注ぐ温度で渋みと苦み工夫

おいしい日本茶をいれる目安
人数
茶の量
湯の温度
湯の量
時間
玉露上
3人
10g
大さじ2杯
50℃
かすかな湯気
60ml
150秒
玉露並
3人
10g
大さじ2杯
60℃
湯気が小さく上がる
60ml
120秒
煎茶上
3人

6g
大さじ軽く2杯

70度
湯気横ゆれ高く
170ml
120秒
煎茶並
5人
10g
大さじ2杯
90℃
湯気勢いよく上がる
430ml
60秒
番茶
5人
10g
大さじ2杯
熱湯
湯気勢いよく上がる
650ml
30秒
ほうじ茶
5人
10g
大さじ2杯
熱湯
湯気勢いよく上がる
650ml
30秒

 むしむしする季節。こんなときこそ、ゆっくりお茶でもいれて、くつろぎタイムの演出を。
  日本茶は種類に応じて、ほどよいお湯の温度や、いれる時間があることは、よく知られています。30年ほど前には、別表のような指標もつくられています。
  ただ、冷茶主体のペットボトルのお茶が広まり、好みも変わっているかもしれません。
「指標は基本とした上で、自分なりに工夫すればいいと思います。」
・お茶の味は甘み、うまみ、苦み、渋みなどからなりますが、ウーロン茶や紅茶に比べ、日本茶はアミノ酸のうまみ、甘みが重視されます。
  ですが、なれていなければ甘みをおいしく感じるわけではないらしいです。日本茶業中央会などが昨年、韓国で実施した調査では、煎茶でも玉露でもアミノ酸の味が敬遠されがちだったようです。
  好みの味を探すポイントは「甘み、甘みに対して、渋み、苦みのバランスを意識することだった」といいます。
お湯の温度はテアニン、グルタミン酸などアミノ酸を際だたせる場合は、ぬるめで。多少、渋くてもカテキンを多くとりたいなら80度以上が適するといいます。

                 ■      □      ■

 一煎目で、ほどよいとされるアミノ酸とカテキンのばらんすは、玉露で2対1、上急の煎茶になると1対1,1〜,2で、渋みが感じられるようになるそうです。番茶は、溶け出すアミノ酸の量が玉露の四分の1ほどで、バランスも0,25対1とカテキンが勝ります。渋くしすぎないためにするには、薄めに短時間で入れるのがコツです。
  急須の茶葉を何回楽しむか。夏向きの入れ方の一例に、上級煎茶を三煎まで入れる方法をおすすめします。
・最初は冷水で、3分以上かけてアミノ酸をじっくり出します。
  2煎目は50度くらいで、甘みと渋みの両方を。
  3煎目でカテキンの苦み、渋みを楽しみます。

夏の水出し煎茶も一工夫でもっとおいしく

 冷水用の煎茶ティーバックを使うときは、まず容器にコップ一杯の熱湯を注ぎ2分ほど置くと、冷水では出にくいカテキンがとけだします。あとは冷水を加えて冷蔵庫へ。
  色鮮やかな冷茶をいれたいときは、60度のお湯で、約2分蒸らして濃いめにいれます。
氷を入れて、色止めして完成です。
  「自分好みのお茶でマイ・ペットボトルを作るのも楽しいかも」・・・・

 お茶に含まれるカテキンは、抗酸化作用で知られるポリフェノールの一種。最近は殺菌効果など、様々な健康効果が期待されています。カテキンは、新茶よりも、今ごろの時期に収穫される二番茶、三番茶のほうに、1〜2割ほど多く含まれているといわれます。

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