SR500
OVER200q/hへの道

猿でも出来るチューング(二輪編)


エンジンの巻

第1章(FCRとの戦い)
 その1

 
12月22日(日)久々の休日。以前、ヤフオクで手に入れたFCR41を手にとる。『よしっ!今日からSRのチューニング作戦をスタートしよう!』そう思った私は、スカ○○ハウス(某団体の倉庫)に向かった。
 なぜならば、そこには愛車SR(私自身は、シングルレーサーの略だと思っている。)が居るからだ。
 鍵を開け、中に入る。ストーブに火を入れ、とりあえずタバコに火をつけた。これから始まるいつ果てるとも無い、長いチューニングの道程を思い浮かべ、一人でテンションを上げる。タバコの火を消し、「さあ、やるぞ!」そう意気込み、バイクを一通り見回した後、おもむろにツールボックスをたぐりよせ、シートカウルを外しにかかる。ヘキサゴンレンチをボルトに入れ、裏側のナットに14mmのメガネをかませる・・・「あれっ?」違う!「それじゃ、12mmか?」とレンチをあてがう。が、しかし、入らない。なんと、バイクには珍しい13mmのナットであった。たまたま自転車整備用のレンチがあったので、それで対応。次にタンクを外す。すると見事な骨格を表す。負圧式の燃料コックのバルブをONにし、バキュームホース・燃料ホースを外す。そして、取り付けのネジをとり、タンクを外す。そして、次はキャブレターの取り外しだ。インマニについている、締め付けのためにリングを緩める。スペースが狭いため、だましだましキャブを外し、インマニをヘキサゴンレンチで外すと、SRは丸裸となった。


       
なんと見事な骨格!

ここでFCRの登場だ!


右が純正で左がFCR。見るからに性能差がありそう・・・
   って目で見てわかるんかい!

 まずは、インマニをつける。ここで、問題が発生!購入したFCRについていたインマニのバキュームホース用のニップルが塞がっている!「これでは、燃料コックが作動しないではないか!」そう心の中で叫んだかどうかはあえて伏せておくが、前オーナーが意図的にゴム質のもので塞いだらしい。これはなんとかしなくては・・・この穴を通るようなものは無いか?そう思いツールボックスの中を覗く。直径2mmに満たない穴を通るようなものは見つからない。捜索場所をスカ○○ハウス全体に広げる。しばし捜索を続けると、「あった〜!」。それは、殺虫剤の隙間用ノズルであった。このノズルを作った人は、こんなことに使われるとは思ってもみなかっただろうが、そんなことは俺には関係ない。使えるものは親でも使え!ってなわけで、さっそくそのノズルをつかって、ツクツクせこい作業を行った。程なく開通。これで、取り付けられる。インマニを付け、続いてキャブを取り付ける。


 収まるべきところに収まったFCRくん

またまた問題発生!しっかり各所を締め込んだはずなのに、FCRちゃんがクルクル回る。なぜだろう?もう一度キャブを外し、インマニの締め込み用のリングを確認する。「これが大きいのか?」そう思い、キャブを付けずにリングを閉めこんでみる。確かに締めこまれている。ではなぜ?キャブレターを確認してみた。あれ?このキャブはインマニ側の口がねじ込み式になってるではないか!俺の認識不足。気を取り直してそれを締め込み、もう一度取り付けした。これで完成だ!


  今にも走り出したそうなSR500

 メインスイッチをON。キックを入れる。なかなか火が入らない。チョークがあれば楽なのだが、FCRにはそれがない。仕方なくアクセルをチョイ開け気味にして、数回キックした。「パパンパンパン」爆音と共にエンジンに火が入った。アイドリングが安定しないので、しばし空吹かししながら暖機運転してると、エンジンは息つきするは、キャブが吹き返して火を噴くは、マフラーからも20p位の火を噴くは、挙句の果てに、エキパイが下のカーブ付近まで真っ赤になるはで、一体どうなることやら心配になってきた。しかし、この世の者とは思えない別世界のレスポンスを手に入れたSRに、年甲斐も無くワクワクしてしまった。本当ならばリセッティングが必要なので頭を悩めるところだろうが、まだセッティングも施していないSRが、こんなにも元気に、そして荒々しく変身してしまったのだから・・・

無セッティング、ファンネルなしの状態ながら、走りたい欲求に駆られた私は、気温が零下の寒空の中、バイクにまたがり飛び出した。予想通り素晴らしいレスポンス。たまに息つきはあるものの、純正キャブが付いていたころとは全く別のマシンに変身したSR。今日届いた、メガサイクルのカム。そして注文したパワーフィルター。あとはワイセコのピストンと強化バルブスプリングを購入して、全てが組み込まれた時。200q/hの世界は現実の物となる。・・・・予定

