#10 「ココロの栄養」

いつになってもいい音楽ってのは尽きない。
いつもボクのハートの栄養となる。

ロバート・ワイアット。もともとソフトマシーンというバンドのドラマーとして活動していたが、事故のため下半身不随となりオルガンを弾いて歌う表現に転向。次々に素晴らしい作品をリリース。
とくに『eps』『シュリープ』もう10年以上前にLPで購入し初めての出会いだった『オールド・ロットン・ハット』。ここいらがすき。
哀しみと慈愛溢れる声。独特のコード進行。美しい音楽。
モンクのラウンド・アバウト・ミッドナイトのカバーは素晴らしいよ。
それとボサノバの発明家ジョアン・ジルベルトの2000年のアルバム『声とギター』(大傑作)と『3月の水』、その他。どれも沁みるし和む。そして美しき緊張感と完ぺきな間。音楽のひとつの見本。

それに今ヘビーローテーション、ギタリストのビル・フリーゼルの『ナッシュビル』『ゴースト・タウン』『グッドドッグ、ハッピーマン』どれもカントリー・テイストのジャズギター。シンプルで美しく和む、宝石のような音楽。
ジャズ・ボーカルのアビー・リンカーンの新作『オーバー・ザ・イヤーズ』と前作『ホオーリー・アース』、『タートルズ・ドリーム』。どれもフォーキーなジャズ。ただ単に美しい歌たち。

ブラジルのミルトン・ナシメント&ジルベルト・ジルが二人で作ったアルバムもよかったしハワイのスラック・キー・ギターのケオラ・ビーマーや、シリル・パヒヌイ&ボブ・ブロウズマンのアルバムも夜寝る前に聴くととっても沁みた。
モーマスもいいな。カエターノの『ムイート』とか。

あと、図書館で借りて聴いたCDで『黒人霊歌集/ジェシ・ノーマン(ソプラノ)』も感動したな。オペラ版ゴスペルってかんじだけど、もうオレ、クリスチャンになっちゃおうかって思うくらい。
サックスのファラオ・サンダースの『カルマ』もフリー・インプロビゼーションでドラマティック&ハードカオスでかっこいい。 『The Bossanova Exciting Jazz Samba Rhythms Vol.3』というコンピもイイカンジだった。 ティエリィー・ラング(ヒーリング・ジャズ・ピアノ)も美しいし。

でもねえ、最後に紹介するのが一番ハートにきたなあ。本人を知っているからってんじゃあないよ。
シンプルで宇宙ラブ・ピース・全身の力や毒があったならそれさえも抜けてしまうような神秘的魔法のピュアなピアノ・ミュージック。
富樫春生さんの1月から12月まで12シリーズリリースされているCDの中で『10月の天使』というアルバム。とってもとってもおすすめです。響きます。ずっと聴きそう。

*ちなみに富樫春生さんの『ピアノソングス/十月の天使』(FTRA-1014)は、2000年1月から毎月、それぞれの月にあう曲(唱歌やオリジナル、森 雪之丞さんのポエトリー・リーディング含む)を集めリリースしていたアルバムです。


2001.1.24/ナラカズヲ (ナラカズジャーナルVol.6より転載)