平成17年第1回弥彦村議会3月定例会
3月22日(火) 一般質問

●議長(花井温郎さん) 通告順に従って、最初に高倉榮さんの質問を許します。
  1番、高倉榮さん。

●1番(高倉 榮さん) それでは、通告に従いまして一般質問を始めさせていただきたいと思います。
  弥彦温泉郷の地図を塗りかえよA、滞在型観光交流空間のまちづくりを目指してでございます。
  それでは、初めさせていただきます。
  12月議会の一般質問において、弥彦温泉郷の地図を塗りかえ、これからの弥彦観光を考えたとき、観光客が歩くということに着眼することの重要性と必要性を訴えさせていただきましたが、今回は滞在型観光交流空間の温泉郷を目指すまちづくりについて、通告書のとおり質問いたします。
  昨今の観光ニーズの多様化の流れの中で、観光客の観点から訪問型観光から滞在型観光へ移行しつつあるのは事実である。今後の旅行動向は、外国人旅行者・日本人旅行者ともに団体による点の観光から、個人・家族・小グループの旅行者による滞在型や体験型や参加型等々さまざまな旅行形態となっていくことが予想される。このような旅行形態に対応するためには、面的な広がりや重層的な魅力を持ち、一度訪れたら滞在したくなり、もう一度訪れたくなるような魅力あふれる観光まちづくりの必要性があるのではないか。一過性ではない観光を実現するためには、観光のあり方が点から線、線から面へ広がっていかなければならない。地理的に宿から町へと観光の対象を拡大させ、時間的に通過するだけの観光から宿泊へ、単泊から連泊へというまちづくりの仕掛けが大切なのではないか。宿泊が1日から2日に増加することにより、単純に市場規模は2倍に拡大するという事実は常に念頭に置くべきである。しかし、観光客ニーズの求めるサービスに対応した幅広い宿泊料金の設定も必要不可欠と考える。
  これからの弥彦観光業を考えたとき、弥彦観光は通過型として常に問題とされるのは周知の事実である。観光客と直接関係する観光産業はもちろん、観光以外の波及効果を含めた中での弥彦村全体での相乗効果を期待できるのは当然の考え方として、滞在型観光交流空間のまちづくりを目指すことを提唱する。
  弥彦においての滞在型観光交流空間とは、新たな観光資源の整備の促進活用と既存観光資源の整備の促進活用との相互リンクの中で創造を図ることが最も重要であると私は考えます。新たな観光資源の整備の促進活用としては、駅から神社まで歩き、その間に温泉掘削の波及効果としての弥彦公園内での足湯、外湯の建設及び伝統文化継承のあかしとしての燈篭会館の建設等は先回の議会に述べさせていただいたとおり基本的考え方ではありますが、既存観光資源の整備の促進活用としては、弥彦の歴史・文化・伝統を踏まえた上で、当該地域の魅力がすべての観光客層にも受け入れられるというマーケットニーズを的確に把握した上で、これまでの見る観光に加えて体験する観光にも対応したアピールが弥彦においては可能とも考える。農家や資源環境を舞台として体験型・参加型の朝市や、弥彦の自然を満喫する健康サイクリング等々、弥彦観光の魅力を最大限に引き出し、活用するエコツーリズム、グリーン・ツーリズムを振興する戦略等々を検討した中での観光魅力の差別化・高付加価値化を図ることが大切であるとも考える。特色のある多様な現在存在する観光素材をいま一度再発見し、新たな視点からの見直しと組み立てによる既存観光資源の整備の促進活用への展開がこれからの弥彦観光を考える上で最重要と認識する。
  現在存在する観光素材の弥彦における健康基本原子とは、城山森林公園であると確信する。城山森林公園は、「森林浴の森」全国100選地にも選ばれた20?の森である。近隣には越後文化発祥地の地・弥彦のシンボル的存在、弥彦総合文化会館も存在し、10名以上で予約すれば季節の星座をプラネタリウムで鑑賞することもできる。また、3カ月に一度のペースで展示がえをして、新潟県美術家連盟所属作家の秀作が展示され、日々の喧騒を忘れることのできる森の中の小さな美術館・弥彦の丘美術館、そして美しい人工芝が4面・更衣室・シャワールーム・ナイター設備を備えたテニスコート等々、城山森林公園近郊には文化・スポーツ・レジャーとさまざまな要素を兼ね備えた観光原子が存在すると確信する。
  弥彦神社参拝後は、参道杉並木を通り、婆々杉を見学し、城山近隣公園での前述の散策、ピクニック、そして弥彦総合文化会館からレンタサイクルを借りての村内各所の地跡めぐりと体験観光等々。村内各所広範囲に散策となれば、電動自転車等の採用も必要性があると考えられる。
  これらすべてを弥彦観光の中に組み込むことこそ滞在型観光交流空間のまちづくりが完成すると確信する。既存観光資源の整備の促進活用において、まさに城山森林公園再開発は、これからの滞在型弥彦観光にとって最重要課題である。
  弥彦村ホームページ・歴史に関する伝説「黒鳥兵衛の乱とカンジキ」の中にも示されているように、その昔は春から秋にかけて桔梗の花が咲き乱れていたという過去の事実を現代の現実にできるかという希望的な考え等々、その他多々の問題、水等も存在すると聞いている。しかし、今こそ厳しい観光競争の中で弥彦観光が勝ち抜き、勝ち組みに残るためには滞在型観光地への変革が急務であり、滞在型観光地づくりに向けた取り組みを官民の連携を強化した中で展開していかなければならないのではないか。観光型まちづくりとは、まちづくりの基本と地域起こしそのものである。そこに住んでいる人々が誇りを持てない町には、どんなに有名な旅館・ホテルがあろうと、観光客は一度しか来ないものである。ふるさとの史跡、文化財あるいは生活習慣に関心を持ち、地域帰属、連帯意識を高め、ふるさとに誇りと愛着を持ち、積極的な交流が行える地域活動こそ行政レベルで、民間レベルで同等な思い、考え方を軸として実行することが切に大切であると確信する。今こそ温故知新、古きを訪ねて新しき(知識)を知るの精神で知恵を出し合い、古きよきものを再利用・再発見の精神で滞在型観光交流空間の弥彦観光を目指し、城山森林公園再開発を切に希望するが、現在の村長のお考えをお伺いしたい。
  以上でございます。