 ただ今の速度(160km/h) 


その2
上記の状態での診断は、異常にガスが薄いという結論に立ったのである。  しからばどうするか?
答えは簡単! エアフィルターの取り付けである。 もともとレース仕様のセッティングであるはずは無く、ただやみくもに「ガボガボ」空気を吸っている状態なのでガスが薄いのは誰が考えても分かることである。さらに、アクセルOFF時にアフターファイヤーが「パンパン」鳴るので、このままではエンジンがヤバイと思った俺は、早速K&Nのエアフィルターを注文。1週間ほどで届いたので、早速取り付ける。案の定、だいぶ調子がいい。しかし、未だ鳴り止まない拍手の渦。…もとい、アフターファイヤー。「これはもうジェットの交換しかあるまい。」そう思った俺は、早速行き付けのバイク屋さんにジェットを注文した。もともとSR500用のキャブであったのかも不明なため、メーカーに問い合わせていただいて基本セッティングの「メイン・ジェット」「メイン・エア・ジェット」「スロー・ジェット」の三種を注文。届いたところで早速装着。
しか〜〜し! キャブを開けてみてビックリ。「メイン・ジェット」と「メイン・エア・ジェット」が同じ番数ではないか。 シートを外し、タンクを外し、ここまで作業を続けてきた俺は、肩を「落とす。」「落とせば。」「落とそう。」の三段活用。 かろうじて5番違った「スロー・ジェット」を交換して走ってみた。 なななんと! アクセルOFF時のアフターファイヤーが激減してるではないか。
これだ! 俺が求めていたものはこれなんだ! 嬉しくなった俺は、冬の寒空に走り出した。 しかしこれで終わったわけではない。
肝心の高速域での明らかなトルク不足。 その足で再びバイク屋さんに走っていったのは言うまでもない。

つづく  ただ今の速度(160km/h)…だが、エンジンの寿命は延びたのだった。 

その3
さらに、パワーフィルターを装着すべく行きつけのバイク屋さんにK&Nのパワーフィルターを注文した。
早速届いたフィルターを写真に収めてみた。



思ったよりもだいぶ小さいものである。
こんなに小さくて大丈夫なのだろうか? いや、大丈夫なはずである。 なぜならK&Nだから・・・なんのこっちゃ
早速、取り付けにかかる。



タンクも外さないでできるんだからお手軽って感じ。
ものの10分でこんな感じ。



はい、このとおり。 おまけで、運転席からの写真もアップ。
走行したインプレは、よりアフターファイヤーが減った感じ。 ガツンとくるアクセルレスポンスはそのままに、乗りやすさはノーマルのようになりました。

あとは、今手持ちのハイカムと、強化バルブスプリングを装着して、再度セッティングをするのみである予定だったのだが…。
このバイクでの初のツーリングにより重大な事が発覚!!!
実は、このバイクは150キロしか出なかったのだ。
なぜなら、スプロケットのギア比がかなりのローギアードであったのだ。
上の写真でもお分かりのとおり、スピードメーターが無く、気づかなかったのだ。
当然、ツーリングに行く前にスピードメーターは取り付けたのだが意外な落とし穴であった。
そこで、200qを目指すべく、リアのスプロケットを2割も少ない物に変えようと、またまたバイク屋さんに注文したのであった。

訂正! ただいまの速度(150q)・・・俺の気持ちもちょっと減速気味(^_^; 


ブレーキの巻(2004.5.7)

久しぶりに、SRを長屋から出してきた。
200q/hを目指すべく、更なる手を加えるためである。
しかし、今回は上記のスプロケット交換ではない…。なぜなら、この車両はブレーキに問題を抱えているからである。
この車両を購入した時点で分かっていたことなのだが、片側のフロントディスクが歪んでいるのだ。


ディスクが歪んでいるとどんな症状が出るのか?
ここで、想像して欲しい。車のABSが効いたとき、ロックする寸前にブレーキが効くのと解除されるのを小刻みに繰り返すことを…

フルブレーキングでは、特段症状が出るわけではないのだが、町乗りなどで交差点に差し掛かったとき、軽くブレーキングをする。
すると、「ク、ク、クッ…」。バイクを停止させるときも同様である。
まるでABSが効いているかのように、いつでもどこでも軽いノーズダイブを繰り返すのである。
晴れている日であれば、「気分が悪いなぁ」で済まされるのであろうが、雨の日の横断歩道通過時などはかなり危険である。

