#10 「Hello! Nowhere/Now here man」

出会った日のことはいまだに忘れられない。
そのときの興奮やその興奮の余り昼飯が喉を通らなかったこと、ライブ中とんでもないミュージシャンに会ってしまったと考えていたこと、全てを克明に覚えている。
「記憶はそこに感動があることによって出来るのだ。」ということを言った人がいるのだが、ナラとの出会いは感動以外の何物でもなかったのだろう。

全てが偶然で構成された出会い。今となっては偶然ではなく必然だった、と確信できる。
とはいえ、偶然を構成するいくつかの要素の一つでも欠けていれば今も存在を知らないままだった。

・要素1 THE BOOMとの出会い。
彼らによって音楽(特にOne&Onlyな音楽)が大好きになった。

・要素2 女優・前田愛との出会い。
当日買い物に行ったのは彼女が主演した映画の関連本を買うため。
彼女はアイドルや女優という類に全く興味のない俺が唯一昔(94年)から大好きな女優。
ちなみに前日寝坊したのも彼女のファンサイトで朝方までずっとチャットをしていたから。
、、、今これを書きつつ、いったい何をやってんだ その時の俺は、とか思ったがそのおかげでナラと出会えたんだから、気にはしない。
一応注意しておくけど、俺はアイドルマニアでもアレな人でもございません。あしからず。

・要素3 前日の寝坊
寝坊の原因は前述の通り。

要素2だけ文章長いじゃないか、という指摘はあえて無視(笑)

もちろん言うまでもなく、俺を産み、育ててくれた両親の存在には心から感謝している。ありがとう。

このように色々な要素が構成され、出会いにつながったわけだが、なぜ1週間後わざわざ青森までライブを見に行ったのか。
俺と会ったことのある人ならわかると思うが、全般に人付き合いが苦手で消極的な性格(音楽が絡むと多少違う)のこの俺が、何故ホームページを作って公開したのか。
何でかは本当にわからない。
前オフィシャルサイトの掲示板に初めてナラを観た夜に書込みをしているのだが、その文章を読むと 明らかに興奮してるな、という文章を書いていて非常に恥ずかしい。
たしかに言えることは、この日を境になにかが俺の中で生まれ、そして変わったということ。
最近、親に「ナラさんと出会ってから変わった。明るくなった。」てなことを言われたが自分でもそれは凄く実感している。
実際、ナラと出会ってから精神状態その他含め性格的にも変わってきたし、考え方も随分と変わってきた。

俺はあんまり人から影響を受けるということはないのだけれど、ナラからは色々な影響を受けている。
それはNEIL YOUNGやLOU REED、SPEECHを聴くようになったのも、いま週に4日は玄米食なのも、すべて彼に勧められたり触発されたりしたからだ。
素晴らしいシンガー 豊田勇造 と出会えたのもナラとの出会いが産み出したものだ。
本当にナラには感謝してもしきれない。

純粋なナラのファンには悪いが、俺はナラが一番好きなミュージシャンではないし、またナラのアルバム・唄が世界で一番とも思わない。(そもそも俺に一番好きなミュージシャンなんていない。)
さらに、俺はナラを崇拝する気にもならなければ、ナラのYES MANになる気も無い。(もちろん俺は誰も崇拝しないし誰のYES MANにもならない。)
これは今に始まったことじゃなく以前からナラにしつこいほど言っていた事だ。
理由は、冷静な判断もせずにその人がやること全てを賞賛するような人間が 嫌いだから。
そして、崇拝した時点で冷静な判断ができなくなるから。
それに、ナラは真剣にいい唄を歌っているのに聴く側(俺)がちゃんと聴かずに、「ナラの唄だから良い。」というのはあまりにも失礼だ。

これを読んで「じゃあ、あなたはナラが嫌いなんですか?」と聞く人がいるだろう。
言うまでもなく、俺はナラが大好きだ。「ナラがこの世にいなかったら」なんて考えたくもない。
ただ、もう出会った頃のただのファンとミュージシャンという関係ではなくなってきているだけだ。
俺がスタッフ気取りだということではない。俺はナラを、同じ音楽好きの一人、として観じ感じている。
それは、お互いが純粋に人間対人間という対等の関係になってきているからなのかもしれない。
でも、ナラ以外にも同様に感じているということは、俺が一人の人間として成長・脱皮したからなのかもしれない。

今は毎日ナラの唄を聴くことはなくなった。毎日聴かなくても唄がもう身体に染み込んでいるから。
このサイトで公開した唄は全て(サビぐらいなら)瞬時に唄える自信がある。
何だかんだいってもやっぱり俺はナラの唄が大好きなのだ。
ナラの良いところはOne&Onlyなところだ。
俺の好きなミュージシャンはその多くがOne&Onlyな音楽をやっている。
あとなぜか調べてみるとO型の人間が多い。(山口洋やBOOMのMIYA、ソウルフラワーの中川敬など。)
無意識のうちに俺は俺と同じ血液型の人間に惹かれていたのか、と考えると結構面白い。

Nowhere man=Now here man どこにもいないが、ここに今いる男。それがナラカズヲ/奈良和雄。
ナラは東京で俺は青森で、とずいぶん離れたところでお互いの日々を過ごしている。
直接会うことなんてほとんど無い。その上、知り合ってまだ3年目だ。
だけど俺はナラをすごく近くに感じている。今すぐにでも会いに行ける(会いに来る)場所にお互いいる気がする。

ナラとの出会いは俺の人生の中で、何にも代え難いほどの宝物だ。 これはただの縁ではないような気がする。
少なくともエンエンとエンドレスに続いていく縁だ。 、、、ギャグがベタなのはナラに似たんだろう。

1kgの灰になるその日まで、俺はナラから離れられそうにない。

以上、敬称略。


2001.4.12 Toyo/Iemasa Noda@管理人