燧ヶ岳(ひうちがたけ)(御池登山口〜燧ヶ岳〜尾瀬沼〜沼山峠)

会津駒ヶ岳(檜枝岐登山口)

福島県

登山形式  回遊・往復

山行日 2007年9月19〜22日

3泊4日テント泊 山行者1人


19日    晴れ

  移動日  二本松 14:30 ⇒ 東北自動車道(二本松〜須賀川) 須賀川 15:23 ⇒

        (R118)(R121) 塔のへつり 16:30着 17:00出 

        (R121)(R289)(R401)(R352) ⇒

        檜枝岐 アルザ尾瀬の郷 19:36着

  

20日    晴れ

  御池登山口 6:00出 ⇒ 広沢田代 6:45 ⇒ 熊沢田代 7:40 ⇒ 

  △燧ヶ岳山頂 俎グラ 2346M 8:43 ⇒ 柴安グラ 2356M 9:05 ⇒ 

  俎グラ 9:17 10:30出 沼尻休憩所 12:08 13:00出 ⇒

  長英新道出合 13:36 長蔵小屋 13:55 14:05出 ⇒ 

  小渕沢田代分岐 14:23 ⇒ 沼山峠休憩所 15:00 

  シャトルバス 御池登山口 15:20 

 尾瀬沼と燧ヶ岳 

 

21日    晴れ

  檜枝岐登山口 7:21出 ⇒ 水場 8:33 ⇒ 駒ノ小屋下木道 10:00 ⇒

  駒ノ小屋 10:25 13:00出 ⇒ 中門岳横道分岐 10:40 

  △会津駒ヶ岳山頂 2132.4M 10:48 11:52出 ⇒ 

  中門岳横道分岐 11:58 ⇒ 駒ノ小屋 12:06 木道終点 12:20 ⇒

  水場 12:55 13:43出 ⇒ 檜枝岐登山口 14:33

 

22日    晴れ

  移動日  ミニ尾瀬公園 10:00発 ⇒ (R352)(R401)(R289) 

        山口温泉きらら289 10:50 昼食 12:05出 ⇒ (R289)

        大内宿 13:00 14:22出 ⇒ 大内ダム経由 会津若松 ⇒

        (R49)(R4) ⇒ 二本松 17:47

 

 わずかばかりの田んぼと自給分の野菜ぐらいだが、作物を育てていると、なかなか家をあけて出かけられない。今年は5月に安達太良山の山開きに行って以来山に行けていない。
 という事で、稲刈りの始まる前に、3泊4日の山行を計画。
 一昨年、天候の為に本山まで行けなかった、飯豊連峰にするか、2001年に一度行ったが、霧のために、眺望を楽しむことが出来なかった燧ヶ岳にするか、2通りの登山計画書を作り、直前まで悩む。どちらも登山口までの移動に1日かかる。結局、自宅からより遠く、8月に日光から分離し単独の国立公園となった。燧ヶ岳尾瀬沼方面に決定。
 19日、本当は午前中に出発して途中いろいろ散策しながら、早めに檜枝岐入りしたかったのだが、所用で午後からの出発となる。あまり高速道路は使いたくなかったが、致し方なく高速で須賀川ICまで、あとは、国道をひたすら西へ西へと向かう。途中の羽鳥湖などは通過して、出発から2時間後、国指定天然記念物「塔のへつり」で休憩および見学。ここは大川(阿賀川)沿いで100万年以上の浸食と風化によってできた奇岩怪石がいくつも塔のようにそびえて続いている。30分ほど散策し、また進路を西へと向ける。段々と日が落ち進行方向が眩しくなってきて、田島の市街では全く前が見えないほどになってしまった。日暮れ後、国道401号線に入った所のスーパーで地酒と飲料の追加を買い、檜枝岐に向かう。すっかり暗くなった道をひた走り、夜7時半過ぎに、「森の温泉館アルザ尾瀬の郷」に到着。
 とりあえず温泉で汗を流して、それから宿泊場所に移り落ち着くことにする。しかし、アルザは夜8時で終わるのであと20分しかない。檜枝岐には、この外に「駒の湯」「燧の湯」との3箇所の共同浴場が有る。それで以前にも利用した、「燧の湯」に移動。ここは朝6時から夜10時まで利用できる。今日1日で200Kmの移動、運転で疲れた身体を癒すべく温泉で手足を伸ばす。9時前に七入手前までの移動し、今夜は車中泊。俺の今の車は軽のワンボックスなので後部座席を格納すれば、十分に手足を伸ばして眠れる。車の外にアイスボックスと折りたたみの椅子をセットし、まずはビールで乾杯。ガスストーブでウインナーを焼き、缶詰のイカ焼き、缶詰もガスストーブで暖めると美味しく食べられる。頭上は満天の星空、9月は台風が続いたが、明日からの山行に期待ができる。

