奥羽山脈 南八甲田(櫛ヶ峯)(1,517m
東北百名山完登編

平成22年10月23日(土)



櫛ヶ峯山頂で感涙?


8年前、本屋で偶然に見つけた、山と渓谷社発行の『新版・東北百名山』の本を手にして以来、東北百名山を完登することを目標にしてきた。
最後の山をどこにするか迷ったが、山仲間のうちの3人から、南八甲田は登ったことがないので一緒にどうかという話がまとまり、日程を調整してきた。
紅葉の時期はすでに終わっていたが、この時期としては比較的温かく、しかも晴天の無風状態で、登るには最高の天気になった。

1人が残念ながら仕事になり、3人で東北道と一般道を約320キロ北上し、16時半ごろ登山口である猿倉温泉に着く。
暗くなる前にとテント張りの作業に取り掛かると1台の車が近寄って来て、見るとなんとRさんではないか!。
わざわざ東京から駆けつけてくれて感謝、感謝である。
想定外のサプライズで、一同ビックリである。

少し寒いテントの中で前夜祭の宴会となる。
時間が経過すると共に、明日の祝宴用の酒瓶が、空になってしまったようである。
ま・いいっか、明日は明日の風が吹く。
21時頃、テントに3人、特別車両に1人と分散し、就寝する。

次の日4時半に起床し、慌しく朝食を摂り身支度を整える。
月明かりはあるものの、5時20分、気温2℃、薄暗く露で濡れている登山道をヘッドライトを点けて歩き出す。
風が無いので気温の割には温かく、凛として清々しい気分である。


朝日が昇る

歩き始めて30分位で朝日が昇り、登山道は明るくなりライトを消しフリースを1枚脱ぐ。
登山道は幅は広いが落ち葉の下に石が隠れており、非常に歩きにくい。
しばらく行くと、今度は道が狭くなり、登山道に倒木と笹薮が覆い被さっており、おまけに朝露で全身濡れる。
遅まきながらカッパを着る。
カメラは濡れるしレンズは曇る。


霜で白くなっている矢櫃橋


ダケカンバの木々が目立ち始まる


青空も気持ちがいい


時折展望が開ける

歩き始めて約3時間、登山道は全く刈り払いはされておらず、おまけに泥状で歩きにくく、展望もなく非常に疲れる。
まるで笹薮のトンネルの中を歩いているようだ。
ストレスが溜まってくる、この状態がいつまで続くのか、ウンザリしてくる。
でも、Kさんは鼻歌交じりで歩いている、うーん、恐るべし。


駒ヶ峯が見えてくる


池塘に癒される


もうすぐ櫛ヶ峯の分岐のはずだが・・・


分岐まで来てようやく櫛ヶ峯が見えた

ここまで登山口から展望の無い道を4時間、ここで始めて目的地の櫛ヶ峯の全容が現われた。
なだらかな山容で、ここからは今までと違って、さぞかしルンルン気分の稜線歩きになるだろうと期待したが、その期待は直ぐに打ち消された。


歩きやすいのは木道だけ

間もなく水平な木道になり、この日最高の気分である。
それもつかの間、今度は大きく迂回して、藪と急坂と滑りやすい3点セットのトンネルに突入である。


歩いてきた木道が見える


もう少しで山頂


十和田湖をバックに最後の抵抗

登り始めて5時間20分、10時40分に私だけバテバテで山頂に着く。
登山歴では大先輩のKさん、一番多くペアを組んで登ったKさん、若くて逞しいRさんのサポーター3人は余力充分である。

         
  東北百名山完登の瞬間                           泣きながら握手しているKさん

               
愛妻家のKさんは奥さんの写真と記念撮影                 東北百名山の半分を踏破したTさん


山頂より北八甲田

山頂の気温は11℃で風も無く、非常に穏やかである。
岩木山、岩手山、白神山地、十和田湖、秋田駒ヶ岳、北八甲田、青森市街地、青森湾など最後の山にふさわしい素晴らしい眺めである。

登り終えて山頂での感想は、嬉しいことは勿論だが、苦しい登りから開放されて、これで終わってホッとしたと言うのが実感である。
ラーメンで失われた塩分を補給し、11時20分に下山を開始する。

登山道が笹藪で見えなく何回滑って転んだか不明、そして倒木に20回位頭をぶつけて、ブツブツ言いながら長い、ながーい歩きにくい道と格闘すること5時間、
16時20分に無事に猿倉温泉に到着する。
下山後、温泉に入り、ふくらはぎが痛く、みんなに聞くと、全員が痛いという。
それだけ過酷な登山道で、後でTさんに聞いたら、登山者ノートには、途中から戻ってくる人が多いという旨の記載があったと言う。

【完登して一言】
ちょっとキザだが、百名山の山には100のそれぞれの思い出がある。
避難小屋に泊まり、山頂から見る夕日や朝日に照られる山並の景色は、通常の生活では決して味わえない感動的な自然の営みがあり、山に登って本当に
良かったと思える瞬間である。
いい思い出ばかりではなく、熊が登山道を横切ったのを目撃したこと、下山が遅くなってあせったこと、体調不良で頭痛は勿論、吐いたことも、弁当を車に忘れ
ピーナッツ一袋で凌いだこと、寂しくなって奇声を発したこと、動物の動く音にびっくりしたこと等々。

以前は登山中に他の人から追い越されることは殆ど無かったが、最近は皆に追い越されるようになって、年齢を痛切に感じるようになった。
これを節目に、厳しい山から、優しく楽しい山歩きに移行する契機かもしれない。

皆さんの協力があたっからこそ成し遂げられた結果であって、非常にあり難く感謝しています。
本当にありがとうございました。
そして、足を少し丈夫に生んでくれた両親にも・・・。