一口にお茶といっても味香りはさまざま
■おいしいお茶を生む茶の木を育てるには、朝夕の温度差が大きく涼しい山間部でしかも川に沿った水はけのいい、湿度の高いところが適しているといわれます。日本にはこの条件に適した場所が比較的多く、新潟県の村上市を北限に、南は鹿児島まで、お茶は全国各地で作られています。ここでは代表的なお茶の特徴を挙げてみました。機会があれば、それぞれの味わいを楽しまれてはいかがでしょうか。

煎茶
 日本で生産される80%を占めています。煎茶は、新葉を蒸して急冷し揉みながら熱風で乾燥させるという工程を繰り返して作ります。茶摘の時期によってそのグレードも変わりますが、鮮やかな味と香り、ほどよい甘さと渋みがうまく調和していて、産地によってさまざまな特徴があります。
番茶荒茶
 煎茶の加工工程で取り除かれる大きな軽い葉、茎、粉、芽などを使います。お晩摘み(おそつみ)つまり遅く摘まれたものを番茶とよびます。味はやや渋めですが、煎茶と同じように入れると、おいしく飲めます。地方によって番茶とほうじ茶をいっしょに呼んでいるところがありますが、それは違います。
茎茶(かりがね)
 ひときは鮮やかな色合いが印象的な茎茶は、玉露や煎茶を作る過程で残った茎や葉軸の部分を集めたものです。玉露の茎ばかり集めた茎茶を雁音(かりがね)といいます。水色は薄く、軽い味わい、若々しい香りが特徴です。
芽茶
 丸まった葉ばかりを集めた茶で、高級茶の一種。玉露や煎茶の作る過程で若い芽先が揉まれて珠状になったものです。芽茶は香りが強く味も濃厚なので、初めて飲む人はちょっと渋く感じるかも知れませんが、頭の中をスッキリさせたい時におすすめです。
粉茶
 おすし屋さんのお茶としておなじみ。製茶工場で生まれるでものの中から粉だけを集めたもの。あまりこまい粉茶はティーパックなどに利用されます。
ほうじ茶
 番茶や茎茶を強火で炒ってきつね色に仕上げたもので、独特の香ばしさとさっぱりした味わいが持ち味。油っこい物を食べた後などにおすすめします。葉の種類や焙じかたによって香りや味にへんかをつけることもできます。また、地方によってはほうじ茶を番茶と呼んでいるところもあります。
玄米茶
 番茶や下級煎茶に、こんがりと炒った玄米を混ぜ合わせた茶で、玄米の香ばしい香りがおいしさも秘密。玄米の量を多くすれば香ばしさが増し、葉を多くすれば濃厚な味に。それぞれの量を調節することによって、オリジナルの玄米茶が楽しめます。
最近人気のブレンド茶

 抹茶入り玄米・抹茶入り煎茶・抹茶入り茎茶、お好みに合わせて少量の抹茶を入れて楽しみます。色、味とも深みを増します。

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