 20日、4時に起きるが、外はまだ真っ暗、もういちど寝直して5時に起床、朝食を済ませて御池登山口へ、御池駐車場で日の出を迎える。身支度を調え、6時に登り始める。駐車場を横切り西側の奥、入山者の人数チェックのセンサーのゲートを通り、木道に降り、少し進むと燧裏林道との分岐となる。左に曲がり南に進路をとる。天気は快晴。木道がしばらく続くが、それが終わると、本格的な登りが始まる。日頃の運動不足と久しぶりの山行に汗を掻きながらゆっくりゆっくりと登る。樹林の中で日差しは弱められ、涼しい風が峰を吹きすぎる。広沢田代を過ぎ、またジグザグの登りを続けて行く、熊沢田代まで登りつくと、燧ヶ岳の穏やかな山容が姿を見せる。湿原を横切る木道を通り、また高度を上げ左にトラバースして行く、振り返ると会津駒ヶ岳へと続く山並と、眼下には熊沢田代と広沢田代との2段の湿原が広がる。歩きにくいガレ場を登りきると、俎グラに出る。
 燧ヶ岳は柴安グラと俎グラの二つのピークが有る。俎グラは2,346Mで柴安グラの2,356Mと10Mほどの違い、ちなみに三角点は俎グラに有る。今日のコースでは、柴安グラはルートには無いので、俎グラの山頂で荷を下ろし、一息ついた後、そのままカメラだけを持って柴安グラに向かう。矢印にしたがって鞍部に向かうがしばらくして尾瀬沼の方に向かっていることに気付く、俺の前に行った人も、大分下ってから引き返し、後から来たグループも途惑っていた。登り返して岩場を左にトラバースして柴安グラを正面に見て下る。鞍部の砂地の前後では若干熊笹をこいで進む。岩場を登り返すと燧ヶ岳最高峰柴安グラにたどり着く。柴安グラも俎グラも山頂は広い岩場で、今はそれぞれ5〜10人程度の登山者が居るがまだまだゆったりしている。ほとんど雲一つ無い快晴で、遥か西方日本海側だけ雲が広がっている。手前の山並の遥か先には富士山もその悠然とした姿を見せる。折り返して、俎グラに戻り、ビールでのどを潤おす。甘露甘露。
 当初の予定では、長英新道から尾瀬沼に出て沼山峠からバスで御池であったが、余りの天気の良さに、ナデックボから沼尻へ降りて尾瀬沼北部の周遊のルートを追加。立ち去りがたい気持ちで山頂を後にする。長英新道との分岐を過ぎると急な沢道でぐんぐん高度を下げる。まだかまだかという思いで下り続け、やっと坂が緩やかになり樹林帯を抜けると、沼尻平と尾瀬沼が眼前に広がる。沼尻休憩所にて2本目のビールを開ける。今日は荷揚げの日のようでヘリコプターが麓と長蔵小屋方面を行き来していたが、沼尻で休んでいる時に、休憩所の裏手に1m四方ぐらいの荷を降ろしていき、20〜30mほどの距離で見ることが出来た。休憩所を出ると紺碧の尾瀬沼を右手に見て進む、沼に流れ込む沢の上から沢を覗くと、透明な水中に魚が群れて泳いでいる。長蔵小屋休憩所で一息ついて、沼山峠に向かう、前半は平坦な木道歩きで、左手に長蔵小屋の創始者の墓所を見て、小渕沢田代の分岐を越えさらに進んで行くと徐々に峠道になって行く、峠を越え木の階段を下ると、沼山峠の休憩所兼バス発着所に到着する。時間はちょうど3時。休憩所発の午後のバスは2時10分と4時10分そして5時10分が最終になり、合間にもシャトルバスが出ている。3時代も3時10分だと思っていたら、3時丁度の出発、あわててバスに乗り込む、バスは満席で補助席の使用に為りました。20分ほどの乗車で御池に到着。
 御池には尾瀬御池ロッジの隣に尾瀬ブナの森ミュージアム併設されていて、尾瀬湿原の成り立ちや動植物についての解説がなされている。ミュージアムの見学後、ロッジにて入浴。露天は無いが大きな窓からブナ平を望む。お湯の温度は少し高め、サウナが有るがやっていなかったのが残念、お湯に入って水のシャワーを浴びてを何度か繰り返していたら、どっと疲れが出てしっまった。脱衣所で座って休みたいのに椅子もなにも無いのが辛い、仕方無く脱衣所への上りがまちに座って休む。他の人が入ってこなくて良かった。

