●議長(花井温郎さん)
次に、高倉榮さんの質問を許します。
1番、高倉榮さん。
●1番(高倉榮さん)
このたび私の選挙の公約でもありました新しい次代の子供たちのために、そして今後の少子化対策について、その2点についてお聞きいたしたい次第でございます。
まず初めに、新しい次代の子供たちのためにという質問ではございますが、我が国が世界有数の経済的な豊かさを達成してきた過程において、国民の価値観の多様化が進行してきている。また、国民の間には自信喪失感や夢や希望を抱けない閉塞感も生じている現代、フリーターの増大の背景には、勤労に対する意識の低下があるのではないでしょうか。倫理観や社会的使命感の喪失があり、国民全体のモラルの低下を加速させている現実の中で、世代を超えての価値を共有ができなくなる傾向が見られるのも事実の一つではないのでしょうか。
日本人本来の伝統、文化と使命感を再認識しつつ、これからの時代の大きな潮流を踏まえた中で、21世紀の我が国、我が村を担う子供たちに必要な資質とは何か。今後どのような子供たちの育成をすべきかという観点から、今、弥彦村として新しい次代の子供たちのために何ができるのかという基本的な考え方と展望をお聞かせいただきたく思う次第でございます。
その次に、第2点でございますが、今後の少子化対策について。
近年の子供の出生率は晩婚化、子供を産み育てることに対する意識の変化が要因で低下の一途をたどり、人口を維持するために必要な水準を大幅に下回っているようにも思われます。こうした急速な少子化は労働力人口の減少や高齢者比率の上昇や市場規模の縮小、現役世代の負担の増大等を突出して、経済成長へのマイナス効果や地域社会の活力の低下及び子供の健全な成長への悪影響等の要因として、将来の弥彦、そして我が国の社会経済に広く深刻な影響を与えることが懸念されることを踏まえた中で、これからの弥彦村の少子化対策にっいてお聞かせいただきたいと思う次第で、上記2点について思う次第でございますが、恐らくそれなりのご答弁を用意してあるとは思いますが、無理にとは申しませんのですが、新しい次代の子供たちのためにという質問に対しては、非常にグローバルで大きいフィールドな質問をいたして、非常に抽象的な質問なのではございますが、できれば子供たちのぼくちゃんたちは明るいんだ、生まれてくる赤ちゃんに対しても、これから明るい未来に向かって何ができるか。できれば子育て支援センターとか、心の教育云々という話ではなく、大きい広い意味で明るい未来に向かって夢、力、希望というような言葉を使っていただいて、非常に抽象的な言葉ではございますけれども、そういう答弁をしていただければなと思います。
また、少子化対策につきましては、具体的な施策というような形で答弁をしていただければなと思う次第でございます。よろしくお願いいたします。
●議長(花井温郎さん)
村長。
●村長(大谷良孝さん)
高倉議員のご質問にお答えをさせていただきます。
最初に、私の方から2点目の今後の少子化対策についてということでご答弁をさせていただきます。
1点目にづきましては、教育長の方より答弁をしていただきたいと思っております。
議員ご指摘のように、現在我が国では急速に少子化が進んでおり、その要因、背景そのものが結婚、育児、家庭、地域、学校、職場など私たち一人一人の考え方や生活に深くかかわっているだけでなく、そのことにより広く社会経済、国民生活に深く影響を及ぼすことが懸念されております。
要因の一つとして上げられる出生者数、出生率については、昭和46年から49年の第2次ベビーブーム以降ほぼ一貫して低下しており、合計特殊出生率を見ても昭和48年の2.14人が、平成13年には1.33人まで落ち込んでいる状況にありますし、また、ついこの間の6月5日、厚生労働省発表によれば1.32人と史上最低を記録したとの報道がなされました。これらの傾向はまた、晩婚化の進行による未婚率の上昇が近年の出生率の低下の主たる要因となっており、20歳代後半の女性の未婚率は平成2年から平成12年の10年間に4割から5割を超えるまでに上昇し、平均初婚年齢も昭和47年の夫26.7歳、妻24.2歳から一貫して上昇を続け、平成13年には夫29.0歳、妻27.2歳となり、夫婦とも晩婚化が進行の傾向にございます。
すなわち、出生率低下の要因や晩婚化の進行等による未婚率の上昇を仕事と子育て両立の負担感増大としてとらえ、こうした負担感を緩和・除去し、安心して子育てができるようなさまざまな環境整備を進め、家庭や子育てに夢や希望を持つことができるような社会づくりに努めなければならないのは私のみならず、議員ご自身も深くご理解されているものと認識している次第でございます。
