ソウル・Seoul・soul!


すっかり恒例?になった感のあるアジア一人旅ですが、今回は日本に一番近い外国、韓国へ行って来ました。
折りしも南東部の大邱(テグ)ではとんでもない事件が起きていましたが・・・。


今回の韓国旅行は名古屋空港からの出発。

11月に本社へ転勤になって、今まで以上に出張が多くなり、会社の寮がある埼玉県の川越にも月に2・3日くらいしか帰れない日々。
2月16〜19日まで三重県の熊野への出張。一週間後の25日から、また同じ場所へ出張が予定されていたので、その間の一週間で韓国へ行こうと思いました。
行ける時に行っとかなきゃね!


幸運にも名古屋市内に親戚が居るので、旅行の前後はそこへお世話になりました。


2月20日

フライトは13:40名古屋空港発のアシアナ航空。大韓航空と並ぶ韓国の航空会社で、もちろん搭乗は初めて。
機内食のサービスの後、機内放送のK−POPチャンネルで音楽情報をチェック。
そんなことをしているうちにあっという間に仁川国際空港に到着。
約2時間のフライトはあっという間、なんか東京から北海道や九州へ行く感覚。
イミグレーションを無事通過してまずやったこと、両替・リコンファーム、そして明日のツアーの予約確認。
何のツアーかって?それは明日のお楽しみ。

予め決めていた宿泊地「鍾路(チョンノ)」へ向かうため、バス乗り場へ。
「地球の歩き方(基本!)」によると「鍾路」周辺には安宿が沢山あるとの事。

韓国語で「このバスは鍾閣(チョンガク)駅へ行きますか?」を連発するが、なかなか通じない。半年以上勉強してきた割には、俺のハングルってダメダメじゃん・・・。

3回目くらいで目的のバス乗り場に行き着くことが出来ました。
「このバスは鍾閣駅へ行きますか?」何回目かのこのフレーズに乗り場のおじさんは、「行くよ、鍾路2街で降りるといい。」と教えてくれた。
バスに乗り込んだのはいいけど、おじさんの言っていた「鍾路2街」がよくわからない。不安だったので同じバスに乗っていた二人組みの女の子に聞いてみると「着いたら教えてあげますよ」と日本語で答えてくた。カムサハムニダ(ありがとうございます)!
バスは順調に「鍾路2街」に到着。お世話になった彼女たちにお礼を言ってバスを降りた。

「歩き方」を片手にウロウロしていたら、「スミマセン、YMCAは何処かわかりますか?」と日本人の女の子から声をかけられた。
彼女は以前、韓国で暮らしていたと言う事なのだが、仁川空国からソウル市内に入るのは今回が初めて(以前は金浦空港だったからね)で土地勘が狂ってしまったらしい。
彼女とはYMCAまで一緒に歩いた。今回仕事で一年ほど韓国に滞在するとの事。僕は「この辺りは、安宿が多いらしいから・・・」と言うと、「如何わしいホテルもあるから最初に部屋を見せてもらった方がいいですよ。」とアドバイスしてくれた。彼女と別れて暫く街をぶらつきながら宿探しをした。

ハングルで「旅館」「モーテル」と書かれた看板は沢山あるんだけど、みんな如何わしそうに見えるんだよね。結局「歩き方」に載っていた「東山(トンサン)旅館」に宿を取ることに決めた。
宿のアジュンマ(おばさん)に「部屋はありますか?」(勿論ハングルで!)と聞くと「ありますよ」といって部屋を見せてくれた。
部屋にはベッドが置いてあったので「オンドル部屋はありますか?」と聞くと、狭い階段を登り、これまた狭い部屋を見せてくれた。三畳ほどの狭い部屋。オンドル部屋はここしか空いてないらしい。
トイレもシャワーも共同だったけれど、冷蔵庫もテレビも置いてあったし、値段も安かった(W20,000→\2,000)のでこの部屋に決めた。二泊分の料金を払ってチェックイン?
東山(トンサン)旅館の入口
オンドルは暖か 共同のシャワー室は古いけど清潔