 今回保存食糧は十分に持って来たが、夕食は外食にしようと思っていた。御池から檜枝岐の町中に下ると、あちこちに裁ち蕎麦ののぼりが旅館や民宿の前に出ているが、営業中の看板も見えず、夕方の時間に大丈夫なのか今一つ解らない。夜の飲料の買出しついでに酒屋さんで、定食のようなものが食べられる所が無いかと聞いてみると、居酒屋で食事だけでもできるが営業は5時半からとのこと。あと1時間弱有る、宿泊地に明るい内につきたいのと早く一息つきたいのとで、会津駒ヶ岳の登山口に移動することにする。駒ヶ岳の登山口へは国道から林道へ折れ約10分、取りつきの近くにはカーブ毎に5〜20台ぐらいの駐車スペースが数ヶ所ある。一旦、一番取りつきに近い駐車場まで行くが、それぞれの場所に1台づつ車が停まっている。別に他の人と一緒でも良いのだが、先客に気を使って上から4番目の空きスペースに駐車。早速ストーブに点火して、レトルトのカレーを温め、そのお湯でつまみ用にフリーズドライの親子丼の具をもどす。徐々に日も暮れて、今夜も満天の星空。

 21日、朝5時に起床、お湯を多めに沸かし、コーヒーとカップラーメンそれから今日の昼食用の、アルファ化米の五目御飯を作る。当然早朝から登り始めたいのだが、どうしても連絡を取っておかないといけないところが有り、朝食にゆっくりと時間をすごす。実は昨晩ののうちに連絡したかったのだが、場所が圏外に近いことも有り、相手に電話がかかってもすぐに切れてしまい用件を伝えることが出来なかった(T_T)。そうして俺が朝食を食べていると、登山者の車が5〜6台通り過ぎて行き、さらに国道から歩いて登ってきた登山者が横を通りすぎる。6時半過ぎ、そろそろ電話しても大丈夫かと、車で国道まで下る。用件を済ましてまた登山口へ。
 取りつきの木製の大階段横のポストに登山計画書を入れ、いざ登山開始。がっちりとした大階段を登り、樹林帯の中を進んで行く。今日も昨日よりさらに雲一つ無い快晴、木々の間をさわやかな風が吹きぬける。道は木々の間を、ジグザグに進んで行く。登り続けるにつれて、汗が噴き出してくる。飴を一つ口に入れ歩きつづける。ところどころに山頂と国道までとの距離を書いた道標がある。道が開け広場の様になっているところで水場の看板、ベンチが2台離れたL字型にあり、その間の標識の有る所を下ると水場。荷物を置いて水場へ、急勾配の道を30〜40m下る、冷たい水で汗を流し、水筒の水も入れかえる。ここまでくれば駒ノ小屋まで約半分。樹林の中をさらに登って行く、勾配は前半よりはやや緩やかだ。駒ノ小屋下の木道に出て、左に回りこんで行くと、駒ケ岳山頂が姿をあらわす。湿地帯の中をさらに進むと、駒ノ小屋に到着。この小屋は、完全予約制で予約の有る時だけ、管理人が小屋に入る。素泊まりで食事の提供は無い。湿地帯を抜け山頂まで木道が続いている。振り向けば、燧ヶ岳の勇姿が目に飛び込んでくる。中門岳への横道分岐から先は階段になっていて、最後の一汗で駒ヶ岳山頂に到着。山頂は、今登って来た南南西の方角以外は木に囲まれた状態で、北西方向に中門岳への木道が有るが、そちらは少し降りて行かないと景色は楽しめない。1等三角点峰で有り、山頂の標識と景観図、ベンチは燧ヶ岳を望む場所に一つある。富士山も見えるはずだが今日はその方角がもやっていて見えない。時間に余裕があれば中門岳まで往復するのだが、今日は駒の山頂でゆっくり過ごすことにする。
 下山後、今日は駒の湯にて入浴、入浴中に携帯電話の充電をお願いする。自宅出発前にフルにしてきたが、圏外の場所では、電波を探しつづけるので、燧ヶ岳下山後からかなりヤバイ状態になっていた。入浴後、駒の湯の前に有るJAストアを覗いて見るが弁当や惣菜のような物ははなさそうな気配。アルザの横のドライブインまで行き、食事をとることにする。中に入ってメニューを見ていると、蕎麦かカレーしか出来ないとのこと、蕎麦を食べたがかえって食欲に火を付けるようなものだった。食後に今夜の宿泊地まで車で移動し、折りたたみの自転車で昨日教えてもらった居酒屋へ行く、3件ほど並んで有り、そのうちのおすすめ品が黒板で表に出してあった真ん中の店に入る。黒板にあった、〆鯖とイカの丸干しと生ビール。開店してすぐだったので最初客は自分1人、しばらくして子どもを連れた家族が来店、こうやって地元の人が家族で食事にくる店なのだなと思う。生ビールでのどを潤おし落ち着いた所で、食事物のオーダー、黒板には定食600円からとなっていたが、お好みのつまみにプラス250円で定食になるシステム。メニューでラーメンの下に書いてあるラードンというのが気になって店員さんに聞いてみると、うどんにラーメンのスープと具が乗ったものだというのでそれをオーダーする、あっさりめのスープとうどんの取り合わせも良く美味、チャーシューやシナチクの具もグットでした。〆鯖・イカ丸干し・ラードン・生ビール×3で〆て3,250円。

