の詩論を展開し、数多くの詩集、民謡集、評論集、随筆集、童話・童謡を残す。『新少年』『露西亜評論』『女学生』等の雑誌の編集を手がける。大正八年「詩話会」委員当選。同年『大地の愛』出版。その後『日本詩集』『日本詩人』の発行に「詩話会」委員として参加。ホイットマンの詩集の翻訳者、崇拝者として著明。民衆派の詩人として活躍。大正十五年六月「大地舎」を興し、自誌『地上楽園』を昭和十三年まで発行。後輩の育成につとめる。
昭和五年三月二十五日、新潮社発行の『現代詩人全集・11』「白鳥省吾集・福田正夫集・野口雨情集」には自伝が各自の巻頭に掲載されている。その中から省吾の自伝をここに紹介する。
* 写真は
『現代詩人全集・11』「白鳥省吾集・福田正夫集・野口雨情集」∧白鳥省吾自傳
出生―明治二十三年二月二十七日、宮城県栗原郡築館町に生る。白鳥林作の次男。
経歴―築館小学校を経て縣立築館中学校卒業、早稲田大学英文科を大正二年に卒業。詩作は明治三十九年四月、中学四年(十七歳)の春より始む。上京せるは四十一年五月。早大在校時代にエドガー・アラン・ポーとワルト・ホイットマンとを愛読す。何等、属したる詩社なく師事せる人なし。「新聲」、「文章世界」、「新潮」等に投書せることあり。四十四年十一月、人見東明、秋田雨雀の編輯せる「劇と詩」に詩「夜の遊歩」を発表せるは詩壇に出たる最初とも見るべし。後、主として詩作を発表したるものに、詩話會発行の「日本詩人」あり。詩の傾向は最初は平明なる寫生詩であり、明治四十三年頃より大正四年頃までは象徴詩に心酔し、その以後は民主的精神の徹底を以て一貫す。大正十五年六月大地舎を創立し、詩書出版を兼ね詩誌「地上楽園」を創刊主宰し、現在に及ぶ。
著書―主なるものを挙ぐれば、詩集「世界の一人」(大正三年)「大地の愛」(大正八年)「幻の日に」(大正九年)「楽園の途上」(大正十年)「憧憬の丘」(大正十年)「共生の旗」(大正十一年)「若き郷愁」(大正十一年)「愛慕」(大正十一年)「野茨の道」(大正十五年)等。散文詩集「日時計」(大正十二年)「蒼空を見る」(大正十四年)。童謡集「雲雀の巣」(大正十年)「金貨のたんぽぽ」(大正十五年)。民謡集「白鳥省吾民謡集」(昭和三年)「寒椿」(昭和四年)。評論集「民主的文藝の先駆」(大正八年)「詩に徹する道」(大正十年)「現代詩の研究」(大正十三年)「新しき詩の國へ」(大正十五年)。翻訳「ホイットマン詩集」(大正八年)の他、童謡、童話に関する著作が多い。∨
昭和十九年四月千葉県に疎開、以後千葉県に住む。昭和三十六年四月「日本農民文学会」会長となる。昭和三十七年四月「日本歌謡芸術協会」会長。同年十一月「日本民謡協会」より文化章受賞。昭和三十八年十一月千葉県より文化功労者として表彰される。昭和四十年三月郷里築館町名誉町民、四月栗原郡名誉郡民に推戴される。同年五月十三日、「日本現代詩人会」より、H氏賞第十五回にあたり「先輩詩人に対する敬意の催し」を受ける。同年西條八十の後を継いで第二代日本詩人連盟会長就任。昭和四十一年四月一日より「和洋女子大学」(千葉県市川市)教授となり「日本文学概論」を講義。昭和四十八年八月二十七日まで在職。昭和四十三年十一月三日勲四等瑞宝章授与。
昭和四十八年八月二十七日、食道ガンにて逝去。当日詩壇に尽くした功績により銀杯を下賜さる。享年八十三歳、(戒名 詩星院還元松風居士)多摩霊園に眠る。
* 写真は「
勲四等瑞宝章」「銀杯賞状」「銀杯」
*
参考引用資料 (資料提供・白鳥省吾記念館・他)*
『現代詩人全集・11』「白鳥省吾集・福田正夫集・野口雨情集」(昭和五年三月二十五日・新潮社発行)*
詩集『北斗の花環』「白鳥省吾年譜」白鳥省吾著(昭和四十年七月十五日・世界文庫発行)*
『白鳥省吾の詩と生涯』(昭和六十一年二月十五日・築館町発行)*
『白鳥省吾のふるさと逍遙』(平成十二年一月十日・白鳥ナヲエ発行)*
「和洋女子大学」教務課よりのメール情報*
生前に作詞した、校歌の数は200曲を超えると言われております。当ホームページの「日本全国校歌情報」欄にて紹介しております。また建立された、関連の文学碑は40を超えると言われております。同じく「日本全国白鳥省吾関連文学碑」にて紹介しております。
白鳥省吾の詳しい生涯は、当ホームページ「会報」欄の「白鳥省吾物語」にて紹介しております。
写真は白鳥省吾の墓石 「多磨霊園に眠る著名人たち」 のホームページより転載
Copyright c 1999.2.1 [白鳥省吾を研究する会]. All rights reserved.