本町大太鼓 内文字
我が白石市本町に伝わる太鼓を修理したところ、今や誰も知らなくなっていた太鼓の歴史が現れました。

江戸浅草新町
両御丸 御用
御太鼓師
丸山三右ェ門 重好

甲子(きのえね) 元治元年 四月吉日 (西暦1864年)
(2003年現在より139年前 ちなみに明治元年は西暦1868年)
※両御丸の丸の字が怪しいのですが、江戸城の本丸と西丸をさすようです
 丸山三右衛門重好は、水戸藩徳川斉昭の依頼で太鼓を制作したなどの記録があり、
すぐれた太鼓師だそうです。
 この時代に如何にしてこの大太鼓を町のご先祖様が手に入れたのか夢が広がります。

※ 甲子は、暦の始まりの歳で縁起が良くて、確かに元治元年でした。

大正十一年正月吉日
白石 林新五郎
鳴物張替(処)
(西暦1922年 現在より81年前 製作より58年後の張替)
※処の字は判読難 現在の白石市内の太鼓師による修理

昭和四十三年十一月吉日
新五郎孫 林香 六十三才
之張
(西暦1968年 現在より35年前 前回張替より46年後の張替)
※之の字は違う可能性在 故林香氏は、現在でも町内の年配の方に知る人がいます

以上 内文字


過去の修理の跡

平成十五年二月吉日
米沢市金池一丁目
中島屋太鼓店 中島治氏 研磨 修理 張替

本町大太鼓修理実行委員会
本町若者会顧問会
歴代若者会会長の協賛金により修理

平成十五年四月 本町若者会 会長 阿子島裕明 記録

完成お披露目会



2 春まつり 宮城県白石市本町 太鼓山車について 平成14年4月29日 

我が本町の山車は市内最古で最高額のもの?
本漆塗りと前後に亀鶴の彫り物!
「昭和3(1928)年4月 福島縣二本松町 菅野孝之作」は、
近年痛みがひどくなりつつも威厳と歴史を感じる立派なものです。


山車前面の内側に彫り込まれています。

本町の太鼓山車

屋根が載り軒に提灯をつけました

きらびやかに金色に輝くように見える後面鶴の彫り物

山車に設置された六つの小太鼓と手前は大太鼓
演奏は「奥州白石囃子」
「八坂エー!やさっかえー!」の掛け声のとおり京都由来のお囃子です。


3 太鼓について   2010年5月
大太鼓の皮の張替えのときに、内文字が出現して
その内容に驚きと興奮から早7年が経過しました。
かなり冷静になって、作者についてネット検索などしてみると、
4大太鼓師の一人で、かなりの大物であることと、
各地の歴史のある祭礼で使用される太鼓の作者であること、
画像からも伝わるそれらの太鼓の見事さ…。
そして、お宝鑑定団でよくある、先祖代々の家宝! 実は、…。
「古いものであるが、鳴りを良くする為に削って薄く仕上げてある」と
修繕を担当した 中島屋太鼓店の中島治氏は語っていたが、
「100年以上前に作られた事は間違いありません
そんな太鼓を我々は、神様(宿っている)太鼓と呼んでいます
大切にしてください」と付け加えるのみでした。
本物だったらそのとき何か「発見!」的な事になっていたのでは、…。
決定的なことは、字があまりにも下手なことにあります。
本当の歴史を今に伝える人はもういませんが、大切なわがまちの太鼓です。
今年もお囃子をまちと子ども達の心に響かせました。

本町若者会OB 阿子島裕明
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