第2章 ジェノバの能力 1.変身・幻影
ジェノバは幻影を作り出し、変身能力も持つ。
『FF7解体真書』には「他人の記憶にあわせて自分の姿、声、言動を変化させる能力……運搬船で現われたセフィロスは、ジェノバ本体のこの能力の産物なのかもしれない。」とある。
過去にセトラを滅亡へと追い込んだのもこの幻影・変身能力によるものであり、クラウド達が行く先々でセフィロスを目撃し、または目撃談を聞くことになるのも、ジェノバのこの能力によるものである。
また、『Vジャンプ』には「変身能力は動物でいう擬態」と記されている。
裏付資料
「その時、そのものは現れたのです!
その姿は、亡き母の…亡き兄のものでした。それぞれに過去の幻影を見せるのです」
(イファルナ・アイシクルロッジのビデオ)
「他人の記憶にあわせて自分の姿、声、言動を変化させるのはジェノバの能力だ」
(セフィロス・竜巻の迷宮)
「変身能力は動物でいう「擬態」」
(『Vジャンプ 37回FF闘技場』)
2.ウィルス
ジェノバはウィルスを保有し、それを他の生物に与えモンスター化させる能力を持つ。
一方、神羅(宝条)がニブル魔晄炉で製造していたモンスターは、人間に高密度の魔晄を浴びせたものである。残念ながらこの人間にジェノバ細胞が投与されたかどうかは不明だが、魔晄炉内にジェノバルームがあったことからも、その可能性は否定できない。
ジェノバは対象にとって身近な者に変身して近づき、ウィルスを与えてモンスター化させる狡猾な生命体だ。
しかし、なぜセトラをモンスター化させる必要があったのか?
第1章で述べたように星の上にあるもの全ての生命力が星を癒すエネルギーになる。セトラを殺してしまうのはエネルギーを吸い取る上で得策ではない。モンスターにさえしてしまえば害はなく、むしろ安定したエネルギー供給源となるのだ。
裏付資料
「その者は親しげな顔でセトラたちに近づき…あざむき…そして……ウィルスを…ウィルスを与えたのです」
「ウィルスに侵されたセトラたちは心を失い……そしてモンスターと化しました」
「その者は、ノルズポルと同じように別のセトラの部族に近づき………
そしてまた…ウィルスを……」
(イファルナ・アイシクルロッジのビデオ)
「魔晄のエネルギーが創り出す異形の生物。それがモンスターの正体」
(セフィロス・クラウドの記憶)
3.リユニオン
宝条によるとジェノバは身体をバラバラにされても再結合する能力がある。これをリユニオンという。しかし、これは宝条自身が言っているように「仮説」でしかなかった。
第1章で述べた通り、2000年前の地層から発掘された時、ジェノバは仮死状態であり、ジェノバ・プロジェクトの研究媒体となっている間も仮死状態であったと思われる。
ではジェノバが活動をはじめたのはいつか?
ジェノバがリユニオンをはじめたのは神羅ビルからジェノバの胴体が消えた頃、クラウド達がビルに囚われていた時と思われる。宝条の「リユニオンの始まりを私は待った。5年がすぎ……コピーたちは動き出した」という言葉からも、この時期にリユニオンがはじまったのはあきらかである。
ジェノバの身体は、セフィロスにもがれてライフストリームに落ちた首、ミッドガルの神羅本社ビルに保管された胴体、ソルジャーやセフィロス・コピーに移植された細胞に分割されている。
これらの部位がリユニオンによって再結合されるわけである。
宝条は神羅ビルに保管されたジェノバの胴体の元に他の部位が集まってくると思っていたようだが、その予想は外れ、胴体をはじめ、ジェノバ細胞を持つ者達は大空洞へと向かった。
その大空洞で待つのは何か?
セフィロスである。
セフィロスはジェノバの首と共にライフストリームに落ちた。『FF7解体真書』には「セフィロスがライフストリーム落下時にジェノバの首を手にしていたことにより、その後のリユニオンの終結地点が決まることになった。」とある。
これを信じるとリユニオンは首を元として成されたことになる。
しかし、宝条は「ジェノバのリユニオン仮説は証明された」と言った後で、「セフィロスの意志はライフストリームで拡散することなく、セフィロス自身としてコピーをあやつりはじめたのだ」とも言う。
これはリユニオン仮説に矛盾しないだろうか?
