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三段山 2002.2.27〜3.5
副音声(どっちが副だ?)付きでお送りします。
黒字:やまだやま
青字:ひげ松
三段山だ! 三段山だ!
2002年2月28日(3月1日)から4日(5日)まで、我々は北海道は三段山へ遠征した。
あの、ビデオ「SANDANYAMA1999」の映像に衝撃を受け、中途半端にやっていたテレマークにはまってしまい、
今や聖地である、あの三段山である。しかし、昨年の遠征に引き続き、一筋縄ではいかないのであった。
2月28日
ばった、ばったと準備を済ませ、家の近くのラーメン屋で腹拵えしてから盛岡駅へ急ぐ。
キオスクでサプリメント(ビールとツマミ)などを買っていると、ほどなくK技官が合流。
さっそくホームに上がり、「はつかり」に乗り込む。飲んでるうちに動き出す。
思えば、昨年は出発十日前に脱臼し、無念の直前キャンセルとなったのであった。
その為、ここ3ヶ月の体調管理に対するプレッシャーは、かなりのもので、汽車が動き出した途端、
気が緩んで思わず体調を崩しそうになったのであった。
とは言え、二人とも体調は良好である。
満月を眺め、イメージトレーニングなどして飲んでいるうちに、青森駅到着。
雪も無いが、時間も無いのでダッシュ。23:08青森発。
「はまなす」は何度も乗っているが、カーペットカーは初めて。乗り込むと、予定通りユージが居た。ビール持って。
諸事情で参加が危ぶまれていたやまだやまから連絡が入る。無事に脱出したとの事。
「僕は自由な小鳩」だそうである。
青函トンネルに入り、まぁぼちぼちと飲んでいるうちに眠くなり、快適な車内で熟睡する。
3月1日
目が覚めれば北海道(当たり前だ)。やっぱり、雪があるな。しかし、昨年より格段に少ないそうである。大丈夫か?
6:18札幌駅に着く。待ち時間に弁当を買い求める。厚岸カキ弁当、とか言う奴で、ヒモ引っ張るとぬぐだまる様だ。
K技官は隣りの番線に停車中の車内で寝ている。具合が悪いそうだ。車酔いとの事である。寝不足か?
6:55特急に乗り、相変わらず眠り続けるK技官をよそに弁当を食ったり、うだるうちに旭川着。
途中は霧が深かったが天気が良くなって来た。遠くに白い山並みが見える。
さっそく、レンタカーを借りる。希望のクラスが無かったとかで、はいぐれーどな「エルグランド」である。
カーナビまで着いている。・・・似合わね〜。しかし快適。金持ち気分。はっはっは。
とりあえず、今回お世話になるAクラさんのとこに転がり込む。おお〜綺麗な住処じゃないの。
チャリやスキーのビデオ見て(相変わらず寝込むK技官)モチベーション高めといて、さっそくゲレンデへ。
深川駅でやまだやまをピックアップし、カムイスキーリンクスへ。
昼食後、相変わらず調子の悪いK技官を休憩室に残してゲレンデへ。さっすが北海道、最高の雪質!
ではなく、ガリッガリでした。振動がモロ足に来て、かなり疲れる。カービング使いのAクラさん速し。
ついて行けまへ〜ん。こんな雪では、明日苦労しそうだな。モナカは嫌だ。
ちょっと疲れた事も有り、15時頃K技官の様子を見に戻ると、何だか赤い顔して寝てる。
ん? 飲んだのか? んな訳無く、熱発である。39℃近いじゃん。
協議の結果、明日は土曜日→休日診療→ロクなとこない、と言う事で、速攻で下山することになった。
Aクラさん行き付けの病院に直行し、診察を受けさせる。心配していたインフルエンザではないので少し安心。
翌日の飛行機で送還することになり、予約を取り直す。
ここで部隊を2つに分け、やまだやまとユージは白銀荘へ、残りはAクラさんとこへ。
旦那さん@三段山に連絡を取り、明朝のピックアップをお願いした。逆方向なのに、我侭言ってすみませんでした。
ゲル食って薬飲んで寝込んでいるK技官を放っておいて、Aクラさんお手製の鶏ハム(激ウマ)、餃子を食いながら
ジョッキのクラシックを傾ける。久しぶりのクラシックは、何だか蟹の風味がした。さすが北海道である。
・・・冷凍庫の匂いが移っただけでした。