●議長(花井温郎さん) 村長。

●村長(大谷良孝さん) 高倉議員のご質問にお答えを申し上げます。
  ご質問の弥彦温泉郷の地図の塗りかえにおける滞在型観光交流空間のまちづくりを目指してということでございますが、議員からは12月議会におきましても観光に対するご質問をいただき、ご答弁を申し上げさせていただいたところでございますが、議員の観光に対するご提言は私も十分理解いたすところでございます。
  議員が申されるとおり、近年の観光ニーズは多様化とともに、旅行形態もこれまでの団体型から個人・グループ型へと変化してきており、今後は豊かな観光資源を活用する中で、菊まつりや燈篭まつり等各イベントへの参加型と村内の伝統工芸・文化・農業と結びつけた体験型観光の掘り起こしを行うなど、少しでも長く弥彦村に滞在してもらうための魅力ある滞在型観光地づくりの体制整備の確立が必要と考えております。
  本村は、歴史・文化、豊かな自然、温泉と観光資源に恵まれた県内屈指の観光地であり、とりわけ議員ご提言の新たな観光資源の整備活用と既存観光資源の整備活用をリンクさせた中での滞在型観光交流空間のまちづくりの提唱は、今後新たな発想と弥彦村の特色を十分生かした中での観光地としての展開を図っていく上で大切なことでありますし、観光事業全体の発展につながるものと認識いたしております。
  城山森林公園の再開発についてのご質問でありますが、城山森林公園につきましては、県の生活環境保全事業として昭和57年から昭和59年までの3カ年事業として、事業費1億1,336万円、総面積17.22haで整備されたものであります。また、森林公園は議員が申されるとおり「森林浴の森」全国100選にも選ばれ、周辺には文化会館、美術館、テニスコート、蛍の生育地など文化・スポーツ・レジャー、そして自然環境にも恵まれた数多くの観光資源を持った大人から子供まで幅広く自然を満喫できる森林公園であります。しかし、現状は松くい虫被害等による立ち枯れや台風等による倒木も数多く、また、施設の老朽化など整備が必要な状況でございます。現在、シルバー人材センターに管理を委託し対応しておりますが、今後につきましては早急に対応が必要な箇所を優先に遊歩道の補修や倒木等の処理、在来植物の保全を含め樹木や花の植栽など関連施設の再整備を計画的に行い、公園を訪れる観光客と野生の動植物が生息する空間を確保し、人と自然が共生可能な公園として再生が可能であるか、新潟県ビオトープ協会等関係機関の診断を仰ぐなど、滞在型観光地づくりの起点となるべく公園施設の再生に向けた整備につきまして、検討いたしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げまして、ご答弁とさせていただきます。

