ある時僕は
ある時僕は散歩に出かけた。
仕事がいっぱいあり過ぎて疲れたから。
やってもやっても減らない書類の山。一つ解決してもまた新しく増えるいろんな問題。
疲れちゃったよ。
難し過ぎて、いくら勉強しても何冊本を読んでもなかなか理解出来ないことばかり。
でもやらなきゃいけない。
コンコンコン。
なんとなく誰が来たのが予想出来てしまう。
きっとあの人だ。
「失礼します。ユーリどの、先日お渡しした書類なのですがまだですかな?」
ほらやっぱり。
「え・・・あ、ごめんなさいもうちょっと待って欲しいんだけど・・・。」
少し呆れた顔して溜め息を付く。
見慣れちゃった行動パターンの一つ。
「またですか?仕事は山積みになっているのですから。これ以上溜らないうちに処理してしまわないと、のちのち大変な事になりますよ。」
シュウこそまたいつものお決まりの小言じゃないか。
もう飽きたよ。
「はい・・・解ってます。すみません出来るだけ早く上げますから。」
そんな事思っても口には出さない。
作り顔で答えて。
「では、明日の夕刻までにはお願いします。もうこれ以上は延ばすことは出来ませんので宜しくお願いします。」
「解りました。」
もう嫌だ。
もう疲れた。
だから。
散歩に出掛けた。
仕事をさぼった。
なんだかもうどうでも良くなって来ちゃったよ。
何が何だか解らなくなっちゃったよ。
僕と彼しか知らない、いつもの場所。
なぜか今日に限って彼が来ていた。
珍しい。
いつも僕が誘うのに。
「やぁ、君もきたんだね。」
「うん・・・ちょっと疲れちゃってさ。ルックは?」
「別に・・・なんとなくかな。君が来るような気がしてね。」
隣にゴロリと寝転がって、のんびりと他愛のない話をする。
風のような彼。
口調も態度も少し冷たいような感じを受けるけど、決して嫌じゃない。
むしろ心地よい。
午後の穏やかな暖かい日差し。
湖から風が吹いてくる。
眠りに誘う風。
とても心地良くて、優しくてほっとっさせてくれる風。
たまらない安心感。
ずっとこの時間が続けば良いのに。
「うん?眠いんだったら寝れば?」
誰も来ないし。僕も寝るよ。
「・・・そうする・・・。」
閉じ掛けた瞳でふと彼の方を見る。
一足先に眠っていた。
風になびく薄い色の髪が綺麗だった。
この風も、風のような彼も好き。
だからきっと。
その時僕は風になりたいと思ったんだろう。
ノイローゼ気味のユーリ君です。本当は始めはユーリ君一人の話(詩に近し)でしたが、なんとなくキャラを絡ませてみました。シナリオの授業受けてる時に思いついたものでした。