以前から観たかった、Cowboy Be-Bop をDVDシアターで鑑賞。実にスバラシ。途中で、ローストビーフが出てくる。
これまた激ウマ。(寝ていたK技官も、匂いにイタク刺激されたとの事;後日談)
何時の間にかシングルモルト。こうなるともう駄目。マルクスブラザース観ながら、床に撃沈。
夜、昨年登頂に成功したゆーじと私、やまだやまは、登山基地である白銀荘の一室で、噴煙あがる十勝岳の
背後から昇る満月をながめながら、静かにサッポロクラッシクを飲んでいた。遠征参加者は4名、しかし、ここに
いるのは2名である。昨年は会長ひげ松が、新車納入の喜びで脱臼する(駐車場でコケただけである)という
アクシデントのために、無念の不参加であった。そして今回は、遠征メンバーの中で一番タフであるはずのk技官
が風邪でダウンし、翌日には盛岡に戻ることとなってしまい、旭川でひげ松に付き添われてふせっている。
なかなか五体満足でメンバーがそろわない遠征である。変なジンクス作らんようにしようね。
月に照らされ、山は青く輝いている。ビールを飲みながら、残された二人からは弱気な発言しか出てこない。
「雪質悪いな・・。もなかだぞ・・。」「登りはともかく下りはちょっと・・・。」「スキー場でもまあいいか・・・。」
「取りあえすバーボンも飲む?」そうそう、結局飲んじゃえば一緒さ。
不安な一夜が更けていくのであった。ごちそう食ってました。
3月2日
お?すっげー降ってる。積もってる。K技官も起きて、皆でうどんを食う。昨夜の残りのローストビーフをトッピング。
やはりウマし。K技官の駅までの搬送をAクラさんに依頼し、迎えに来た旦那さんの車に乗り込んだ。
ゴンゴン降っているので雪不足は大丈夫、かと思いきや、風で飛ばされる可能性もあるとの事。
何にせよ、行ってみるまで判りませんな。町を抜け、白銀荘への登りに掛かる。いんや〜、降ってる降ってる!
道路がパウダーの洪水である。車飛び降りて、滑りたい。けどちょっと我慢我慢・・・
快適なドライブで、ほぼ予定通りの10時過ぎ、白銀荘到着。
いよいよ三段山だ〜!登るぞ〜滑るぞ〜!!!
そして明けて次の朝は、吹雪いていた。視界も悪い。朝から降り始めたようで、あまり積もってはいない。またも
二人は弱気になる。「こんな天気でも行くのかな?」「俺らだけなら行かないんじゃない。」「まだここは俺の庭じゃ
ないし。」「おまえの庭だったら晴れてても一緒には行かない。」(注;彼が「庭」と宣言すると、その後激しく道に
迷う事例多し。要注意である。庭が広すぎるんだね〜)
相変わらず雪は降り止まず、それはそれで雪質は良くなっていった。我々ものろのろと準備を始める。
そして約束の時間の少し前に、黄色い回転灯を点滅させ、雪煙を上げながら青いステップワゴンがやってきた。
その姿は、SANDANYAMAビデオの冒頭のシーンそのままである。そして、あの旦那さんと、五体満足のひげ松
(おかげさんで・・・)が登場である。こうなってくると準備も気合いが入ってくる。げんきんなもんである。
さあ、準備が整い出発である。夕べあまり飲んでないのでまあ調子よく登っていく。気温は低いが、汗をかく、
しかし、めがねが曇るぞ! 温度差があり過ぎるせいか、めがねが曇ってしょうがない。と、曇りが凍ってしまって
いる。暑いので、汗止め手ぬぐいだけで登っていたら、髪の毛や、手ぬぐいの外側はばりばりになっている。
それでも、なかなか本州では味わえない軽い雪質である。期待に胸が膨らむというものである。さっきまでの
弱気はどうしたのであろう。どうしたんだよ。
しかし、この日の天気はなかなかつらかった。2段目下の樹林帯を抜けた箇所で、吹雪をまともに受けることと
なった。視界が悪い。早くも先が見えない状況である。それでも、2段目を登っているうちはなんとかなった。
そして2段目上部からはもろに風を受けるようになった。旦那さんが指示する方向をコンパスで確認して進む。
と言っても、一面真っ白で、目標物を設定できないんだよね。
さむー、誰か早く撤退しようと言わないかな? ・・・何で言わないんだよ。
