5.真っ赤なゼリー
今までの雰囲気から一転、勢いのあるビートフォーク(^^;)・・・いやロック。
(このアルバムは唄のジャンルに関係なく、聴く者の魂に訴えかけてくる唄ばかりだ)
この唄は今の音楽産業界を唄った唄だと感じたのですが・・・。
実際のところ どうなんでしょうかナラさん?
御本人からのメール待ってます!!
※ナラさん御本人からメール頂きました。
『「真っ赤なゼリー」の解釈は独自ですが、それはそれでOKです。』とのことで、、、。
まぁこのレビューを書いた時点で自分が思っていたことを尊重し、あえて内容は変えません。
例えば「味付けを忘れたゼリー」は何も感じさせてくれない、本質的に見失われた中身の無い歌を、
「ゼリーはどう?」は、こんな歌を歌ったらどうなんだ?≠ニいう
商業重視する人々を、
「ゼリーはボクの食欲をそそらない
ゼリー!僕を悲しくさせないで!」は、
耳触りが良いだけの音楽が蔓延しているこの時代に対しての寂しさを、
「商品はいつも自信満々で 型に合わせるのに一生懸命さ」は、どんなにいい唄をつくっても
商業重視する人たちの都合の言いように変えさせられる事への皮肉を、
「お粗末な味付け飾り付け
形だけが満たしココロ満たさず」「ゼリーが世の中に蔓延している」は、
読んで字の如く、表面的(商業的)には良い音楽でも、聴く人の魂に訴えかけてくるものは
何一つ感じさせない、商業的には満たしてくれても、聴く人の心は満たしてくれない、
そんな歌が蔓延していることを表現していると自分は感じたのだが、少々考え過ぎなのだろうか?
あくまでも個人の意見なので目くじらは立てないでくださいね
6.甘夏
ギターとアコーディオンを基調とした唄。唄にはいろんなタイプがあるが、これは心を落ち着かせてくれる唄。
ギター一本で始まり 徐々にパーカッションやアコーディオンなどの音が加わってくる。
都会での夏の午後(1時ごろ)といった印象を受ける。(ホントは午前なんだけど)
心に染みる歌声。そこに絡み付くようなアコーディオンの音色。
このアコーディオンがすごく良いアクセントとなっている。
「夢を見たんだ ほろ苦い夢
甦る もう色あせてたはずの あの青く淡い思い出」
誰もが一度は経験したことがあるだろう、なんとも言えないあの気持ち。
全体としてすごく(精神的に)懐かしい感じがする。実に心に染みてくる唄だ。
7.虫のうた
すごくメッセージ性の強い唄。歌詩の完成度もものすごく高く、文学的な詩としても通用する。
いや、それ以上のレベルのものとなっている。
ワルツのリズム。ふと気づくと口ずさんでいるような
メッセージ性が高いながらもポップな唄。
すごく鋭い所をついてくる 思わず ハッとさせられる歌詩。
「人間様の街を観察しながら 密やかに そして堂々と自分のままでゆく...」
「白い目線で潰されそうになるけど かまうことはない! こっちは虫だ」
「ほうらボクは虫 今羽撃き始める...不格好に でも うん とても自由に」
「気取ったサナギを脱いだらとても気持ちよかった ボクはもう立派な虫 そう! ただの虫だ」
この唄を聴いていると、この歌詩(特に上にあげた部分)を読んでいると、
うまく表現は出来ないのだけれど なんというかこれでいいんだ≠ニふっきれる、というか
すごく自信を持って頑張っていける。
8.夕方、少年、海の公園
全身を包み込んでくれるとても壮大な唄。
この曲の要となっているストリングス。存在感のあるアコースティックギター。
いいアクセントを加えてくれている力強いドラム。とても効果的に入ってくるエレキギター。
しっかりと下から支えてくれているベース。少し控えめだが素晴らしい音色を響かせているピアノ。
音数の多い中でも少しも引けを取らない歌声。
これらが渾然一体となって、全身をやさしく
そして暖かく包み込んでくれる。
さあ すべての音に身をゆだね、この壮大な世界を感じてください。