●議長(花井温郎さん) それでは、通告順に従って、最初に高倉榮さんの質問を許します。
1番、高倉榮さん。
●1番(高倉 榮さん) それでは、通告に従いまして、通告どおり一般質問をさせていただきたいと思います。
平成18年3月定例会一般質問におきまして、自治基本条例制定について質問させていただきました。村長より、自治基本条例制定を視野に入れ、先行している市町村等から資料を取り寄せ、内部検討を始めていくという旨の答弁をいただきましたが、今現在の進捗状況はいかがになっているでしょうか。また、自治基本条例は情報共有と住民参加の基本理念の総まとめである概念のもと、主役は村民という基本的考えを据え、具体的な施行例を4つ挙げてみたいと思います。
1、住民の皆様へ身近な村長として村民まちづくりトークの開催。村民5人程度でも村長とお話がしたいと要請をすれば、昼夜を問わず村長のあいている時間の限り、希望の場所へ村長が出向き、気軽に懇談会を開く。
2、民の職のプロ、官の職のプロの融合を目指す意見交換として、村民まちづくり講座の開催。官・民の職のプロフェッショナルとして、農業、観光、福祉、教育、財政等々の懇談の実施。担当課長の村民にきちんと説明できるという細部にわたる仕事内容の把握と、村民と一緒に能力向上も果たすという目的も含まれる。
3、村民が、だれでも自由に参加し、意見表明できる公開会議として、村民まちづくり検討会議、これは事業別での開催。まちづくりの重要な事業についてハード・ソフトにかかわらず、白紙の状態から住民に参加していただき、従来型の行政主導の事業計画づくりを脱する。もちろん建築設計はコンペで選考会も公開をし、ガラス張りの事業計画を目指す。子供たちに借金を残さないように、維持管理等運営方法も含めてこの会議で考えていく。
4、住民視点による村政評価のシステムづくりとして、村民まちづくり評価検討委員会の開催。まちづくりの仕事の再編や活性化を図るため、まちづくりの評価を実施する。
ここでいう評価とは、行政が行う政策評価や行政評価を指すのではなく、村民が何らかの形でかかわり合いを持つ、参加するという形の中で村の仕事を点検し、評価するものである。一例では、団体等に毎年支出する補助金等の内容を検証する。委員会は公募制でメンバーを決定し、個々の補助金ごとに各担当者、官・民ともが出席をして、上意下達ではなく納得のいくまで話し合いを行う。その中で非効率な補助金を見直し、未来の弥彦のために効果的な補助金運用のあり方を検討する。すなわち逆説的に言えば、単に削減を目指すものではなく、支援が必要なところには積極的に支援をするというスタンスである。もちろんこれは、広報、ホームページ上でも公開する。また、補助金のみならず行政、住民自治、福祉等々幅広い行政内部のみで行う自己満足であってはならないという評価制度の検討を村民とともに一緒にする等々、住民参加で弥彦の未来を真剣に考え、主役は村民という行政運営を行うというスタンスで、オンリーワンではなくナンバーワンのむらづくりを目指し、自治基本条例の制定が急務とも思える。
前述の具体的な施行例の実施方向も踏まえ、今現在の村長のお考えをお伺いしたいと思います。
●議長(花井温郎さん) 村長。
●村長(大谷良孝さん) 高倉議員のご質問にお答えを申し上げます。
ご質問の自治基本条例の制定に向けての進捗状況についてでございます。
平成12年4月に施行されました地方分権一括法の施行により、国と地方は対等・平等の関係に位置づけられ、地方自治体が住民に対して地域の総合行政を進めていくことが明確になり、その役割と責務が増大したところでございます。また、本年7月には、経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006において、自治体における更なる歳出抑制のための行財政改革の断行、人件費の抑制などが求められております。
このような状況下において、本村の自立を確立していくためには、自治体の憲法である自治基本条例の策定が必要であると認識しておりますことから、3月定例会の議員のご質問に対する答弁の中で、自立のための5施策の実行を確かなものとした上で、本年度後半から策定に向けた作業を開始いたしたいと申し上げたところでございます。
自治体の基本法とすべく自治基本条例を策定する自治体が昨今ふえていることは承知しておりますし、県内では現在、新潟市と上越市が合併を契機として、平成19年度での策定を目指し作業を進めておるようでございますが、いずれの基本条例も行政運営の透明化、行政責任の明確化、住民参加の3点を掲げており、策定に際しましては、住民の意見を幅広く反映させているようでございます。
県外で既に策定済みの市町村の条例、また、現在策定作業を進めている市町村における策定体制、作業のプロセス等につきましては、インターネットや自治体情報誌等を通じて資料の収集を行い、これらを参考としながら、早々に庁内にプロジェクトチームを立ち上げるよう指示したところでございます。