●議長(花井温郎さん) 高倉議員。

●1番(高倉 榮さん) 今ほどのご答弁にて理解いたしましたし、今後も是非とも、人と自然が共生できると村長も今おっしゃられたんですけれども、それはやはりキーワードになってくるのではないかと私も思いますし、人と自然との共生ができる観光地づくり、そして滞在型というようなことをすべてひっくるめた中での弥彦観光が私は勝ち残る、生き残るすべがあるのではないかと確信しておりますので、財政状況の取り巻く環境もあるとは思うんですが、城山森林公園等々、先ほど計画を立ててとおっしゃられましたが、できる限り計画を立てて再開発を願う次第でございます。
  関連ですけれども、折しも昨日、78万の新生新潟市ができました。私は数日前、他の町村の方等々とお話しする機会があって、いろいろお話をさせていただきました。その中で今だから言うんだけれどもというようなお話の中で、みんながやはり政令指定都市を目指して新潟市の方向へ向いてしまったと。その結果、燕、吉田、分水は燕、吉田、分水で合併するのでしょうけれども、結果、西蒲原郡がなくなってしまう。西蒲原郡、この新潟県の穀倉地帯である蒲原平野がなくなってしまう。非常に悔しいことだ、悲しいことだとおっしゃられていた方がおりました。そして、この弥彦村は自立の道を目指すというようなことを言っているが、この弥彦山、弥彦神社を中心として蒲原平野をこの弥彦村が守ってほしいと涙ながらにその方がおっしゃられておりました。果たしてこの平成の大合併、よかったのか悪かったのか、結果は10年、20年先に出るのかもしれないけれども、弥彦村はこの蒲原平野を守ってほしい、そうおっしゃられておりました。
  そして、私もホームページを開いておりますし、直メール等々でも常にご意見を賜っているんですけれども、最近、村民の方だとは思うのですが、トーンがちょっと変わってきたんですね。というのは、恐らく弥彦村で商売されている方、弥彦村からお仕事に行かれている方、いろいろさまざまな方がいらっしゃるとは思うんですけれども、恐らく弥彦村に住んでいて、弥彦村からお仕事をなさっている方というような認識でもあるんですけれども、そのような方から、弥彦村はどうだこうだとやはり近隣の町村の方から言われると。私は直メールで、また合併云々の話かな、またおしかりのメールかなと思って読んでいったんですけれども、弥彦村が悪く言われることが物すごく悔しい。弥彦村は自主独立の道を歩んだ、これは村長を筆頭に皆さん議員さんも選ばれた。そして村民もある程度理解して、それについていこうとしている。その中で近隣の町村、一般の住民の方だとは思うのですが、弥彦はどうなんだというようなことを言われて、私は非常に悔しい。なぜなら、この弥彦村に誇りを持っているから、弥彦村を愛しているから。どうか自主独立でもやっていけるんだと、そう声高らかに言ってほしいというようなメールも来ておりました。
  激しい言い方をすると、そういうようなメールが1通来ておりまして、やんわかなメールの中では、それに近いようなことが最近、きのうの新生新潟市の平成の大合併、政令指定都市に向けてというようなことがあった、その前後だから皆さんの意識がまた合併に向いている、合併に関心が出てきているというような状況も見受けられるのですが、私の拝聴する中で弥彦村頑張れよと、西蒲を守れと、村民からも近隣の町村からも西蒲を守ってほしい、蒲原平野を、この新潟の穀倉地帯を守ってほしい。一般住民の方からも弥彦村は自主独立でやるんだよと声高らかに宣言してほしいというようなお話を承るようになり、風向きが変わってきているのではないかと、合併協議を中止して1年がたちますが、風向きがやや変わってきて、村民の意識も変化しているのではないかと思うような次第です。
  今後、弥彦地内での温泉掘削、そして住宅整備事業、私はその方にそういうふうに返信をしました。確かに今、行政が何をやっているの、議会が何やっているの、それはわからないです。議会広報を出します。広報を出します。それでも普通に生活している方はわからない。ですから私のところにいろいろな話が来て、私は今こうなっているんですよ、またそれが議会議員の務めでもあると私は思っておりますので、素直に純粋な気持ちで今こういうことを目指して頑張っています。弥彦村は自主独立で頑張れるように、それなりの覚悟を持って頑張っていますというような返信メールも送らせていただきました。
  今、3本柱に加えて、この2つの温泉掘削と住宅整備事業というのは村民、そして近隣町村の皆さんも非常に注目している事業の一つだと思います。村長の思いというものもあるとは思うのですが、私はきのうの、これがたまたまきのうで、きのうの新潟市の新生大合併で、そして今日一般質問というようなめぐり合わせがあるとは思うんですけれども、最後に村長より、現在の弥彦村への思い、私がお話ししたようなこと、そして村長だったらそのようなことを言われたらどうお答えしますかというようなことをお聞きしたいと思うのですが、お願いします。

