●議長(花井温郎さん)
それでは、通告順に従い、最初に、高倉榮さんの質問を許します。
1番、高倉榮さん。
●1番(高倉 榮さん) それでは、始めさせていただきます。
平成17年6月定例会一般質問におきまして、弥彦村の将来像を模索する新たな施策を施行しようとする3本柱プラス2本柱という具体的施策に加え、弥彦村を誇りに思う心とふるさとを愛する気持ちをはぐくむという考え方の中で、具体的施策プラス精神的施策も必要であると私は認識の中で、弥彦村民の日の制定の意義を訴えさせていただきましたが、今回の一般質問は、私の考える2番目の精神的施策という概念のもとに、自治基本条例、すなわち弥彦村民憲法の制定作業を備えたい。また、自治基本条例の制定については、藤原議員よりも、平成17年6月定例会一般質問の中で、自治基本条例の重要性を訴えられ、調査検討の上対応したいと村長答弁にもあったが、あれから半年以上の月日が流れ、今現在の状況も気にかかるところではあるということを前置きとして、通告どおり、弥彦村民憲法の制定作業について一般質問を行いたい。
自立の道を宣言し、その動向が、新聞紙上も含めて村内外からも、もろもろの意味を込めて注目を集めているのは、周知の事実である。また住民の思いも、今現在種々さまざまではあるが、桜井郷史発刊等々、自分たちの地域を愛する、大事にしていこうという風潮があることも事実である。自分たちも決定について意見を言わせてもらいたい、意見を具現化してほしいという思いが芽生えてきたのも大きな潮流である。行政お任せ主義から抜けて、自分たちでこの弥彦村の将来を考えていきたいという住民がふえてきているという現実をまずは認識したい。私は、行政の基本は自分たちでつくりたい。自分たちの弥彦村だからこそ、自分たちで行政運営の一端を担いたいという形で、できることから住民がやろうという考え方は、これからの地方分権の時代の主権者としての正しい姿勢と考える。そのような機運が高まりつつある今こそ、行政だけではなく、弥彦村の将来を住民とともに考えるというスタンス自体を設計していくのだという、弥彦村の最低意義づけ作業、すなわち自治基本条例イコール弥彦村民憲法制定という作業が最重要であると考える。これからの地方分権時代に即応した行政を模索するとき、一般的な行政の一般的ないわゆる三段階計画。基本構想、基本計画、実施計画というサイクル概念は、これからの時代を生き
抜こうとする行政としての計画手法としては既に破綻していると考える。これからの地方分権時代の地方行政の目指す真の姿とは、地方自治体、すなわちこの弥彦村も例外に漏れず、国の代表制度とは違って、村長、議員は、住民から直接選挙される二元代表民主制をとっている。その結果、当然ながら村長、議員は、住民に対して直接の政治責任があるということも事実の中で、それらに加え、自治全般において、村長の持っている権限や影響力の大きさを考慮すると、村長並びに村長が統括する行政運営を、主権者である住民とともに行政運営を考えていこうという観点から、ルール化した自治基本条例を制定する意義は極めて大きいと考える。主権者である住民は、選挙のときだけ代表を選べば、あとは無関係にされてしまうのか。選挙が終われば、代表に任せておくことしかできないのか。請願、直接請求、住民訴訟等はあっても、日常的に住民が使えるか。答えはすべてノーである。これでは住民主権の地方自治行政は進まないと断言する。自治基本条例の制定作業を推進し、枠組みを整え、それを正常に運営してこそ、住民に対して具体的な責任を負うということはできるのではないか。
また、自治基本条例をベースにして、住民は行政を評価、監視等々、意見を述べたりもできるというシステムづくりこそが最重要であり、逆説的にいえば、自治基本条例の制定こそが、制度の情報公開へとつながり、行政尊重への信頼関係が高まる直接的要因になると確信する。私の考える自治基本条例とは、情報公開、住民参加、総合計画、政策評価、政策法務、財務会計はもとより、弥彦村の存在理由という理念と、その理念を具現化する制度と、制度を動かす原則を盛り込み、政策条例的側面と運営条例的側面を兼ね備え、行政と主権者である住民とともに歩むというスタンスの中で、より質の高い行政運営と政策活動を推進することを可能にさせることができる条例になると考える。住民、企業、団体、役場職員、議員、村長の6者が自治基本条例を共有することにより、政治に対する高い期待と安定感、安心感、そして求心力ある行政運営ができると確信する。
現在、自治基本条例を制定している自治体は全国で30弱。他に制定の準備をしているのは100前後。従来の自治システムに対し、根本からの見直し作業を行い、根底からの整備に力を入れ、それを活用することにより、住民や役場職員の知恵、活力を引き出そうと考える自治体こそが、これからの地方分権時代の新しいタイプの行政であるという認識の中で、自治基本条例を自主独立で生き抜こうとする弥彦村の最高条例と位置づけ、私たちの憲法という考え方の中で、弥彦村民憲法制定作業が必要であると確信するが、今現在の村長のお考えをお司いしたい。