条例の制定に当たりましては、弥彦村における住民自治の基本理念や自治体経営の基本原則を盛り込むとともに、村民の皆様による主体的なまちづくりのための住民参画の考え方などを定めたいと考えておりますとともに、村民の皆さんのご意見を幅広く反映させたいものと考えております。
そのようなことから、本年度中での素案の作成を行い、19年度において議会各位を初め村民皆様のご意見をお聞きする期間をいただき、平成20年初頭での制定を念頭に置きまして、作業を進めてさせていただきたいと考えております。
自治基本条例の策定に当たりましては、ただいまの高倉議員の具体的な施策提案の取り入れについても十分検討させていただきたいと考えておりますことから、議員からもご理解とご協力をいただけますようにお願いを申し上げまして、ご答弁とさせていただきます。
●議長(花井温郎さん) 高倉議員。
●1番(高倉 榮さん) 今ほどの村長のご答弁から、本年度中に素案を作成の方向で、平成20年目標で制定していこうという強い決意のご答弁をいただいたことに対して、非常にうれしく思っている次第でございます。
ちょっとまた、ここで何点か質問をさせていただきたい。主役は村民という概念から、ちょっと何点か、また村長にご質問をお伺いしたいと思っている次第ではございますけれども、昨今やはり、地元のローカルなニーズは地元の地域でなければ把握もできませんし、調整もできない。各地域が自主的に将来像を描き出し、それを下から積み上げていった先に、やはりこの村の形、そしてひいては国家像が見えてくるのではないかと思っています。中央で幾ら有識者を集めて、よい議論をしても、本物のこの日本国の形や国家戦略は見えてこないのではないかとも確信をしております。夢も現実もすべては要するに、現場地域、この弥彦村に住んでいる住民の声が大切であって、その住民の声を反映していかない、反映しようとする、そこがこれからの行政に大切なのではないかと私は確信をしております。
戦後間もない何もない時代には、全国一律に同一サービスを提供することが望まれたということも事実ではありますが、それが効果的な時代でもありました。ところが、今は各地の事情も大きく異なり、更に言えば、個々人の生活洋式も大変違ってまいりました。これまでと発想を180度転換し、行政が住民側の立場に立って、今の行政サービスは本当に必要か、既得権益者本位になっていないか等、行政サービス自体の提供を地域単位での見直しを行わなければならないという時期に来ているようにも思えますが、今現在の村長のお考えをお伺いしたいと思います。
●議長(花井温郎さん) 村長。
●村長(大谷良孝さん) 行政サービスの地域単位での見直しということでございまして、具体的にどういうことを念頭に置かれてご発言になっているのかというところもちょっと理解しかねますが、当弥彦村のような小さなエリアの中に存在している自治体でございますので、地域間格差というものは当然あってはいけないことでございますし、弥彦村全域を同じようなやはり水準でもって開発もそうですし、行政サービスについても行っていくということが大変重要なことでありますし、それが唯一できる村であるなと、こういうふうに理解しておりますので、もし地域間格差等があるようであれば、これは是非見直して是正をしていかなければなりませんが、是非また私どもも住民の皆さん方の意向をきめ細かく聴取できるような、そういう体制も更に進めてまいりますが、議員からも是非ご提言があればお願いをいたしたいなと、こう思うところでございます。
●議長(花井温郎さん) 高倉榮議員。
●1番(高倉 榮さん) ありがとうございました。
住民のご意見を地域の思い思いというものが、弥彦村はやはり観光の村であり、農業の村であり、そして普通に住まれている方、サラリーマンの世帯、いろいろな業種、生活様式が180度違うような人たちが混在している村だというのも事実であります。
今ほど村長が、住民のご意見を隅々まで聞きながら同じ水準、行政サービスをこの弥彦村において行っていこうというご答弁をいただきましたので、それにるる近づいていっていただきたいと思っておりますし、今ほど私が申し上げました、この弥彦村は皆さん同じ村民ではあるけれども、大なり小なり地域環境や生活様式、そして生き方、商売、方法等々が違っているというところの認識の中で、少しでも私は地域間格差という大げさなものはないとは信じておりますけれども、やはり同じ価値観の中でこの弥彦村を一つの方向に持っていっていただきたいなと思っている次第でございます。
続きまして、私は役場は知恵の宝庫と認識しております。もちろん村長も筆頭に担当課長、それから、役場職員は知恵の宝庫であると私は認識しております。職員の意見に耳を傾けて、謙虚に行動し、かつ決断する勇気を持って村政を運営し、役場内の人的資源の能力を引き出すことを優先して、職員みずからが村民への奉仕者としての自覚と村民の視点に立って考え、村民とともに行動するスタンス、すなわち村民と役場職員ともに汗をかく行政運営を目指し「民感役場」、「民感役場」というものを漢字で記しますと、民は民間の民です。感は、その民間を感じると、感じるという役場を目指していくことが重要であるのではないかと私は思えます。
