バカ映画たちの挽歌 #08

「クリムゾン・リバー2」

DATE:’04フランス 監督/オリビエ・ダアン 脚本/リュック・ベッソン 出演/ジャン・レノ ブノワ・マジメル クリストファー・リー



STORY:フランス北東部の片田舎の修道院で壁に掛けられたキリスト像が血を流すという怪現象が発生。捜査に訪れた敏腕警視・ニーマンス
は壁の中に埋め込まれた死体を発見する。事件を追ううちに、彼はイエス・キリストのそっくりさんと十二使徒と同じ名前と職業を持つ男たちが
次々と殺されている事実に気づく。一方、イエスのそっくりさんを保護した若手刑事・レダは彼を狙う黒衣の男と遭遇するが、男の超人的身体
能力の前に取り逃がしてしまう。合流したニーマンスとレダは宗教学に詳しいマリーを加え捜査を続けるが、彼らを嘲笑うかのように十二使徒たち
は次々と黒衣の男に殺されていく。事件の影に潜むドイツの老大臣の正体とは?黙示録の封印とは?裁きの日はすぐそこまで迫っていた…。



リュック・ベッソン−名作「レオン」、「ニキータ」などの監督として知られる。しかし、富と名声を得た後の彼は非常に仕事がやっつけに
なった

「キス・オブ・ザ・ドラゴン」、「YAMAKASI」、「WASABI」、「トランスポーター」、「ミシェル・ヴァイヨン」、「タクシー」シリーズ…
ここ数年彼が携わった作品のタイトルである。皆そこそこスマッシュヒットを飛ばしているが、共通して言えることは、

頭の悪いアクション映画ばっかり、ということである。とにかく、脚本がてきとーである。
そのくせにコピーは「レオンの感動再び」とかで、嘘も大概にしなさい。
「オレの名前出しとけばみんなありがたがって見るんだから、話なんててきとーでいいべ」という感じなのである。
そんな彼が
金に任せて権利を買い取ったのは、大ヒットミステリー映画の続編であった。
続編のオファーがあった原作者が、続きなど書けないと悩んでいるのを横からかっさらって、
自ら脚本を書き下ろしてしまった、という意欲作で
ある。


その意欲が作品の出来にどう作用したかといえば………


ジャン・レノヴァンサン・カッセルがタッグを組んだ前作は、確かにボンクラではあったが一応謎解き主体のサスペンスであった。
そして
リュック・ベッソンが意気揚々と脚本を書き下ろした今作は、そりゃあもちろんボンクラであることはいうまでもないのだが、最早推理
サスペンスですらない
ハイパーボンクラごった煮ムービー
となってしまった。

まあ、オイラのようにそれを承知で笑い飛ばしに行くような人種にはご馳走なのだが、ちゃんとしたミステリーものだと思って見に行ってしまった
人にはご愁傷様と優しく肩を叩いてあげるしかない
つーか、本編よりも劇場の出口で、映画を見終えて
出てくる人の表情を観察した方が面白いであろう一品


フランスにその人ありと名を轟かせた敏腕はぐれ警視純情派・ニーマンスが事件を追う内に、別の事件を追っていた若手刑事と出会い
二人の追っていた事件が
一つの大きな事件に収斂されていくというフォーマットは前作を踏襲。

今回の事件はイエス(のそっくりさん)と十二使徒(のコスプレイヤー)連続殺人事件と、その影に隠れた恐るべき陰謀という題材。いい年
扱いてコスプレ集合写真を撮る使徒さんたちを猟奇的に殺害するのは
漆黒の法衣に身を包んだ顔のない(真っ黒で何も見えない)”黙示録
の天使たち”
。彼らは超人的運動能力を誇り、かつ撃たれても死なないという恐怖の集団。
つーか何だそのマンガチックな設定は?と呆れるのはまだ早い。中身もマンガチックなんで


つーわけでミステリー・サスペンスよりも冒険アクションが好きな方ならそこそこ楽しめると思う。つーかアクション目当てで、ベッソンが考えるよう
なミステリーならどうせ中学生レベルだべ、と笑い飛ばせる人
にはオススメかも。


