ポリフェノール
●ポリフェノールの分類例
食品中のポリフェノール
フラボノイド類
フラボン(アピゲニン、ルテオリン)パセリ、ピィーマン
フラボノール(ケルセチン、ルチン)タマネギ、ソバ
フラバノン(ナリンゲニン、ヘスペリジン)かんきつ類
カテキン(カテキン、エピカテキン)緑茶、ワイン、ココア
アントシアニン(シアニジン、テルフィニジン)ブドウ、ブルーベリー、ナス、黒豆
イソフラボン(ダイジン、ゲイステイン)大豆
非フラボノイド類
タンニン(テアフラビン、ゲニスティン)紅茶、ウーロン茶、渋柿
フェノール酸(カフェ酸、グロロゲン酸)コーヒー、ジャガイモ、ゴボウ
リグナン(セサミン、セサミノール)ゴマ
クルクミン(クルクミン、ショウガオール)ウコン、ショウガ
(カッコ内の物質と食品は代表的なもの)

ポリフェノール入りをうたう食品が目につきます。

 赤ワインに始まり、ココア、コーヒー、グアバ葉と、次々に新顔が現れる。緑茶のカテキンや最近話題になっている大豆のイソフラボンもポリフェノールだという。

 ポリフェノールとは亀の甲のような環状の炭素骨格に水酸基という部分が二つ以上くっついた分子構造を持つ化学物質の総称だ。しかし、この本来の意味では、体によくない工業化学物質も含まれてしまう。

 いま話題になっているのはもっぱら食品中の成分だそうです。

 食品だけみても、ほとんどの植物が何らかの形で持っていて、ものすごく種類が多い。カテキンやイソフラボンを含むフラボノイド類だけで4000種類以上といわれ、渋柿の渋み成分であるタンニンなども仲間に入る。苦みやえぐみ、色のもとであることが多く、かつては栄養や健康とあまり関係なさそうだと考えられてきたようです。

 そんな物質群が、体によい食品成分として名をあげたきっかけのひとつが、赤ワインと動脈硬化の関係だそうです。

 動脈硬化は、血中の悪玉コレステロール(LDL)が増えたり、酸化したりすると起きやすい。ところが、フランス人はほかの欧米諸国並みに肉をよく食べるわりに動脈硬化が少ない。この「フレンチ・パラドックス」を解くカギとして、フランス人が愛飲する赤ワインが浮上。成分のポリフェノールに、LDLの酸化を防ぐ抗酸化作用があることが、90年代前半に各種の実験で確かめられたようです。

 的場輝佳・奈良女子大教授によると、抗酸化のほかに抗菌や血糖値低下の作用もある。医食同源の考えが強い日本は80年代から食品の機能の研究に熱心で、緑茶のカテキンの健康増進作用は赤ワイン以前から知られていたといいます。

 近藤和雄・お茶の水女子大教授は「日本人は昔からお茶や大豆食品を通してポリフェノールを食べてきた。それが実は健康維持に役立っていた、ということ」と解説しています。