 22日、今日は移動日。5時に起床、朝食後ミニ尾瀬公園前の檜枝岐側沿いを自転車で散策。渓流釣りシーズン終了前の土曜日なので、早朝から釣り人が川に入っている。この川は場所によって通年禁猟区やフライ専用などに区分けされ、公園前はフライ専用でリリースが義務付けされている。その後、中土合公園の展望台へ、時刻は8時を回っているが、山間の市街地にはまだ日が挿しこまない。一つ目の展望台からさらに登り山頂の展望台へ、ここから燧ヶ岳が見えるのだが、山頂付近には雲がかかっていてしばらく待ったけれどその雄姿を現わさない。あきらめて下り、第2展望台についた頃にやっと市街に日が差し込んできていた。
 展望台から降り、燧の湯で朝風呂を満喫。この3日で体重が4Kg減っていました。白旗史朗写真美術館を見学にミニ尾瀬公園に入場、尾瀬湿原保護活動の父、武田久吉メモリアルホールと写真美術館を見学、公園の北部にてうろこ雲を背負った燧ヶ岳がやっと姿を見せました。
 10:00に公園前を出発、とりあえず来た時に気になっていた山口温泉きらら289を目指す。檜枝岐川を源とする伊南川沿いを右に左に北上する。そこここに釣り人が入っている。川沿いの道から右に曲がり国道289に入りトンネルを抜けるとすぐきららが有る。レストランが開くまで、今回の山行のタイムの整理をしてすごす。11時30分レストランが開店、天ぷらそばと五目御飯がセットになった天ぷらそば御膳1,400円で早めの昼食をとる。次の目的地は、下郷町にある国重要伝統的建造物群保存地区の大内宿、江戸時代の雰囲気を今に伝える、会津西街道の宿場町で、萱葺き屋根の建物が軒を連ねている。週末でも有り駐車場は満車、誘導員の指示にしたがって、駐車場の先に進み路肩に縦列駐車。町中は観光客であふれ、萱葺きの家ではそれぞれにおみやげ物や、食べ物を扱っている。目を引いたのは一本ネギそば、実際には食べなかったがそばを一本のネギで食べるという看板、見ているとそばのどんぶりに手のひらほどの長さのネギが一本のっている、ネギを薬味にしながらネギで麺をすくって食べるということだ。
 大内宿を後にして県道を北上、会津若松市街を抜け猪苗代湖畔を巡り、夕方に自宅到着。車での総移動距離は約500Km。天気にも恵まれ最高の山行が出来ました。

 

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