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映画感想わ行



○「ワイルド・アット・ハート」 ★★
STORY:心はワイルドな男ニコラス・ケイジは、パーティーで自分のスケに言い寄る男をついブチ殺してしまい臭いメシを喰うはめに。それは娘
を溺愛するクソババァが二人の仲を裂こうとして画策したことだった。シャバに帰ってきたデコ助は女とクソババァから逃れ愛の逃避行を始める
が、追っ手が迫っていた。…ごめん覚えてねえ。



…ごめん覚えてねえ。最初の方と一番最後しか思い出せない。リンチ映画は苦手。
でも最後の
ニコラス刑事純情派の「ラブ・ミー・テンダー」が好きなので1点おまけ。



○「ワイルド・スピード」 ★★★ (03.5.3/DVD)
STORY:警官ブライアンは捜査のために身分を隠して、トラック襲撃の容疑者で違法ゼロヨン・レースに命を懸けるドミニクのチームに近づく。
が、彼の妹に惚れてしまい、ドミニクの人間的魅力にも惹かれ、捜査は難航する。ライバルチームとの「レース・ウオー」の中、ついにドミニクらが
犯人だということを突き止めるブライアンだが、彼の目の前でドミニクたちが窮地に陥ってしまう…。



アクション快作「トリプルX」の主演ヴィン・ディーゼル&監督ロブ・コーエンコンビによるカーレースもの。といっても、勝負はカーブだらけの峠
バトルではなく、直線400m・ゼロヨン、わずか10秒の世界ニトロ・チャージャー使いまくりだし、
「よろしくメカドック」世代としてはちょっと
ニヤリ。
が、ぶっちゃけ直進するだけと言っちまうとそれまでなので、レースものとしてはいささか食い足りないかも。つーかこれはやっぱり大音量の映画
館で見ないと駄目だった。つーかつーか「車なんて走ればいいじゃん」とか思っている人が見ては楽しさも半減だろうし。


ヴィン・ディーゼルのスキンヘッドの剃り跡がやたら黒々としていたことばかり気になった。


○「ワイルド7」 ★★ (12.1.19/劇場)
STORY:法で裁けぬ巨悪を退治する超法規的機関・ワイルド7。草波警視正に集められた彼ら7人は全員凶悪な犯罪者だった。彼らが
犯罪者を退治する現場に乱入し、犯罪者を射殺する謎のライダーが出現。メンバーの飛葉は追跡した先で本間ユキという女性と出会い、
彼女に惹かれていく。一方、首都圏をターゲットにした大規模なバイオテロが発生。ワイルド7の活躍で大惨事は未然に防がれたが…。



原作ほとんど未見。ドラマもアニメも未見。それでもこれだけは言える
ど う し て こ う な っ た 

監督は「逆境ナイン」、「海猿」マンガ原作の実写化に比較的実績のある羽住英一郎だったのだが、今回は無残な出来
凶悪な犯罪者集団のはずの
ワイルド7が全然ワイルドに吼えないのである。むしろマイルドなのである。何もなさそうなこの7人ですよ。

冒頭、凶悪な銀行強盗の一団に対し、トレーラーからバイクで勇ましくも出陣するワイルド7
が、
ワイルド7を出撃させたトレーラーがそのまま銀行強盗の車に突撃して銀行強盗はほぼ壊滅。って、ワイルド7いらなくね?

そしてその調子で最後まで全く盛り上がらないアクションがダラダラと続いてしまう謎の仕様。これはひどい。
クライマックスの、
「ここは俺に任せて早く行け!」な展開も、討ち死にせずに捕まるだけなのでショボすぎる。
そもそも
そこに至るまで主人公以外のメンバーがまるで活躍しておらずキャラに愛着など湧きようがないので、盛り上がらないこと
甚だしい

そして
主人公がまるで活躍しないまま収束する事件に唖然
本っ当に盛り上がらねえ


不遇な主人公に瑛太。似合ってない。
他のメンバーも不遇だが、流石元暴走族の宇梶剛士はやけに生き生きしていた
映画初出演のジャニタレすら見せ場もなくただいるだけ。
「VERSUS」組のチビこと松本実
明らかに人数合わせだよなあ、真っ先に死ぬ役だよなあ、と思ったら、死にすらせず存在感まるで
なし

いいとこ親の総取りな上司の中井貴一だけが儲け役。相変わらず作品の質に関係なく孤高の演技っぷり。
ヒロインに
深キョン。’11年は「豆腐小僧」、「こち亀」と負の方面で大活躍だったが、かわええので許す!
役柄的にはたいへんにアレ
だったが、ワイシャツネクタイのウエイトレス姿と黒のライダースーツ姿が素敵だったので★1つおまけ