わずかに顔を出すハイマツに目標を定め、そこまで行ったらまたコンパスで方向を確認し進む。そして三段目途中
で、わずかな目標も定められなくなってきた。まだだれも撤退しようと言わない。そして私が先頭に立って進み始め
て数秒後、声がかっかた。吹雪の中に消えていくやまだやまは、まるで「八甲田山」1シーンのようであったという。
旦那さんが撤退を宣言した。風速15m、氷点下15度、風にさらされている部分が痛い。みんなして「何故に早く
撤退しないのか?」と思っていたと言っている。普段はすぐ弱気なくせに、けして自分からは撤退を言わない負け
ず嫌いな人たちである。いずれ遭難するな。でも、あまりの寒さに何か楽しくて、ヘラヘラ笑ってました。
それにしても、めがねが曇って凍って視界が悪い。苦労してたな。眼鏡無くて良かった。ゴーグルの中で睫が凍る
なんて、久しぶりでした。
ひっくり返りながら、せっかくのパウダーをよれよれと降り(T_T)、なんとか予備サングラスに替えて視界を確保する。
そして、なんとか2段目上部にたどり着いた。幸い、ここでは風もそんなに強くない。
旦那さんが、「下でビデオ撮るから!」と、颯爽と滑っていく。いやーかっこいい。ゆーじとやまだやまで尊敬のまな
ざしで見ほれる。ひげ松はまだ来ない。雪が軽くて深いので、平らな所で一度コケると、なかなか起き上がれない。
こりゃ、おぼれるよ。そして合図があってゆーじがダイブ!初っ端ひっころぶが、あとは余裕で降りていく。
太い板(Super Stinx;K2)のせいもあるが、何時の間にうまくなったのであろう。いや本当に。
続いてやまだやまがつっこむ。なかなかうまくいかなもんである。滑る始める前に頭の中でがんがんかかっていた
SANDANYAMAビデオのBGMが、すーだら節に変わっている。それでも、崩れたバランスを無理くり押さえ込み、
雪煙を上げて滑りきる。ナイスな押え込みでした。福レロ滑り、恐れるべし。
そしてひげ松がダイブ・・。なかなか調子が出ないようである。昨日の元気はどうしたのだ? もったいないぞ!
それでも全身!で新雪を楽しんでいるようだ。はい、おっしゃる通りです。それにしても、勿体無かった〜!
まっすぐ下に降りなきゃね。
それでもこの雪質はすごい。なかなか味わえる物ではない。気温は低いが、脳味噌が溶けていく。
いやー楽しい! いやー楽しい!
余韻に浸って2段目下でビールで昼飯、顔が自然にへらへらしてしまっている。
しかし、ビールは凍みビールであった。それもまた、ウマし。
一休み後、1段目へ、ここでも雪煙をあげて楽しみ、白銀荘着。
それにしても、ゆーじとひげまつを比較すると、必ずしも道具が技術には結びつかないようではあるが、どーぐは
大事である。と言うことがよく分かった。ともかく、パフパフの雪を楽しんで白銀荘着。返す刀で翁コースへ行くこと
になった。翁コースは車で移動できる。こちらも雪はぱっふぱふ。傾斜の緩いところで、滑りながら目を閉じてみた。
あまりにも抵抗が無いので、飛んでいるようである。林間のコースを2本攻め(攻められ)、本日のスキーは
おしまい。しかしまだまだお楽しみは続く!今度はかまくらの中で焼き肉である。
招待されたかまくらは、いや、我々の概念では、これはアルカイダ秘密基地、とか、旧日本軍司令部跡とか言う
ものであろう。しいていえば1LDK位の広さはある。なお拡張の計画があるそうな。ここで宴会である。
いくら飲んでも気温は氷点下、冷や酒を飲んでも全然酔わない。それにしても、鹿肉も牛タンも下がりも
うまかった。外は吹雪だが、かまくらの中は別世界である。準備していただいたすーさん一家、satoさん、そして
稜雲閣さんに感謝である。外は吹雪、中は別世界。幸せでした。関係者の皆様、どうもありがとうございました。
3月2日
穏やかな朝であった。そして、部屋にこもる焼き肉の臭いで目が覚めた。夕べは気づかなかったが、ウエアの
たぐいは、たっぷり燻蒸されて異臭を放っている(当たり前だ)。そして、昨日は酔わなかったが、アルコールは
体に蓄積されているのをひしひしと感じるのである。
この日の登りは・・ほかのメンバーはどうだかしらないが、私はつらかった。車長時間通勤による体力不足、