その日の夕食は、同じ東山旅館に泊まっていた大学院生の江沢君と一緒に出かけた。焼肉屋でプルコギ二人前とビール一本、焼酎一本を平らげた。僕がビールや焼酎を注文するのを見て、江沢君は偉く感心してくれた。彼は飛行機のなかで、何とかハングルは読めるようになってきたのだが会話はもっぱら英語だという。二時間でハングルが読めるようになるなんて、そっちの方がスゴイと思っちゃうけどね。
これで二人前 W28,000→\2,800

8時、江沢君と別れて一人で街歩きをした。途中の露店で「ポンテギ」やら「トッポキ」などを食べ、コンビニで買い物をして宿に戻った。その夜は心地いい酔いと共に眠りに着いた。

定番のトッポキ・餃子みたいなのはオマケ(嬉!) 若い夫婦がガンバッテます!
ポンテギ(蚕のサナギ)はW2,000→\200 コンビニで購入・右は紙パックの真露(焼酎)


2月21日

今日は日本で予約しておいたツアーに参加する。そのツアーというのは板門店−JSA(共同警備区域)−の見学ツアー。ちなみにツアー料金はW70,000(\7,000)。

板門店(パンムンジョム)・・・映画「JSA」の舞台になったところ。朝鮮半島を南北に分断しているところ(正確には違うんだけど)。韓国に行こうと決めた時から是非行ってみたいと思っていたところ。

集合場所のロッテホテル新館の3階にある大韓旅行社。そのロッテホテルへは地下鉄に乗って行くんだけど、例の地下鉄放火事件の影響か、改札付近には警官の姿を見かけた。

板門店ツアーは、この大韓旅行社と中央高速という旅行会社の2社しか実施していない。

ツアーにはパスポートを持参、ジーパンやミリタリーファッションは禁止、指定場所以外での写真撮影も厳しく規制される。当然といえば当然。
更に、韓国籍の人は参加することができない。外国人だけに許されるツアー。
ツアー参加者はほとんどが日本人だった。

僕達を乗せたツアーバスはロッテホテルを出発して、最初の目的地「オドゥサン統一展望台」へ。ここは軍事境界線から約3km程しか離れていないんだけど、手続きなしで自由に訪れるコトが出来る場所。もちろん韓国の人達もだ。

川を隔てた向こうには朝鮮民主主義人民共和国。思いのほかリアリティーがないのは、仰々しい塀とか壁がないからだろうなと思った。
そして、韓国の人達の”統一”というものに対する想いが、少しだけ分かったような気がした。
オドゥサン統一展望台 川の向こうは北朝鮮
北朝鮮の一般的な家庭・壁には将軍様の写真 学校の教室にも将軍様が・・・

30程で出発。いよいよ板門店へ向かう。
バスの中で、ガイドさんがこの国の歩んできた悲しい歴史と現実を語ってくれた。ツアー客の半分は寝てたけど・・・。
板門店へ入るまで、いくつかのゲートを通る。戦車の侵入を防ぐためのタンクゲート。銃をかかえた国連軍の憲兵がバスに乗り込んでくる。緊張感がバス中に充満する。

JSAに到着するとすぐに昼食。メニューはアメリカンスタイル。
昼食後スライドを見ながら板門店のガイドや注意点を聞く。JSAのバスに乗って施設内を回った。
アメリカンスタイルでもキムチは必須 テーブルにはJSAのロゴ
スロットマシーンやビリヤード台がある JDブースもあって娯楽施設は充実?
自由の家監視台 遠くに北朝鮮の兵士が見える
ここでも悲しい事件が・・・ いよいよ会議場へ
会議場内・マイクコードを隔て右側が北朝鮮 ツアーバスに敬礼するMP
映画JSAの舞台になった「帰らざる橋」 北朝鮮の国旗掲揚塔・世界一高いらしい