○「ワイルド・ゼロ」 ★★★★

「バカ映画たちの挽歌」コーナー参照



○「笑の大学」 ★★★★★ (04.11.2/劇場)
STORY:太平洋戦争前夜の昭和15年、東京。劇団”笑の大学”の座付き脚本・演出家の椿一の新作喜劇の脚本は警察の検閲の結果、不
謹慎ということで上演不許可とされる。検閲官は向坂睦男、笑いにまったく興味を持たない厳格な男であった。何とか上演したい椿は向坂の
無理難題に従って頭を抱えながら脚本を変更していく。そのやり取りの中で脚本はより洗練されていき、向坂は笑いに興味を持ち始めるが…。



三谷幸喜の最高傑作と呼ばれる舞台を、ドラマで三谷とコンビを組んできた星護が映画化。

元々の脚本が秀逸で、更に役所公司がいつもの名演技を披露しているので鉄板な出来とにかく役所公司が上手い。ほとんど二人だけの
密室劇なのでその上手さがなおさら際立つ。主人公の稲垣吾郎メンバーの演技も役所につられてか、それほど悪くはない(良くもないが)
元の舞台は向坂の役が西村雅彦だったそうで、それはそれでまた違うイメージの面白い舞台だったのだろうなあ。


劇中のクライマックスで向坂が椿に「笑いの要素を一切排除した喜劇を作ってこい」とびきりの無理難題を宣告する。結局諸事情で椿は
それに答えることなく別な脚本を持ってくるわけだが、その一見不可能な条件って、ひょっとして「デビルマン」は満たしてやしないか?
脚本上は一応コメディではなくシリアスな作品だし、監督も脚本も主役の双子もたぶんそのつもりで撮ったというのに、完成したモノは恐ろしく
笑えてしまう出来に仕上がっている
ではないですか!!!サルマタ失敬



○「嗤う伊右衛門」 ★★★ (04.2.11/劇場)
STORY:無愛想だが誠実な浪人・境野伊右衛門は御行乞食の又市の薦めで同心・民谷家の一人娘・岩と結婚し、民谷家に入る。岩は数年前
に疱瘡を患い、その美貌は醜く崩れていたが、伊右衛門はその心の美しさを見抜いていた。それを面白く思わない男がいた。伊右衛門の上司・
伊藤喜兵衛。悪意の塊のようなこの男は、岩を騙し二人の仲を裂く。伊右衛門を愛するが故身を引いた岩は、それが嘘だと知らされ、狂う…。



京極夏彦の泉鏡花賞受賞作を、前年監督した「青の炎」が好評価を得た蜷川幸雄が監督
原作よりもラブストーリーだということを全面に押し出してきているので、主役二人がイマイチ何考えてるのかわからなかった原作版よりも
話としてはわかりやすい。が、さほど鮮烈な印象もなく月並みな作品に。決してつまらなくはないが、別段人にオススメするほどのものでもない。


原作をうまくまとめていて、原作未読の人でもそんなに困らずに見れるようにできているとは思うが、何故伊右衛門は蚊帳の中にいるのか、とか
伊藤喜兵衛の悪人っぷりとか、どうしてもフォローできないところがあるのがつらい。
あえて時代劇っぽくないBGMを使っているのだが、
いちいち鳴らすパイプオルガンのジングルは失笑気味

主人公・伊右衛門に唐沢寿明。まあ好演。
他の京極時代劇にも登場し、「百物語」シリーズではメインキャストである
小股潜りの又市香川照之見た瞬間ショックで席を立ちそうに
なった
が、原作とは別物だと思えば相変わらず達者な演技ぶり。
悪党・伊藤喜兵衛に椎名桔平。頑張ってはいるが原作のあのドス黒いキャラは再現できていない。
他、六平直政、池内博之ら男性陣は奮闘。
ヒロインのお岩さんに
小雪。頑張ってはいるし、綺麗だが………ねえ。
綺麗なのも問題。お岩さんなんだから、もっと特殊メイクでもっと強烈な顔にしないと話が成り立たないぜよ。「バニラ・スカイ」のトム様みてえ
なもの?


なんでPG−12なのかと思ったら、結構オッパイポロリがあるので注目。ただし、それと同じくらい野郎の汚えケツも拝めるがな!



○「THE ONE」 ★★★ (02.12/DVD)
STORY:125ある平行宇宙。125人いる自分を倒していけば力が増すことに気づいたユーロウは、法を破り宇宙を移動し、次々と自分を殺して力
を増していった。そして、ついに最後の自分となったゲイブの前に彼は現れる。追ってきた刑事を返り討ちにし、ゲイブの妻をも手に掛けた
ユーロウにゲイブの怒りが爆発する!果たして、最後の一人”THE ONE”になった時、彼の身に、そして世界に何が起きるのか!?