つまり、国レベルでは平成7年度から5カ年計画で策定された緊急保育対策等5カ年事業の策定、いわゆるエンゼルプランであり、現在はそれを見直し、引き続いて5カ年計画で策定された少子化対策推進基本方針、すなわち新エンゼルプランの策定であります。その内容は、保育サービス、保育環境の充実、育児休業給付の改善を含む雇用環境の整備、教育に伴う経済的負担の軽減を含む教育関係施策や住まいづくりやまちづくりなど、以前とは違って関係6省庁で合意された総合的プランとなっております。このような状況を踏まえ、今後弥彦村でも積極的かつ緊急的に少子化対策に取り組んでまいる所存でありますし、その一つとして、さきの3月定例会でお話をさせていただいた村内4保育園を120定員の3園体制へ移行することも少子化対策の最重要課題の一つと認識いたしているところでございます。
なお、この問題につきましては、後ほどの鈴木議員、山岸議員からご質問をいただいておりますので詳しくは控えさせていただきますが、若い世代に対して安心して子育ての応援ができるような施設整備の充実を基本とし、延長保育や一時保育、ゼロ歳児からの未満児保育など特別保育事業の完全実施、地域子育て支援センター事業の拠点としての機能も持ち合わせた内容の保育施設整備の実現が急務とされていることをこの機会にご理解いただければ幸いかと思う次第でございます。
とにかく合併を目前に控え、少子化の波は衰えることなく推し進んできておりますが、前段で申し上げました出生率、晩婚化率の解消が図られれば、少子化対策のほとんどが解決できると言っても過言ではございません。
それでは、その受け皿をどうつくっていくのか。次代を担う子供たちが心身ともに健やかに育つことができる地域づくりをどのように構築すればよいのか、更には若者が定住し、魅力あるまちづくりをどのように目指せばよいのかというさまざまな問題と直面する訳でございますが、その対策として、何か一つをやればよいというのではなく、雇用環境の整備や安心して子供を産み育てられる家庭や地域の環境づくり、子供が夢を持って伸び伸びと生活できる教育環境、多様な需要に対応した保育サービスの整備など、広範囲にわたっての総合的な対策こそが今行政に求められている何物でもないと確信をいたしているところでございます。
私のみならず、議員の皆さんの中にも村づくりは人づくりからという理念をお持ちの方が多くおられますが、地域社会全体の責任として今の少子化対策に真剣に取り組んでいく決意を述べさせていただきまして、私のご答弁とさせていただきます。
●議長(花井温郎さん)
高倉さん、再質問ありますか。
教育長。
●教育長(五十嵐敬吾さん)
日本古来の伝統文化を大切にし、激動する社会の変化に応じて村として次代を担う子供たちのために何ができるか、その基本的な考え方と展望をというご質問でございますが、ちょっと格式の高いご答弁になるかどうかは別といたしまして、これからちょっとその点についてお答えを申し上げたいと思います。
現在、不況の長期化に伴いまして国と地方の財政状況の悪化が進む中で、雇用対策、少子・高齢化、市町村の合併など課題が山積みをいたしまして、教育を含めてあらゆる分野で将来を見通した抜本的な改革が求められているところでございます。
そうした情勢を踏まえまして、国では昨年8月に今後の教育行政の指針として「新しい時代を切り開くたくましい日本人の育成」を目指した「人間力戦略プラン」を新たに提唱をしております。それによりますと、どういう人間を育てればいいかということがここに非常に明確に出ておりますので申し上げたいと思いますが、一つはみずから考え、行動するたくましい日本人の育成でございます。それから、もう一つは世界をリードできるトップレベルの人材の育成でございます。日本は資源を持たない国でございますので、人間の頭脳だけが大変な資源になっているというところから、そういう人材の育成が必要であると。それから3番目といたしまして、日本伝統の文化と社会を継承・創造できる日本人の育成、そして4番目といたしまして、国際社会を生きる教養ある日本人の育成という、この4点を掲げているのでございます。
私どもといたしましては、全く基本的な理念としては同感するところでございます。このような基本理念を達成するために、それでは弥彦村の子供たちのために行政として何ができるかということになるわけでございますが、次の点に力点を置いて進めていかれればいいかというふうに考えているところでございます。
