バカ映画たちの挽歌 #03
「DEAD OR ALIVE FINAL」
DATE:’02日本 監督/三池崇史 出演/竹内力 哀川翔 ジョシー・ホー テレンス・イン
STORY:未来、文明は戦争で滅びた。24世紀、わずかに生き残った人々によって、世界は少しずつ再建されつつあった。西暦2346年、横浜
の地に、独裁者ウーは、かつての記憶にあった都市を甦らせていた。しかし、人が増えすぎてかつての世界が滅びたと主張するウーは、”クスリ”
によって市民の生殖機構を奪っていた。ウーの元、レジスタンスを検挙する刑事ホンダは、成り行きでレジスタンスの子供を助けてしまった戦闘
用レプリカントのリョウと運命の遭遇をする。やがて、愛する者を失ったが故に、あるいは、愛する者を得るために、二人は再び向かい合う。全て
の因縁に決着を着けるために。そして、その死闘の果てに待っていたのは…。
度肝を抜くラストシーンでオイラの人生をグニャリと曲げてしまった「DEAD OR ALIVE〜犯罪者」、ギトギトの小ネタに彩られた
ノスタルジック・バイオレンス「DEAD OR ALIVE2〜逃亡者」に続く、三部作の最終作。(話はつながりないが)
もちろん監督・三池崇史+主演・竹内力&哀川翔のごっついトリオ。
冒頭から、どー見ても香港にしか見えない風景に「横浜」と有無を言わさずテロップをかぶせてしまう三池節炸裂。
うろ覚えで再建した24世紀の文明世界が舞台ということで、英語でしゃべる男、中国語でしゃべる女に対し、気の抜けた日本語で答える哀川翔
というアバウトさが素敵。
スラムのような街にふらりと現れたパツキンの男・リョウ(翔兄ィ)は政府のレジスタンス狩りに巻き込まれるも、異常な戦闘能力を発揮し
カウンターアタック!
任務遂行に私情を挟まない冷徹なバイオレンス刑事(無論デカと読め!)・ホンダ(力兄ィ)の副官の女性刑事が撃った弾丸を、無造作に
そばの家の雨樋のL字型パイプを使って軌道を変え(しかも、上に飛んだ弾は鳥に命中)、そのままパイプをものすごい勢いでぶん投げる
リョウ、間一髪、それを手にした日本刀で両断するホンダ!という二人の初対決はモーレツにカッチョイイ!
ところが…、その後がいけない。内容が薄いのだ。
ヤクザ映画として、あのラストに行き着くまでは、まっとうにそこそこ面白い「1」や、小ネタ満載で笑える「2」と比べると、今作は力&翔がさほど
動かず、脇役が勝手に暴れて勝手に死んでいく感じで、激しく盛り上がりに欠ける。
逆に、二人が出番っているシーンはぼちぼち。特に、翔兄ィの「2」を凌ぐ肩の力の抜けきった演技が最高によい!それと比べるといつも同じ
ようなキャラの力兄ィは新鮮味に欠けるきらいがある。つーか、やはり竹内力からはサイバーパンクの香りがしねえ(笑)
そしてパッとしないまま物語はクライマックスへ。
最終決戦に赴く二人、「エヴァ」、「バトロワ」に続いてお前もか!という感じの「G線上のアリア」(Air)をBGMに、「1」・「2」の名シーンが次々
とフラッシュバックされていくのはちょっとグッとくるものがある。
そして、人気のない倉庫で向かい合う二人。「…呼んだ?」と力の抜けきった飄々とした声で尋ねるリョウ、「…ぶぇつにぃ(訳:別に)」と、
相変わらずドスはききまくりなものの素っ気ない返事を返すホンダ。名シーン!
そして、ワイヤーアクションを駆使した、二人のガチンコバトル!力が、翔が、ノースタントで派手に飛び回りながらどつき合う!
そして………「1」に匹敵する強烈なラストが!
…前述したように、今作は前作と比べると今ひとつオススメできかねるので、わざわざレンタルしたくないという人のために、一応ラストをネタバレ
しておく。
死闘の末、がっぷり腕四つで力比べの体勢になる二人。両者ともレプリカント。人間以上の渾身の力を込め押し合うも膠着したまま動けない。
やがて、二人の体がスパークし始める。スパークは徐々に大きく、激しくなり、ついに二人の全身を包み、次の瞬間大爆発が!爆発の煙が
晴れると、そこは瓦礫の山だった。二人の姿は見えない。
が、次の瞬間、瓦礫の山を吹き飛ばし何者かが現れる。
それは、全長4mほどのロボット。ただし頭はチンコ状。
ロボットの両の乳首の所に、二人の顔があった。
何でこんなになってしまったのか、困惑する二人だが(つーか困惑したいのは見ているこっちの方だ!!!)、
すぐに全てを思い出す。彼らこそ
破壊神「DEAD OR ALIVE」だったことを!
独裁者ウーは自室でお気に入りのサックス奏者のイケメンを後ろから汗だくになって腰をヘコヘコ動かして突いていた。
が、ふと気配を感じて後ろを見上げる二人。
そして呟く。「オーマイガー!」
完
P.S.
パンフに、「とんでもないほどパワーアップして皆様の元に帰って来る日を待っていて下さい。『DOA』は永遠に不滅です!」
という、監督からの熱いメッセージがあった。おう、ずっと待ってるぜい!!!
▽戻る?あぁ、そう。