公開前からずっと見たかったのだが近場で上映されず涙を飲んだ”ドキッ、ジェット・リーだらけの功夫大会”
公開時に周囲から聞いた感想は、はっきりいってあまりいい感触ではなかった。つーか同日封切りが「少林サッカー」だったし。
で、実際に見終わっての感想は………
苦笑
125の平行世界それぞれに存在する125人の自分。その合計した力は常に一定であり、頭数が減った場合、残りの自分たちそれぞれの力が
増すことでエネルギーの総量は保持されるという、
”ジェット・リー保存の法則”、もっとうまく使えたように思える。いきなり最後の2人というのは
ちともったいない。
クライマックスの、お互い常人の62.5倍の強さを持つ
白ジェット・リーVS黒ジェット・リーもCGを駆使したおもろい造りになっているが、予想
よりもはるかに平凡なカンフーバトル。せっかく超人な設定なのだから、空飛んだり分身したりかめはめ波出したり、もっともっともっと無茶しても
よかったかと。


結局、一番面白かったのは序盤の”世界が125人のジェット・リーだったら”だったりする。



○「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」 ★★★★ (ビデオ)
STORY:清朝末期。欧米諸国の進出によって世は麻のように乱れていた。医者にして武術の達人ウォン・フェイフォンは弟子たちと共に弱い
一般市民を護り戦っていた。そんな中、彼は革命家・孫文と出会い意気投合する。しかし孫文を追う凄腕の警察署長、さらに攘夷を叫んで街中
で猛威を振るう白蓮教団が彼らに迫る。



監督ツィ・ハーク&主演ジェット・リーで送る人気シリーズ第2作にしてシリーズ最高傑作の呼び声も高い。
とにかく
ジェット・リー(リー・リンチェイ)の非人間的戦闘シーンが格好良すぎる!!!そして強すぎる!!!
後にシリーズレギュラーとなる熊欣欣演じる白蓮教教祖との空中大決戦ドニー・イェンとの棒術対決と、ラストの対ボス二連戦の熱さときたら
もう!ドニーさんも
マスター・アジアばりに布を自在に操って壁を破壊したりと、実にカッコイイ!

ヒロインのかわいいロザムンド・クァンとのベタなラブコメも微笑ましい。


○「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地雷鳴」 ★★★ (02.9/ビデオ)
STORY:清朝末期、諸外国の陰謀で大量に輸入された阿片によって民心は腐敗しつつあった。武闘家であり医者でもあるウォン・フェイフォン
は阿片撲滅を目指し弟子たちと日夜闘っていた。そんな彼を疎ましく思う阿片好きの親王は、腕の立つ友人のチャンを阿片中毒にして刺客と
してフェイフォンに送り込むが失敗する。心身共にボロボロになりフェイフォンに救われたチャンは果たして武闘家として再起できるのか…。



ご存じツイ・ハーク製作でジェット・リーが実在した英雄ウォン・フェイフォンに扮する大人気シリーズの一編、といいたいところだが、バッタモン
なので注意。本家「ワンチャイ」がヒットしたので他社が柳の下のドジョウを狙って作ったもののようで(’93年作品。最近こういった
昔の未公開
作品をいかにも最新作のようにリリースするパターンが増えている
ので注意。)。なのでウォン先生は当然ジェット・リーではなく知らん人
テーマソングも、漢ならば聞いたら体が勝手に演武を始めてしまう
あの熱血テーマソングを微妙にもじったニセモン。ちなみにラスボスの、
鷹爪拳を使う親王を演じるのは後に「ワンチャイ」にレギュラー出演することになる熊欣欣。(とはいえ、正シリーズといいつつ主役のジェット・リー
がツイ・ハークと喧嘩して降板した後の話なので本当に正シリーズなのかどうか。ジェット・リーの方もその後「ワンチャイ」シリーズ作ったし。)
では、何を目的として見たのかといえば、実質的な主役のドニー・イェンの華麗なカンフー目当てなわけで。


「ブレイド2」で見事にハリウッド進出を果たしたドニーが演じたのが、腕は立つものの精神的に未熟な無鉄砲な若者・チャン。彼にはあだ名が
ありまして。”物乞いのソウ”
弱そうだ
さておき
爽やかな笑顔が実に嘘臭い彼の華麗な足技はたっぷり堪能できる。ドラマ面ではイーさん(ニセ)と恋仲になって「ワンチャイ」ファン
を唖然とさせてくれるが。
ラストの阿片工場での敵味方集結しての大乱闘は熱い。阿片中毒から見事立ち直ったチャンと親王の一騎打ち。だまし討ちで殺された
師匠から最後に教わった
ハイスピード酔拳がものすげえカッチョエエ。ウォン先生(ニセ)もニセモノながら頑張ってカンフーシーンを見せて
くれるし。


チャンの父と叔母のドタバタコメディがダレダレで減点。でも父親役が「少林サッカー」のファン役の人(ン・マンタ)でなんかうれしい。