飲み過ぎ、かどうかわからないがつらかった。情けないところを見せてしまった。
なんとかみんなについていく。すでに降りてくるスキーヤーが、雪質の悪さを語っていく。昨日の雪は風で飛ばさ
れてしまったらしい。確かに2段目上からはクラストした雪質で、登りはラッセルがなくていいが、下りは手に負い
そうにない。それでもとにかく頂上を目指す。この日の為に新調したシール(G3)がよく効いて、快適に登れました。シール自体の性能よりも、幅の広さが勝因かも。
やっと稜線に出て、少し遅れて肩(←全身でだろ)で息をしながら山頂に着く。
ひげ松が山頂の標柱と抱擁している。お約束です。でも、標柱が見えた時は本当に嬉しかった・・・
彼にとっては長い一年であったろう。思えば、昨年はひげ松の遺影ヲイヲイ縁起でもね〜もとい、写真を持って
山頂にたったのであった。そして今回、りべんじを果たしたひげ松を中心に写真を撮りいよいよ下りである。
旦那さん、としさんの指示に従い、慎重に滑る。それでもこの二人は早い。こっちはれろれろとなんとか滑っていく。
怪我しないように行くのが精一杯であった。ターンすると食われ、滑れば40pを越える雪氷の波にぶち当たり、
跳ね飛ばされる。気が付くと、超低姿勢革靴滑り(旦那さん談)になってます。降りるが勝ちさ!
やっとおいしい斜面があらわれた。雪質はやや重いがパウダーである。向こう側からガイドの山小屋さん御一行も
やってきた。まずは旦那さんが、そしてとしさんがダイブ! つづいてゆーじが行く。ここまではかっこいいのだが、
そのとは続かない。しかし良いのである。こんなおもしろいことはない。せっかくビデオもまわっているので、転ぶ時も
顔からつっこんでいく。その意気や良し!・・・しかしそれにしても、まっつぐ降りるんでした。後悔先に立たず。
今でも夢に見ますよ、この斜面・・・
ここで一休みして、樹林帯を白銀荘へ戻る。この樹林帯もおいしい斜面があり− この辺で、やっと深軽粉雪の滑り
方が判った、様な気がする。真下へ、真下へと降りりゃぁいいんだ・・・
雪が下からガンガンと板を突き上げてくる。
体が浮きまくり。ふんわ、ふんわ、ふんわ、楽し〜!
− 三段山を心ゆくまで堪能したのであった。
下山後、白銀荘で温泉に入り、疲れを癒す。最っ高。旦那さんが撮ったビデオをさっそく観る。う〜む、ユージ巧い
なぁ。妙に安定してるぞ。歩いているみたい。あっ、コケた・・・
何でそこまで来て?
脳味噌が融けていた私は、翌年の予約を入れようとして、半年前からと諌められました。
お世話になった旦那さん、としさんと別れ、旭川に向かう。Aクラさんとこに荷物を放り込み、夜の町へ。
念願の生クラシック飲んで、旭川ラーメン食ってご機嫌。疲れているせいか、あまり飲み食いできなかったけど
幸せです。戻ってから、インターネットで太板探し。未だに融けている上に、最近、酔うと金遣いが荒いのです。
3月3日
翌日はスキー場で軽く流す。非圧雪コースを何本か滑る。ユージの板を借りて履く。ずっり〜、こんなので滑っていたのか!こりゃ、楽である。今度は自分の板で「真下滑り」をする。お、結構滑れるではないか。
(積雪深は浅いけど・・・)何かつかんだか?でも、ターン時の前傾(後足踵荷重不足、特に右ターン)を指摘される。
前に意識して治したつもりだったんだけどな〜。ちょっとショック。課題。
昨年もそうだったが、三段山の次の日のスキー場では、何かをつかんだ! という感覚があり、ようし、次回は目に
ものをみせてくれん! と思うのだが、帰ってくるともう春である。今回も、前回つかんだ何かはどこかに行って
しまい、1からのすべりであった。・・・でもふっとい板買うのだ!買っちゃった!
そして三段山へ行きましょう。今度は一緒に行きましょう、K技官。 皆様、お世話になりました。
このツアーの様子は、「三段山クラブ」のサイトにも載っています。
なお、↑ではひげ松の滑りがやたら巧く見えますが、「静止画像の魔術師」旦那さんの技による、一瞬の姿です。
ビデオを見れば一目瞭然・・・ (T_T)
画像はこちらです。