Live Report('99 10/23 Live@シューだびよん)
 
関西、青森とまわってきたこのツアーも本日で終り
どんなに白熱したライブをやってるのかは、逐一 ナラさんの日記や大阪のYOKOさんからのメールや書込みで知らされていたので、今回のライブへの期待度といったらもう計り知れないものがあった。前回、ナラさんのライブを観たのは8月。「あれからもう2ヶ月も経つんだぁ」などと考えつつ電車に乗り込む、と考えつつ電車に乗り込む。

しばしの後、八戸駅に到着。ここで乗り換え。青森行きの快速に出発15分前に乗り込む。
しばし睡眠、、、と思いきや!そこに幼稚園の遠足へと向かう幼児の集団(親付き)が乗り込んできた。なんだ?俺が青森行こうとすると幼児が必ず付いてくるのか?8月のときは1人だけだったし可愛かったから(オイオイ) 別に気にならなかったけど 今回は集団。すなわち、うるさい。(別に子供嫌いじゃないが)ライブとは関係無いので省略。

午前中、降り立った青森駅は小雨模様。さすがに10月下旬だけあり 少し肌寒い。
でも、自分のココロの中はライブへの期待感で燃えていた。 もういてもたってもいられないくらい、胸が高ぶる。
とりあえず、いつものように真っ先に音楽堂へ。なんだか落ち着きますね 此処は。
CDを購入し、いざシューだびよんへ。

もちろん時間はまだまだ早いけど 以前迷った経歴もあり、「場所の確認だけでも」と歩きはじめたのが11時ちょっと過ぎ。
それで着いたのは、、、2時過ぎ?! 寄り道は一切(ちょっと本屋寄ったけど)しないでこの時間。
半年経ってスッカリ道順を忘れてるし、挙げ句に地図も無し
(もちろん辿り着いてから駅までの道順をメモしたのは言うまでもない)
「いくらなんでも」と思いつつも「まぁ とにかく着いたんだから」と自分を宥めつつ、「これはネタになるな」とメモ。

ナラさんが何時に来るのかわからなかったけど、伝える事もあったんで、そのまま待機。、、、したのはいいが、寒い。
時々コンビニに入りつつ、「これじゃまるで忠犬ハチ公みたいだな」、と思いながらしばしの間じっと待つ。

そうこうしてるうちに、だびよんマスターのシュー氏も現れ、それから何十分かして、ようやくナラさんが。
平内高校の文化祭に呼ばれライブをしてきたらしく、平内高校の先生(ナラさんの元教師でもある)のバンに乗っての
登場。挨拶もそこそこに楽器類をだびよんへと運ぶ。自分も1本運ぶのを手伝わせていただく。
今回はギター3本。2本はいつものギブソンマーティン
で、ソフトケースに入ったそのギター。一瞬エレキかな?とも思ったが持ったときの軽さから違うと判明。
器材セッティングでようやく顔を見せたそのギターは、まだ値札が付いたままのガットギター(メーカーは不明)。
「?、、、ナラさんの曲でガットギターを使うような曲は、、、あっ! あれかッ(何かは後のお楽しみ)。」

で、セッティング〜リハ。ナラさんやマスターのシュー氏としばし会話をしつつ、観じ感じた事を逐一メモに書き込む。
しかし此処シューだびよんはホント落ち着く。空間と自分の身体が一体化するこの感じ。まるで母親の胎内にいるようだ。
「君の声が聞きたい〜♪」。はじめて聴く「君の声が聞きたい」、ドンドン ココロと身体に響いてくる。期待していた以上にいい唄だ。ギターのフレーズも、シンプルで言う事無し。こんな曲を待っていた。
自分が2時間も3時間も弾き続けた上でようやく出てきた「おっ 良いね」と思う(思った)フレーズが満載である。
もちろん 自分のフレーズとまったく同じという訳ではないが。まさに自分の理想とする曲

で、次に始まったのはタイトル不明の新曲(のちに「ラーメン・メディテーション」と判明)。
内容は、あるラーメン屋のおじさんをリスペクトした(こう書くとちょっと語彙が違ってくるが)内容。
まさか、こんな曲ができてるとは、もう本気で驚いた。歌詞を最初に聴いたとき ちょっと吹き出しそうになったけど
(「いやあ そうきたか」という意味で、)が良く聴いてみるとこれがなかなか。
ギターのフレーズもすごく良いし、ナラさんならではの曲。しかしつくづく思うがナラさんのこういう人物を主題とした
唄は実に素晴らしい。もちろん対象の人物が素晴らしいというのも関係してるのだろう。

