バカ映画たちの挽歌 #09

「ビジターQ」
DATE:’01日本 監督/三池崇史 出演/遠藤憲一 内田春菊 渡辺一志 中原翔子 不二子 武藤洵 鈴木一功



STORY:山崎家は崩壊の危機にあった。高校生の娘・美貴は家出して援助交際三昧で食いつなぎ、金のためなら実の父親との本番も厭わ
ない。中学生の息子・卓弥は学校で同級生三人に激しいいじめに遭い、その鬱憤を母親への家庭内暴力で晴らしている。息子に無抵抗に虐げ
られる母親・恵子は覚醒剤に逃避し、不良相手の取材で彼らを怒らせてしまい辱めを受ける姿を全国に流され、ニュースキャスターの職を
失った父親・清は、息子のいじめをビデオに収めドキュメンタリーを作り職場復帰を目指す。そんな清の頭をこぶし大の石で二度もかち割って
一家に入り込んできた謎の男。何食わぬ顔で居候を始めた彼の存在によって、一家の心に、体に、少しずつ変化が生じ始めるが…。



我らが三池崇史監督による相変わらずの問題作
冒頭の
ずっと股間にぼかし入りまくりで、援交で実の娘に中出ししてしまうダメオヤジ・清というシーンから、清頭を石でかち割られいじめっ
子どもに打ち上げ花火を部屋に打ち込まれる息子・卓弥は八つ当たりで母親・恵子を布団叩きで滅多打ちにし「顔だけは勘弁してー」
傷だらけの恵子はシャブに溺れ
青汁で顔面パックしオヤジはまたも頭をかち割られ………
ノンストップでいかんともしがたい話が続いて困ってしまうのだが、オヤジの頭をかち割った当人である鈴木一真風の謎の男が、何食わぬ顔
で家に居候を始めてから話の迷走度はさらに高まってしまう。しかもハイテンションに。


男に乳を揉まれた恵子は母乳を噴き出し清は復権を賭けて息子のいじめのドキュメンタリーを撮ろうとするが元不倫相手
の女性キャスターに愛想を尽かされカッとなって殺してしまった上に
死姦していたら死後硬直で抜けなくなって恵子に
助けられ二人で仲良く死体を切断後始末していたら卓弥がいじめられて逃げ込んできたので
雄叫びを上げながら夫婦で
いじめっ子三人を瞬殺
卓弥は母乳に浸かって改心し男に石でボコられた美貴はよれよれになって帰宅して母親に抱かれて
母乳をしゃぶって
………
というあり得なさすぎる展開の果てに待っているのは
家族の再生というハッピーエンド(まあ4人ほど死んでますが)だったりする
のですっかり魂消る


家族愛というテーマがしっかりしている(表現方法は間違いまくっているが)し着地点も決まっている(着地方法は間違いまくっているが)ので後味
はよいのだが、とにかく
全編迷いなく気狂いきっているので三池作品初心者にはオススメできない

主人公のダメオヤジ・清を演じるのは遠藤憲一以下エンケン「マトリックス」の予告の声の人な。
竹内力の結婚式の二次会で三池監督に「何でオレを使ってくれないんだよぉ!」と
酔って絡んだのが縁で射止めた役だそうで。以降の
二人の蜜月ぶりは周知の通り。
今作でも危険極まりない怪優ぶりをいかんなく発揮していて素晴らしすぎる。
母親役は
内田春菊「南くんの恋人」の作者な。
リアルで出産直後だったため、
劇中噴き出す母乳は本物だそうで。
つーかこの二人は役者生命にピリオドを打つような怪演だったのだが息災なようで何よりでございます。
しかし
もっと最悪なのはレイプされ殺された上に死姦されしかも死後硬直でおっぴろげたまま固まってしまうという役(おっぴろげて死んでいる
シーンの方が生きているシーンより長いんじゃないか?
)の中原翔子で、ご愁傷様。



▽戻ってからも濡れるなんて、生命の神秘だぁー!