まず第1は、基礎・基本の徹底やみずから考える力の育成を図るための学校教育環境を充実させるということでございます。第2は、倫理観や公共心と思いやりの心など、夢のある豊かな心を育てるために、学校・家庭・地域・行政が協力して心の教育推進事業を一層深化拡充を図っていくということでございます。この2点につきましては、学校教育、それから心の教育推進ということで現在も力を入れているところでございますので、こういう面を更に拡充し、深化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
そして更に、これは非常に次元の高いことになる訳でございますが、第3といたしまして、新しい時代を生きる日本人として活躍できるために、国際社会でちゃんとやっていける、そういう人材を養う必要があるのではないかと思つております。それが非常に大きなこれからの課題になってくるのではないかと思います。
そのために、じゃどういうことに力を入れていけばいいのかということでございますが、一つの例を例えれば、そういう国際社会の中で生きていける力を発揮できる人間ということから考えますと、例えば小さいときから英語に親しめるような、そういう子供を育てるということも一つの方法でございましょう。一方また、逆に正しい日本語、それがきちんと使える子供、あるいは日本の伝統的な文化や歴史を正しく理解し、大切にしていける子供、そういう土台がありませんと、ただ単に英語の力がついたから、英語がしゃべれるからというだけでは国際人としては育っていけないのではないかと考えている訳でございます。そういう意味で、私としては正しい日本語、それがきちんと理解でき、日本の伝統的な文化をきちんとやはり身につけた、そして日本はこんなにいい国なんだという、まず自分の国を誇ることのできる、自慢することのできる子供を育てる必要があるというふうに考えております。むしろそういう面を重視し、その上で英語とか外国語などを身につけて国際社会に進出していける、そういうものをつくっていく必要があるなということを痛感しているところでありますし、また私どものごれからの課題と受けとめているところでございます。
町村合併の話が先刻来出ておりますが、実は今までの行政の調整事項の中にも、例えば中学生の海外研修事業等は町村合併後も、各新しい市の中でも引き継いで、全中学校を対象にしてやっていこうというような調整事項は一つ話し合われているようなこともありますので、そういうものをとらえながらこれからもやっていかなければならないと思っております。もし中学生等が海外に出ていく、ホームステイ等をするということであれぱ、なおさら今の日本、正しい意味での日本の理解、日本語の理解、そういうものを土台にして海外に出ていっていい体験をしてもらいたいなというような希望的観測も持っている訳でございますけれども、そういうことでご答弁にかえさせていただきたいと思います。
●議長(花井温郎さん)
高倉議員。
非常に話が抽象的になって、教育長の話が文部大臣答弁のような感じもするものですから、まず村長のお答えに対する質問をまず行っていただき、その決まりをつけてから教育長の方の答弁に移りたいと思います。先に村長に対する再質問。
●1番(高倉榮さん)
現実的に出生率、先ほど村長も述べられましたように1.32を、要するに第3子、第4子が生まれてこないという現実があると。その施策について、村としてはどのようなお考えをお持ちかというような。
●議長(花井温郎さん)
村長。
●村長(大谷良孝さん)
先ほどお答えを申し上げておりますが、これはやはり結婚された方が子供を安心して産み育てることができる環境づくりをするということがその一つでございまして、私といたしましては、今でき得ることの一つとして新しい統合した保育園を建設いたしまして、新しい保育施設を、またサービスも充実したものとなるようにして支援をしていきたいなと、こういうふうに考えている訳でございます。何といっても子供を産んでいただくのは女性の方でございますので、女性の方が本当に安心して子供を産んで、また育て、そしてまた勤労意欲のある方は一生懸命また働くことのできる、そういう環境づくりというものを行政が一生懸命になってやはり今後整備していかなけばならないと、こういうふうに思っている訳でございます。
●議長(花井温郎さん)
村長に対する再々質問がありましたらどうぞ。
●1番(高倉榮さん)