ツアーバスがソウル市内に戻ってきた時には天気は雨になっていた。鍾路周辺をブラブラしながら食事が出来そうなところを探した。本当は民族酒場とかへ入ってみたかったんだけど一人じゃね。日本の居酒屋(つぼ八とか)だってひとりで飲んでる人ってあんまりいないでしょ?
雨の中さんざん歩いて、結局宿の近くの食堂に入って定食とビールを頼んだ。これが安くて美味しくって“当り”!
コンビニで焼酎とキムパプ(韓国海苔巻)を買って宿に戻った。
これにビールをプラスしてW6,000→\600は激安! キムパプで一杯・幸せ〜


2月22日

雨・・・。
今日は水原(スウォン)という街へ行く。
2日間お世話になった東山旅館を後に、地下鉄に乗った。

水原へは地下鉄1号線がそのまま国鉄へ乗り入れているんで、乗り換えなしで行けちゃう。
ここには世界遺産に登録されている水原華城(スウォンファソン)が有名。ワールドカップの会場にもなった所だそうだ。

水原駅は新しくて、すっごく綺麗。とりあえず荷物を何とかしようと思って、コインロッカーを探す。
駅員さんに「コインロッカーはありますか?」と尋ねると、「ありません」だそうだ。雨ん中この荷物はツライなぁ。

駅近くの案内所で華城への行き方を教えってもらった。ついでにコインロッカーの場所を尋ねると、やっぱり無いんだって・・・。すると、案内所の奥から、おばさんが日本語で「荷物ならここで預かってあげるわよ」と言ってくれた。
おばさんの名前は劉さん。頂いた名刺には日語案内と書いてあった。
お言葉に甘えて案内所の中に入ると、劉さんは丁寧に華城の回り方を教えてくれた。
更に、食事の場所まで指定して「これを店の主人に見せなさい」と言って渡してくれたメモには“この学生さんの食事が終わったら、タクシーを呼んであげて下さい”というようなことが書いてあった。
案内所の皆さん・向かって左が劉さん

教えてもらったとおりバスに乗り、華城の南門に到着。いきなり長い階段。「ひぃ〜!」
印象は万里の長城のミニチュア版って感じ。天気が悪いせいか、人の姿が見えない。
天気がよかったら、ものすごく綺麗なんだろうなぁ。
華城の入口、八達門(パルダルムン) 街の中に万里の長城があるみたい
華虹門(ファホンムン) 東将台(トンチャンデ)

昼食は案内所の劉さんに教えてもらった焼肉屋「ワールドカップカルビ」でW12,000(\1,200)のカルビ定食を食べた。
水原はカルビで有名なところらしい。
ケジャン(コチュジャン漬けたワタリガニ)がメチャ旨!

食事を終えて支払いを済ますと、お店のご主人らしき人がタクシーを呼んでくれた。
タクシーは模範タクシーと呼ばれるタクシーで、一般のタクシーより料金が高め。駅までW9,800(\980)でした。
韓国では運転中の携帯電話はOKらしい

案内所に戻り、預けていた荷物を受け取る。これからソウル市内へ戻る旨を話すと、劉さんは宿の心配をしてくれ、旅館を教えてくれた。

教えていただいた旅館はソウル中心部の市庁(シチョン)駅近くの大祐(テウ)旅館。
「歩き方」にも出ているところで、フロントのおばさんは日本語が話せる。一泊W35,000(\3,500)の部屋はとっても綺麗。
ただ、トイレに紙が流せないのは台湾と一緒。
ベッドだけど床は暖かい トイレは紙が流せない

荷物を置いて、雨の東大門市場へ出かけた。ファッションビルが立ち並ぶ人気の場所は若い人たちが多い。
夜の東大門 プレイヤタウン(左)と斗山タワー(右)
ネスレのコーヒースタンドで・やっぱりインスタント?