●議長(花井温郎さん) 答弁を求めます。
村長。
●村長(大谷良孝さん) 高倉議員のご質問にお答えを申し上げます。
ご質問の弥彦村民憲法の制定についてでございますが、平成12年4月に施行されました地方分権一括法の制定により、国と地方とは対等、平等の関係となり、自治体は国の下部組織ではなく、より自立した地方政府として、その役割と責務が増大したところでございます。基本法として国に憲法があるように、自治体の基本法とすべく、自治基本条例を制定する自治体が昨今ふえてきている現状は、十分認識をいたしております。この自治基本条例は、自己決定、自己責任の原則に基づく自治の基本的部分において、国の法令に規定されておらないところで新たに自治体独自の条例により法的根拠を持たせるものでありますが、全国的には、北海道ニセコ町が平成12年12月に制定いたしましたニセコ町まちづくり基本条例を皮切りといたしまして、各自治体が自治基本条例やまちづくり基本条例などの名称で策定しており、県内におきましては、平成15年に柏崎市が柏崎市市民参加のまちづくり条例、旧吉川町では、吉川町まちづくり基本条例が策定されたところでございます。また、市町村合併が落ち着いた市町村でも、策定の動きが出てきたようでありまして、上越市では、本年6月の策定に向け作業を進めておるようでございますが、制定を義務づけられている条例ではないため、既に制定されている自治体を参考に、有識者、住民参加による検討会を設置し、個々の自治体で工夫しながら策定作業をされているようでございます。自治体で策定されたいずれの基本条例も、議員ご指摘のとおり、行政運営の透明化、行政責任の明確化、住民参加の3点を掲げて策定されているところでございます。今後本村の自立を確立していく上で、また、昨年3月、総務省が策定いたしました地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針におきましても、地方公共団体が中心となって、住民の負担と選択に基づき、おのおのの地域にふさわしい公共サービスを提供する分権型社会システムに転換していくことが求められておりますことから、そのような基本条例の制定も視野に入れていく必要があると考えております。現時点におきましては、私が申し上げております弥彦村自立の5本柱を着実に推し進めるために、積極的に住民の皆様と対話を続ける中で、行政の透明化、説明責任を果たしてまいりたいと考えておりますし、住民参加の点につきましても、事務事業の見直しと行政評価制度の手法を取り入れる中で、施策、事業を住民参加のもとで検討を重ねていくといった形で実現していかなければならないと考えているところであります。
自治基本条例は、現在推進している弥彦村第四次総合計画を初め、防災、子育て、教育、環境等、さまざまな計画の上位に立っ、いわば自治体の憲法ともいえる条例でございますので、十分に詳細、調査検討をいたしまして対応をしてまいりたいと思っております。何分のご理解を賜りますようお願いを申し上げます。
●議長(花井温郎さん) 高倉議員。
●1番(高倉 榮さん) ただいま村長から答弁がありまして、調査検討というお話をいただきまして、藤原議員のときと余り変わっていないのかなという思いもなきにしもあらずなんではございますが、まあ視野に入れていくというようなお話をされまして、自立を歩む弥彦村だからこそ、この自治条例の制定というのが必要になってくると思いますし、あとこれ問題によくされるところなんですけれども、これ先ほど村長答弁の中にもありましたが、平成12年の12月のニセコ町の逢坂誠二町長のもと、まちづくり基本条例、これは必ず必要だといって、お若い町長が自治基本条例の制定の際、非常に努力されて、憲法、日本国の憲法の92条、94条に関して不要論を唱える議員が、町長に食ってかかって、そして町長と不要論を唱える議員たちの間で論戦がされたというのは、全国の地方自治体の中でも、この議論に関しては、もう十分議論をされ尽くして、もうこれからは、やはり自治基本条例が必要なんだよという認識がされている。その前提の中で、これから何が問題なのかというのは、その策定の仕方。どのように自治基本条例を策定していかなければならないのかと。どの程度の住民参加を得ながら、どの程度村長なりがリーダーシップをとるとか、議員との意見を調整するとか、そのような具体的な方法論が、これからは問題になっていくのではないかと思う部分がありますが、村長としては、これから今すぐ私も制定せよとは言っていませんので、制定作業を開始した方がよいと。これから徐々にやっぱりそういう時代になっていく。地方分権の、村長答弁にもありましたように、地方分権の時代が、これからもっと強くなります。ですから、今後その制定作業を開始するとしたら、村長としては、どのような制定作業方法をとられるのかというようなことを、ちょっと聞いてみたいんですが、よろしいでしょうか。