今後、行政運営をしていく上で、やはり村民と役場、村長を筆頭とする役場職員とともに汗をかき、そして、この役場が「民感役場」という感覚になってこの村を運営していくが望まれると私は信じておりますけれども、村長は今現在どのようにお考えになっているかお聞かせいただきたいと思います。
●議長(花井温郎さん) 村長。
●村長(大谷良孝さん) おっしゃるとおり、私も同様な意見を持っております。5つの柱の第1番目が、行財政改革の断行ということでございまして、村長就任以来、人件費等も含め抜本的に見直しをして、今、ここに至っている訳でございまして、正規職員は95名ということに今、なっておりますが、現場の保育士、用務員、保健師等、そういうものを除いて本当に純粋な意味での行政事務職というのは、もう60名を切っております。そういった意味では、人口8,600人に対しまして、かなり絞られた職員の体制になってきているなということが感じられますが、私は常々、更に人件費の削減についてももう1億円くらいは人件費の削減をしなければならんだろうということで申し上げているところでございます。
と申しますと、今、高倉議員も言われましたが、いわゆる職員の質を上げ、そして、日々の業務に当たっていただかなければ住民の期待にこたえることができない訳でございます。そういったことを勘案しますと、今現在の役場の職員の働きぶりをつぶさに見ておりますと、以前から比べまして、これはもうやる以外にない訳でございますが、一人一人の自覚が大変上がってきたなと、このように思っておりますし、常に各課長を通じて職員の資質向上を図るように、一つ一つ、一人一人の職員の特性を生かして、そういうアドバイスもしながら実効を上げるようにということを毎月課長会議でも言っている訳でございますが、今、言われるように、本当の意味での住民のサイドに立った、そういった行政をしていく上にも、更に職員の資質の向上を高める以外に今後の弥彦村の行く末はない訳でございますから、是非住民の皆様方と一緒になって職員が汗をかくように、そういう役場になるように、私も含めまして一生懸命頑張っていきたいなと考えております。
●議長(花井温郎さん) 高倉議員。
●1番(高倉 榮さん) ひとつ職員と住民とともに汗をかくと、「民感役場」を目指してこの弥彦村を運営していっていただきたいなと思っている次第でございます。
それでは、最後になりますけれども、あくまで主役は村民というような概念の中で、最後の質問とさせていただきたいと思っておりますが、行政と住民がやはりパートナーシップとコラボレーションの連携を築き、住民視点の行政運営で新たな価値を創造しながら、私は意識改革より、意識改革から行動を変えるより、行動改革によって意識を変えていくことが有効であるという持論がございます。もちろん語ること少なく、行うこと多く、行政からのトップダウンの村政ではなく、住民からのボトムアップによる村政を目指し、常に住民とともにある。住民の声に熱心に耳を傾け、新しいことに挑戦し続ける弥彦村として、私は先ほどもオンリーワンのむらづくりではなく、ナンバーワンのむらづくりというようなところを村長にもご提言させていただいたんですが、全国区への行政へと弥彦村が、この弥彦村が躍進を、全国区への行政へと躍進を願うところではありますが、村長のお考えはいかに。お聞きしたいと思います。
●議長(花井温郎さん) 村長。
●村長(大谷良孝さん) 高倉議員の言わんとしているところは、私も十分に承知しております。しかし、今、弥彦村が自立のための5つの柱をきちっと立ち上げている最中でございます。私は、これがきちっと立ち上がっていけば、黙っていても県内はもとより全国から注目される村になるであろうということは間違いないものと、そういうふうに思っておりますが、これはすべて何もそうですが、言っているだけではだめなのであって、あくまでも実績を一つ一つ積み重ねて、それを示していくと、これ以外にない訳です。ですから、幾ら口でいいことを言っていても住民の皆さんは信用はされないと思います。一つ一つ言ったことを実行に移して、それをもとにして、更に住民との意識を共有する中で行政運営をしていくと、そして、住民の皆様方からも村がよくなるために一生懸命頑張っていただくと、こういう姿勢でいかなければならんと思います。その結果が、全国に誇れる我が弥彦村ということになれば、これが一番いい訳でございますので、私は地道にそういう行動をとり、実績を積み上げながら住民の皆様方の期待にこたえるような、そういう行政運営をしていきたいなと考えております。どうか高倉議員からも、これから将来を担っていく、まだ若い世代である訳でございますから、是非一生懸命議員の方からも頑張っていただきたいなと、このように考えております。
●1番(高倉 榮さん) 以上で終わります。
●議長(花井温郎さん) 以上で高倉榮さんの質問を終わります。
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