できれば私の私見ではあるのですが、100歳の老人に対するお祝い金という制度がありまして、今現在村でもその条例は生きていると思うんですが、できれば第3子、第1子、第2子に関してはおおむね平均ではありますが、第3子、第4子の産ませる施策の原動力の一つの中に、赤ちゃん誕生の祝い金というような部分もお含みおきいただきたいというのが私の要望でございます。これは10万とか20万なんていう金額は発言いたしません。3万円とか5万円とか、お気持ちでいいとは思います。その金額のあれに関しては、また出たところであれなんでしょうが、そういう具体的な老人のお祝い金もある、赤ちゃん誕生のお祝い金もある、赤ちゃんから老人まで優しい村政というようなことで取り組んでいっていただければなと、私の気持ちの中で思う次第でございます。
●議長(花井温郎さん)
村長。
●村長(大谷良孝さん)
老人ばかりでなく、子供さんにもというお考えでございますが、それも大変有効なお考えの一つであろうかと思いますが、それは今後、本当にそういう祝い金等なものがよろしいのか、私がさっきから申し上げているような保育施設並びにサーピスを充実する方がよいのか、これは両方できれば一番いい訳でございますが、そこら辺は真剣に今後考えさせていただきたいと思います。
●議長(花井温郎さん)
村長に対する質問はこれで終わりますか。
●1番(高倉榮さん)
以上でございます。
●議長(花井温郎さん)
では、次には教育長に対する再質問。
●1番(高倉榮さん)
再質問はないのですが、先ほど文部大臣並みの答弁をいただきましてありがとうございました。地域行政の一体化、魅力あるまちづくり、総合的なプランニングというような中から、先ほども西澤議員の質問にもあったように、学力の低下の問題であるとか、伝統文化、自分の国を誇るために何が必要か、それは先ほど本間議員からも発言があったように、村史を発刊していけば、それはいいのではないか、いろいろな施策がある中で総合的なプランニング、魅力あるまちづくりができると私も考えております。細かい部分の中では、今後の議会の中でもんでいかなければならないことが多々にあるとは思うのですが、第1の目標として魅力あるまちづくり、総合的なプランニングの町、地域、行政の一体化というようなことを念頭に置いて頑張っていただきたいと思います。
最後に、1分だけお時間をいただいて、ちょっとどうしても聞いていただきたいものがございまして。と言いますのは、実は観光協会がホームページを持っておりまして、そこへ送られてきたメールでございます。村を運営している皆様がそろっているところで是非披露したいという気持ちがあるので、1分だけでよろしいのでどうか聞いていただきたいと思います。
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弥彦で生まれて弥彦で育った大学生です。私は昔から緑がいっばいあるところや近所づきあいが濃い弥彦が大好きでした。今は進学のために弥彦から離れてしまったのですが、離れて暮らしてみて今まで以上に弥彦が好きになりました。何かの問題にぶち当たったとき、ああ弥彦のおいしい空気が吸いたいなと思っております。幼いころから悩んだり、行き詰まったりしたときは、一人で公園や田んぼに座って空気を吸っているだけでいろいろなことを乗り越えられました。また、友達と思い切り遊んで乗り越えたりもしました。大学を卒業したら必ず弥彦に帰ってきて、弥彦村に就職したいと思っております。そのころまで弥彦の緑を大切に、昔から変わらないような弥彦でいてください。弥彦村は大大大好きです。またメールします。
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というようなメールが送られてまいりました。これは子供ではないですが、このようなお人が一人でもふえるような、明るい期待にこたえられるような村政づぐりを一丸となって頑張っていきたいと、私は思う次第でございます。
以上、私の一般質問を終わりにさせていただきたいと思います。
●議長(花井温郎さん)
これに対する答弁は要りませんか。
教育長。
●教育長(五十嵐敬吾さん)
大変いいメールだと思います。実は、よそから弥彦に来られた方が本当に弥彦はいいところだと、ここに住みたいということ。例えばこの前の町村合併の説明会でも感じたんですけれども、吉田に近い地域の方がむしろ吉田にみんな行きたくなるんじゃないかというようなご発言があるかと思っていたら、逆に弥彦は本当にいいところなんだと、ここにもうずっといたいんだというような発言をしておられた方もありましたので、私どもとしては何とかしてやはりこの弥彦のよさをこれからも残し、子供たちにもよさを伝えていきたいと、そんなふうに考えているところでございます。
●議長(花井温郎さん)
以上で、高倉榮さんの質問を終わります。
ここで、お昼の休憩に入ります。
再開を1時15分といたします。
(午後0時09分) |