認知障害、緑茶1日2杯以上で効果あり…東北大調査

 記憶力が衰えるなどの認知障害は、脳の神経細胞が活性酸素などで傷つくことが原因の一つと考えられている。緑茶に含まれるカテキンに、活性酸素の働きを抑えたり、神経細胞が傷つくのを防いだりする働きのあることは動物実験などで確認されているが、人間を対象に効果が裏付けられたのは初めて。

 研究チームは2002年7〜8月、仙台市在住の70〜96歳の男女約1000人を対象に、緑茶を飲む頻度などの食生活を調べたうえで、記憶力や図形を描く力など認知機能についてのテストを行った。

 この結果、緑茶を1日2杯以上飲む人は、週3杯以下の人に比べて、認知障害になっている割合が半分以下だった。緑茶を1日2、3杯飲む人と、4杯以上飲む人の間では差は見られず、研究チームは「1日2杯程度で効果があらわれる可能性がある」としている。栗山講師は「今後、海外などで緑茶を飲まない人を集め、半数の人に緑茶を飲んでもらう調査を継続して行いたい」と話している。
読売新聞より

抗酸化って何?1 元気な細胞はこうして作られる

 しみやシワの元凶のようにいわれる活性酸素ですが、こんなに悪く言われるのは、その強力な酸化力にあります。

 細胞の中には、ブドウ糖や酸素をもとににエネルギーを作りだすミトコンドリア、遺伝情報そのものであるDNAなど、生命にとって不可欠な機能がつまっています。これを守るために、細胞一つ一つを包み込んで守っているのが細胞膜ですが、これを傷つけるのが活性酸素なのです。

 活性酸素は非常に鋭い刃物を持っていて、ゲリラのように、細胞膜のコレステロールを見つけると次々に切りつけていきます。すると細胞膜はささくれを起こしたように傷ついてしまうのです。このささくれ状態になることを「酸化」とよびます。こうして細胞が老化し、しみやシワの原因になるだけでなく、様々な生活習慣病を引き起こしてしまうのです。

 活性酸素が増える原因として、食べ過ぎがあります。食べ過ぎると必ず腸で異常醗酵し、そこから活性酸素が作られてしまうからです。つまり、てっとりばやく言えば、便秘は活性酸素の大量発生のもとなのです。ストレスなどで興奮してカッカしている状態でも、活性酸素は体の中で作られてしまいます。煙草とアルコールもよくありません。煙草の煙には活性酸素が入っているし、アルコールは分解していく過程で活性酸素ができてしまいます。

 呼吸をするだけでもできてしまう活性酸素を消去してくれるのがポリフェノールやビタミンC、ビタミンE、βカロチンに代表される「抗酸化物質」なのです。活性酸素に攻撃されていない元気な細胞の細胞膜にはコレステロールやリノール酸が十分に含まれ、細胞のしなやかさと弾力性を保ってくれるので、細い毛細血管に詰まることなく、さらさらと体のすみずみまで血液を運んでくれるのです。60兆個の細胞を活性酸素から守るには、毎日の食べ物で体の中から防御するのが一番の近道です。野菜や豆、海草類はすべて抗酸化力の宝庫です。ひとつの食品だけに頼らず、いろんな種類を少しずつ食べるのが、抗酸化食生活の基本ということを覚えておきましょう。