バカ映画たちの挽歌 #04

「発狂する唇」

DATE:’00日本 監督/佐々木浩久 脚本/高橋洋 出演/三輪ひとみ 吉行由実 由良宣子 下元史朗 諏訪太郎 栗林知美 阿部寛 



STORY:女子中学生連続首切り殺人事件が発生。容疑者の倉橋美智夫は行方をくらましていた。残された倉橋家の人々、母・映子、かおりと
里美の姉妹は近隣住人・マスコミ・刑事から執拗な嫌がらせを受け続けていた。兄の無実を信じる里美は、偶然知った占い師・間宮悦子に兄の
居場所占いを依頼する。倉橋家に現れた間宮と助手の当麻は、怪しげな術で首なし少女たちを使い魔として復活させ、自分たちの首を捜索
させる。そのまま倉橋家に居着いた二人はかおりと映子を肉欲の虜にしてしまう。一方、里美は公園で刑事になじられるが、憤り、睨み付けること
によって彼を呪殺してしまう。己の力にとまどう里美に声を掛けたのは、事件を極秘裏に追っていたFBIの成本とルーシーだった…。



「リング」シリーズの脚本家・高橋洋が監督に佐々木浩久を起用して送る戦慄のホラー、と見せかけた大バカ映画
あまりにもチープな恐怖演出、場末のピンク映画的に脂ぎったエロシーン、
女優生命に関わりそうなほど大変な目に遭いまくる三輪ひとみ
テルミン使いまくりのベタすぎる劇伴、
下手くそな歌を歌う三輪ひとみ、こんな映画だというのにいつも通りに全力演技の阿部寛「いあ!
いあ!くとぅるふ!」
なんて呪文で蘇る邪神、
全身タイツで張り型くわえて踊る大杉漣…と、30年くらい前の映画めいた芸風の元、ひたすら
頭の悪い話が続くのだが、残念ながら確信犯でやっているため評価は低い。「シベ超」のようにすべてが天然だったらとんでもなかったのだが。


ただし、クライマックスの森の中での大人数入り乱れてのカンフーバトルは、わざわざ香港から実力者・熊欣欣(ホン・ヤンヤンと読むのだが、
くまきんきんの方が通りがよい)を武術指導で呼んできただけあって出色の出来。一対多数、しかもこちらは素手で敵は凶器持ちという状況で
突如として激しく体術を駆使して闘う主人公一家の勇姿に唖然。つーかカッコイイ。敵の、
ハゲかけた中年太りのおっさんがジェット・リーばり
のカンフーで襲ってくる
のは爆笑しつつもカッコイイ。
ここだけ巻き戻してもう一度見てしまった。


主演は三輪ひとみレイプされるわ(しかも前も後ろも)ゲロ吐くわ最後は血まみれ死体だわととんでもない怪演で一皮むけた様子。ただし
おかしい方向に
ちなみにこの作品のレンタルがツ○ヤで始まったときのあおり文句が「『ラブ&ポップ』の三輪ひとみ、衝撃のレイプ!」みたいな感じだった
が、「ラブ&ポップ」の主演は妹の明日美タンであってひとみ嬢は
1カットしか出てないぞ。

基本的にあんまり面白くないのだが、前述カンフーシーンが格好いいので★1つおまけ。
続編のもっとアホ映画「血を吸う宇宙」を見るには必須テキストなので注意。



▽霊的…逆探知!