2000年夏、20世紀夏最後のナラカズヲ青森LIVEツアー。
その第1弾 イオン下田でのLIVEが始まった。思えば自分
が始めてナラさんと出会ったのも今日の会場と同じイオン
下田だった。あの日は1人の観客としてLIVEを観じていた
が、あの出会いから1年4ヶ月経った今日はナラ側のスタ
ッフ(もどき)としてLIVEを見つめていた。
午後3時からの第1回目に先がけ、座っている人たちにチ
ラシを配る。皆断る事無く受け取ってくれてはいるが、自
分のココロには少々の不安感が残った。
こういう場所では音楽を聴くために訪れている人は非常
に少ないからだ。座っているとはいえ、ただ休憩している
だけの人もいるだろう。
自分の勝手な不安はさて置き、チラシをひとまず配り終え
程無くしてLIVEが始まった。
実に8ヶ月ぶりとなる青森でのナラLIVE。その1曲目「君
の声がききたい」。昨年10月に新曲として披露されたこの
曲。デモレコーディングでの新たなバージョンを
シンプル
にギター1本で歌い上げる。前回よりも唄の力が増してい
る。歌い終わると同時に大きな拍手。なかなか好感触を
得たようだ。
「今日は土曜日ですが「日曜日」という歌を聴いてください
。」というMCで始まった「日曜日」ブルースハープによって
演奏がキリリと引き締められる。
次第に立ち止まってLIVEを観ていく人も増えてきた。
ブルースハープでの長いソロが続く。そしてギターカッティ
ング。フェイク。次第にこの空間をナラカズヲの世界へと染
め上げていく。「真っ赤なゼリー」
CDよりも速くハイテンションな演奏。エンディングも普段よ
り長め。全身全霊を注ぎ込んだ唄に観客から歓声が上が
った。
ふと気付くと2階の手すりにもたれかかりLIVEを観てる
人が増えてきていた。
続いて「歩く男、朝陽を目指す」。バンドでの演奏ではイ
ントロにフルートが使われているが今回のソロではカズ
ーが使われた。一つの間奏にカズーを吹いたりコーラス
も、とやるから非常にあやふやな感じが残った。
演奏・唄の良さよりも、どちらかに統一した方が良いな、
と いうことが曲後強く残った。
今後のライブスケジュールを話した後、「僕らの日々」。
最近この曲の良さを再認識したところ だったのでこの選
曲は非常に嬉しかった。やはり何度聴いても心に染み
てくる。この曲は結構観客の反応が良く、実に良い表情
をしている人が多かった。
特に、ある1人のおばあさんが実に良い笑顔で聴いてい
たのが今でも心に焼き付いて離れない。
そして、「東京ラブソング」最初の方で歌詞を間違いそう
になるが、力強く歌い上げる。エンディングは長く激しいス
トロークが続く。ステージを右へ左へと動き回る。
ラスト、「夜を越えて」。文句の付けようの無い演奏・唄。
ポップかつ暖かな曲・詞は、まさにナラカズヲ独自の世界
と言えるだろう。
ステージ近くのエスカレーターに乗っている人たちも皆ス
テージの方を注目していた。
いい雰囲気の空気を残し1回目のLIVEはこうして終った。
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