本番へと近づくにつれ、どんどん脈打ち 動悸が激しくなってくる。表面上はすごく落ち着いてリラックスしているんだけど。
身体中の血が滾る感じ、とは、まさにこんな状態をいうのだろう。

無事リハーサルも終り、開場時間まで外で待機することにする。
今日は他で大きなイベントがあるらしく、客足が少々不安だったが、開場時間までに数人(自分含め)の客が待っていた。
そんなこんなで開場時間。前回と同じ場所に座る。
やはり今日は客足が遅く、なおかつ4月の時より客数もちょっと少な目。
ステージ上を観る。今回、使用のギターは ギブソンマーチンガットギターの3本。AMPはYAMAHAFenderの二種類。
ギブソンのストラップは相変らずのラスタカラー

ふとみると、前日のラジオでナラさんが話していた例の中学生が友達と一緒に「席どこにする?」などと話していた。
結局彼らは最前のマイクよりのところに座った。少しづつであれ新たなファンが増えてくるのは非常に嬉しい事だ。
こっちは、ナラさんの高校時代の同級生の方々と前述の教師、葛西氏と相席に。
葛西氏と、ニ、三言葉を交わしつつ、前回より少ないとはいえ埋まってゆく客席に「ナラさんはいろんな人に愛されてるんだなぁ」と改めて感じた。

いよいよ開演。青森ケーブルTVに出演した際の映像、「真っ赤なゼリー」のプロモが流れるも席の関係でほとんど見れず。クールを装いつつも心の中はちょっと悔しかった。でも、同級生の人達のリアクション(「なんか猫かぶってんじゃねぇか」とか)が面白かったので万事OK。

「I can't stop loving you」が流れ ナラさんがステージへ。暖かくそして熱い拍手に包まれる。
「日曜日」「砂漠の中のくじら」と続く。観客の暖かく熱いリアクションがいい。地元だからかナラさんも多少テンションが高め(に感じる)。ちょっと意外な選曲「キスしたい'99」しんみりとしつつも熱い歌声が響く。続いて定番の「僕らの日々」
「CD出してから周りに”HEYHEYHEYに出たら?”と良く言われる」というような内容のMCの後、「hey-hey-hey(仮)」
「だびよん」シューだびよんでのLIVEでは欠かす事の出来ない名曲。ラーメン屋のおやじさんの事についての話の後、「ラーメン・メディテーション」。だびよんでは初披露でも非常に反応の良かった「君の声が聞きたい」。1曲終る毎に強く暖かな拍手と声援が飛び交う。「風が吹くのを感じて」「虫のうた」力強く そして楽しそうに歌い続ける姿が印象的だった。
青いライトに照らされたナラさんの姿がとても神秘的に見えた「寒い朝」。この曲は何度聴いても胸が締め付けられる想いがする。

ピーンと張り詰めた空気の中、ハープとギターのカッティングでだびよんの中の温度が上がっていくのを感じた。
そして体内のマグマを一気に噴出させたかのように始まった「真っ赤なゼリー」
観客の興奮も最高潮に達したところで静かに始まった「東京ラブソング」
これが最後とばかりに体内のエネルギーを全部出しきるかのように、ハードに歌い弾き続ける。
エンディングではステージを所狭しと動き回り、この後ぶっ倒れるんじゃないかと心配するくらいのテンションで終了した。
これで、我々観客が盛り上らないわけが無い。今日一番の盛大な拍手 大きな声援がナラさんに向けて贈られた。
ふと、客席を眺めてみれば、満足しきった表情をした人、「凄いものを見てしまった」というような呆然とした表情をした人。様々な表情[かお]が並んでいた。

しばし後「もう1曲やります。」の声と共にガットギターを手にし 歌いはじめた「おやすみ」
静かに、力強く、熱く、そして暖かく歌い上げた。それと同時にさっきよりも 更に大きく、力強い拍手と歓声が彼を包み込んだ。

その頃 自分はというと、言葉では言い尽くせないほどの感動と熱い想いを胸に、目頭が熱くなってゆくのを感じていたのだった。