紅茶(ホンチャア)
B門工夫(チーメンコンフー)

完全発酵茶
紅茶の分類 工夫紅茶(ゴンフー)
小種紅茶(シャオジョン)
紅碎茶(ホンスイ)
紅茶の産地と銘茶
安徽省 B門工夫(チーメンコンフー)
雲南省 雲南紅茶(ユンナンホンチャア)
C紅工夫(ディエンホンゴンフー)
四川省 川紅工夫(チュアンホンゴンフー)
広東省 英徳紅茶(インドーホンチャア)
福建省 正山小種(ジョンシャンシャオジョン)
世界中で愛飲されていながら、元祖の中国では目立たない紅茶

 日本はもちろん、欧米でも広く愛されている紅茶。
起源は中国にあり、歴史も十七世紀の明の時代ごろからと古く、生産者も福建省、浙江省、安徽省、雲南省など、中国各地に広がっています。しかし不思議なことに、中国国内ではこれといってよく飲まれている地域といえるものがありません。
 といって、すぐれた紅茶が中国にないわけではありません。安徽省のB門工夫B門紅茶)などは内外にしられています。工夫とはていねいにつくられたという意味で、C紅工夫や川紅工夫など、工夫紅茶は紅茶の一分類をなしています。
また、工夫紅茶の製造過程で、砕けてしまった葉をもちいたものを紅碎茶といい、これも分類の一つ。
これに松の薪を焚いて茶葉にスモーク香をつけた小種紅茶という種類を加えて、紅茶は一般に三つに分けられます。
 紅茶は完全発酵茶であります。製造工程で、温度や湿度、通気などをコントロールしながら、酸化酵素による自家発酵を十二分に進めるところに特徴があります。
 水食は赤褐色で味・香とも強く、はっきりしています。日本や欧米ではミルクや砂糖、レモンを加える習慣がありますが、中国ではそれをしません。あくまでお茶の一種であり、ストレートで飲むのが正しいそうです。
紅茶の代表的な銘茶
 紅茶を代表する銘柄といえば、B門工夫があげられます。
中国国内はもちろん、欧米各地への輸出品として名高く、1915年にパナマ万博で金賞を受賞した逸品です。工夫はていねいにつくられたお茶の意味。
 B門工夫に劣らず名高い銘柄として、C紅工夫と川紅工夫があります。「C」「川」の一字は、それぞれ雲南省、四川省を意味する語であります。
広東省英徳県で作られた銘柄は、同様に永徳紅茶とも呼ばれています。
これも有名な銘柄の一つで、中国茶よりもイギリスの紅茶、つまりインドやスリランカ産のものと似た味わいをもっています。
燻製にしてスモーク香をつけるという小種紅茶では、福建省の正山小種が有名です。松の香が紅茶にしみこんで、清しい風味を楽しませてくれるお茶です。
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