日本語で呼び止められた屋台で“スンデ(韓国風の腸詰)とモツの炒め物”と“チヂミ(韓国お好み焼き)”をツマミに焼酎を飲んだ。
「日本人はみんなビールを頼むけど、珍しいわね」と言ったおばさんは、韓国語・中国語・日本語を使い分け、通りを歩く人たちに声を掛けている。聞けばおばさんは、中国人なのだそうだ。
お勘定を済ませ、再び街をブラブラ。
帰り際に、宿の近くの屋台でラーメンを食べた。今夜は、もぉ食えねぇっす!
スンデとモツの炒め物&オデンスープ 日本でもお馴染みの「辛」ラーメン
屋台のアジュンマ(オバちゃん)たちは、すっごくいい顔してる


2月23日

手持ちのウォンが残り少なかったので、両替を兼ねて梨泰院(イテウォン)という街にやってきた。
ここは外国人がよく訪れる場所で、両替商も多い。しかも銀行よりもレートがいいとの事。
両替を済ませ梨泰院の街を歩いていると「本物みたいな偽者はどうですかぁ〜」と声を掛けられた(笑)。
梨泰院・なんかアメリカっぽい感じの街 サンバ用品の店・ターゲットはブラジル人?

その後、鍾路周辺をブラブラしていたらソウルシネマという映画館を発見。日本でも話題になりそうな映画をチェック!
洋画の方が少ない、こんなところにも今の韓国映画の勢いを感じる

個人的に気になったのが、この二作品。日本でも話題になりそう。
クラシック(原題) 菊花の香り(原題)・これ、泣けそう


昼食はチェーンのファーストフード店でビビンパを食べた。日本で言えば吉牛や松屋って感じ。
食事の後、CDを購入。イ・スヨンやS.E.SのCDを買った。それにしても日本はCD高すぎ!
味の方は、チョット辛め 購入したCDは相変わらず

南大門市場でお土産の韓国海苔を買った。ファッションビルの立ち並ぶ東大門市場より露店で活気付いてる南大門市場の方が僕は好きだ。
活気に満ちた南大門市場は、東大門のファッションビルのような気取った感じが無いのが◎
当の南大門は工事中 南大門で見つけたトウガラシの小物

荷物が増えたんで荷物を置きに一度宿に戻り、夜景を見ようと思いソウルタワーへ。チョット時間が早かったかな?なかなか暗くならない。
ケーブルカーに乗ってソウルタワーまで ラブラブな落書き

これがソウルタワー ソウルの夜景

しかし、夜景なんかは男一人で見に来るもんじゃないね(泣)。しかも雨まで降ってきた。

南大門市場まで戻ってくると、雨のせいか大半の露店が店じまいしていたので、二件ほど屋台を食べ歩いて宿に戻った。
夜の南大門 がらぁーんとしてるは雨のせい?
キムパプ・トッポキ・牡蠣の鉄板焼き おでん(韓国でもオデン)とスンデ
オデンはこんな感じで売られていた


2月24日

帰国。
大祐旅館をチェックアウトして、バスで仁川空港へ。
空港へは1時間と少しで到着。
出国審査を終え、空港内の免税店でお土産を買った。
今回、名古屋発着の際に、お世話になった親戚には手ブラというわけにはいかないからね。

名古屋空港までの約2時間は短い。機内食のサービスがあったので、ゆっくり眠ったりもできないね。
韓国って本当に近いんだなー。
しかし、飛行機が名古屋空港に到着して、乗客が座席上の収納棚を空けた瞬間にキムチのにおいがしたのには笑ってしまった。

月曜日の朝・ソウル市内の喧騒 仁川国際空港
アシアナの機内食は・・・

というわけで、大邱の地下鉄放火事件の影響もなく旅は無事終わった。
今回は雨に降られたりして心残りも多かったけれど、この時期に板門店に行ったことは、意義のある事だったと思う。
この旅で僕はこの国の入口に、ようやく立つことが出来たのかもしれない。
近くて遠い国・韓国。その魅力は尽きない。



ロッテホテル近く・露店のアジュンマ 中はカスタードクリーム
地下鉄の案内図 大邱の影響はさほど無い?
仄暗い水の底から やっぱり人型なんだろう・・・
ケイタイのポスター 韓国のテレホンカード


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