以下激しくネタバレ。愛をこめて。



冒頭、やたら仰々しい装置を使って、田舎の修道院の壁の中で生き埋めにされた変死体が見つかることで連続殺人事件が判明するの
だが、壁に生き埋めにするなんて芸当ができるのは
当然修道院側で、こいつらが犯人集団なのがバレバレな気がするのだが、ニーマンス
さん気づきません

つーか、ここで
わざわざ警察呼んだせいで事件が発覚して最後に野望は潰えてしまうわけなのだが、なんで呼んだん?
黙ってればいいのに。………ダメぽ_| ̄|○

フランスの科学力は世界一なのか、壁に埋められた死体から採取した血液でDNA鑑定して被害者の身元判明。フランス警察には国民の
DNA情報が全員登録されてるのかね?
つーか掘り出してやれよ。
あと病人相手に自白剤平然と使ってるぞフランス警察。
結果、殺されたのはイエスのそっくりさんを囲む偶然十二使徒と名前と職業が同じだった人たちの一団だったことが判明。わー
偶然って
すごいね
_| ̄|○

で、フランス警察の奮闘虚しく彼らは次々と黒衣の男たちに猟奇的に殺されていく。…結局十二人全員殺されてしまう。…ボンクラ_| ̄|○
しかも結局この十二使徒(のレイヤー)連続殺人事件は
犯人グループの真の目的とは全っ然関係ない
………
ダメぽ。_| ̄|○

実行犯はすげえ身体能力の持ち主の黒衣の男
最初の見せ場は刑事・レダからの逃走劇。軽やかに宙を舞い、屋根から屋根に飛び移り近所の家ん中を突っ切り走る列車に飛び乗り逃亡
する、というその能力を存分にアピールするシーンなのだが、長々とアピールしているため、屋根に登れず民家を突っ切れず列車に飛び乗れず

迂回して追跡するレダをいつまでたっても振り切れないという感じにしか見えないのはどうか。………ダメぽ。_| ̄|○

湖畔で4人の使徒(もどき)を、面倒くさいからまとめて始末しちゃえ、と言わんばかりに片づけた黒衣の男を車で追跡するニーマンス。
ところが
突然道端から自動砲座がせり上がってきて銃撃開始!車蜂の巣!何だそりゃ、うはははははは!
………
ダメぽ_| ̄|○

ようやく最初の修道院が怪しいということに気がついたニーマンスは軍を引き連れて家宅捜査するも手がかり無し。
翌日くらいに抜け道の存在に気がついてレダと二人だけで潜入するのだが、
軍連れてけよ。無線は携帯するもアジトが地下深くなのであっさり
圏外に。
案の定とっ捕まってしまう二人。事件の黒幕は元ドイツ軍人の
クリストファー・リー卿。こんなしょーもない映画に出て、おいたわしや…。
ともかく、彼は
なんだかよくわからん秘宝の力でなんだかよくわからんがヨーロッパを征服しようとしていたのだが、秘宝になんだかよく
わからん
が仕掛けられていたトラップで一味は全滅してしまうというオチ。………ダメぽ_| ̄|○

とまあ、よくあるバカ脚本のB級アドベンチャーなのだが、なにがよりアホなのかといえば、十二使徒連続殺人事件どころか、
主人公たちがいてもいなくても結末が変わらないといういくらなんでも酷すぎる脚本の頭の悪さ
ニーマンスとレダが事件に気づかなくても結局そっくりさんは皆殺しに遭っていたし、クリストファー・リー卿は勝手にトラップで死んで、結果に何ら
変化がないというのはダメすぎるよ…。_| ̄|○


エンドロールで流れる曲が「NO FUN」(訳:「つまらねえ」であるということは非常に興味深い。


これからもベッソン先生にはどんどん頑張って脊髄反射で脚本を書いてもらい、オイラを楽しませてほしいもので。



▽神よ…奴らが…奴らが来る…ので戻る