「月明かり」
頬を撫でる風。
新緑甘い香りを含んでいる。
肌寒さを感じて眠りから覚めてしまった。
どうやら窓を閉め忘れてしまったようで、半開きになっていた。
隣を見ると、月明かりにうっすらと照らされたユーリが静かな寝息をたてていた。
穏やかな寝顔。
これだけを見ていると、とても同盟軍のリーダーには見えない。
ごく普通の、どこにでもいる少年。
−自分もこんな感じだったのだろうか。
3年前解放軍のリーダーだった自分も。
「寝てる時は別人のよう・・・か。」
せめて寝ているときだけは、夢の中だけは。
戦いの事など忘れて、解放されたかった。
「自分で選んだ道だったのに情けないなぁ。」
解放されたいだなんて。
そんな我が儘許されるわけがないのに。
我が儘なんて・・・、甘えなんて許さない。許せない。
自分で選んだ事だから。
「情けないよね、テッド・・・。」
テッド・・・。
何も出来なかった。
助けられなかった。
僕はあまりにも無知で無力だった。
親友だったのに。
大好きだったのに。
失うことなど考えたこともなかった。
強くなりたかった。
大切な人を守るため力が欲しかった。
もうあんな思いをするのはまっぴらだ。
誰にも経験させたくない。
だから・・・、今度こそは。
「ユーリ・・・、守るよ君を。」
絶対に。
大切な君を。
「見守ってくれたりしてくれると嬉しいんだけどね、テッド。」
満月を見ながらつぶやく。
ユーリを起こさぬようベットから出ると半開きになっている窓を閉め、ベットに戻るとそっと毛布を掛け直した。
頬にそっと口付けて、自分も瞼を閉じた。
「お休み、ユーリ。」
Fin
これは幻水で一番最初に書いたものです。へたれですね・・・。