「ロイドくんには」
「ロイドには」



『内緒だよ?』




内緒で秘密



誰にも誰にも内緒。
二人だけの秘密。
二人だけの時間。

それはどこか儀式にも似ていて、でもそれとは違うコト。

陽が落ちてやがて皆が寝静まり、夜のとばりが落ちる頃はじまる秘め事。
誰にも見つからないよう起こさぬようそっと部屋を抜け出して。
向かう先は貴方の部屋。
旅先で泊まった宿ならどちらかもしくはお互いが個室の時だけ。
貴方のお屋敷なら、貴方の待つ部屋へ。

たまにだけど。
たまにだからより愛しさ溢れて。

部屋のドアをノックしなくてもその向うで待っていてくれる事は分かり切っていて。
鍵も当然掛かっていない。
そっと音を立てないよう開くと待ちかねたように、笑顔で迎えてる。
「こんばんは〜。」
「いらっしゃ〜い。お待ちしておりました。」
誰にも気付かれなかった事を、もう一度確認すると音を立てぬよう扉を閉めて。
鍵ももちろん忘れずに。


そして始まる秘密の時間。
誰にも誰にも内緒だよ?


部屋の明かりを落とし、暖炉の火が薄っすらと辺りを照らすようにして。
広いベッドの上に向かい合って座り込むと、互いの衣服に手を掛けてくすくすと笑い合って脱がせあう。
邪魔になるからベッドの下や端に追いやってしまう。

そうしてまずはお互いを確かめ合うよう、抱きしめあって暫くはそのまま。
生まれたままの、何も隔てるものの無い状態でただ抱きしめて。
サラサラと肌の触れ合う感触はいつでも心地が良い。
今日も無事一日が終わり、互いに、ここにまだいる事を確かめ合う。
温かいか体。
体内を血が絶えず巡っているというコト。
それは生きている事の証明。


頬に触れるとちょっとだけ背伸びをして、額にキスをする。
上から順にこめかみに。
閉じた瞼に。
目元に。
鼻先に。
耳元に。
口元に。
顎に。
頬にも忘れずに。
唇にもそっとキスをして。
目が合って微笑み合うと、今度は貴方から。
同じように上から順に。
唇に触れると後は下へ降りていくのみ。
私も負けじと口付けて。
指先にも。
足の甲にも。
背中にも。
肩にも。
腰にも。
足の付け根にも。

どこもかしこも。
気が済むまで、体の隅々までも触れ合ってキスをして。
髪にも指を絡ませて。
でも跡を残さないのはお約束。
内緒で秘密だから。

「ねぇゼロス」
「なぁにコレットちゃん」
「ううんなんでもない。呼んでみただけ。」
「うん。もっと呼んで?」
「うん。ゼロス」
呼べば呼ぶだけ返ってくるから。
もっともっと呼んで。
私も呼ぶから。
答えるから。
何度だって答えるから。



暖炉の火はそれ程強くはなく、ほのかに温かい程度。
でもその位で調度良い。
隣り合ってぴっとりと肩を寄せ合って座り込むと、上から真っ白いシーツを被る。
独自の安らぎを与えてくれる、揺らぐ炎を眺めながら。
たまに薪もくべたりもして。
ただ静かに流れる時間。
酷く穏やかで満ち足りていて。


「もしかしたら、誰かもう気付いてるかもよ?」
「そうかもねぇ。気付いてるとしたら・・・誰かなぁ?リーガルさん?」
「んん〜案外プレセアちゃんとか、ガキんちょ辺りも気付いてたりして?」
「ロイドとしいなはぜ〜んぜん気付いてなさそうだよぇ。」
「ぐっすり夢の中でしょ〜。特にロイドくんはぁお子様だからね〜。」
「ふふふ・・・そうだねぇ。」
「お肉追っかけ回してるかもよ〜?」
「トマトにはきっと怒られてるよ。」
「ねぇねぇ、気付かれたらどうしよっか〜?」
「えぇ〜別に良いんじゃないかな〜。」
「コレットちゃんが良いなら俺様も良いや〜。」
「その時はロイドも混ぜてあげよっか」
「良いね〜俺様とコレットちゃんで可愛がってあげようねぇ〜」
「うん。いっぱいいっぱい可愛がってあげようねぇ」
「ロイドくんは特別だもんね」
「とくべつとくべつ〜」


でもね、
「ゼロスも。」
「コレットちゃんも。」

『とくべつだもんね。』


内緒で秘密だけど。
気付かれても気にしない。
何を言われたって構わない。
堂々と通う事が出来るもの。
秘密だからより楽しいのもあるんだろうけれど。
とくべつなんだもの。


だから。
やっぱり特別なロイドなら混ぜてあげてもいいっかな?
誰にも内緒だけど。
ロイドを真ん中にして。
ゼロスと私で可愛がってあげる。
いっぱいいっぱい可愛がってあげる。
いっぱいいっぱいキスもしてあげる。

だけれど。
それはロイドがちょっとでも気付いたらのはなし。
少しでも気付いたら、混ぜてあげるね。
教えてなんてあげないんだから。
いつか自分で気付いてね?



気付かない今は。


『内緒で秘密だよ?』



Fin.


してるしてないはご想像にお任せします。が、してないつもりで書いてます。なので18禁とはしませんでした。
二人で素っ裸でシーツ被って微笑み合ってるのが書きたかったのです〜。