誰も、ブレーキの無いバイクで
200q/hを出そうとする奴はいない。
「泊まれる…」いや、「止まれる」という確信があるからこそ、アクセルを開けていけるのである。

そこで今回は、基本に立ち返り「まずは、ブレーキを直す!」ということにした。
っていうか、1年位前に購入していた中古のフロントディスク(鋳鉄製)を、面倒くさいと付けずにいただけなんですけどね。(^_^;A

早速、バイクカバーをとり外に出す。 「なんか変だ…」
バックミラーが、あらぬ方向を向いているではないか!
しかも、ブレーキのオイルタンクまで…


     この部分が欠けている(*_*)

よく見ると、「ブレーキレバーのクランプのミラーを取り付けるネジ穴が欠けている!」

何故なんだ?」
考えられることは、唯一つ… 誰かがバイクを転倒させたのだ。

いつも、ここに出入りしている奴…。 コンマ2秒で見当が付いた。「…奴だ。」

ブレーキ交換作業をしていると、奴が来た。当然、俺は強い口調で問い詰めた「おばあさん、このバイクを倒したことはありませんか?」と…
すると、おばあさんはこう答えた「知らないよ。もしかしたら、ピーじいさんが死んだとき、近所の人が長屋を片付けたからその時では?」
「なにっ〜!」
確かに、俺が昨年11月中旬から今年の1月中旬まで入院していて、12月下旬に「ピーじいさん」が亡くなり、近所の人が手伝いで家の周りを片付けてくれたのである。
「しょうがないか…」
やり場の無い怒りを押し殺し、作業を続けることに。

フロントタイヤを外した時に、バイクが倒れないようにするために、ブロックをバイクのエンジンの下に入れることにした。
ブロックを持ってきて、バイクの下に…
「マフラーの角度が変だな。前はこの辺りを通っていたはず…」
「なぜ?」そう思って、マフラーの取り付け部分を確認した。
エンジン側には問題はなさそうである。
「エンド側か?」マフラーの出口に目をやる…
「なんだこりゃ〜」

  ステーの部分がポッキリと…(T_T)

ステーが折れ、タンデムステップごとスイングアームに干渉しているではないか!
普通のバイクであれば、折れたステーを溶接すれば済むのだが、SRの場合は多分無理である。
ツーリングレポートを読んでもらえれば分かるのだが、「SR=振動=亀裂との戦い」なのである。
折れた部分を溶接しても、あの振動では簡単に折れてしまうだろう。

俺はあきらめた。

今日の本題は「ブレーキディスクの交換」である。
気を取り直し、作業開始。
ラチェットを取り出し、キャリパーを外す。(これを外してないと、ホイールが抜けない)

フロントのアクスルシャフトを抜き、フロントタイヤを外す。


 外したホイールは、古タイヤの上に。   ネジロック付のボルトは、外れにくい。
  (ディスクに傷が付かないように)



ブレーキング社の鋳鉄製(左)と外したディスク(右)

一般的な車両のブレーキディスクは、ステンレス製である。
今回、取り付けたブレーキング社製のディスクは、いわゆる鋳鉄製である。
どこが違うのかというと、ステンレス製のディスクは硬度が高いため、効きにくいというデメリットがある。
しかし、販売する上で「錆びない」というメリットがある。
それでは、鋳鉄製のディスクはどうかというと、ディスクの硬度が低いため、柔らかく効きがいい。
しかし、錆びやすく雨の日に走った次の日には、もう錆びている。
私は見た目よりも、性能を選んだのである。

取り付け作業は、外した時と逆の手順で。

アクスルシャフトを入れる前に、塗ってある汚れたグリースをふき取り、新しいグリースを塗りつける。

近くのDIYショップで買った、一番安いグリス。  こんな風に指に取って、ヌリヌリと(^_^)
(最高級と書いてある。俺は得したのか?)


ブレーキ交換作業を終え、タバコを一服。
何か、バイクの下にぶら下がっている。
手で取ってみると、「サイドスタンド戻し忘れセンサー(こんな名前か?)」が外れている。
片方のボルトが根元から折れ、もう片方が抜けていた。折れたのは、昨年の新潟ツーリングの時か…


        センサーはこんな形

折れたボルトの一部が出ていれば、この工具で外せます。

   工具の革命、「バイスプライヤー」
説明:バイスプライヤーとは、万力とプライヤーの性能を有し、
    一度固定すれば、回すことだけに力を注げる便利物。


折れたネジを外し、工具箱にあった、ステンレス製のボルトに交換。

ブレーキディスク交換作業を終え、ちゃんと走れるようになったSR500くん。


全ての作業を終え、ブレーキの引きずりは無くなり、スムーズにバイクが止まるようになりましたとさ。


 ただ今の速度(きっちり止まれる150km/h) 

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