●議長(花井温郎さん) 村長。
●村長(大谷良孝さん) 内部でも、真剣にいろいろな市町村の、先行されているところの資料もとりまして、内部の検討はするように、今指示はいたしておるところでございます。今、高倉議員おっしゃるとおり、私も弥彦村の憲法ともいうべき自治基本条例の制定は必要だと思っております。先ほども申し上げましたが、今、五つの柱をそれぞれ着実に実行しているところでございまして、ことしの上半期を終われば、ある程度のきちっとした見通しがつくのではないかなと思っているところでございますので、それを待ちまして、実際にそれの着手をすることができれば大変いいのではないかなと思っております。今はそういうことでございますので、五つの柱のそれぞれの見通しをきちっと、ことしの上半期につけまして、本当の意味での自立のための自治基本条例の制定に向けて、積極的な取り組みをしていきたいなと考えているところでございます。
●議長(花井温郎さん) 高倉議員。
●1番(高倉 榮さん) わかりました。上半期の終了後、着手していきたいという村長答弁いただきましたので、是非取り組んでいっていただきたいと思います。
それでですね、これ自治基本条例と、これ民間の、自治基本条例とは言わないんですけれども、これ私も、日経新聞等いろいろ出ていましたし、非常に興味を持って見ていた会社があるんですけれども、これ当初よりも7年早く会社更生手続が終結したというような会社がございましてね。それは会社名もあれですけれども。ここで、従業員とともに作成した新しい社訓。ここでいう自治基本条例とは言いませんけれども、そのようなものを作成して、いわゆる精神的施策と会社組織の徹底した再編成ですよね。今これも弥彦村やろうとしていますよね。具体的施策を含めて、決して縮小ではない、徹底した各所からの評価システムの導入をして、リストラよりも給料を下げて雇用を確保。パートを含むという経営戦略が、従業員の潜在能力の呼び起こしと、当初よりも7年早い会社再興という原動力になったという会社がありましたね。ことしの1月1日に新生何々と宣言して、社長みずからが、これ全従業員にあてた文章をちょっと紹介したいんですけれども、本来は非常に長い文章なんですが、第2章の部分の抜粋を紹介させていただきますと、「新しいパワーとお客様第一主義を実現する継続力」と題された一文なんですが、「我々は文字どおり新しく生まれ変わった○○として、すべての職場において、○○は変わったと感じていただけるよう、一人一人がお客様第一主義に徹し、お客様との直接対話を通して、生の情報をつかみ、みずから考え、みずからの責任で行動し、さまざまな課題に対してスピードを上げて全力で解決し、みずからが新たな00の成長戦略を描いていくのだという決意を、全従業員で確認したいと願う」というような、全従業員に向けた社長からのメッセージが出たんですけれども、私は、この「お客様」を「住民」に置きかえて考えたときに、まさにこれが行政が求められていることではないかなと。凝縮されている文章の一文なのではないかなと思う部分もありますので、私は弥彦村経営、要するに企業センスも取り入れながら努力していっていただきたいなと思う部分がございますので、あえてちょっと発言させていただいたんですけれども。
そして、最後の質問になりますけれども、今ほどの、企業であれば、全従業員は、全従業員や、いわゆる企業努力により、多くのお客様と直接な対話も可能と考えられる部分もありますけれども、行政となると、一部の住民の生の声もしくは住民代表という考え方で、議員の意見は聞けたとしても、より多くの住民よりの声ということになると、100%すくい上げられるのかという部分もございます。今取りざたされている住民アンケートとは別の認識であるということは前置きをしておいて、この自治基本条例を制定していくということに関しては、やはり最も重要な住民主権、住民主権の観点という純粋な気持ちの中から、全住民の行政に対する直球の意見として、住民投票権という権利の概念がやはり出てくると思うんですよね。その権利の概念を盛り込んでいくか否かという基本的な、上半期終了後着手していきたいという村長の思いの中に、その権利の概念を盛り込むか盛り込まないかという基本的な考えがあるか、お伺いしたいと思います。
●議長(花井温郎さん) 村長。
●村長(大谷良孝さん) 今のところ、そこまでの詰めた認識はいたしておりませんが、今後、先ほども申し上げました上半期の動向を見ながら、すべての面を考えながら進めていかなければならないと思っておりますが、是非その過程においても、高倉議員の持っておられるお考え方、見識等をぜひおかしいただければなと思っているところでございます。 以上で終わります。
●議長(花井温郎さん) 以上で高倉榮さんの質問を終わります。
|