●議長(花井温郎さん) 村長。

●村長(大谷良孝さん) 今ほど高倉議員から、昨日の大新潟市の誕生に絡めましていろいろなご意見をいただいたところでございます。まずもって大変力強いご支援のご意見でございました。大変ありがたく思っているところでございますが、大新潟市が発足いたしまして、2年後に政令指定都市を目指すということが言われております。これも現在の我が国における政令指定都市の中では今までにない田園型、そして分権型の政令市を目指すと、こう篠田市長も言っておられます。言ってみれば、一つの新たな実験がこれから大新潟市で行われる訳でございますので、私どもは大新潟市に隣接する村として、今後の新潟市の取り組みを興味深く、そばで拝見させていただきながら今後の弥彦村の発展にも寄与できるように一緒に頑張っていきたいと、そういう気持ちでございます。
  何といっても我が弥彦村は弥彦神社、弥彦山を有する県民のいわば心のふるさとと言われるべき聖地でございます。そういった我が弥彦村がこれから自立を目指して、さまざまな取り組みを今までもやってきましたし、これからもやっていく訳でございます。私は3本柱に新たな取り組みの2つの事業を今後絡めまして、真に自立できる村の構築に向けて精いっぱいの努力を重ねていきたい、こういう強い決意でございます。どうか高倉議員からもこれまで以上にご指導とご鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。

●議長(花井温郎さん) 1番、高倉榮議員。

●1番(高倉 榮さん) 今ほど真に自立できる村づくりを目指すという決意を村長よりお聞きいたしました。弥彦村は県民の心のふるさとなんです。だから近隣の町村の方も何とも思っていない、そうおっしゃられました。その方は泣きながら言っていました。蒲原平野を守ってくれ、弥彦村が守ってくれと。村長の決意を新たに聞きまして、私もその方向で決意新たにいたしまして、村民の皆様へもそのような質問が来た場合、自信を持ってお答えしていきたいと思う所存でございます。
  以上でございます。

●議長(花井温郎さん) 以上で高倉榮さんの質問を終わります。

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