セフィロスの意志がコピーを操り、自分の元に導いていたとするなら、ジェノバのリユニオンは関係ないとも思える。
セフィロスがコピーを操っていたことの裏付として、竜巻の迷宮に出現するセフィロス(の姿をしたもの)の「我らの役目は黒マテリアを主人のもとへ運ぶこと」という言葉がある。
「我ら」とは「ジェノバ細胞を持つ者たち」であり、「主人」とは「セフィロス」のことである。
また、クラウドの「俺、セフィロスを追っていたんじゃなかったんです」「セフィロスに呼ばれていたんです」という言葉からもセフィロスがコピー達を操っていたのは事実である。
一方また、そのクラウドも「ここはリユニオンの最終地点」と言っている。
これはいったいどういうことか?
ここからは私説だが、コピーを操っていたのは確かにセフィロスの意志だろう。
しかし、神羅ビルの胴体はどうだろうか?
セフィロスの目的は黒マテリアを手に入れることであり、ジェノバ細胞の結合ではないはずである。それはセフィロスの傀儡がセフィロス・コピーを斬っていたことからもわかる。胴体の移動はリユニオンによるものと言えないだろうか。
いかにセフィロスといえど幻影を見せたり変身することはできない。先に述べたように幻影・変身はジェノバの能力である。セフィロスはジェノバの能力、リユニオンという性質を活用して、黒マテリアを手に入れようとしたのではないだろうか。
「空から来た厄災」ジェノバもセフィロスの強靭な意志の強さの前に屈したと言えるのかもしれない。
※補足
クラウドがセフィロスの元に辿り着いたのがリユニオンだったとしても、ライフストリームに飲まれたジェノバの首がセフィロスと共に大空洞にあるという確証はないし、セフィロスの意志だったにしても、ジェノバの能力を持ってすればまるでセフィロスが自分の意志でコピーを操っているように思わせることは可能なのだ。
極論すればこの辺はシナリオの穴と言えなくもない。
本稿では辻褄を合わせることを最優先させたため、上のような結論になった。
ジェノバに関してはまだまだ考察の余地はあると思われる。
裏付資料
「……リユニオンの終着点。……みんな集まれ、か」
(宝条・ハイウインド)
「ここまでだ!」
「そう、ここまでだ。この身体の役目はな」
「我らの役目は黒マテリアを主人のもとへ運ぶこと」
「……我ら?
「ジェノバ細胞を持つ者たち……」
「主人は……」
「もちろん……セフィロス」
(セフィロスの傀儡・竜巻の迷宮)
「ここはリユニオンの最終地点。すべてが終わり、また始まる場所」
(クラウド・竜巻の迷宮)
「ジェノバ細胞と魔晄、それにくわえて私の知識、技術、ひらめきが生み出した
科学と神秘の生命、セフィロス・コピー」
「失敗作だというのが気に入らないがジェノバのリユニオン仮説は証明された」
「ジェノバは身体をバラバラにされてもやがてひとつの場所に集結し再生する。
これがジェノバの『リユニオン』だ」
「リユニオンの始まりを私は待った。5年がすぎ……コピーたちは動き出した」
「ミッドガルに保管されていたジェノバのところにコピーたちは集まってくるはず……」
「しかし、私のこの予想ははずれた。そればかりか神羅ビルのジェノバも移動を始めた」
「……私は天才だ、すぐにわかった。セフィロスの仕業だ」
「セフィロスの意志はライフストリームで拡散することなく、
セフィロス自身としてコピーをあやつりはじめたのだ……」
(宝条・竜巻の迷宮)
「宝条のセフィロス・コピー計画というのは何のことはない、
ソルジャーを創るのと同じやり方でしかなかったんだ」
「ソルジャーは魔晄をあびるだけじゃない」
「実は、体内にジェノバ細胞をうめこまれた人間なんだ……」
「良くも悪くも心が強い人間はソルジャーになる。ジェノバのリユニオンも関係ない」
「でも、弱い人間は……俺のように簡単に自分を見失ってしまう」
(クラウド・ハイウインド作戦会議室)
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